0080年4月~5月
すでに仕事量の調整はしていたのだが、正式にセシリア・アイリーン産休。
ネオジャパン及びファウンデーション王国が独立を果たしジオン公国、ネオジャパン、ファウンデーション王国がサイド1より宇宙コロニー群を購入。
購入枠としてはジオン公国2基、ネオジャパン3基、三国共同購入1基。
ネオジャパンの購入枠は半廃コロニーの修復したものでシリンダー型1基、旧式のベルナール球2基これらはある種の棄民政策であるが日本本土のキャパシティーの問題もあるので国民には致し方ないと受け入れられている。また、かつて日本が保有していた宇宙コロニーを再保有することで権威回復を狙ったものである。
ジオン購入枠であるが、既に先住の住民がいるブリガドーンコロニーの購入であった。このコロニーは旧時代のナノテク大手企業が入っておりこの技術を手に入れる目的があった。
「確かにラーフ・システム完成すれば地球圏全域エネルギーを一手に賄える。キシリアの地球環境修復装置に対抗できるな。許可しよう。」
「はっ、ありがたき幸せ。必ずやラーフ・システム…完成させてみせます。」
ラーフ・システム、超大型の日傘状の太陽発電システム。パネルの角度を変えるだけで太陽光線の量を調整可能、太陽系の惑星をテラフォーミング可能だ。
「フェアトン・ラーフ・アルギス。私の手を嚙まぬ限りは君が何者であろうと構わんよ。」
「忠勤に努めます。」
「うむ。」
三国共同購入のコロニーは大型のシリンダー型コロニーで研究施設タイプのコロニーであった場所である。
旧G.A.R.M. R&D社のアウラの研究の賛同者たち、ネオジャパンのウルベ・イシカワ大佐の傘下研究者技術者、ジオンのギニアス・サハリンらギレン肝いりの技術者や研究者たちによる特に妖しい危険な施設である。
また、ジオン購入枠のもうひとつのコロニーであったがソーラ・レイの2号機建造計画のために購入されたのであったが計画途中で消極的だったドズルの軍部からキシリアの突撃機動軍主導へ変わり環境修復装置建造へと切り替わっている。
小惑星アクシズ他資源衛星の各パルスエンジン装着完了。地球圏へ移動開始。
6月
次女アリシア・ザビ誕生。
実質的なロイヤルファミリーである3人目のザビ家の次世代の誕生に世間ではお祝いムードとなる。
ギレンは自身の邸の庭先で武術の手ほどきを受けるノーマを内縁の妻であるセシリアと一緒に眺めていた。セシリアの腕には乳飲み子のアリシアが抱かれている。
武術の稽古が終わってノーマはこちらに駆け寄ってくる。
セシリアが身を低くしノーマがのぞき込み笑顔を見せた。
「貴女も姉を支えてくださいね。」
「アリシアはノーマ様を支える立派な娘になりますよ。」
ギレンは一瞬口角を緩めるがすぐに表情は戻る。元々そう言った笑顔は苦手なのだ。
「中々見どころのある娘さんだ。ザビ家の御子でなければ弟子に取ることも考えたいほどだ。」
「それは、誉め言葉でも親としては鼻が高いですな。東方不敗先生にそう言っていただけるのなら。」
公式の記録上著名な武術家の一人である東方不敗マスターアジアがジオンに短期間であるが訪問している。ギレンはある種の親馬鹿を発揮し愛娘の武術講師に1回だけ招いている。ノーマ・ザビに対するマスターアジアの評価は高かったようである。
以降のノーマは時折、外交上会う機会があったウルベ・イシカワ大佐にも手合わせや指導を受けている。ウルベ・イシカワ大佐はMS格闘競技ではマスターアジアに次ぐ実力者であった。
(7歳の格闘技と思っておったが、的確に急所を狙ってきおる。末恐ろしい小娘よ。)
5月よりマレー半島南部で発生していた港湾労働者の反乱未遂やハーフコーディネーターのテロ組織「アンティファクティス」による一連の事件にネオジャパン独立戦争終結に伴い撤収中のジオン軍が偶発的に遭遇し介入する動きを見せる。オーブとの取引で事件への不介入を条件にマレー半島南部及び旧インドネシアを領するマジャパイト共和国、ジオン軍が駐留しているパプワ・ニューギニア共和国の独立に不干渉とさせることに成功。東アジア共和国及び赤道連合の不手際を指摘し2ヶ国が独立を果たす。
