個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
轟と飯田の試合。飯田は速攻のレシプロバーストで決めにかかり、轟に一撃を入れて場外スレスレまで来たが、飯田のマフラーを凍らし、機能停止に追い込み、最後に飯田本人を凍らせることにより、轟の決勝戦進出となった。
そして、次の試合。そう、爆豪と俺との試合だ。
「さて、ここまで頑張って来た爆豪くん。負ける最後に何か一つ、言うことはあるかな?」
「……必ずテメェをぶっ倒して、完膚なきまでの一位を見せつけてやる」
わぁ、なんて殺気。観客にいる子供達が怯えてますよ〜爆豪さーん。煽った俺も悪いけど。
『さあ始まるぜぇ!準決勝!!薬錠鎖VS!爆豪勝己!!』
『START!!!』
「死ねやオラァ!!」
「死ぬわけねぇだろ馬鹿タレ!!」
同威力の同じ【爆破】で爆豪の【爆破】を相殺する。
「俺を殺したいならもっと火力出せ三下」
「あ"あ"っ!?この程度なわきゃねぇだろうが!!」
そう言って爆豪は爆撃のラッシュをかます。それを同じように爆破を繰り出し、相殺する。しかし…
(……徐々に威力とスピードが、上がってきている…?)
少しずつ火力と速さ、そして爆発範囲が上がっていき、爆撃を捌けなくなっていく。
ついに顔面への爆破を許してしまう。それにより場外スレスレまで吹っ飛ばされる。
「口ほどにもねぇなおい!?まだまだこんなもんじゃねぇぞ!!」
「…」
爆豪は追撃のためにこちらへ近づいてくる。体制を立て直し、迎え撃つ。再度爆破同士の相殺が起き、会場は爆風と爆音で包まれる。今度はしっかり対応し、逆に腹に爆破を入れ込む。
「ハッ、その程度か雑魚が!!」
しかし、逆にこちらにも爆破を入れられ、またもや吹っ飛ばされる。
「もっと本気でかかってこいや!!オマエの個性はそんなもんかよ!?」
「……そんな言うなら見せてやるよ」
薬を二つ、
俺の背中に突如として生えた、燃え盛る【
両親の個性が融合し、新たな個性へと変わることが稀にある。どうやら俺の個性で生み出した薬も当てはまることを中学生になり、知ることとなった。この【炎翼】は、初めて自分が生み出した個性だ。
俺は【炎翼】を使い空を飛び、放つ。
「フェザービット」
炎翼から何百もの火を纏う羽が爆豪に襲いかかる。爆豪はご自慢の爆破で焼き切ろうとするが、数が数なだけに、何十本かは爆豪にダメージを与え、蓄積されていく。
「ぐぅ…!まだだ……!こんなところで負けられるか……よ!!」
【爆破】を上手く使い、空を飛ぶ。しかし羽に阻まれ、なかなか俺のところに来ることができない。
「そろそろ限界か?ならすぐにでも終わらせるが」
「ふざけんな!!まだやれるに決まってるだろうが!!」
「だろうな」
飛ばす羽の量を増やす。その数千本。それを爆豪は空中で交わしながら、俺に向かって爆破を飛ばす。しかし、炎翼に防がれて致命傷と言えるようなダメージは入らない。
「……次の一撃を決めてやるよ。爆豪」
「いいぜ…俺もこの一撃で、オマエをぶっ殺す……!!」
俺はさらに上空に飛び、高度を確保する。そして爆豪に向かって垂直頭から突っ込む。体の向きを変え、脚を【タカ】の脚に変化させ、さらに脚に炎を纏い、爆豪に向ける。それに対して爆豪は超巨大な爆撃を薬錠にぶつける。
「
「プロミネンス、ドロップ」
その強大な威力同士がぶつかり合い、激しい閃光により観客の視界が白一色となる。観客が視力を取り戻した時に見た光景は
爆豪が地面にうつ伏せになって倒れている姿だった。
「クソ……俺…は……完膚なき…までの……一位…を」
掠れた声で、その言葉を繰り返す爆豪。
「初めてだよ。この人生の中で、負けるかもと思えたのは」
俺はそれだけを伝える。伝えた後の爆豪には、ひっそりと目に雫が溜まっていた。
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