Gジェネレーションズ ギレンの野望    作:公家麻呂

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17 青秋桜の浸食

 

 

12月初旬

ジオンはオデッサ防衛戦終了後、ベルファスト基地攻略を検討するがオデッサ戦後の欧州、中東、アフリカの残敵掃討が終わっていない事。北米の防衛力強化を優先すべきとの判断で廃案となった。軍部や政府はオデッサ防衛での勝利と北米防衛での敗北で痛み分けと言う考えが主流であったが連邦に形勢が傾き始めたのではないかと言う意見も散見された。

 

 

 

また、軍部や諜報部においてルナツーや月面にて共栄圏勢力及びザフトと連邦軍の間で小競り合いが多発。近く連邦軍が宇宙で動くのではないかと予想された。

 

これまで、実験的にパイロット個人や仮設的な部隊が実戦に投入されることはあったが今回正式にNT部隊が創設される。隊長にはシャア・アズナブル、副隊長としてシャリア・ブルが、シャア・アズナブルの下に着けられる。

 

シャア・アズナブルは宇宙攻撃軍所属ではあるがニュータイプにドズルが懐疑的である為、キシリア派に寄っているとされる人物でもあるとされ、副隊長のシャリア・ブルも一時期はギレン直下及びノーマ直下にいた事もあり、キシリア派閥とされるがそれ以外の色味も見られる特殊部隊であった。

 

 

 

 

公国議会では主戦派のザビ派の中からも厭戦気分が現れ始めており、デギン公王も和平に関する発言が飛び出し物議を呼んでいる。

 

ザビ派の中で今後の話し合いの機会が設けられた。

リモート参加を含め9月に生まれたばかりのミネバを除いた、デギン、ギレン、キシリア、ドズル、ガルマのザビ家揃い踏みであった。ノーマもギレンの秘書枠で発言権は有していないものの列席している。

 

話し合いは主戦論を展開するドズルとキシリアに和平を訴えるデギン。主戦派ではあるものの共栄圏完成のためにダイクン派との融和を視野に入れ始めたギレン、退官後は学者として趣味に生きる気で、すでにやる気を失っているガルマ。

 

話し合いはガルマを除いて喧々諤々に繰り広げられた。

軍部は当然主戦派であったが政治はダルシア・バハロすら落としどころを探したい旨を発言している。

 

話し合いは結論を出さずに終わった。

パトリック・ザラ議長が主導するザフトの大規模攻勢後、和平の道筋が見えるだろうし、ギレンは和平への前段階としてダイクン派との融和を進める旨を主戦派には内密にデギンとダルシア・バハロに伝えた。

 

 

 

12月上旬

インド洋を抜け、マラッカを越えたアークエンジェルは太平洋へと向かった。

しかしザフト軍は追撃の手を緩めず、アスラン達を地球へと降下させてアークエンジェルの捜索・破壊を命じた。彼らの攻撃で傷ついたアークエンジェルは、カガリの父ウズミ・ナラ・アスハが前代表を務めていたオーブ連合首長国へと墜落を装い領海に進入、オーブのオノゴロ島に入港した。

中立国を掲げていたオーブは表向きでは受け入れを拒否しながらも、キラを自国の量産型MS開発に協力させるためにアークエンジェルを匿ったのであった。

モルゲンレーテ社の秘密ドックで修理を行い、再びジャブローを目指して飛び立つアークエンジェルであったが、オーブ領海の外でアスラン達が待ち受けていたのだった。

 

ザラ隊とアークエンジェルの戦いは激しさを増し、イージスとストライクの戦いに加勢しようとしたブリッツが撃墜され、パイロットのニコル・アマルフィが戦死してしまった。

自分の甘さがニコルを殺したと悔いるアスランは、ストライク(キラ)を自らの手で葬ると決意して再びアークエンジェルの前に現れる。

 

そして、その戦いで今度はキラの友であったトール・ケーニッヒが戦死してしまう。

 

互いに友を失ったキラとアスラン。二人の少年の激情は死闘の末、相討ちと言う形で2機のガンダムは閃光に消えた。

二人の生存は絶望的かと思われたが、脱出したアスランはオーブのカガリに救出され、キラもラクスの元に運ばれて命を取り留めていた。

 

 

キラの生存を知らないアークエンジェルは、ようやくジャブローの連邦本部にたどり着く。

 

「君がラミアス大尉か。色々あった様だが貴艦は英雄艦だ。期待しているよ。」

「レビル閣下、その様なお言葉…もったいない限りです。」

「なに、敗軍の将に気づかいは無用だよ。」

 

ナタルら数名には転属の辞令が下ったが、アークエンジェルはジャブロー守備隊へ編入させられ、クルーは休む間もなく新たな戦いに巻き込まれることとなる。

 

「レビル君、君に責任を押し付ける形となって申し訳ない。」

「いえ、政治家と交渉できるのは私ではなくゴップ閣下なので…仕方ありません。」

「オデッサの一件でコリニーやハイマンが力を付けている。企業や結社の紐付きが力を付けるのは危険だ。軍の主流が正道派からおかしな過激派に変わってしまうのは良くない。ここで、我々が腐るわけにはいかんよ。」

「ティアンムやワイアットでは心もとないですか?」

「ははは、それだけ言えたら心配ないな。」

「何を言うかと思ったら、ははは。ジャブローで牙を研いでおきますよ。」

 

