0080年10月~12月
ガルマ・ザビ退官。北米領土の多くを失った責任を取る形であった。以降は農業用アスタロスなどの農業系生物系の研究職に着く予定である。大戦終結後独学で博士号を取得している。ただし、彼の表舞台への露出は無くなることは無く。ニュース番組の御意見番から教育番組の音声解説まで多岐に渡り、むしろ露出が増えたと言える。恐らくは宣伝省にも席があると思われる。
また、シャアの偶像化が進む、イメージソング『シャアが来る』『颯爽たるシャア』がリリース。広大な敷地を誇るシャア・アズナブル記念公園がサイド3に建設される。同記念動物園や水族館が併設されている。また同敷地内に同記念総合ビルが建築されサイド3モノレールの新駅が併設され路線の延伸が予定されている。ビル内の施設は商業施設が多く入り映画館も入っている。屋上には屋上遊園とビアホール、ちびっこ劇場が設置されている。
同年末にシャア・アズナブル記念公園施設が全て完成した事で完成披露式典が催される。
披露式典には7歳のノーマ・ザビと母親のゼナ・ザビに抱かれた1歳になるミネバ・ザビが列席した。
また、この落成式典にはドズル・ザビ、ゼナ・ザビ、ノーマ・ザビ、ミネバ・ザビ、セシリア・アイリーンが列席しており、ドズルは出席をかなり嫌がったがデギンとギレンの代理として押し付けられれば断り切れなかった。この式典の主導は宣伝省であり関係者席にはナツメ・ユーリシアも参列していた。セシリア・アイリーンとナツメ・ユーリシアの世間の立ち位置であるが二人とも似た立場にあるが似て非なる立ち位置でった。ナツメ・ユーリシアは故サスロ・ザビの婚約者であったが子を成せなかった為身内扱いではあったがザビ家の枠には入れなかった。しかし、セシリア・アイリーンは婚姻こそ故トリエステ・ザビの実家への配慮で結んでいないが娘アリシアはザビ姓を貰っている。セシリア・アイリーンは実質的にはザビ家の人間である限りなく身内に近い他人と言う立ち位置である。ノーマ・ザビから見ればセシリアは継母に当たるわけであるがトリエステの死後、ギレンに次いで彼女を支えたのはセシリアであり関係は良好であった。
テロは警戒されたが、幼い子供を巻き込むテロは世間の反発必須な為、過激ダイクン派及び連邦のテロ工作の可能性は低かった。実際、式典にはダイクン派議員も多く招かれ出席していた。連邦政府や軍からもホワイト将軍と言った高官が出席している。プラントもアイリーン・カナーバ前議長が出席している。
「これは・・・もう完全に道化だな。」
0081年上半期
先の大戦が終結しても地球連邦の崩壊で大西洋連邦や東アジア共和国の様な過激派がさらに先鋭化したような勢力が地球の主導を握ろうとしており、ワイアット元帥(ユーラシア連邦の司令官昇格に伴う昇進)がプラントや共栄圏議会連合と外交的な窓口を広く取ってるユーラシア連邦に比べ非常に排他的になってしまった。ワイアット元帥も鷹派ではあるが理性を保っている分まともに見えるくらいであった。
オーブを中心とした勢力は平和の維持に懸命に尽くしているが、不穏な空気は全ての人々が感じ取っていた。
戦争の空気を感じ取ったのか。各国の次世代機開発が急加速した。
ジオン公国軍次期主力MSとしてドムⅡに類するドム系MS(ドム・トローペンC、ドワッジC、リック・ドムⅡC)の採用を発表する。ザクⅡ系はFZを最終と位置付ける。ゲルググであるがバリエーション機は多く生産配備されているが量産される前に終戦を迎えた為に現行主力機とは成りきれなかった。
ジオニックは次の主力機開発に舵を切り、ツィマッドと共同開発度打診しガルバルディαの次世代機開発へと至った。
さらに、アナハイムのジオン側部署も次の次世代機開発競争に名乗りを上げた。
また、火星や小惑星アクシズに根を張り始めたヘクタ・ドナ社のガザシリーズも次期次世代機開発競争の伏兵となりそうでもあった。
連邦系でブルーコスモスを背景に軍産複合体の紐付きと言っても差し支えない大西洋連邦は次世代機としてダガーLを定めた。また、ダガーLの配備の穴を埋めるために105ダガーの生産も継続すると発表。ストライクダガーの生産は終了。
また、東アジア共和国とユーラシア連邦は軽キャノンとドートレスが主軸であったが、東アジア共和国のジーン・コリニー元帥が旧家の名家と交渉し援助を受けた事でEB-04 ゲイレールの設計図を入手し製造ラインを構築中である。また、ジーン・コリニー元帥は来年4月を目途に老齢を理由に引退を表明している。ドートレスの右肩に500mmキャノンを装備した火力増強型のドートレスウェポンやホバリング用の大型スラスターを脚部に追加した陸上高機動型のDT-6800HM DHMファイヤーワラビーが東アジア共和国とユーラシア連邦にて採用されている。
軽キャノンを採用し続けているのはユーラシア連邦と赤道同盟や南アジア共同体、大洋州連邦である。上記の宇宙軍は兵力不足を補うためにDT-6600ドータップと言うモビルポットの採用に踏み切っている。
