Gジェネレーションズ ギレンの野望    作:公家麻呂

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25 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後編

 

ジェネシスの発射で増援艦隊とプトレマイオス・クレーター基地が壊滅する。

アズラエルはこれに憤慨してピースメーカー隊による再度のプラント核攻撃を行おうとし、艦隊の進路をジェネシスからプラントへ変更する。

 

「照準は……月!プトレマイオス・クレーターと思われます!増援艦隊より入電!先の攻撃により、我艦隊の半数を消失。艦隊司令マクファティ・ティアンム大将戦死!」

「なに!?」

「それをも狙っての照準か。」

「増援艦隊にはそのまま来いと伝えろ!えぇい!各攻撃隊を出せ!目標はプラント群だ!あの忌々し砂時計、一基残らず叩き落すんだ!」

「しかし、アズラエル理事。それでは地球に対する脅威の排除にはなりません!我々はあの兵器を…。」

「あぁもう!どうして一々そう煩いんだ!あんたは!あんな危険な殺戮兵器を連射する連中だぞ!コーディネーターにはいい奴もいれば悪い奴もいる論は通じないんだよ!…自軍の損失は最小限、敵の損失は最大限。戦争ってのはそうやるんだろ。さぁ、わかったらあんたも自分の仕事をちゃんとしろよ。あの裏切り者の艦を今度こそ沈めるんだ!」

 

 

プラント侵攻軍総旗艦マゼラン級パトロクロス

半壊した自軍艦隊、増援艦隊も同様らしい。ドミニオンのムルタ・アズラエルからの攻撃続行命令。ジャミトフは内心苦悩していた。そして、彼はある決断をする。

 

「テルアビブ分艦隊のニシザワ中佐に繋げ。」

『はっ!お呼びでしょうか!』

 

「貴様につないだのは他でもない。この戦争負けるわけにはいかなくなった。プラント本国に主力を向かわせることとなった。だが、ヤキン・ドゥーエを無視するわけにはいかない。ヤキン・ドゥーエにはあれを使うぞ。」

『あれ…とは…やはり…』

「そうだ。MAハシュマルを使う。自爆コードは握っておけよ。制御不可能となったら随伴ユニットが際限なく増え続けて始末が大変だからな。」

『はっ。』

 

 

プラント侵攻軍第一次増援艦隊 旗艦マゼラン級ペルガモン

 

「ティアンム大将が戦死。艦隊指揮権が移譲されました。」

「何という事だ。」

 

「コーウェン中将、ご指示を。」

「むぅ…。艦隊を再編する。それと一部艦隊に別任を与える。持ち出したソーラ・システムで反撃を試みる。指定座標へ移動しプラント本国もしくはヤキン・ドゥーエを狙えるようにしておけ。」

「ですが、閣下ソーラ・システムはジオンとの戦闘で…。」

「30%の出力でも戦力として数えられるだろう。」

 

 

プラント侵攻軍第二次増援艦隊 旗艦マゼラン級ベッコウ

 

「ヘボン少将。合流予定の艦艇リストです。」

「え、あ、あぁ。すまん。見せてくれ…。」

 

ステファン・ヘボン少将の心情は「何がどうしてこうなった?」であった。

軍正道派の主流分派である保守派のワイアット大将についてこの戦争に身を置いていた。気が付けば正道派は主流ではなくなり、ルナツー要塞付の駐留艦隊司令と言う閑職よりの立場になっていた。あくまで寄っているだけで閑職に追いやられた訳ではない。甘んじて受け入れられる地位だった。すでに将校になり椅子を尻で磨いて戦後を迎えるつもりが地球存亡の危機となり最前線へ行こうとしている。

 

「どういうことだ。」

「仕方ありません。予定にないことでしたので…。」

 

自身のつぶやきに別の意味で理解した副官が応える。

確かに、彼の言った意味も理解する。

 

