ウマ娘の世界でウマ娘たちがカードゲームになったら 作:ブルーペッパー
運営・開発の想定を外れて早々にビート一強となってしまったUCG。
この対戦環境にメスを入れるため当初の新規カード開発の予定は大きな変更を余儀なくされた。
公式からそういった表明は無かったが、第二弾のカードリストを見ればそう考えるのも致し方なかった。
UCG 拡張パック第2弾 『Winning Road』
トウカイテイオーを筆頭に、新たに十五人のウマ娘がカードとして登場した。さらにレース場として新潟、福島、中京が追加。さらに新規サポートカードも実装された。
枚数だけなら初弾と同等数。だが、性能を見れば明らかにビート系のカードが少ないことが分かる。
一方で軽量で使い勝手の良いターボ系、コントロール系のカードは多く、明らかに公式はビート系の成長を抑え込んでいた。
ビート系のゲームスピードに対応できるよう他の二系統のカードに重きを置いた新パック。早々なテコ入れにプレイヤーたちは苦笑いするしかなかった。
が、こういった変革はプレイヤーも求めていたものではあった。一強状態もミラーマッチも面白いが、やはり対戦環境は群雄割拠が望ましい。
運営の求めに応えるように、プレイヤーたちも新たなデッキ構築を練っていく。
そして拡張パック第3弾『Triple Crown』の発売を以て、その試行錯誤は実を結んだ。
Tier1 ルドルフコントロール
皇帝戴冠。軽量のコントロール系カードが増えたことでビートデッキへ対応が可能となり、全環境でTier3に甘んじていた構築が堂々と環境トップに君臨した。
初期の構築済みデッキに入っているSR『七つの冠を戴く/シンボリルドルフ』の性能は三弾までパックが出てもなお上位に位置するパワーカード。ビートによる序盤の猛攻を捌き切り、主導権を握った終盤から君臨する皇帝でレースを三勝してゲームエンドに持ち込むという戦術は脅威の安定を見せた。
以降メタゲームが移りゆく中でもルドルフコントロールの構築はコントロールデッキの基礎とされ、カードプールの変遷とともに主軸を入れ替えながらも環境で生き長らえることとなる。
Tier2 マルゼンビート、ターボテイオー
完全な三すくみとはならなかったが、公式が想定した基本デッキタイプが上位に並ぶこととなった。
マルゼンビートは前環境から目立った強化は無かったものの、そのゲームスピードは未だ脅威であり、作りやすさから変わらず新規層の入り口となっていた。
ターボテイオーは第2弾に収録のSR『最強へのステップ!/トウカイテイオー』と、初期の構築済みデッキに入っているSR『葦毛の怪物/オグリキャップ』を二本柱としたデッキ。増強されたターボ系カードによりビートデッキにもコントロールデッキにも十分対抗できる速さで大量のリソース確保を可能とした。
素早いビート型にはオグリキャップが追いつき、終盤の強さを見せるコントロールにはトウカイテイオーの一撃が重く突き刺さる。さらに有馬記念を展開した状態でサポートカードVR『中山の奇跡』によるスピードバフは万全のルドルフにも対抗できた。
Tier3 バクシンビート
なぜまだ留まっているのか。前環境から安定性を捨てて赤マルゼン以上に速攻へ尖らせた構築であったが、新弾によりさらに速度を尖らせていた。
通らば勝ち、防がれれば負け。開始数ターンでゲームエンドが確定するその極端なスピードに心酔したファンも多くいた。
3弾までで広がったカードプールにより、環境にこそ入らなかなかったが多くのデッキタイプが生まれた。
メジロ家のウマ娘たちを中心に構築した『メジロ家コントロール』、
バクシンビートの軸を他のスプリンターへ変更した各種『スプリンタービート』、
永世三強を軸とした『永世ターボ』、
公式大会に出れるようなガチデッキ、コンセプトを楽しむ用のファンデッキ。観客がレースに夢を見るように、プレイヤーの夢がデッキにのせられ、UCGはさらに広まっていく。