個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
「ブハハッ!!爆豪なんだよその髪型!!」
「笑うな……!クセついちまって洗っても直んねえんだ……おい笑うなぶっ殺すぞ……!!」
わぁ、爆豪がすっごい髪になってる……。体験先で何があったんだ。
「やってみろよ8:2坊や!アッハッハッハッハ!あー腹捩れる」
「ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
ブォン!!
あ、爆豪の怒りで髪型が元に戻った。
『お茶子ちゃん……、ふ、雰囲気変わったね……』
「うん…とても有意義だったよ……」
あっちはあっちで麗日がもう麗日じゃなくなっているし……。確かガンヘッドのところに行ったんだっけ。あの人格ゲー好きだから麗日の個性を見た時格ゲーと同じことできそうって本人言ってたな。
「いやぁしかし……、たった1週間でこれほどの変化とは……」
「てかそう言う薬錠だってあのヒーロー殺しを捕まえたんだって!?飯田から聞いたぞ!!」
「スマン!ものすごくせがまれたから教えてしまった!いやだったら申し訳ない!」
「大丈夫だ飯田。別にいやって訳じゃないから」
あの後、警察に色々聞かれて、一般の人である俺が捕まえるのは本当は良くないらしいがグラトエルのおかげで注意程度で済んだ。ほんとにありがとう璃瑠さん。
「なあなあ!どうだった!?ヒーロー殺し!どんなヤツだった!?」
「どんなヤツかぁ……。自分の意志がしっかりしてる、……自分の思う大義のためなら、犠牲になれるような、そんなヤツだったな」
昔は俺もそんな風に考えていたこともあったから、ステインの考えもわかる。確かに今のヒーロー社会に疑問を感じるところもある。
だがそれはそれとして人殺しはダメだろうが。バレたらアウトなのにわざわざやる必要があるのかなほんとに……。
「一生分かり合えないと思うが、その信念、ひいてはそれを叶えようとする執着は相当だった」
「すげぇな……、そんなヤツによく勝てたな薬錠!」
「いやぁ、結構苦戦したな……。場所が場所だから下手に大技撃てないし」
そんな雑談をしていると扉が開き、相澤先生が入ってくる。
いつもの日常が、また始まる。
now loading……
「ハイ、私が来たというわけでね、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」
「ヌルッと入ったな」
「久々なのにな」
「パターンが尽きたのかしら」
……悲報。伝説的ヒーロー、最初の挨拶のネタが尽きる。
……あーあ、反応が薄いからオールマイト落ち込んじゃったよ。元気だしてって。
今回の授業は救助訓練レースをするとのことだ。
現場に着くまでの早さを競うらしい。まあ遊びに近い。
場所は運動場γ。工場地帯のようになっており、まるで迷路だ。そこら中に足場やパイプがあるので、それをどう使うかがこの勝負の鍵になりそうだ。
「私は敷地内のどこからか救難信号を出す!同時に街外からスタートして一番最初に私の所に辿り着いた者が勝者!」
なるほど、わかりやすいルールだ。その後、5人1組で1組だけ6人のチームをオールマイトがくじ引きで決めた。
最初のチームは緑谷、葉隠、瀬呂、蛙吹、俺となり、位置に着くように言われる。
俺を除いたこの中だったら誰が一番早くゴールができるんだろ?
瀬呂は機動力が高いし、蛙吹も舌を使った移動とかできる。緑谷は……、顔見れば(あ、コイツ大丈夫そうだな)ってわかるからいいとして、この勝負で一番キツイのは葉隠。移動に関係ない個性だからこの中だと最下位になるだろうな。どんまい。
『START』の合図が鳴り響き、全員が一斉にかける。瀬呂と緑谷は空中から、蛙吹と葉隠は地上からいく。いやぁみんな頑張ってんなぁ。
「……まぁ俺はもうすでにゴールにいるんだけどな」
「うわっ!?薬錠少年、できれば後ろから現れないで前から来てくれると嬉しいんだけどね」
「ハハ、すみません」
オールマイトは毎回反応が面白いから、つい、やっちゃうんだ(ド◯ルド)。
ゴールから見てみると生徒たちの様子がよくわかる。……にしても緑谷は着実と成長しているな。前までは0か100の力しか出来なかったのに、今では常時個性の補正がかかっているように見える。機動力抜群の瀬呂といい勝負できてる時点で成長していることがよくわかる。
瀬呂と蛙吹は個性の使い方が似てるな。瀬呂はテープで蛙吹は舌だけど。意外と瀬呂の能力は拘束にも使えるから、結構有用だな。欲しい。
しかし何よりも意外だったのが葉隠だ。すげぇよパルクール見てる気分だったよ、手袋と靴しか見えてないけど。SAS◯KEの第二ステージまで行けるレベルだぞ。璃瑠さんのところで何があったんだ。奇しくも最下位になっちゃったけど、他のチームだったら絶対一位だったじゃん。
そんなこんなで授業が終わり、更衣室へと入る。動いた後である上に、夏とまでは言わないが暑いこともあってサウナかと錯覚するような熱気だ。俺のコスチュームは冷感素材でもあるから脱ぐ方が余計に暑くなる。
嫌だなぁと思いながら着替えること1分弱。
「……!おい緑谷!やべえ事が発覚した!!こっちゃ来い!」
そう言う峰田の声を聞き、何事かと俺も峰田へ近づく。
「どうした?」
「ん?」
そこにはだいたい直径1cmほどの小さな穴があった。ただの穴だったら特に気にすることはないだろう。しかし、その穴の先が問題だった。
その穴の先が女子更衣室へと続いているのである。
「……一応峰田、お前ヒーローの自覚あるよな?」
「……俺は……俺……は……」
「ヒーローである前に……男なんだよぉ!!!」
「そうか、くたばれ」
バチチッ
「あ゛がっ!?」
「……緑谷、そこの峰田を
「え、あ、うん。わかったよ」
峰田を男子更衣室から廊下にポイして【コンクリート】で穴を塞ぐ。これでもう安心だ。……アイツホントいつか捕まるんじゃねぇか……?