個性【錠剤】で個性の薬をつくりながらヒーローになるアカデミア 作:黒鉄 玲
なんとなくの名乗りをした後、死柄木が俺に質問をする。
「お前、2対1で勝てると思っているのか?」
「思ってなかったらいきなりオマエらの前に姿現さねぇだろ。俺はオマエらの親分と同じように複数の個性が使えるからな」
その瞬間、二人から殺気が際立つ。おぉこわいこわい。実は黒霧に触れた時に別の個性も使用していた。その名は【過去視】。読んで字のごとく触れた相手の過去を見ることができる個性だ。つまりは
でもまさかコイツらの親玉があの有名な
「…なんでお前が先生の個性を知っている…?」
「さあな。大人なんだから少しは考えてみたらどうだ?」
死柄木の返答に俺は煽りを織り交ぜながら誤魔化す。俺としては時間制限があるからさっさとコイツらを片付けたいところだが、欲しい個性があるから相手が攻めてくるのを待つ。
「ハァ…、もういいや。さっさとコイツを殺して帰ろう」
死柄木が思いっきり踏み込み、俺の顔に触れる。俺の顔が崩壊していく。やっぱり黒霧の記憶通り、コイツの個性は【崩壊】のようだ。【トカゲのしっぽ切り】で首から上を切り離す。ついでに死柄木の体に触れることもできたので、これで【崩壊】の個性も回収できた。そして死柄木の記憶も視ることができた。これで
手首を切り離し、そこから体全体を再生させる。
「いやぁ、さすが裏に
「…ちょこまかと、イラつくなぁ…!」
「そうなのか?カルシウムが足りてないんじゃないのか?好き嫌いはよくないぞ?」
「!…脳無。コイツを殺せ」
その言葉を聞いた脳無は、相澤先生のことをよそにこちらへ向かってきた。
「いかん!逃げろ薬錠!」
脳無が拳を振り上げる。俺の体の上半身に向かってパンチが飛んでくる。しかし、そのパンチは俺の体をすり抜ける。
「残念ながら、それは偽者だ」
俺は【透明】を解除し、脳無の背中に触れる。【崩壊】を発動させ、神経の一部だけを消し去る。これにより、脳無の動きは完全に停止した。体の自由がなくなっただけなので脳無も生きている。
しかし、この【崩壊】は調整が難しい。
「さて、アンタがたの切り札的存在も失ったわけだが…、どうする?ここらで一旦引いてくれないか?」
「………黒霧、帰るぞ」
「!?ですが死柄木…」
「帰るぞ」
「……わかりました」
ワープゲートが開き、二人は奥へ消えていく。
「なんとか帰ってもらったか。さて、俺もみんなのところに
「待ちなさい」
みんなと合流しようとすると、相澤先生に待ったをかけられる。
「……先生も一緒に行きます?結構大怪我みたいですし」
「…お前はあの
「いやいやまさか。俺のストックしてる個性の中に【過去視】というものがありましてね。触れた者の過去を視ることができる個性です。さっきのモヤを出してた人がいたでしょう?その人の個性を回収ついでに何か情報が掴めるかと思いまして」
「……そうか。疑って悪かった」
「いえいえ、こんな個性なのであのAFOの手下かと思われても仕方ありませんよ。教師側は悩んだでしょうね。こんな問題児」
「…!いつから知っていた?」
「入学初日から……って言ったら驚きます?」
相澤先生がこちらを睨む。
「…嘘ですよ。そんな顔しないでください。そうですね、……ざっと入学してから1週間程度ですかね?こんな個性で生きてるんで視線には敏感なんですよ。だからバレずに先生に小型カメラを仕掛けてみたら大当たり」
「……そうか」
「ま、安心してください。俺はあの
「…わかった。今はその言葉を信じよう。一応命を助けられたからな」
そう言って、相澤先生からの追及はこれ以降なかった。
「ま、今のところは。なんだけどな」
誰にも聞こえない独り言を呟いた後、俺は相澤先生といっしょに歩いていった。
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