個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
とうとう体育祭の振替休日も終わり、普通の授業がやって来た。
教室に入った瞬間、切島達が俺に挨拶する。
「お、薬錠!おはよう!!」
『おはよー!薬錠くん!』
「おはようございます薬錠さん」
「おう、おはよー」
俺はあんまり他の生徒と関わることはないが、それでも普通に挨拶をしてくれる人が何人もいる。やはり人柄の良さが出ているな。
「お前は声かけられたか!俺らスゲェ声かけられたぜ!」
『私もジロジロ見られて恥ずかしかった!』
「俺なんて小学生にどんまいコールされたぜ」
「俺は【ワープ】してここまで来たからなんともなかったが……、そうか、瀬呂どんまい」
「また言われた……」
昨日は普通にフード被ってたから気づかれなかったけど、確かにそう考えるとこれから先碌に出かけることが出来ないな……。まあ最悪個性で顔の形でも変えれば良いか。
そんなことで授業が始まり、ヒーロー情報学の時間がやって来た。どうやら今回は特別授業で、自分のヒーロー名を決めるらしい。案の定クラスが一体となってはしゃいだ。
話によると、これから始まるプロヒーローからの指名でその名を使うらしい。確かにこれからヒーローになるのに名無しじゃやってられないもんな。
ついでにプロヒーローからの指名の結果が発表された。その中で俺の指名は6193とダントツだった。ちなみに2番目に多い轟とは1500くらい離れていた。
「まああくまでこのヒーロー名決めは仮だ。だが適当なもんつけた暁には……
そう言い終わらないうちに教室の扉が開き、ミッドナイト先生が顔を出す。
「付けたら地獄を見ちゃうよ!この時にまだ仮の名前だと思って適当に付けた名前がそのまま世の中に浸透しちゃって実質的に変更が効かずにそのままプロになって後悔してる人多いからね!?」
果たしてそれは体験談なのだろうか。是非とも気になるところだ。
「まあそう言うことだ。そこらへんのセンスはミッドナイトに査定してもらう…。俺はそういうの出来ん……将来自分がどうなりたいか、何を成したいのか、名をつけることでイメージが固まる。それが【名は体を表す】ってことだ……、ということで俺は寝る」
良いこと言ってんのにその寝袋に入る姿を見るとどうも締まらんな。
まあそんなこんなで多くの人が自分のヒーロー名を決めていく。やっぱヒーローを目指すんだからもうヒーロー名決めてんだな。俺はそもそもなろうと思ってなったわけじゃないから中々決まらない。
そんな中爆豪がそのまんま爆殺王にしてペケくらってるのを見て心の中でバカ笑いしつつ、俺の中のヒーロー名が決まった。
「……マルチヒーロー【インフィニッシャー】」
「へぇ、インフィニティとフィニッシャーをかけたのね」
「はい。無限の苦痛を断ち切る者っていう意味を込めてつけました」
無限を断ち切る……か。自分でも大層な名前つけたなと思いつつ何故かこの名前がしっくり来る。
他の人も続々と名前が決まり、今回の授業は幕を閉じた。
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