Gジェネレーションズ ギレンの野望    作:公家麻呂

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16 連邦の反撃、北米攻防戦

 

 

19日

「アズラエル理事、わざわざ貴方が出向く必要はありましたか?」

「ジャミトフ中将。製品の品質は確認しておきたかったのでね。」

 

「理事、ブーステッドマンでしたか?そちらの強化人間は軍の強化人間同様不安定なのは懸念材料ですな。私としては服従遺伝子もある分、戦闘用コーディネーターのソキウスの方が扱いやすく思いますがね。」

「ソキウスの利点は否定するつもりはありませんが、我々ナチュラルの組織である地球連邦が身内にコーディネーターを置いておくのは、問題でしょう?」

「理事はブルーコスモスですから、そう言うお考えなのでしょうな。私としてはジオンもザフトも等しく敵なのですがね。」

 

ブルーコスモスの私兵も含めたジャミトフ配下の鷹派将校を動員した。大軍勢が南米から北米奪還に北上を開始していた。アズラエルはレイダー、フォビドゥン、カラミティの3機を駆るブーステッドマンの存在でソキウスを不要と断じていたが欠陥が少ない分ジャミトフはソキウスを重宝した。

ソキウスには制式採用のレイダーやハイペリオン、ロングダガーなどが与えられた。

 

戦力の一角が強化人間で占められるこの軍団は破竹の勢いでジオン駐留部隊と傀儡のサパティスト反乱軍を一蹴しメキシコ領域を解放。

 

オデッサ作戦では連邦とジオンは一進一退の戦いの末、ジオンが逆転勝ちしたのだが、北米での戦闘は連邦が終始優勢であった。

 

後期GAT-XシリーズやX計画の機体と強化人間を軍産複合体の後押しで優先的に配備されたことで他の軍団と比べて一際跳び抜けた軍団となった。

 

一般兵では出来ない様な動きをする強化人間の相手は一部のエースくらいしかできないくらいだ。一般兵なら3人或いはそれ以上で対応するしかない。

 

キャリフォル二ア基地が連邦に奪還されるのも時間の問題となりウォルター・カーティス大佐はアリゾナ州のグランドキャニオンで迎撃するも敗退。

グランドキャニオン防衛戦は大敗であり、キャリフォルニア基地の首脳陣の撤退が間に合わず首脳陣に多くの死者が出てしまう。撤退戦時にはカーティス大佐より下の佐官たちはほぼ戦死してしまい。カリフォルニア基地撤退部隊首脳陣として再編した際はユライア・ヒープ少佐、ゲラート・シュマイザー少佐、キリー・キャレット少佐、ダグラス・ローテン大佐、ルベール・キャメロン准佐ら支援要員や外様閥の者たちが名を連ねるまでに形骸化していた。

 

キャリフォルニアベースの放棄を決断し、残存戦力をニューヤークなどの東部沿岸州へ撤収させる。

カーティス大佐から連絡を受けたガルマ・ザビ少将はロッキー山脈及びグレートプレーンズ第一防衛ライン、ミシシッピ川第二防衛ライン、アパラチア山脈最終防衛ラインを形成して山岳地帯で地形を盾に防衛線を展開。

 

撤退軍司令部はシャイアン・マウンテン基地及びピーターソン基地を防衛の起点として第一防衛ラインを形成した。

 

ピーターソン基地に鎮座した拠点防衛用MAライノサラスと共にイアン・グレーデン中尉はドム・トローペンCの専用機が砲撃を続けていた。

足の遅いライノサラスはパイロットが自爆コードを打ち込んでからオート操縦で敵軍に向けてまっすぐ突っ込ませた。

 

「殿のドナヒュー中尉とシュテルナー少尉に伝えろ!気化弾を積んだライノサラスを特攻させる!!ただちに引くようにと!!支援戦闘中隊もぎりぎりまで砲撃は続ける!!」

 

撤退軍司令部は第二防衛ラインのフォートサムヒューストン駐屯地に置かれ、ガルマの援軍を待った。

 

『荒野の迅雷』のヴィッシュ・ドナヒューや『外人部隊レッドチーム』『ノイジーフェアリー隊』『マルコシアス隊』と言ったエースや準エース級のパイロットたちによって辛うじて維持できていた。

