Gジェネレーションズ ギレンの野望    作:公家麻呂

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15 オデッサの激戦②

 

18日

ジオン・ザフト大西洋連合艦隊、カサブランカ沖合にて地球連邦艦隊に敗北。連邦海軍に地中海侵入を許した。この戦いには連邦のエース、ジェーン・ヒューストンのディープフォビドゥン及び試作機フォビドゥンブルーの部隊が戦力の要として投入され機体性能の差もありジオン・ザフトの水中MS部隊を追い詰めた。それ以外にも水中用MSドーシート、アクア軽キャノンが投入されている。

 

バルトフェルドが抜けたザフト軍はイベリア半島及び北アフリカ地域の多くで守り切れず敗退。

ザフト軍残存部隊はアフリカの残存ザフト領域およびジオン軍基地に合流を求めた。ジオン軍と合流し防衛線構築。失陥した地域にはスエズも含まれ、ジオンとスエズのプラント及びアラビア首長連合の分断の危機に際しジオン・アフリカ方面軍はスエズにアラビア側からはロンメル軍団を差し向けた。

 

「ふむ、一時でもスエズを抑えたのだ。連邦の将として義理は果たせたな。後退だ。ゆっくりと…な。」

 

エルラン中将は乗艦のビッグトレー級マルケッティアをゆっくりと後退させ始めた。

 

「ジュダック。約束通りの動きだ。」

「はっ!マ・クベ大佐が動いてくれるはずです。」

「後は暫く趨勢を見守っておこう。」

 

 

 

ユーリ・ケラーネ率いる欧州方面軍主力はトルキスタン共和国と共にロシアからの侵入部隊に加え中国ルートの敵部隊にも応戦する形で戦線を広げていった。ジオン側ではロシア・中国側からの侵攻部隊を第三集団と呼称している。

 

オデッサ作戦はここに至るまで連邦優位に進んでいた。

ここで戦況を逆転するターニングポイントの一つが動き出す。ジオンでも総帥府や方面軍司令と言った極一部しか知らないラサ秘密工場基地があった。

連邦軍はその存在を全く把握しておらず。ただの廃墟として素通りしてしまったのであった。コジマ大隊及びイーサン・ライアー少将の師団は東南アジアのジオン及び同地域で独立した国家に続く独立派に注意が行っており西部のジオン秘密基地に気が付けなかったという経緯があった。

 

そこで、基地司令兼新兵器開発責任者であったギニアス・サハリン親衛隊技術少将(ギニアスは開戦後親衛隊付きになっていた)はほぼ完成していたアプサラスⅢ及び戦闘が可能であるアプサラスⅡでもって連邦軍の背後を突きユーリ・ケラーネ率いる欧州方面軍と挟み撃ちにして連邦軍を撃滅しようと考えた。ギニアス付きの実質的な戦闘部隊の統括責任者であったノリス・パッカード大佐も予告なしではあったが挟み撃ちにできればユーリ・ケラーネ将軍が挟み撃ちの意図を察知し対応してくれるはずと予測し、ギニアスの指示に従った。

 

「ノリス、この基地の全戦力を以て連邦軍をユーリの軍団と挟み撃ちにする。アプサラスの力をここで示して私を見出してくれたギレン閣下の御恩に報いよう。」

「はっ!」

 

「アイナ、兄に協力してくれ。」

「はい、お兄様。」

 

サハリン兄妹のアプサラスⅡ・Ⅲ、それを護衛するグフ・フライトタイプやフライトユニット装備のグフ、ド・ダイYSに乗るザク、ザンジバル級ケルゲレン。

アプサラスの足元を守るのはノリス大佐率いるMS部隊。

 

「な、なんだ!?うぉわああああああ!?」

 

文字通り山を貫く火力を持つアプサラスⅢとそれに次ぐ火力を持つアプサラスⅡの一撃を受けたイーサン・ライアー少将のビッグトレー及び周囲の陸上戦艦は粒子の光に飲まれ文字通り消滅。

 

「はっははははっははは!!!見ろ!!これがアプサラスの、私の技術の力だ!!」

 

ギニアスは壊乱する連邦軍を見て狂喜乱舞していた。

 

「こりゃ、すげぇ。もう、アイツのことを技術屋と馬鹿に出来なくなっちまったな。」

 

遠目に見ていたユーリ・ケラーネ少将は呆気に取られつつ呟いていた。

ギニアスはこの戦域の責任者であるユーリ・ケラーネ少将と形式的な通信を開き、自分たちは西欧と西アジアから迫る連邦軍を相手取る為にオデッサへ向かう旨を伝えた。

 

 

 

18日~19日

ジーン・コリニー大将率いる連邦軍第二集団はアラビア首長連合国オマーン湾のオマーン側イラク側双方に上陸、主力がイラン方面・カスピ海西岸へ侵攻。陽動と思われる一部がアラビア半島に上陸。

