06 1週間戦争とルウム戦役 0079
宇宙世紀0079年1月3日、ジオン公国は地球連邦政府に対して、完全な独立を求めて宣戦布告した。
開戦に向けた準備を万端に整えていたジオン公国軍は、宣戦布告と同時に月と各サイドの駐留艦隊に対して一斉攻撃を開始した。
ジオン軍は廃案となった初期案の様な核兵器による一斉奇襲攻撃は避けた。
核装備のC型は予備兵力として主力はF型であった。
その為、若干の苦戦は見られたもののサイド1ではコロニー外の戦闘の趨勢が決まった時点で、コロニーベイ内の連邦軍にコロニー住民で構成されるサイド防衛隊と武装市民が攻撃を仕掛けた。
サイド防衛隊が持ち出したものは改造MWに分類されるクラブマン改や装甲車両タイプのMWを無理やり宇宙用に改修した物、ボールやオッゴと言った改造武装スペースポッドであった。一般の貨物コンテナに潜んでいた彼らは出港準備をしていた連邦艦隊を襲撃し、降伏させた。一部降伏を拒否した敵やすでに出港した敵部隊はジオン軍によって壊滅した。
「サイド1、サイド4の解放に成功しました。」
「サイド2連邦駐留軍壊滅!」
また、サイド1の決起軍は防衛隊の過半数以上であり、反対勢力を瞬く間に掌握し、即座に親ジオン政権を組閣し共栄圏参加を表明した。それに比べればサイド4も防衛隊内にジオン親派がいたが決起には至らず。フレミングインダストリーの影響で比較的不自由しない生活をしており、共栄圏参加には応じたが参戦には至らなかった。
5日、キシリアの派閥の部隊はグラナダとフォン・ブラウンの地球連邦第4艦隊を退け、月面都市グラナダを制圧。フォン・ブラウンは中立を宣言した。
キシリア艦隊は制圧した月面都市のマスドライバーを確保。
キシリア艦隊は月面の掘削を開始。
今次大戦において連邦軍最大の失策はジオン開戦直後に予防戦争としてプラントに攻撃を仕掛けたことだ。ある意味軍内のブルーコスモス派閥の暴走でもあった連邦軍の攻撃によりプラントのユニウスセブンが核攻撃によって壊滅した。連邦はジオン・プラントの二大反連邦国家の一つを黙らせることに成功したように思われた。しかし、これは完全な逆効果であった。プラントは報復を叫び、ジオンに続き連邦へ宣戦を布告した。プラントは7日ジオンとルウム(クーデター軍)から正式に軍事通行権を得てL3・L4間の半要塞の資源衛星新生に攻撃を仕掛けた。新生には防衛部隊以外にもルウムへ出撃するために艦隊が規定数に至っていない状態の第6・7艦隊がおり、ルナツーに次いで戦力が集まっていた為、プラントの想定を超え戦闘は2か月に及んだ末に勝利を収めた。ジオンは少数の艦隊でザフトの動きを利用し連邦の兵力が減った隙を突いてエアーズ市、セント・ジョセフ市を制圧した。さらに、月面の各拠点制圧をジオンは行う予定であったがキシリア艦隊は月面掘削作業を優先させた。その為、ザフト軍が月拠点確保に動いた。ザフト軍が自軍拠点のローレンツ・クレーター基地からプトレマイオスの連邦軍基地へ襲撃を掛けた。ザフトの攻略目標となり大規模な艦隊戦が繰り広げられた。最終的には同基地に設置されていたレアメタル溶解施設「サイクロプス」が実戦で初使用され、地球連邦軍第5艦隊とザフト艦隊の大半を巻き込み自爆・消滅した。
15日、ソロモンではドズル率いる艦隊にパトロール艦隊群やア・バオア・クーからの援軍が合流し連合艦隊(以下ドズル艦隊)を形成していく。
ドズル艦隊はルウムへ向けて進軍していく。
また、開戦初期に各サイドを解放した部隊群はサイドの防衛は現地の防衛隊に主導権を渡し治安維持のための部隊を残して、それ以外はキシリアの第二陣艦隊に合流する為月に向かった。
月面で掘削した岩塊を牽引しキシリア艦隊は解放隊の部隊と合流し第二陣として動き出す。
地球にこれら採掘した岩塊群を落とす計画をキャッチした。
