お天気ニャンコが今日も征く   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 お婆ちゃんの知恵袋。


晴れの日

 

 

 吾輩はネコである。

 いと賢きネコである。

 それはそれは賢きネコである。

 

 吾輩は空を見上げて、大きくノビをする。

 

 ふむ、真っ白で柔らかな積雲がちらほら。青い空に浮かぶアレは、きっとふかふかなのだろう。吾輩は密かな夢として、空に浮かぶ白い雲に乗ってみたいと思う。

 

 中々にどうして、本日は良い空模様ではないか。

 

 吾輩はヒゲを()()と伸ばし、胸を張って寝床を離れて見回りに向かう。縄張り内におる他のネコ共に、1度は顔を見せておかねばならぬ。吾輩はこの辺りの土地のボスであるから、必要な仕事である。

 

 これは自慢ではないが、吾輩はネコの中でも()()()()に賢きネコである。そして調和を貴び、争いを避けるネコである。それ故に、吾輩の縄張りは他に比べて穏やかなネコが多く住んでおるのだ。そのせいか、ネコがネコを呼び、またネコが住み着くのである。

 吾輩もそれを許しているのだ、別に吾輩だけの土地としても良かったのだが、吾輩はあの老体の世話も焼いてやらねばならぬから、この縄張りを更に分け、それぞれを他のネコに任せて管理させる事にした訳だ。コレが上手く行き、吾輩は見事縄張りの管理と老体の世話の両立を確立したのである。

 

 このやり方のせいか、吾輩の下へ来れば狭くとも縄張りが持てると言われて、ただでさえ多いのにまだまだネコが集まってくる。中には吾輩が驚く程に力の強いネコや、吾輩には及ばぬもののそれなりに賢きネコ、何故わざわざ吾輩の下へ来たのか理解出来ぬ様な()()()()なるものを持ったネコまで居る。

 

 まぁ、ソヤツらが居て困る事も無いか。

 …困りはしないのだが、ソヤツらであれば己で縄張りを持てるだろうに、よく分からぬネコ共だ。

 

 

 いつもの様に吾輩は歩く。それぞれのネコに任せている縄張りに異変がないか、聞いて周るのだ。顔を見せ、何か変わりはないかと問うて周るのだ。別にあった所で吾輩は構わぬのだがな、日課というヤツである。

 

 ふむ、気付けば吾輩の後にネコが集まっている。吾輩を慕うネコ共である。別に着いてくるなとは言わぬが、着いてきた所で面白いものは見せてやれぬがな。好きにすれば良い、吾輩は他のものの行動をどうこうしようとは思わん。

 

 

 あぁでも、コレは言っておかねばならんな。

 

 もの共よ、今日の『わたぐも』はふわふわである。

 明日くらいまでは良い天気であろう、とても良いひなたぼっこ日和である。気持ちの良い場所を巡り争うでないぞ、それで怪我をしても吾輩は助けてやらぬからな。

 

 

 

 

 





 ネコと和解せよ。
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