個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
「うーん……」
薬錠鎖は悩んでいた。どこのヒーロー事務所の体験をどこに行くか……。
火力の調整ならエンデヴァー、格闘術ならミルコか、機動力をつけるのもアリだな……だとしたらホークスさんあたりか?ゆくゆくは事務処理系統の仕事を学ぶために大御所の場所に行きたいし……いやでも有用な個性をプロヒーローから回収できるチャンスを事務処理で捨てたくないな……。
『薬錠くん、そんなに悩んでどうしたの?』
教室で一人悩んでいる俺に、葉隠は声をかける。
「ああ、実はどこの事務所にするのかまだ決まってなくてな。葉隠はどこにするか決めたのか?」
『うん!決まったよ!』
「そうか。さて、どうしたものか……」
『じゃあさ!いっしょに行かない?一人でいくのはちょっと寂しいし……』
いやどんな理由だよ、と心の中で思いつつ、葉隠の誘いに返答する。
「へぇ、でも俺じゃない人でもいいんじゃないか?」
『実は他の人はもうどこに行くか決まっちゃって……』
なるほど、それで俺に白羽の矢が立ったと。まあ決まってなかったし良いか。もしかしたら良い
「わかった、じゃあそこにするよ」
『え!良いの!?ありがと!薬錠くん!!』
「ところでどこのヒーロー事務所に決めたんだ?」
『あ!ごめんね!?そういえば言ってなかった!ええとね……』
その事務所の名前を聞いた時、葉隠には悪いが行くのを辞めようかと前日まで悩んだのはここだけの話である。
そして、当日。
「……久しぶりだなぁ鎖」
「……ハイ」
今俺は、俺の
「……ところでそろそろ離して貰えないでしょうか……?」
「オイオイ、オレになんの連絡もせず知らない間に雄英に入ったお前の意見を聞くと思うか…?土下座くらいしてから頼め」
「顔掴まれてる状態でどう土下座しろと!?」
中学1年の時、一度ヒーローに憧れて夏休みの期間にこの人の元に行ったことがある。そこで心が折れるまでしごかれ、ヒーローが一時期トラウマになった。おかげで個性の扱いに慣れたが、代償としてこの人にメンタルをズタボロにされた。
彼女の個性は【
戦闘スタイルは主に肉弾戦を得意とし、遠距離の攻撃が来た時に個性を使い、無効化する。ヒーロー活動としては
そんな内輪ノリについていけず立ち尽くすものが2人。古新奈と葉隠透である。
『あ、あの……薬錠くん大丈夫?』
「あんな風になる鎖君初めてみた……」
「あ、そこの2人。アンタらも職場体験だろ。悪いがコイツを連れてってくれ。久々に会ったから加減ができず倒れ込んじまった」
彼女の足元にはまるで殺人事件の被害者のようにうつ伏せした状態の薬錠の姿があった。
「ハァ……死ぬかと思った」
『薬錠くん怪我はない?』
「ああ、怪我はない。再生系の個性を今フルで動かしてる」
「中学生の時たまに休んでたけどアレが原因だったんだね」
復活した俺は他の2人と一緒に事務所へ向かった。ここの事務所は結構広く、サイドキックが2人いるが、その2人はあまり人前に出ず、事務仕事をこなしている。なのでグラトエルがサイドキックを取っているということは意外と知られていない。今回職場体験に来た2人も知らなかったみたいだしな。
師匠が道場の扉の前で足を止める。
「お前ら1人ずつ入ってこい。実力を測る。順番はそっちで決めろ」
そう言い残して師匠は道場の中へと入っていった。
「んで、どうする?俺は最後にやりたいんだけど」
『私も後の方がいいな……』
「よし新奈、先駆け行ってこい。殿は俺がやる」
「せめて葉隠に譲れよそこは!!」
そんなわけで結局ジャンケンで決まり、新奈、葉隠、俺の順番で挑むこととなった。
ちなみに 2人は速攻でボコられて1分も経たないうちに自分の番が来ました。
今回のオリキャラの個性には元ネタがありまして。ヒントは『死神』です。
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