個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
心操人使から宣戦布告されてされてから数週間後。とうとう体育祭の当日が来てしまった。あの後俺がスピーチすることにわかり、理由を聞いたところ首席の人が毎回スピーチするという謎文化があることを知った。普通にやりたくないが、まあ適当にアドリブでどうにかするか。
「おい薬錠」
珍しく轟から声をかけられる。
「おう、なんだ?」
「俺はおまえにも勝つぞ」
「……どうした急に?」
「「「轟の話聞いてなかったの!?」」」
どうやら考え事をしている間に轟の話を聞き逃していたらしい。他の生徒に聞いてみると、轟が緑谷に宣戦布告したらしい。そしてその後に俺にもしようとしたようだ。
「すまんな。別のことを考えてたから話をちゃんと聞けてなくて。まあ負ける気はないから安心して全力を出してかかってこい」
「ああ、そのつもりだ」
雄英体育祭まで、あと数分。
『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!』
プレゼントマイクって基本はこのテンションなのか。会議室の姿を見てると同一人物か一瞬疑ってしまった。
『ヒーロー科!1年A組だろぉぉ!!?』
その声を聞いて、俺らは入場する。
「スゲェ!スタジアム満席だ!」
「うおお!燃えてきた!」
皆が口々に話始める。多分緊張を和らげる為だろうか。
「確かにこの量だと俺も緊張するな」
『その割に緊張してるように見えないけどね、薬錠くん』
「そもそも顔自体が見えない葉隠に言われても」
その後続々と他の科の生徒が集まってくる。途中新奈と目が合い、手を振ってきたが、色々とめんどかったので無視した。ちなみに体育祭の後に無視したことに対してLINEで長文メールが送られてきたがそれも既読無視した。
「選手宣誓!生徒代表!1年A組!薬錠 鎖!」
ミッドナイト先生が壇上の上に立つ。そして俺は壇上に向かって足を進める。この大勢の前で話さないといけないの控えめに言って最悪だ。そもそも俺はそういうのは苦手なんだよなぁ。
『あ、あー。宣誓。スポーツマンシップに則り、正々堂々と勝負し、自身の全力を出し切ることをここに誓いまーす』
生徒達は俺のやる気の無さに軽いブーイングが飛ぶ。
『とは一応言いますが、残念ながら俺が勝つので、俺に簡単に倒されないようにせいぜい気を引き締めて踏み台になってくださーい。以上』
俺が言い終わると、もうそれはブーイングの嵐。まあその怒りを順位にぶつけてくれ。そのつもりで言ったし。先生が何も言わなかったのも多分こういう展開を期待してたからだろ。
『……薬錠くん絶対最初から緊張してなかったでしょ』
葉隠にジト目(多分)で見られる。心外だ。
「いーや?ちゃんと緊張したが?2mmくらいは」
『それはもう緊張してないのと変わらないでしょ』
選手宣誓が終わり、第一種目である『障害物競争』が始まる。
220人がスタート地点であるゲートに全員が集まる。もちろんそんだけ人が集まれば身動きが取れなくなる。ちなみに俺は最後尾にいる。開始の合図が鳴り出すと同時に氷が足元を固定しようとしてくる。多分轟だろう。だがA組の生徒はそれにかからず先頭に続いていく。それに慌てて他の科もなんとか氷を対処してA組生徒に負けずに追いつこうとし、最終的にゲートにいるのはいるのは俺だけになった。
「よし、誰もいなくなったな」
薬を飲む。
そして俺はゴールまで【ワープゲート】を使って容赦なく一位を掻っ攫ったのであった。
ちなみにそのことにもブーイングは上がった。
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