7月~12月
火星は旧世紀にはテラフォーミングが期待され、当時植民がもっとも有望視されていたが、スペース・コロニーの開発によりメリットが薄れ、火星の開発はごく一部に留まっていた。
それでも、ジオンの資本投入はムンゾ自治政府時代から続いており、少しずつであるが開拓は継続されていた。
火星植民者は大きく分けて旧世紀地球系、地球連邦系、ジオン系、コーディネーター系が存在している。火星地表部において最も栄えたのは長期的に継続した資本投入を行っているジオン系でオリンポス山を中心としたサイドA(アルカディア)であった。継続的に資本投入が続いているとは言え、十分な額ではなかった為あくまでも、他入植拠点に比べて食に困らないと言う程度であり、特別豊かなわけではない。なお、火星の衛生フォボスに宇宙港を保有している。
またそれ以外の地表勢力の多くは旧世紀地球系であり、資本投入が続いていたのは連邦政府が成立してからは旧世紀国家解体もあり見る見る内に先細り打ち切られた。しかしながら貧困に苦しみながらも今日まで存在し火星に土着している。火星先住と言えば彼らを指すものである。
地球連邦系の植民地は地表にも拠点を持っているが、その多くは火星軌道にグラズヘイムやユトランドと言った完全人工天体の軍事基地もしくは軍民共同の宇宙港をいくつか保有している。
そして、コーディネーター系であるが彼らの成り立ちは少々特殊であり元々は旧世紀及び連邦系の分派であり少ない人員と苛酷な環境に対応するため、職務達成と合理性を突き詰めた結果コーディネーターに行き着いた集団であり、プラントとは少し違う考え方を持っている。大戦時は開戦には至らなかったが連邦系との関係はひどく悪化していた。
また、サイドAを中心としたジオン系は本国の反連邦政策に従い独立心の強い火星先住者たちへ独立工作を行っており、不満を抱いた民衆による独立運動が活発化している。ただし、ジオン系を含めて、これと言ったカリスマを持つ人物がいなかった為大規模な独立運動には発展しておらず中小規模の運動が頻発する状況にある。また、火星地表における安定地域であるサイドAは独立機運の熱に浮かされずに平穏を求めた外部の中産階級が流れてきていた。
また、宇宙世紀0003に始まった連邦系植民地勢力の第一期民は連邦の派閥政治に敗れた軍人たちであり、彼らは地球連邦政府の許可を得て火星統治及び治安維持機構を成立させ後に成立する治安維持部隊ギャラルホルンに組み込まれた。0055年、数年前に自治権を獲得したサイド3ムンゾに触発されたクリュセ市が地球連邦より制限付き自治権を獲得したが、現在は地球重視の政策に対する民衆の不満が高まりつつある。
ジオンが投入資本の増額を発表し、ジオン率いる共栄圏議会連合の火星植民船団が地球を出発。
火星開拓初期より、これと言って大きな動きの無かった火星の歴史の歯車が動き出す切っ掛けとなった。
共栄圏議会連合の水星植民先遣隊が地球を出発。
共栄圏議会連合の金星調査隊が地球を出発。
D.S.S.Dに共栄圏議会連合が参加。なお、ジオンやルウム等は先の大戦に伴った連邦離脱からの再加入。ジオニック社、ツィマッド社、MIP社のジオン系企業グループにアナハイム社が部分的に加盟。連邦系企業からは裏切りと非難される。また、サイド2からGSREX商会が引き抜かれ、サイド1のブッホ社が参加し、サイド6からベネリット社を筆頭とする企業群が合流してコングロマリット化が進んでいる。これらの合流組は本社移転も検討されている。
参入してきたアナハイムを牽制するようにジオニック社とツィマッド社は動いた。ジオニックはMS-14Aゲルググの背部と脚部に増速用ブースター・パックを装着した高機動型と背面にビームキャノンパックを装備し、頭部に補助カメラが追加されたキャノン型を正式にロールアウトさせた。また、すでに先行量産機があった陸戦型やデザートタイプ、親衛隊仕様のL(ランツィーラー)型も正規量産型をロールアウトさせた。ジオニックは開発中の狙撃仕様の開発を加速させ、さらに海兵隊仕様機の開発も開始した。