レビルはゴップに軽口を聞いて自身の健在を訴えたのであった。

 

プラントのザラ議長は強硬路線を明示し、「オペレーション・ウロボロス」の強化策として「オペレーション・スピットブレイク」を議会に提出。即日可決される。

ただし、このとき提出された作戦目標はパナマ。

 

連邦軍はバスク大佐が率いる軍団をパナマへ防衛戦力を差し向けた。

しかし、ザフト軍は降下目標をパナマからジャブローへ急遽変更しジャブローへと急襲を仕掛けた。

そして、攻撃してくるザフト軍をなるべく基地の最深部まで誘い込み、地下に仕掛けられたサイクロプスで殲滅しようとしていたのだ。

ザフトにとって連邦のトップとナンバー2の居るジャブローは格好の餌だった。

 

クライン邸でジャブローが攻撃を受けていることを知ったキラは、アークエンジェルへ戻ることを決意し、そんな彼にラクスはフリーダムと言う新たな翼を与えたのであった。

 

「今の貴方には必要な力だと思いましたので…。想いだけでも力だけでもダメなのです。…だから、キラの願いに…生きたいと望む場所に…これは不要ですか?」

「思いだけでも…力だけでも…。」

 

キラはラクスの言葉を反芻した後、彼女に礼を言ってフリーダムを受け取る。

 

「私も歌いますから、平和の歌を…。では、いってらっしゃいませ。」

 

 

 

マリューの前にフラガ少佐からサイクロプスのことを知らされたレビルとゴップはジャブロー脱出を早々に諦めた。

 

『地球連邦軍大将ヨハン・イブラヒム・レビル、並びにアーカスト・ゴップの連名でこの場にいる全将校に告げる!!現在ジャブローの最深部にはサイクロプスが仕掛けられており、直に起動することが解った!!これは我々防衛司令部の把握しない事実であったが、将兵の命を無駄に散らすことは本意にあらず!!すべての部隊は各個の判断でジャブローを脱出せよ!!繰り返す!!…………以下略』

 

防衛司令部は離脱を促す命令を発したが、戦闘のミノフスキー粒子や連邦軍非正道派の妨害もあり、多くの部隊の耳には届かなかった。

 

 

そんな中で情報を得た数少ない者たちの中の一人であるマリュー・ラミアスは決断する。

 

「ザフト軍を誘い込むのが新上層部の目的だと言うのなら……本艦はすでに、その任を果たしたものと判断致します。本艦はこれより現戦闘海域を放棄!離脱します!僚艦に打電!我に続け!機関全速!一刻も早く湾部を突破します!」

 

サイクロプスの存在を信じた部隊はアークエンジェルと合同して敵中突破を図る。

しかしながら、ザフトの攻め手は手強く中々突破できずにいた。

 

「援護します!今のうちに退艦を!」

 

死んだはずのキラによって助けられたマリューたちはキラにサイクロプスの事を伝える。

 

「え、あぁ、え。キラ君…。本部の地下にサイクロプスがあって!私たちは囮に……。作戦なの!知らなかったのよ!だから、ここでは退艦できないわ!もっと基地から離れなくては!」

 

サイクロプスの事を聞いたキラはザフト、連邦両軍にその事実を訴えかけて撤退を促す。

 

「ザフト、連邦両軍に伝えます!ジャブロー基地はもうすぐサイクロプスを起動させ自爆します。両軍とも直ちに撤退してください!」

 

キラ達は何とかジャブローから脱出する。

 

「この犠牲により戦争が早期終結に向かわんことを切に願う……。青き清浄なる世界の為に…。」

「…むぅ…青き清浄なる世界の為に…。」「…青き清浄なる世界の為に…。」

 

 

 

 

 

 

12日

アスランはラクスがフリーダム強奪を手引きしたことで指名手配されていることを知る。直接、ラクスに理由を聞こうとしたアスランは彼女にキラが生きていることを伝えられ、逆に自身の戦う理由を問われる。

 

アスランは彼女の問いに応えられぬまま、ジャスティスで地上へと向かう。

 

アークエンジェルと共にジャブローを脱した友軍艦であるが、ザフトの新型の登場でアークエンジェルに対しても不審を抱きその結果、バラバラに瓦解した。一部は軍法会議覚悟で連邦に戻り、また一部は脱走艦として徘徊することとなる。

 

キラとアークエンジェルは受け入れてくれる可能性のあるオーブへと向かう。

 

ジーン・コリニー大将、ジャミトフ・ハイマン中将、ウィリアム・サザーランド少将(昇進)は海軍の護衛を受けて潜水艦隊で脱出。

 

海上の護衛艦隊の艦上では正道派の将校が謀殺される。

 

「悪いな。…海軍はブルーコスモスに乗り換えるよ。」

 

海軍のバッフェ中将やダーレス少将は正道派に属する将校であったが不遇な海軍への融通を条件にブルーコスモス派へ与した。

 

一方でザフト軍はパナマのマスドライバー並びに関門破壊の為に攻撃を仕掛ける。

連邦軍はMSを大量投入して応戦するがザフトの新兵器グングニールによって敗北した。

ただし、連邦軍を倒したザフトであるが周囲が連邦の勢力圏であり維持は不可能と判断し、破壊後は即時撤退した。

手持ちのマスドライバーをすべて失い、主要な打ち上げ施設の多くを失っている連邦軍はオーブのマスドライバーを接収しようとオーブに圧力をかける。

 

 

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