お昼寝したいのに主人公が爆散したからできません ~モブだけでも世界は救えるのか~   作:サイリウム(夕宙リウム)

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75:エンディングだぞ、泣けよ

 

 

それからの話をしましょう。

 

まぁ大まかに、ですが。

 

あの空に浮かんだ裂け目ですが、辺境伯を討伐した今も、依然としてそのままになっております。まぁこの世界を生きる人たちにアレを直す方法など解るわけがありませんし、仕方のないことです。ただもうあの緑の空間から敵が湧き出てくることもないでしょうし、更に裂け目が大きくなることもありません。せいぜい現地民の皆様にとっての不思議スポットが増えたくらい、って感じですかね。

 

 

(ま、辺境伯領の人たちからすれば違うようですが。)

 

 

王国が持つ信仰、今は亡き邪神へと信仰を捧げる者たちとは違い、辺境伯では独自の神を信仰しておりました。つまり王国の人から見れば裂け目は単なる不思議スポット、辺境伯領の人たちからすれば神がもたらした聖地として扱われるようになった感じです。今でも時たま祈りを捧げている人がいますし、そこに出入りする私のことを『神の使者』呼ばわりする人も出始めました。

 

まぁチロさんからは『コイツが? センスないのねあの人たち』って言われましたし、モミジちゃんからは『無知って哀れなのじゃな』とか言われるので、あまり嬉しい言葉ではありません。……王女? あぁアレは『主様は使者などではなく神そのものッ! 余りにも不敬ッ! 処刑ッ!』とかなっていたので、良くチロさんに燃やしてもらっています。

 

 

(私個人としてもあまり気分のいいものではありませんが……、“分散”するのは、良いことです。何せ気が付かれては困りますもの。)

 

 

あの空間に入ったことで『それが実現する』ことは理解できました。

 

あぁ勿論アナタではなく、もっと大きな存在です。真にこの世界を作ったというべきか、管理しているというべきか。とにかく原作で語られていた『真なる神』の存在を私は認識しています。しかしどうやら、あちらからすると私達は格段に格の低い存在の様で……、全く気が付いていない様なのです。なのでどれだけ信仰を送ったとしても、特に問題なし。ですが何が起きるか解らないので、その一部が使者と呼ばれる私に流れた方がよいという感じです。触らぬ神に祟りなし、という奴です。

 

 

(ま、そんなところでしょうか。とにかく、既にこの世界へと危害を加え私のお昼寝を邪魔する存在は消え去ったのです。“今は”これで納得してあげるとしましょう。)

 

 

あぁそうだ。みんなの話をしておいた方がいいですね。

 

やはり気に成っている人も多いでしょうから。

 

 

まずモミジちゃん。

 

 

彼女はですが、一旦神社に帰ることになりました。

 

流石に辺境伯戦の時に囮にしたのが不味かったようであの空間から出た後にすぐに気絶、ご自宅で療養することになった感じです。私も悪魔ではありませんので結構心配していたのですが……。流石のお狐様。一晩しっかり寝たと思えば、未だに未解決な王女のバグ取りのため戻ってきてくれたのです。やはり大量に叫んで体力をつけていたのが良かったのでしょうね。

 

彼女には依然としてバケモノ扱いされていますが、関係は良好。

 

何かと世界をバグらせてしまう私や王女に対しキレ散らかしながらも、何かと世話を焼いてくれたり、わざわざ晩御飯を作って来てくれたりしています。こちらもお返しとして故郷の村に新しい神社を建ててあげれば、飛びつかれて喜んでもらいましたし。ま、良いお友達ですね。

 

 

次、王女。

 

 

コイツですが、この世界に脅威が居なくなったと理解した瞬間。思いっきり暴走を始めました。私に不敬な態度を取ったものを消し炭にしようとしたり、という感じです。ただもう色々面倒だったので『私に迷惑を掛けるな、人を無暗に殺すな』という命令を与えて放置しておきました。いやだって、急に私をたたえる歌とか作って歌いにきたり、地元に私専用の宮殿を作ろうとしたり、隣国全員殺して私に捧げようとしたりするんですよ? んなもん面倒なので縛るしかありません。

 

ただ流石の王女と言うべきか……。私が『最近大人しいな』と思っていれば、この世界の3分の1くらいを支配下に入れて、戻って来たんですよね。何でも『殺しはしてません! 弱みは握りました! 思想警察&教育も軌道に乗り始めましたので、あと2年頂ければ世界は貴女様のものです!』とのこと。

 

……えぇはい、ちょっとあまりにもアレだったので、急遽こっちで手を入れる羽目になりましたとも。まぁ今ではその権限を大量に削ってほぼ何もできなくしたので故郷の村で静かにしていますが、最近村人たちに私への信仰を植え付け始めているようなので、今度チロさんと一緒に殴りに行く予定です。

 

 

次、チロさん。

 

 

最初は私の護衛として雇い入れた彼女ですが、今では切り離せない大事な右腕ポジションに落ち着いています。まぁ何度も逃げようとしますから追いかけますし、逃げ延びても結局帰ってきてくれるので私の大事な玩具……、おっと失礼。お友達です。何かと私の思考や性格を理解してくれている人でもあるので、本当に得難い人でもあります。あ、あと寝すぎていると燃やし起こしてくれるちょうどいい目覚ましとしての役割もあったり。