アラビア首長連合国、連邦の奇襲を受け戦線を後退させる。アラビア首長連合国は国産MS

「エスタルドス」を投入。約3個小隊程の10機程度の数であった。

首都王宮の大宮殿にアクセスしている道路上にビグ・ダブデが布陣し、デザートカラーに塗装された新鋭機のドム・トローペンC(キャノン)は精鋭ロンメル軍団に重点的に配備されていたが、主力部隊にも少数配備されている。

 

「オマーンから上陸してきた部隊は戦線を後退させていきます。」

「スエズ運河を奪還しました!」

 

報告を聞いたノイエン・ビッター大佐は連邦の第二軍集団へ仕掛ける。

 

「よし、こちらに上陸してきた敵をオマーンまで押し込めつつ、イランに布陣する連邦に仕掛ける。アラビア首長連合国に航空支援を要請しろ。」

 

 

精鋭カラカル部隊を率いるロイ・グリンウッド少佐とカーミック・ロム大尉の部隊である。彼らの部隊にもデザートカラーのドム・トローペンCが配備されておりカスピ海に至るまでに幾つかの防衛ラインを設け上陸してきた連邦軍に応戦した。砂漠の中から奇襲するゲリラ作戦をキャビール砂漠、ルート砂漠のような砂漠地帯で行い連邦軍に遅滞戦術を仕掛けた。塩分を含むこれらの砂漠で砂を被りまくる戦法は事後の問題から苦肉の策でもあった。

 

陽動の部隊がオマーンまで追い込まれ、ジオン・アフリカ方面軍は陽動部隊の対処をアラビア首長連合国とアフリカ民族解放戦線の部隊に任せ連邦の第二集団本隊を目指し北上を開始する。すでに第二集団本隊を足止めしていた精鋭カラカル部隊を率いるロイ・グリンウッド少佐とカーミック・ロム大尉の部隊であるが数の差もあり突破されつつあった。

 

第二集団はジオン・アフリカ方面軍の先遣軍と本隊に挟撃される可能性があった。

 

「突破だ!突破しろ!こんなところで挟み撃ちにされてみろ!?全滅するぞ!!第5軍から殿を抽出させろ!本隊はこのまま突破し、レビルの第一集団と合流する!」

 

ビッグトレー級アブドゥラーの艦上で司令官のジーン・コリニーは命の危機に際して必死で指示を飛ばしていた。

 

「くそっ!サザーランドめ。簡単に諦めやがって!!カルトの犬なんぞに乗せられるんじゃなかった!!」

 

第二集団はノイエン・ビッターの策略に嵌った。全滅の危機こそ脱したが、その代償は大きかった。陽動に使った第7軍、足止めに使った第5軍と言った半数近い兵力。

 

エルランの裏切りは第二集団に甚大な被害を与えることとなった。

 

 

様々な戦力がオデッサに集うなか本国など宇宙からも援軍が続々と集っていた。

オデッサに第一次ジオンの増援。北米から『ランバ・ラル隊』と『闇夜のフェンリル隊』がザンジバル級から投下され連邦に制圧された西欧に降下しゲリラ活動を開始した。また、大西洋カサブランカ海域の奪還を目指し、『マッド・アングラー隊』を中心に大西洋艦隊残存を合流させ、北部アフリカ奪還目的のガウやファットアンクルと合同させて港を発した。

宇宙よりHLVでオデッサに部隊が降下。『黒い三連星』『赤い彗星』が含まれた。黒い三連星には専用のドム・トローペンCが、シャアには専用のラムズゴックEが配備された。シャアはガンダムを取り上げられる形になったが地中海奪還の要としての采配であった。

 

オデッサへ第二次増援ジオン軍及び宇宙革命軍。

ジオンと宇宙革命軍のHLVの降下部隊であったが革命軍の降下部隊は今次大戦での地上戦において自軍の存在感を示さんとした気合の入れようでルウム革命政府は盛大な出征式を行い革命軍のエース、ランスロー・ダーウェルを筆頭に新型のセプテムやジェニス改、地球侵攻用大型MAグランディーネを降下させた。

 

オデッサへの第三次増援では各サイドの義勇兵団。サイド1を筆頭に各サイドの義勇兵が降下することは、あからさまなプロパガンダ集団である。ジオン系MSが原機ではあるが一応自前の機体を持ち込んでいる。公開コンペで優勝し、共栄圏に引き抜かれたサイド2の新興商社GSREX商会が開発した地上様に改造されたモビルポッドであり多脚戦車の様なポリポッドボール、二本足の着いたボール・ボーイ、オッゴ・ボーイ、ザック・ポッド。コロニー公社の下請けであるはずのモノトーン社がザクの機種転換によって不良在庫化したFZ型以外のザクの頭を流用したザクヘッド。さらにはコロニー防衛隊のドラケンE等のミドルMSや大型臼砲を装備した大型作業用重機キャトルもいた。

 

連邦軍の「オセアニア方面反攻作戦」に対しジオン軍シンブ根拠地隊を中心に南洋方面の駐留部隊を援軍に差し向ける。これによりオセアニア戦線が膠着する。

 