月やルナツーから引っ張ってきたのはビンソン計画から漏れたMS搭載能力の無いマゼラン級やサラミス級の前級であるコーラル級重巡洋艦やレパント級フリゲート。その他に戦場に出すべきでない掃海艇が殆どだ。MS搭載能力のある艦としても申し訳程度のドレイク級駆逐艦だ。そして、その艦載能力も申し訳程度だ。地球から上がってきた数隻はマゼランとサラミスだが新兵ばかりだ。一応MSは苦肉の策としてワイヤーで艦に固定し露天係留したりしているが…。

 

内訳としてもマゼラン級戦艦1隻、アオヤギ級戦艦1隻、コーラル級重巡洋艦10隻、サラミス級巡洋艦4隻、ドレイク級駆逐艦5隻、レパント級フリゲート16隻、L-144系掃海艇8隻、コロンブス級輸送艦1隻、コーネリアス級補給艦1隻、マルセイユ級輸送艦2隻とお粗末な限りであった。

 

「はぁ…。これはもうだめかもしれんな。」

 

 

 

一方ジャミトフ中将及びアズラエルの動きを察知した三隻同盟は戦力をジェネシス破壊とプラント防衛の二手に分けた。

 

「ドミニオン、他数艦転進します!」

「追います!エターナルとクサナギはジェネシスを!」

 

プラント防衛を担当したジャスティスとフリーダムらが再び核攻撃を妨害することに成功し、ピースメーカー隊を護衛していたカラミティを撃墜、ピースメーカー隊を攻撃。

 

 

さらにデュエルがフォビドゥンとピースメーカー隊の母艦「ドゥーリットル」を撃破したことでピースメーカー隊は全滅。

 

「ジャミトフ閣下、ドミニオンが突出しています!アークエンジェルと交戦しています。」

「MS隊が壊滅しているな。あれは助からん。気にするな…スポンサーは彼だけではないよ。」

 

ドミニオンの突出を察知したジャミトフはアズラエルを切り捨てることを決めた。

 

「ジャミトフ閣下…よろしいのですか?」

「構わんよ。軍事の素人に耳元でギャンギャン騒がれてはな。」

 

ジャミトフに見捨てられたドミニオンは撃沈され、ムルタ・アズラエルも脱出敵わず戦死してしまう。

 

レイダーも母艦であるドミニオンが撃沈され、帰還する事が出来なくなってしまった状態で戦闘を続行した結果、γ-グリフェプタン欠乏による禁断症状の為に錯乱状態となりクルーゼのプロヴィデンスに落とされてしまう。

 

 

 

 

「作戦誤差があります!急いで修正を!」

 

細かい指示は秘書官のレーチェル・ミルスティーン中尉に任せているが、増援艦隊司令のジョン・コーウェンは戦術画面を指揮席から睨みつけていた。

 

「敵!MS接近!距離1万3千!!ガンダムタイプです!」

「システムの展開率は!?」

「82%!!」

「MS隊緊急展開!!時間を稼げ!!」

 

コーウェンはフリーダムの接近でMS隊にシステム防衛を命じた。

 

「ここでそれを撃たれてはな!!」

 

フリーダムに続いて現れたプロヴィデンスにミラーが破壊されていく。

 

「充填率は96%です。」

「も、もう十分だ。撃て!」

 

コーウェン中将の命令でソーラ・システムが使用されたが、やはり30%の出力しか出ず決定打を与えられなかった。

 

この時点でプラントへの攻撃が不可能となったため地球軍の勝利は潰えることとなり、これを確認した三隻同盟のプラント防衛組は対ドミニオン用の戦力(アークエンジェルとバスター)を残してジェネシスへ向かった。最終的に、連合を実質指導していたアズラエルもその強硬姿勢を看過できなくなったドミニオン艦長ナタル・バジルールの離反に遭い脱出できず、アークエンジェルのローエングリン陽電子砲により同艦を撃沈されて死亡した。

 

しかし、ザフトの実質的勝利が決まってもパトリックはジェネシスによる追撃を止める姿勢を見せなかったため、残存の連合艦隊は独自判断によりジェネシスの破壊に奮戦する。そのため同じくジェネシスの破壊を最優先とする三隻同盟とは実質的な共闘状態となり、艦隊の一部が同組織に追従している。

 

 

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