個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
いつも見てくれる皆様、ありがとうございます。
今後も引き続き、小説をお楽しみください。
ヒーロー殺しの件から数日、事務所側から明日で職場体験が終わるため、今日は一日丸ごと休暇をくれた。何やらこれまでの疲れをこの一日で癒してもらうためらしいと、特に2人に向けての休みだそうだ。……どんまい。
さてさて、休みは本を買いに行きますか。
ガッ
急に誰かに肩を捕まえられ、何事かと振り向く。
「これから葉隠ちゃんと私で買い物行くつもりなんだけど……荷物持ちやってくれない?」
そう提案する新奈。うん、コレは断れないヤツですね。
「……一応聞くが拒否権は?」
「そこになければないですね^ ^」
ないかぁ〜。
半ば強制的に買い物に付き合わされ、向かった先は近場で一番デカいデパート。
案の定女子達は服屋へ直行し、どの服が良いか2人で楽しそうに話し会いながら買い物をしている。俺としては美的センスがあるわけじゃないからただただ話している2人を眺めているだけだ。端的に言って暇である。
ふと、前々から疑問に思っていたことを思い出す。
(……あ、そういや葉隠の素顔ってどんなだろ)
ほんの些細な出来心だった。
薬を飲み、体育祭の時に使った【透視】を使う。この個性は壁を貫通して見ることも可能だし、本来見えないものも見ることができる。ちなみに幽霊はいます。これマジね。なんならよく新奈の周りにウヨウヨいます。
さて、葉隠ってどんな顔なのかな……
「えっ、、、」
『?薬錠くん、どうかした?』
俺は言葉を失った。彼女の素顔は、とても言葉に表せないほど可愛かったからだ。普段は見えてないからなのかヘアセットはボサボサだがそれはそれで良さがある。また、やや童顔でまつ毛が長く、肌も見た感じスベスベそうで、ホントまんまタイプだったので、まさかの出来事で可愛いという感情より驚きの方が勝ってしまっている。
流石に今は服を着ているからまだ良かったものの、もし葉隠がコスチュームを着ている最中で見てしまったらと考えると、下手したら切腹レベルの謝罪するところだ。
「……いや、スマン。なんでもない」
『?』
「いやいや、その言い方は何かあった言い方でしょ。ほら、さっさと言って」
まずいな、こうなってくると多分誤魔化せない。なんでお前はこういう時に関しては察しがいいんだよ普段から察し悪くあれよ。
「……先に謝っとく。葉隠、スマン」
『え?なんで私に?』
「いや、ふと思ったんだよ……そういや葉隠の素顔ってどんな感じなのかなって」
「もしかして……」
「ああ、つい個性使って見ちまった。もし嫌だったらごめん」
それを聞いた葉隠は顔を赤くしながらも、俺の謝罪にこう返す。
『……う、ううん。嫌じゃないよ』
「ハァ…、なら良かった」
そう言ってもらえるとホントに助かる。
『……ちなみに、どうだった?』
「え?」
『いやね、あんまり人に顔なんて見せないから……その……感想が欲しいな……って』
どうだった?って、なんて答えるのが正解なんだ…!?ホントのこと言った方がいいのか……?いやでもキモいって思われたくねぇ……!
結局素直に答えることにする。
「まぁ……結構美形寄りだと……思うぞ」
だが言った後にものすごく後悔する。……自分で言っててすっげぇキメェ。なんだ美形寄りって。キモ過ぎる……。
『……そっか……そっかぁ』
コレはどういう反応なんだよ……!やばい何が正解かわかんなくなってきた。
「ちなみにそれって私が見ることってできないの?」
「え?」
「いや、私も、気になってたんだよね。葉隠ちゃんの素顔」
確かに考えたことなかったな……。なんか使える個性あったか?
「スマン、流石にそこまで俺の個性は万能ではない」
まぁいつかあの
「そっかぁ、残念」
「まぁいつかそういう個性を手に入れたら、葉隠さえ良ければ見せてあげるよ」
その後も買い物が続き、気付けばあっという間に夕方になってしまった。事務所で寝泊まりすることとなっているので仲良く横並びになって帰る。ちなみに寝室は別々です。当たり前だろ。
「今日はありがとね、荷物持ちで来てくれて」
『うん!ホントに助かった!ありがとう!!』
「いいよそれくらい、俺としても2人が買い物しているところは見ていて楽しかったし」
俺は漫画とかでいう日常パートは大好物だからな。
「最初は行くの渋ってた癖に」
「あったか?そんなこと。次行く機会があれば教えてくれ。暇だったら付き合う」
……なんか、こうしていると、自分がヒーローだってそうなの忘れそうだな。
なんだかんだ、今日は素敵な日だったな。そんなことを考えて、とある休日は幕を下ろした。