5月、ジオン公国軍、中東侵攻であるトライデント作戦及びジャベリン作戦開始。28日にテルアビブのアラビア地域最後の連邦部隊壊滅を機にドバイの末裔であるマハディ・ガーベイを首班としたアラビア首長連合が連邦政府より独立を宣言しジオンと同盟を締結。残る中東地域の連邦軍は敗走。
ザフト軍、台湾島に降下。高雄のマスドライバー基地制圧。
ジオン、東南アジアの独立派と交渉しニューギニア東部シンブ州に現地反連邦勢力からの借用の名目で基地建設を行う。ジオン、現地反連邦組織とプラントの仲介を行う。東南アジアの独立区分は旧国境線に則る形だが、独立勢力の主張もあり、さらに細分化される模様。
また、東南アジアの独立派の支援を目的とした「赤作戦」を発動し、島嶼部の拠点に支援のための戦力が集まっていた。
ジオン海軍が結成。地中海及び北海、北太平洋沿岸、北大西洋沿岸に展開する。
ツィマッド社のドムキャノンが正式に採用され量産が開始される。
フラナガン機関が本格的に始動。強化人間等、深い部分でのニュータイプ研究が行われる。
ギニアス・サハリン技術将校、アプサラスの地上試験の為に配下と共に地上に降下。
ギニアスのアプサラス地上試験はサハリン家を挙げたもので、ギニアスの妹アイナや実質的なサハリン家家宰のノリス・パッカード大佐などサハリン家の関係者の大半が地上に降りることとなった。
サハリン家の出征パーティーにはギレン父娘も出席していた。
ギニアスはノーマに話しかけられた際に興味深いものをもらう。
「ギニアス様、私フラナガン機関にも関わっていますの。」
「えぇ、それは存じております。」
「これを…」
「これは…!?」
「MAN-03ブラウ・ブロ。機体本体から有線で制御されるメガ粒子砲塔を射出してオールレンジ攻撃が可能。閣下はアプサラス計画と言う謂わば超大型MAのパイオニア。閣下にはアプサラス計画完遂後、超大型NT用MAの開発を依頼したく思います。」
「大変光栄なお話ですが、私はNTの知識は生憎。」
「えぇ、それはわかっていますわ。」
「NTに関してはフラナガン機関の私の派閥が協力しますわ。」
「それは…アプサラス計画を完遂すれば。わたしも手隙になるでしょうから喜んで協力させていただきます。」
ギレンは地上の反地球連邦組織を今大戦のキーパーソンの一つと見ており重要視していた。
MS以外の地上戦のノウハウ、生の感覚などはジオン地上軍にとっては貴重な知識であった。また、現地民の協力を得たことで連邦側のアドバンテージであった地の利を得ることとなり連邦の優位性を奪った形になった。反連邦組織は今大戦以前から戦闘を続けている者たちも多く博物館レベルの旧式であってもジオンが保有していない基礎を抑えた航空機や戦闘車両を保有しておりドップやマゼラアタックの様な素人が見ても何かが違う機体の問題点の解決につながった。
アフリカ方面司令であるノイエン・ビッター大佐はアフリカ民族解放戦線内の各勢力の指導者たちとの懇談会を開いたりして現地民との融和政策を推進している。
ジオン公国の方針としてアフリカにおけるジオンの領地は全てアフリカ暫定政府である民族解放戦線からの租借地であると明言しており、キンバライト基地等のいくつかの重要拠点は購入交渉中もしくは購入済みであったりする。ただし、アフリカが大陸国家としてまとまることはないと踏んだギレンは戦線内のリーダー各個が大中小様々な国家として独立すると予想しており、そうした考えがノイエン・ビッター大佐のアフリカ民族解放戦線に対する姿勢に現れていた。逆にアラビア首長連合はムスリム連合として強くまとまっている。
旧サウジアラビア王族のアルマンド・ビン・アブドマーンら諸国旧王族を中心とする王党派と彼らの金庫番であったガーベイ家と言う二つの派閥で成り立っているが対立関係ではなく連邦成立後市井に沈んだ王族たちを今まで守り抜いた忠臣と言う立場をガーベイ家は崩しておらず、王党派も忠臣ガーベイ家の呼びかけに応じた形になっている。連合形式をとっているが市井に沈んでいる間に王族の血が薄まっており、ガーベイ家主導で王族間の婚姻が多く結ばれており血統の維持が至上命題となっている。血統保持の優位度的には旧サウジ王族が奇跡的にも青い血の純然たる保持に成功しており、将来的には旧サウジ中心の王政もしくは立憲君主制になると思われる。また、ガーベイ家は宰相家になると思われる。