プラントにおいてであるが大戦末期に開発されたZGMF-600ゲイツとその改修機であるZGMF-601RゲイツRが生産されている。また、飛行MSであるAMF-101 ディンの後継機としてAMA-953バビが開発されている。また、ほとんどの勢力で重視されていない水中型MSはザフトでも同様に重要視されておらず一応開発されたSSO-3アッシュは特殊部隊機として少数生産に留まった。TFA-2ザウートの火力強化型MSとしての汎用性を廃して移動砲台としての側面をより強化した機体TFA-4DEガズウートを開発採用しているがタンクタイプの正規量産の機動兵器の運用実績はこれを開発したザフトとヒルドルブを開発したジオンしか持っておらずライノサラスは試作機でザクタンクは現地改造の再利用機、ヒルドルブの後継機とされるYMS-16Mザメルは晴れて超重MSに昇格しており、現状ガズウートが現行唯一の生産継続しているモビルタンクである。なお、連邦のガンタンクMSでもMTでもなく大型戦闘車両である。
特機開発競争においては全ての勢力が高い防諜性を維持しており謎のヴェールに包まれていた。
大西洋連邦ではジオンのビグロやビグザムと言った大型MAや騒動を起こしたハシュマルの様な大型MAの実力に注目しMS開発を継続する一方で制御可能な有人大型MAの開発を進めた。
東アジア共和国のラサ・ジオフロント軍事研究施設で40~50m級のNT専用機が開発されていると実しやかに囁かれている。
またこの時期に引退を控えたジーン・コリニー元帥は大西洋連邦の影のスポンサーであるロゴスとも接触している。
「私としては東アジア共和国と合流することはに問題は感じない。だが、コーディネーター殲滅は最重要目標と言うことは理解しているのか?」
「ロード、我が東アジア共和国は連邦の鷹派地球至上主義者の集まりです。我々としてはスペースノイド全体の敵視であって大西洋連邦には解釈を広げて頂きコーディネーターを含めたスペースノイドと考えて頂ければと考えています。」
「よいだろう。だが、プラントとの戦争が先だと言うことは忘れるなよ。」
「はい、残念ながら今の我々に2大勢力を同時に相手取る余裕はありません。ですが、片方は仮初の平和を甘受し地球外環惑星に目が行っています。プラントを倒し、返す刃でスペースノイドの反動共を滅ぼすで良いと我々も考えています。」
「では、東アジア共和国の方でも準備を進めておけよ。」
「それは勿論です。」
交渉を終えたコニリー元帥は大きく舌打ちをした。
軍の航空基地で出迎えに来たジャミトフ・ハイマン大将(戦後に昇進)に愚痴をこぼす。
「ッチ。カルトの狂信者め。生粋の軍人は我々とワイアットに持ってかれた寄せ集めの素人集団ではないか。金と工場を持っているだけの成金どもが。」
「仕方ありません。我々は戦闘のプロですが金集めのプロではありません。大西洋連邦にはまともな将校がいません。無駄に兵を減らして泣きついてくるでしょう。」
「そうだといいがね。儂は引退するが…今後は貴様が奴らと顔を合わすのだ。主導権は奪われんようにな。奴は軍人としては素人…無能だ。財界人としてもどうだろうな。」
大西洋連邦と東アジア共和国は合流の為に何度か会談を重ねるが協力関係には慣れたが合流合意には至らなかった。一方のユーラシア連邦であるが分類上鷹派とされるが軍正道派でもあり、大戦末期にはジョン・コーウェン中将と言った中道派が合流し有力将校はいないが一部穏健派含めて多くの正道派が合流したため鷹派としての角が取れており中道保守と言った側面も見られる。その為、国境線上での睨み合いや偶発的な小競り合いは続いているが、オーブを介してプラントや共栄圏議会連合と外交関係を比較的良好に維持している。また、旧地球連邦勢力は地上宇宙の支配領域の治安維持の円滑化を謀り旧連邦系勢力を縦断する治安維持組織ギャラルホルンを結成している。生粋鷹派の治安維持組織であるティターンズに対してギャラルホルンは建前上中道派である。
そして、ジオン公国であるが地球連邦が分裂した今、地球圏最大勢力の共栄圏議会連合の盟主国として権勢を強めてはいるが、問題も多い。
宇宙や地上の山賊に近いバルチャーや海賊の対処。それに連なる新興加盟国への治安維持部隊の派遣。資源不足はアステロイドベルトより資源衛星を運び込むことで解決の目途を見せてはいるが予断を許さない状況なのは変わらない。ドズル・ザビがいい塩梅に緩衝材になっているがギレン派とキシリア派の対立は日々エスカレートしている。そもそも、ドズル派も若干ギレン派よりなのでキシリア派の先鋭化は進んでいる。これらが表面化しないのは公王デギン・ソド・ザビの存在も大きい。逆にガルマ・ザビが離れたことでキシリアをとどめる者がいないと言う見方も出来たのだが…。
ジオンは、そう言った出費が嵩みMS開発競争では一歩出遅れている。
それでもMS総保有数では1位である。