個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア   作:黒鉄 玲

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15分間の死闘

「鎖、お前が最後か」

「……そう…ですね」

「そーとしか言わんだろうが」

 

……ヤバい。改めて璃瑠さんに対面すると、前のトラウマのせいで心音がバックバクなってるわ。

「お前もしやまだ連絡しなかったことを根に持ってると思ってんのかぁ?」

「……」

クッソ、緊張とトラウマで上手く喋れない。

 

「オレァそんなに心狭くねぇよ。なんなら久々に会ったせいで感情が昂っちまった。スマン」

いや違うんです。怒ってるわけじゃないんです。ただただ貴方自身が恐怖の対象と体が認識して上手く喋れないだけなんです。ホントに関係ないんです。

 

「さてと、そろそろ始めるか。制限時間は15分で、ルールは三つ。一つは相手を殺さない」

なんで最初から生死を分ける単語が出てくるんですか?不穏過ぎるんですけど……。

 

「二つ、この道場を壊さない範囲でやる」

なんで壊す前提なんだよ。普通壊さねぇし壊すのアンタだけだよ。

 

「三つ、持てる限りの全力でやること」

持てる限りの全力でやったら絶対道場壊れるんですけどわかってて言ってますよねそれ?

 

「わかったか?」

「とりあえず俺に対する明確な殺意とナーフだけは伝わりました」

「お、やっと喋れるようになったか。お前と戦うとほぼ毎回道場が全壊するからな」

アンタが俺の飛び道具を食い散らかすだろ。

 

「さて、それじゃあぁ……()ろうか」

 

「!?」

 

シュッ

 

咄嗟に左に躱し、耳元から風切り音が聞こえた。ヤベェコレ本気(マジ)だ……!?カウンターを当てようと腹に【伝雷】付きのアッパーをかまそうとするが璃瑠はそれを見越していたのか右に体を倒し、アッパーが空を切る。そのままバックステップで距離を取られる。

 

「やっぱ鈍ってなさそうだなぁ、良かった良かった。お前まで一撃で倒されたらどうしようと悩んでいたところだぜ」

どうやら今の一撃で2人は瞬殺されたようだ。……てことは容赦なく顔面パンチを入れたってこと……!?

「16歳の少女達にしていい所業じゃねぇぞそれ!」

「安心しろ。流石に顔面には入れてねぇ。代わりに腹に入れたけど」

「マシだけどそんな変わってないです。……流石に加減はして殴りましたよね……?」

「………おう」

「……ホントにした?ホントに加減して殴った?」

「さ、気を取り直してスタートだ」

「いや誤魔化さないでちゃん

 

ドゴォ(【スチール】【硬化】発動)

 

と話してくださいね?後話してる最中に攻撃しないでください、ただでさえ貴方馬鹿力なんで気を抜くと上半身消し飛ぶんで」

今だって二つの個性発動させてなんとかダメージを最小限にしているだけだし。

「流石にそこまで馬鹿力じゃねえよ。……ねぇよな?」

そんな馬鹿力を気にしながら容赦なく首や脇腹とか急所を狙わないでください。しかも一撃一撃が重いし。

 

【空間転送】で距離を取り、片手を【ガトリング】に変化させ、璃瑠に向かって連射する。

 

「ハァ、遠距離攻撃が効かないのを忘れたかぁ?」

中くらいの(アギト)を生み出して弾を全て喰らい、そのまま前進する。

「知ってますよそんなこと」

もう片方の手で【炎弾】を放ち、(アギト)を使わせる。

その間に【分裂】で自分をもう一体を作り出し、ソイツを【透明】にして璃瑠の背後を取らせる。

「こんな幼稚な作戦、オレが気付かねぇと思ったか?」

 

しかしすぐに気付かれてしまい、(アギト)に喰われる。

「ハァ、拍子抜けだ。さっさと終わらすぞ」

巨大な(アギト)で俺のガトリングごと喰い荒らし、その空間を一気に突っ切る。

「これで終いだ」

強力な拳が俺の腹へと入る。その攻撃は今の持っているどの防御系の個性でも防ぎきれないだろう。速度もあり、今から飲むでも到底間に合わない。

 

だがしかし、それでも一撃を無効化する策が、今の俺にはある。

 

 

パァンッ

 

 

「なっ!?」

その音は、まるで何かが弾けるかのような音だった。そんな音がしたと同時に無数の数の何かが璃瑠を囲うように飛び出す。その飛び出した何かは、なんと肉片であった。

 

そう、某鬼の首領が使っていた生き恥ポップコーンである!!流石に本家と同じく1500くらいに自身の体を【トカゲのしっぽ切り】で分けることはできなかったが、代わりに【幻映(ホログラム)】を使って偽物も用意して璃瑠の視界に映る肉片をかさ増ししている。

そして、肉片から一斉に今現在持っている個性をぶつける。

 

「……ふぅ、とりあえずは逃げきれたか」

一つの肉片から【再生】して元の姿に戻る。肉片の中には【霞】を出してる個体もいるから璃瑠の視界を掻い潜ることができた。流石にあの量だし、全て喰らうことはできないだろう。

 

「!?」

霞が晴れるとそこには無傷の璃瑠がいた。

「いやぁ……、さっきのは焦ったぜ、あの量を捌くのは骨が折れる。だが過剰火力が過ぎるな。普通の相手にコレやったら塵と化すぜ?俺に撃ったからいいものの、この技は封印しとけ」

 

一通り話をした後、再度俺に向かってくる。パンチを避けると今度は避けた先に(アギト)を生み出して来た。

「ホント貴方容赦ないですよね!?」

なんとか【空間転送】で避けたから良かったが、避けてなかったらそのまま璃瑠さんの胃袋よ中へ直行するところだった……マジ怖ぇ。

「容赦したら訓練になら…」

 

璃瑠さんはそう喋る途中で目から光を失い、完全に停止した。

「………………ハァ、やっと終わった」

まさかこの薬を使うことになるとは思わなかった。【空間転送】した先で咄嗟に【洗脳】の薬を飲み、璃瑠さんを洗脳した。できるだけ取っておきたかった薬だが、しょうがない。一応増産はできているから問題はない。

「あ、そうだ。一応命令出しとこ。その場で座り込んでください」

すると、璃瑠はその場で座り込んだ。なるほど、行動させることはできるのか。他のことも試してみるか。

 

15分が経つまで残り2分ほどしかなかったが、その2分でどこまで命令できるが知れた。まだ喋らすことはできないが、いつかそれもできるようにしよう。

 

「えーと、解除する時で強い衝撃を与えればいいんだっけ」

そう思い、俺は【剛拳】と【硬化】、【重量操作(ウエイトチェンジ)】、【大拳】で拳を強化し、先ほどの恨みを込めて、思い切りぶん殴る。

 

すると璃瑠が飛ばされ、当たった勢いで道場の壁が凹んだ。

「んがっ!?」

「15分経ちましたよ璃瑠さん」

「マジかぁ……思ったより時間が経つの早ぇな。前より強くなってるようで良かったぜ」

璃瑠は立ち上がり、そのまま何事もなかったかのように会話する。

「おし、じゃあこれで全員分の実力は測り終わった。ついてこい」

「はいはい、わかりましたよ」

 

そして2人は道場を後にした。




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