ジオン軍の隕石落としの前哨としてのルウム進撃の意図を察知した地球連邦軍は、ルウムに駐留するティアンム中将指揮下の宇宙軍第2艦隊(以下ティアンム艦隊)に先発隊としてジオン艦隊迎撃を命じると共に、地球から宇宙軍第3艦隊を増援として打ち上げ、これをレビル中将を指揮官としたルナツー駐留の宇宙軍第1艦隊に合流させた連合艦隊(以下レビル艦隊)を本隊としてルウムへ向けて進発させた。一部が核を装備し、予防戦争としてプラント核攻撃を行う手筈となった。対ジオン戦力は、ティアンム艦隊がマゼラン級戦艦13隻、アガメムノン級戦闘母艦3隻、トラファルガ級全通甲板型支援巡洋艦2隻、ノースポール級宇宙空母1隻、サラミス級巡洋艦30隻、ネルソン級巡洋艦15隻、ドレイク級駆逐艦30隻、レパント級ミサイルフリゲート22隻、アンティータム級補助空母4隻、コロンブス級輸送艦3隻、コーネリアス級補給艦3隻、マルセイユ級輸送艦2隻。戦闘機は18飛行隊304機など、ほぼドズル艦隊全軍に匹敵し、レビル艦隊はその3倍とされる。対するジオン軍は、マゼラン級を凌ぐ火力を持つ戦艦がグワジン級大型戦艦「グワラン」「グワリブ」「アサルム」「グワデン」の4隻、ドロス級超大型宇宙空母「ミドロ」、ヴァルキリー級装甲空母「ヴァルキリー」、ザンジバル級機動巡洋艦7隻、チベ級高速重巡洋艦艦12隻、ムサイ級軽巡洋艦30隻、ガガウル級MS運用駆逐艦20隻、ヤップ級大型輸送艦2隻、パゾク級補給輸送艦1隻、パプワ級補給艦6隻。
第二陣艦隊はグワジン級大型戦艦「グワシュ」、ドロス級大型宇宙空母「ドロワ」、ザンジバル級機動巡洋艦3隻、チベ級高速巡洋艦4隻、ムサイ級軽巡洋艦11隻、ガガウル級MS運用駆逐艦10隻、パゾク級補給輸送艦8隻、パプワ級補給艦1隻。
凡その計算であるがドズル艦隊の船数は連邦艦隊と比して1/4のうえキシリア艦隊他と合流しても船数は1/3を少々上回る程度と圧倒的不利な状況であった。
艦隊総司令官ドズル中将は、御前会議で「全艦隊を以て先発のティアンム艦隊を叩く」という作戦を伝えるが、実は連邦軍を欺くための芝居で真の狙いは主力のレビル艦隊にあった。この情報は連邦軍へリークされ、ルウムへの攻撃はないと判断した連邦軍はティアンム艦隊を全軍出撃させてしまい、レビル艦隊もジオン軍との艦隊決戦に急行することに決した。その結果ルウムはほぼ無防備な状態におかれた。
ティアンム艦隊がルウムから遠ざかったのを確認した親ジオン派のザイデル・ラッソはルウム防衛隊を率いて親連邦の政権打倒を掲げ決起した。ルウムからの救援要請が連邦軍艦隊に届いたのは、ドズル中将率いるジオン艦隊と先発のティアンム艦隊がまさに戦端を開こうとする直前だった。そのため、レビル艦隊は決戦を前にルウム救出のためワッケイン、カニンガム両将に艦隊の半分を割いて向かわせざるを得なくなった。ジオン艦隊も岩塊を守る一部を除いてキシリア艦隊がドズル艦隊の傘下に入った。その為、レビル本隊とドズル艦隊の戦力比はほぼ3対1となる。
戦力比はジオン1に対し連邦3。戦闘開始直後は艦隊戦で有利にたった連邦軍だが、その主力は宇宙戦艦やセイバーフィッシュなど宇宙戦闘機であり、戦闘中盤でジオン軍がモビルスーツを投入すると、徐々に押されていく。
さらには、大破した地球連邦軍艦隊の旗艦・マゼラン級戦艦アナンケからレビル将軍が脱出に用いたランチが、ジオンのモビルスーツ部隊「黒い三連星」の乗るザクIIに拿捕され、レビル将軍はジオン軍の捕虜になってしまう。
一方で、ルウムに向かった連邦艦隊に対しては実戦投入された試作艦隊決戦砲・QCX-76Aヨルムンガンドが、照準補正用の観測データに不備がありあわや照準不可能となるところであったが、同じく実践投入されたニュータイプの協力でロドニー・カニンガン准将を討ち取ると言う大きな戦果を上げることが出来た。
結局この戦いは、ジオン軍がモビルスーツの活用により3倍の戦力差を跳ね返して優位に立ち、地球連邦軍宇宙艦隊はほぼ壊滅した。地球連邦軍は前代未聞の大敗を喫し、宇宙でジオン軍の大規模行動を阻止することは不可能になった。一方、ジオン軍はレビルを捕虜に取るなど予想以上の戦果を挙げたが、ジオン側の損耗もまた大きかった。
ジオンはルウム戦役での戦果を背景に地球連邦政府と和平交渉に臨み、戦争の早期終結を図った。事実上の無条件降伏に等しい要求を行ったジオンだったが、連邦軍によるレビル将軍の奪還成功とレビル将軍による「ジオンに兵なし」の演説などによりその意図は頓挫する。
