個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア   作:黒鉄 玲

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戦闘訓練

さて、高校二日目となる翌日。

 

午前の授業が終わり、昼休みが始まる。

 

いかにヒーローのための高校と言っても、学校であることは変わらず、普通の授業はあった。やはり倍率300倍なのもあってちゃんと難しい。俺は個性の都合上、色々な知識を得る必要がある。なので一旦高校の範囲は中学生のうちに終わらせておいたが、予習しておいて正解だった。

 

昼休みが終わり、午後の授業。初のヒーロー基礎学だ。何やら今日は戦闘訓練をするようだ。

 

この高校に入る時に提出する『個性届』と『身体情報』は、学校専属のサポート会社がコスチュームを用意するために必要らしい。さらに個々人の『要望』を添付する事で更に個々人に合った最新鋭のコスチュームが手に入るようだ。

 

俺のコスチュームは黒のインナーの上に白衣を羽織り、白衣のいたるところに暗器と薬を入れている。

 

さらにこの白衣とインナーは熱や冷気に強く、さらに迷彩機能もついており、これにより【透明】の個性も使える。背中は縦に2本の線が入っており、そこから【白翼】を出せるようにした。

 

……結構無茶な『要望』だと思っていたが、まさか本当に実現してくれるとは。やはり専門職はすごいな。

 

そうしてA組が全員集合する。葉隠は服を着ないのか。まあ個性的には最適解なんだろうが、冬とかどうするのだろうか。

 

そしてヒーロー基礎学を担当する先生はオールマイトだ。

 

「さて‼︎ 今回は屋内での対人戦闘訓練を行う、敵ヴィラン退治ってのは主に屋外だが……統計で言えば屋内の方が凶悪犯罪者の出現率は高いんだ……監禁・拉致・誘拐に裏商売……これから君らには『ヒーローチーム』と『(ヴィラン)チーム』に分かれて2vs2の屋内戦を行ってもらう‼︎」

 

蛙吹という人がオールマイトの言葉に疑問を投げかけているのに対しオールマイトはその基礎を知る為の実践さ、と返す。なるほど、確かにロボット相手だとぶっ壊せばいいが、人間相手だとそうはいかない。よく考えられた訓練だ。

 

そうして説明の続きを話す。

制限時間は15分。敵《ヴィラン》チームは『核』を制限時間までまもる、もしくはヒーローチームを捕縛できれば勝ち。ヒーローチームは『核』に触れる、または敵《ヴィラン》チームを捕縛できれば勝ち。

5分間は敵《ヴィラン》側にセッティングの時間が与えられ、その5分間が終わったらスタート。

 

チームはくじで決め、葉隠とペアになった。ちなみに相手は障子と轟。轟は置いといて障子の個性は索敵に便利だからほしいな。積極的に接触しに行こう。

 

さて、そんな俺らはヴィランチームだ。今は5分の余裕が与えられている。

 

「葉隠」

『薬錠くん、どうしたの?』

そう言い、俺は葉隠の肩に触れる。現在は【熱感知(サーモグラフィ)】を使用しているので、葉隠の居場所が見えている状態だ。

「なに、ただ君の個性を回収しようと思っただけだ」

まあ、もうすでに1つは回収しているが。

『そういうことなら遠慮なく触っていいよ!』

個性把握テストの話を覚えているのか、素直に了承してもらえた。これで隠密用の個性が手に入った。あとは破壊力のある個性、あと移動に便利な個性がほしい。【空間転送】は半径30mという制限付きだから、長距離移動できる個性がほしいな。

そして5分経ち、訓練が開始する。さて、ヒーロー側はどう動くか。

 

 

ドゴォォオオ

 

衝撃音と共にビル一棟が一気に凍りつく。やられた。寒いと動きが鈍くなり、キレがなくなる。俺のコスチュームはまだ防寒が施されているからまだマシだが、問題は葉隠だ。葉隠は服を着てないから寒さに弱い。つまりは一人でどうにかしないといけない。

 

「葉隠、寒くないか?」

『…さむ……い』

仕方ねえ。

「これ着ろ」

俺は白衣を葉隠に着せる。

「それは防寒機能と迷彩機能、後暗器がついている。葉隠は2階に待機して、人が通ったら隙をついて捕まえろ」

『……うん、ありがと』

ついでに俺は葉隠にあること(・・・・)を伝える。

俺は【空間転送】で『核』の場所へ移動する。さて、どちらが来るか。楽しみだ。

 

 

 

パリーン

 

両窓を割り、二人が入って来る。しっかりと考えているな。だが、俺にも秘策はある。轟が俺を凍らせに来る。咄嗟に避け、薬を飲む。すると、俺が分裂し、分身が2体生み出される。

 

「嘘だろ⁉︎」

 

障子が驚きながら分身体の対処しようとする。しかし障子の攻撃がすり抜ける。

「な⁉︎」

本体である俺は【伝雷】で障子を動けなくし、そのまま障子を拘束する。

 

轟も同じ反応をしながらも周りを分身体の攻撃を避けながら攻撃が効かないにも関わらず攻撃する。原理を知っている俺からするとひどく滑稽だ。

 

しかし、突然分身体を攻撃しなくなった。どうやらこの個性の原理に気づいたようだ。俺が今使った個性は【幻映(ホログラム)】。実体のない映像を作り出し、それを動かす個性。実体を持たないので攻撃は当たらないが、代わりに幻映(ホログラム)側も攻撃が当てられない。

 

何やら轟は力を溜めているようだ。多分だが、この部屋を一気に凍らすつもりだろう。【空間転送】の良いところは俺だけじゃなく、触れていたものも呼び寄せることもできる点だ。俺は【空間転送】を使い、あるもの(・・・・)をこの場に呼び寄せる。そして溜めている轟に俺は攻撃を仕掛ける。しかし、轟は避けつつ俺の右半身を凍らす。だが俺は囮だ。

 

バチチッ

 

「くっ」

轟が膝から崩れ落ちる。その後ろにいたのは、スタンガンを持った葉隠だった。そのまま轟を捕まえ、試験が終わった。

 

「……いつから葉隠がいた?」

「俺が右半身を凍らされる前に【空間転送】で呼び寄せた」

 

そう、あの時呼び寄せたのは葉隠だった。葉隠に白衣を着せた時にこう伝えた。

『もしかしたら下から来ない可能性がある。その場合は【空間転送】でお前を俺の場所まで呼び寄せる。そしたら俺は囮になるから白衣に入ってるスタンガンで動けなくさせてくれ』と。

 

結果、なんとか作戦が成功したのであった。




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