 

まぁ基本は故郷の村で警備の仕事をしながら、余生を過ごしている感じになります。時たま叫び散らかしているモミジちゃんを宥めに言ったり、私の今の両親の愚痴を聞いたり、私を燃やしたり、天使のテーちゃんと一緒にお茶したり、王女を殴りに行ったり、王女を燃やしに行ったり、王女を消しに行ったり、王女を蹴り飛ばしに行っているそうですが……。まぁそんな感じですね。

 

とにかく楽しく騒がしい日々を送っているようで何よりです。

 

 

 

 

 

 

そして最後に、私ですが……。

 

 

 

 

 

 

ようやく、“そちら”を理解しました。

 

えぇ、そうです。画面越しに此方を覗き込んでいるアナタガタのことです。えぇえぇいつも拝読感謝していますよ、本当に。短い間でしたが、私達の様子を眺めて楽しんでくれていたようで……、あぁいや、責めているわけではないのです。ただ“こちら”も、眺めれるようになったということをご理解いただきたいのですよ。ほら『深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ』というでしょう?

 

いや、ね? ずっと視線は感じていたのです。何分少々出生が特殊な身ですから、ずっと昔から視線を感じていたのです。

 

ただまぁそちらから何かしらの行動を起こすことはありませんでしたし、私もそこまで気にしない人間です。互いに何もしないのであれば、行動を起こすことは無かったでしょう。

 

 

でもね?

 

 

アナタは、檻に入れられた動物のように。多くの視線に晒されながら気持ちよくおひるねが出来るか、と問いたいのです。

 

 

「難しくない人もいるでしょうし、私も最初は耐えることが出来ました。でもね? 数が増えるほど、面倒になるのですよ。」

 

 

だからね、消すことにしたのです。

 

あぁ、誤解しないでください。アナタは違いますよ? こちらが起きている間“だけ”を見る様なマナーのある方に手を出すつもりはありません。アナタガタからすれば、私も日常を構成する一つの娯楽だったのでしょう? 何度も眺められれば、此方もエンターテイナーとしての感情が芽生えるのです。純粋に楽しんでいただいた方に、危害を加えることは致しません。

 

ただしかし、何処にでも道理を知らぬものはいるようで……、その方々だけをボブにすることに致しました。どうです、とても素敵なことだと思いませんか?

 

 

「どうやって、ですか? ……仕方ありませんね、では簡単にご説明して差し上げましょう。」

 

 

あの空に開いた裂け目、その中に広がっていた世界ですが……。解りやすく言うなれば、アナタのパソコンの中、です。あぁスマホで見ている人であれば、スマホですね。ただ真にその中にいたのではなく、先ほど挙げた電子機器を境に存在する、別の世界。という感じでしょうか? 鏡の中にある平行世界のように、画面の奥にある異世界、という感じです。

 

しかしそこに辺境伯というバグが生まれてしまい、片方の世界。私達の世界に穴を開けてしまったものですから。

 

 

「こうやって、第四の壁を破ることが出来るのです。あぁ失礼、画面から出させてもらいますね。」

 

 

人によれば、電子機器の画面から私が出てくるのは、ホラーというものでしょう。しかし媒体がこれしかありませんから、我慢してもらうしかありません。あぁそれと、私の思考が其方に流れているのは、アナタガタが私をひとつのキャラクターと認識してくださっているからです。

 

ま、特に深く考えない方がいいでしょう。

 

 

「……あぁアナタはご自宅から読んでいたのですね。良い部屋じゃないですか。ベッドを借りますね?」

 

 

其方のアナタには布団を、あぁそちらのアナタは電車の中。そちらは? あぁ散歩中に。お仕事中に。えぇえぇ、色々あるのですね。面白いものです。

 

 

「私を認識している人の分だけ、ワタシがいる」

「面白いものです、それを一気に全て認識するわけですから、少々脳がつかれますが」

「ふふ、面白いことを言いますね。最初からずっと言っているでしょう? 私は人間だって」

「あぁそれと、感想を頂けるのは嬉しいですが、そちらのサイトの規約は守ってくださいね?」

「怒られるのは私ですから、ふふふ」

「もっとも、そう言う人ほぼボブにしましたが」

 

 

まぁ、こんなところでしょうか。

 

“懐かしい”そちらの世界の空気をまだ吸っていたものですが、あまり演者が舞台を降りるわけにもいきません。

 

……あぁそうだ、言っておきたいことがあるのでした。

 

とても、大事なことです。

 

別にこれからも覗いて構いませんが……、

 

 

 

 

 

「わたしのおひるね、邪魔しないでくださいね?」

 

 

 

 

 








「これにて私のお話はお終いとなります。まぁ何かの弾みでまた戻って来るかもしれませんが、一旦はこれでお終いということで。あぁそれと、いつも誤字報告ありがとうございます。感想評価お気に入り登録の程、よろしくお願いしますね? しないとボブにしますから。ふふふ。」
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