ルウム戦役裏
サイド5ルウム鎮圧に向かう連邦軍を奇襲し迎撃する様。ドズル・ザビより指示を受けたブラード・ファーレン中佐率いるブラード戦隊と第603技術試験隊、第604技術試験隊が合流し分艦隊を形成。
第603技術試験隊、第604技術試験隊は試作艦隊決戦砲・QCX-76Aヨルムンガンドを連邦艦隊に向けた。しかし、照準補正用の観測データが送られなかったために正確な照準が取れなかった。
「補正データが届かん!」
「今から観測機を出しても間に合いません!」
アレクサンドロ・ヘンメ砲術長とオリヴァー・マイ技術中尉が言い合っていると割り込み回線が入る。
『なら、私が補正データを送ろう。』
『お、おい!?勝手に!?』
ブラード戦隊のパイロットの様だ。
結構やんちゃなパイロットの様で隊長と思しき声が驚いているのが聞こえた。
「できるんですか!?」
「できるってんなら、やってもらおうぜ!なぁ!嬢ちゃん!」
「ですが、戦闘しながらな上にそこからでも正確な照準は…。」
『隊長。私の実力は知っていると思うが?』
『ッ…やってみろ。マイ中尉、ただ…。』
「何かあるのですか?」
『隊長、こういう時は何も言わないのがいいんだぞ。』
『すまなッ…違う!うちのセレイン伍長のそれは…少々…』
『何だ?隊長?私のことが信用できないのか?少し悲しいぞ。だが、安心してくれ私の勘はよく当たるんだ。』
「か、勘!?」
『ニュータイプの勘と言うやつだ。』
「総帥たちの、オカルト案件…。」
マイが困惑する中、向こうの隊長がフォローを入れる。
『彼女は優秀なニュータイプだ。それは保証する。こんなことを言うのも何だが、他に手はないのだろ。データ送信は任せてくれ。』
「わ、解りました。そちらを信じてお願いします。」
その後、ブラード戦隊MS隊を中心とした突入部隊から補正データが送られてくる。
「これなら行ける!ヘンメ砲術長!」
「了解!」
ヨルムンガンドの放った一撃は連邦分艦隊の旗艦ネレイドを直撃。ネレイドは爆散した。
旗艦を失った連邦艦隊の隙を逃さずMS隊が追撃する。
さらに趨勢がジオンに傾きかけたころに政権中枢を抑えた防衛隊は虎の子のモビルポッド隊を投入して連邦追撃に加わった。完全に流れがジオンに変わった。
分艦隊の一部を除き殆どが撃沈か降伏し、主戦域の戦いもドズル艦隊に軍配が上がった。
結局この戦いは、ジオン軍がモビルスーツの活用により3倍の戦力差を跳ね返して優位に立ち、地球連邦軍宇宙艦隊はほぼ壊滅した。地球連邦軍は前代未聞の大敗を喫し、宇宙でジオン軍の大規模行動を阻止することは不可能になった。
これによって地球への岩塊落としは誰も防ぐことができなくなった。
さらに月面を制圧していたジオン軍は同地域のマスドライバーを制圧していたエリク・ブランケ大尉に別軌道でのマスドライバーによる質量投射を命じた。
マスドライバー攻撃に対応するために対宙攻撃力を持つ各地の基地はその対応に追われる。
僅かな憂いであった大気圏での迎撃も排除したドズル・キシリア両艦隊は岩塊群をジャブローへの落下軌道に乗せる。
大量の隕石(アクシズなどの要塞級の大きさではない)が流星群の如く降り注ぐ。南米の密林に多数のクレーターを形成していき、森林火災も発生している。
「圧倒的ではないか。我が軍は。」
「えぇ、お父様。」
「だが、これだけではない。」
ギレンはノーマに説明していく。娘に見栄を張る側面もあるが、それ以上に作戦がうまくいき上機嫌であることも大きい。
岩塊群の中には生物兵器としてのアスタロスが仕込まれており、時間経過とともにジャブローの密林を枯らし切ってしまうだろう。
勿論、隕石攻撃でジャブローの岩盤に穴が開けば最善だが、時間が経つにつれアスタロスのお陰で密林の隠蔽が消滅して丸裸になったジャブローの出入り口があらわになる事だろう。
「連邦の無能が慌てふためく姿が目に浮かびます。」
「ふっ、その通りだな。」
参戦した他サイドの軍を巻き込みL3のルナツー要塞及びアルテミス要塞を圧迫し、地球軌道上を掌握。定期的にマスドライバーで岩塊を投射し続け、連邦を威圧し続けていた。
そして連邦軍は本命のジオンに大敗した。