 

しかしながら、敵は強化人間や特機、準特機と言う例外の塊みたいな存在であった。

第一防衛ラインは放棄され戦線は第二防衛ラインへと移行する。

 

第二防衛ラインでは東海岸沿いの援軍部隊が続々と合流し戦力の立て直しが図られる。

この段階でオデッサ作戦で連邦軍が敗走したとの情報が飛び交う。

さらに『ランバ・ラル隊』『闇夜のフェンリル隊』『マッドアングラー隊』と言った欧遣部隊が戻って来ると北米戦線はミシシッピ川を仮のラインに膠着した。正確にはアメリカ東部地域及び五大湖地域、ラブラドル半島とかつてのカナダ、メキシコを加えた北米ほぼ全土を有した最大範図と比べるまでもないくらいに縮小してしまった。

 

 

月が12月へと移り変わる。北米の状況は好転せず、欧州・アフリカ・中東では残敵掃討が続いていた。その為、ジオンとしては北米奪還への兵力を用意できずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

20日、ガルマ・ザビ、ギレンに対して辞意を伝える。ギレンの説得により留任するがガルマの辞意の意思は固く、ガルマの軍籍離脱に備えた引継ぎが始まる。

 

「ガルマ、本気で言っているのだな。」

「………はい。」

「……………決意は固いか。もう、私からは言うことはないな。」

 

ギレンはタバコに火を付け一服。

 

「まぁ、一人くらい為政者の…ザビ家の呪縛から逃れても良いのかもしれんな。」

 

ガルマの思いつめた様子に何かを感じ取っていたのかも知れない。

表向きの理由は北米の領土の多くを失陥させてしまった責任を取らせると言う形でガルマの退官を許可した。後任人事や引継ぎが済むためしばらくは留任するようにとギレンはガルマに伝えたのであった。

 

ガルマが独自に主導していた幾つかの計画や政策がギレンの手に移管される。

 

 

 

また、ニュータイプ関係でも進展があった。

 

「フラナガン機関より報告します。サイコミュの実用化に成功しました。サイコミュは脳波伝導システムの一種でミノフスキー粒子下で無線兵器の誘導を可能にします。これを応用することでNT専用兵器の開発が可能になります。それとギレン閣下、いくつか付け加えて報告します。お嬢様のサイコミュの適性は非常に高いものです。専用機の開発などを御考えになっては如何でしょう?」

 

「そうだな。専用機か…。娘の専用機にするかは決めておくつもりは無いが、そう言ったものは有用性に応じて造って貰うことにはなろう。…無論、キシリアには内密に…な。」

 

「わかりました。…そう言ったことも必要でしょう。手配します。(秘密の多い御兄妹だ。)」

 

NT兵器分野でもギレン派(ノーマ派)とキシリア派で割れつつあった。

また、同時期にペズン計画が発動している。

 

シャアが奪取した連邦の新兵器(ガンダム)を基に量産型ゲムを開発。

ガンダム自体にはサイコミュの概念実証機が積んでいたビット兵器を乗せることとした。

連邦の『オデッサ作戦』は戦略的には時期尚早であった反攻作戦であったが、ジオンの対連邦戦略である連邦を千切っては投げて独立派を独立させていく戦略はザフトのような通常の占領統治以上に連邦解体に現実味を帯びさせ連邦首脳陣を焦らせた結果の産物であり政治的理由を優先し軍に無理をさせた結果であった。また、『北米奪還作戦』は政治どころか政治結社の思想的な理由で行われた作戦であり、戦略的にあり得ない動きを倫理的にあり得ない戦力で行った結果。偶然が重なって成功した作戦であり、後世の評価は結果に対して低いものとなっている。また、ジオン領域は資源密集地帯ではあるが、それ以外の全ての資源帯を確保したため連邦のエネルギー資源の問題を緩和することとなった。

 

 

 

 

プラント評議会、議長選挙。パトリック・ザラ、議長就任。

プラント、共栄圏勢力と正式に軍事面で同盟を結ぶ。共栄圏参入は交渉中。

 

 

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