ツィマッドもドムのバリエーション開発を進めドムの高機動仕様のドワス。また、大戦末期にはすでに量産が開始されていたリック・ドムⅡの売り込みを強化した。本機はスラスターやジェネレーターをチューンナップした機体。リック・ドムとは製造工程があまり変わらないことから生産ラインを引き継いで量産化されたもであり統合整備計画に則った機体でもある。その為、戦後最初の正式採用MSとする資料も散見される。また、中止されているがこの時期にギャンを再度制式量産機に押し上げる動きがあり砲兵仕様や海兵隊仕様の設計図が存在する。ギャンの後継機はMS-15Kギャン改の登場を待つ必要がある。追記であるがキシリアの実質的な近衛が使用しているギャンの改修機は推進器も兼ねる大型複合兵器「ハクジ」を装備しており後継機と勘違いされるが、あれはマ・クベ大佐(近日少将に昇進予定)の趣味が混じった改修機である。
また、MIP社はMS開発競争からは身を引いた形になっており、主力としていた水中用MSはジオン軍が海軍への投資をあまりしなかったことで開発が硬直化してしまう。MIPの新作は数年後のカプールを待たなくてはならない。むしろMIPはMA開発に精を出していた。大戦時高い評価を得たビグロの発展型の最新機種の開発を開始する。ただし、すでに設計は大戦末期にされており、戦況の変化により決戦兵器が求められビグ・ザムの方が先に開発されていた。型式番号がビグザムが08なのに対し本機が06なのはこう言った裏話があるためであった。そしてこのMA-06ヴァル・ヴァロは本機は避弾経始に優れたフォルムと分厚い装甲を持ちビームコーティングが施され、機体各部に姿勢制御バーニアを有し、後部の3基のスラスターによってビグロ以上の機動性を発揮する。機首には大型メガ粒子砲を装備。ビグロと同じく普段はカバーで覆われているが、使用時に左右にカバーが開き、砲門が現れる。他には対空ビームガン2門、2連装ミサイルポッド2基、110mmバルカン砲4門と重武装である。また近接防御用に大型クローアームを2基装備する。特異な武装として、アッザムの装備を改良したプラズマリーダーが挙げられる。
MIPとの共同と言う意味ではフラナガン機関が次期NT用MAとしてザクレロを原機にガザレロを開発している。メガ粒子砲やオールレンジ兵器ビット、それを運ぶトランスポーター・ビットが搭載しており遠距離攻撃性能に優れているがあくまでも試作機であり正式採用するつもりが無かったため正式な型式番号が存在しない。また、類似の機体で大戦末期に開発されたブラレロと言う機体もある本機はブラウ・ブロで実用化に成功したサイコミュシステムと有線型メガ粒子砲の小型化と、その搭載機の量産化を目的とした機体である。MIP社はフラナガン機関との付き合いが増えることとなる。
また、火星開拓に協力していたヘクタ・ドナ社が戦闘が可能な作業用機体としてAMX-001ガザAを開発している。主に火星で運用されている。
また、大戦後半に開発されたガンダムの量産機であるゲムであるが連邦系の名残が強く共栄圏議会連合でジオン軍やルウムの様な自国産MSの開発に成功した国にはあまり配備されなかったが、生産コストの低さが目に留まり自国産MSが無い国では採用されやすい傾向にあった。とは言え、MS自体が軍の兵器としては贅沢品なのでサイド4ムーアやアフリカ民族統一機構やトルキスタン共和国、ネオジャパンと言った比較的裕福な国が保有している。なお、ネオジャパンはゲムの運用期間は短く、すぐにゲムとザクを原機とした自国産MSであるJMS-60ブッシ、JMS-71ノブッシに切り替えられた。また、自国産MSを採用している国はアラビア首長連合王国のENG-001エスタルドス、ファウンデーション王国は複数の特機が自国開発機であり、量産機はゲムやザク、ジンと言ったカスタム機である。