アラビア首長同盟はムスリム圏内のアフリカ勢力との合流は消極的で、それはアフリカ系の独立姿勢がアラビア・ムスリムと統一国家形成の妨げになると考えているからである。
すでに纏まりを見せているアラビア首長連合と早々に自身の領分を取り決めて緩やかな連合として独立したアフリカ民族解放戦線の諸勢力、どちらが共栄圏加盟第一号となるかはギレン自身も注視していた。
「ギレン閣下、地球の反連邦組織の独立支援相手。あまりにも多すぎませんか?その費用を軍に充ててはいかがでしょうか?」
「兄貴、俺もキシリアの意見に賛成だ。あんな、木っ端勢力に金を出すなら軍に回してくれ。」
「ふっ。連邦と戦うなら地の利を持っている彼らとの共闘は戦略として間違ってはいないはずだ。それに彼らは腐っても武装勢力。ある程度の武器と金を与えれば積極的に連邦と戦ってくれる。体の良い傭兵ではないか?そして、彼らは金で縛られる傭兵と違い土地に縛られている。士気は我々と同等かそれ以上ではないか?盾役には持って来いではないか。それに反連邦組織と言っても彼らはアースノイドだ。不法であろうとも地球市民だ。地球連邦から肉を削ぐことができる。地球からも我々に味方をする勢力が現れたわけだ。開戦当初は30:1と言われていた差はいかほど縮んだかな?連邦からアースノイドの心を引き剝がすのだ。その為にも彼らには例えわずかな間でも独立して自由を手に入れると言う甘い夢を見せなければならん。そしてジオンは彼らにとって正義の立場になった方が都合が良かろう。」
「連邦から国力を引き剥がし、ジオンに付けると言うことですか。わかりました、私は兄上に従いましょう。」
「分割し統治せよ。だよ。」
キシリアは引き下がり、ドズルの出方を見る。
「ドズルよ。戦争は正面から直接殴るだけが能ではない。無論、軍を軽視しているわけでもない。後で、細かい話は聞いてやるから、ここは兄の顔を立てろ。」
「……わかった。」
二次会合をすると言うキシリアを蚊帳の外にした二人の発言に眉を顰めたが、キシリアも言及せずにモニター会議は閉会となった。ドズルとギレンは軍の会合と言う形で後に意見交換を行い。ドズル派の将校たちを説き伏せたうえでドズルにも了承させた。
6月
地球での戦闘はジオン軍総帥府の思惑通りとまではいかなくともおおむね順調であった。モビルスーツを持たない連邦軍は61式戦車や対MS重誘導弾を装備した歩兵でザクに挑み、大損害を出し、欧州方面での連邦軍の抵抗はゲリラ化した。連邦軍欧州方面軍が完全に壊滅したのは6月下旬だった。連邦軍は北欧に拠点を移して抵抗を続けている。欧州方面軍はロシア方面においてはウラル山脈手前まで手中に収めている。東アジアでは反連邦ゲリラ支援のために少数が降下して現地ゲリラと共闘している。アフリカではジオン軍が各地に鉱山基地や拠点を構築し、アフリカ民族解放戦線との共闘体制を確立している。ただし、アフリカの主導権は現地勢力に譲っているため大陸から連邦軍を全て駆逐するには至っていない。
アラビア首長連合、アフリカ民族解放戦線(すべての組織のリーダー)と共栄圏参入の合意書に調印。サイド共栄圏に地上勢力が加盟。以降は単に共栄圏と呼称される。
現在、ジオン公国(サイド3)、ザーン(サイド1)、ムーア(サイド4)、ルウム革命政府(サイド5)、
サイド1の鉱物資源衛星パラオの維持の為にジオン公国による資金援助の下、共同管理となる。ジオン軍駐留。
サイド3宙域へ鉱山資源衛生キケロの牽引が行われる。
L2とL4の間に小惑星ペズン及びダモクレスの配置完了。要塞牽引作業には他サイドの艦も雇われて参加している。
7月
アラビア首長連合に旧イラク系とアフガニスタン・パキスタン系の一部が合流。クルディスタン行政区を設けることでクルド系を吸収する。
共栄圏、モロ民族解放戦線を旧フィリピン・ミンダナオ島の正式な国家モロ共和国として国家承認。旧タイ王国の王党派と旧タイ南部およびマレー半島北部の独立派がタイ王国とパタニ王国として国家承認。旧ミャンマー領域にて支援していたラカイン独立軍、タアン民族軍、独立カチン族軍、タアン独立同盟等の独立派が北部同盟を結成して、ジオンの支援を得て北ミャンマー連邦として独立。また、コンバウン王朝再興軍、カレン民族解放戦線、カレンニー郷土愛国隊が南部にて古の旧王朝の復活を宣言しコンバウン王朝南ビルマ王国として独立した。
また、欧州方面軍ユーリ・ケラーネ少将はテュルク系民族の独立を認めトルキスタン地域の大半を任せる形でトルキスタン共和国の国家承認を行った。