 

19日

ジオン公王庁マップルーム

遂に主戦場にオデッサ戦域が加わる。

 

デギン、ギレン、ドズル、ノーマと地上のガルマを除くザビ家の面々がそろい踏みであった。

オデッサの勝敗はジオンの…スペースノイドの未来を掛けた一大決戦であった。

 

オブザーバー席にはルウム革命政府やサイド1の国防大臣や義勇兵団の責任者、サイド4やサイド6防衛隊の観戦武官が座っている。

 

「想定より多く見えるが…。」

「第二集団の敗走集団が第一集団に合流したようです。想定の範囲内です。」

 

「オデッサに敵部隊が侵入してきました。防衛部隊が戦闘を開始します。」

広報官が来席者に聞こえる様に伝える。

 

「航空戦力は我が軍の4倍ですが、防空システムは機能しています。また、敵の地上戦力は従来戦車や戦闘車両ばかりです。」

 

「お、おい!あれはMSではないか!?」

戦場カメラに写り込んだ連邦制MSにオブザーバー席から声が上がる。

 

「ご安心ください。確認された資料によると投入MS数は我が軍の8分の1ほどです。御心配には及びません。」

 

「び、ビーム兵器だ。」

「連邦はもう3種類以上も量産機を用意したのか!?」

「おぉ!我が軍のグランディーネだ!」

 

 

いちいち一喜一憂しているオブザーバー席とは違い打って変わってザビ家席は静かなものであった。

 

「連邦のエルラン中将を内応させる手引きが出来ています。勝敗は決したも同然です。このまま背後を突かせるもやり方は自由です。」

 

キシリアの言葉にギレンは返す。

 

「貴様の功績かな。」

「違いますか?」

 

「なに、私の側近が作っていた玩具がことのほか優秀でな。中華戦線を引き裂いてオデッサに向かっているそうだ。まぁ、内通者にはダメ押しに背後を突かせるといい。」

 

アプサラスⅢは弾道飛行による目標地点への強襲を目的とした超大型MAだ。

会話の途中でアプサラスⅢの飛来が伝えられ連邦への一撃が振り下ろされる。

アプサラスⅢは冷却のために後退するが、戦線は一気にジオンに傾く。

後続のアプサラスⅡがさらに追撃を加え連邦軍は壊乱状態になる。

 

「貴様も調略が勝利に多大な貢献、決定打だったのは間違いないが…。物事の華の部分は頂いてしまったな。」

 

 

「敵部隊が撤退を開始しました。我が軍の勝利です!」

「「おぉ!」」「やったぞ!」「共栄圏の勝利だ!」

 

オデッサ攻防戦、ジオン勝利。

 

 

 

撤退する連邦軍をオデッサからの追撃部隊とカサブランカ沖に展開したマッド・アングラー艦隊が挟み撃ちにする。

 

「水中MSは全て展開!!グラブロも出せ!ボラスキニフ曹長はアッガイ搭載のゾックで出撃、連邦の水中部隊をシャア大佐の部隊で挟み撃ちにして殲滅するぞ!」

 

フラナガン・ブーン大尉はディープフォビドゥンやドーシートと言った連邦水中部隊を迎え撃つ。

 

水中MS同士で拮抗している為、艦隊群は逃がす形となる。

無論ジオンもザクを乗せたド・ダイやドップなどを出したが敗走している連邦軍の方が航空機数は勝っており、ジオンの艦では絶対数が足りていなかった。その為、連邦艦を多く逃してしまった。

また、ジオンに寝返ったエルランであったが末端までが内通に同意したわけではなくエルランが寝返りを宣言した時点で一部将兵がエルラン軍団を離脱してエルラン軍団に攻撃を仕掛けた。対するエルラン軍団でも完全にジオンに寝返ったのは一部であって、大半は単純に武装解除し降伏した。勝手に瓦解していくエルラン軍団は最終的にジオン軍が介入することでエルラン軍団内の戦いが収束するまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、問題はジオン軍のギレンもキシリアも想定していなかったのだがオデッサ作戦はプランBが存在していたと言う事だ。

 

 




ジオン及び共栄圏勢力とザフトの関係
ジオンとザフトの間には不戦協定が結ばれており、開戦後双方が互いの領土に対して軍事通行権を保有し合っている。
残念な事に細部での折り合いが付かず軍事同盟締結には至っていない。しかしながら、連邦軍という巨大勢力と戦う以上共闘は必要であり、現場レベルで実質的な同盟関係を維持しており、偶々偶然連邦軍と戦闘中に戦域が重なり偶々挟み撃ちの形になったり、肩を並べて戦ったりすることがあると言う建前を維持している。それが今のところうまく噛み合っているので双方の上層部は黙認しており、高度な柔軟性を維持した臨機応変な対応と現場を評価している。
また、共栄圏勢力はザフトとは不戦協定を結んでいないがジオンの現場指揮官の取り無しなどがあって実質的な不戦を維持している。
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