「皆様! お待たせしました! それでは、ラジオの時間です!!」
俺は今、廃ビルを拠点にラジオ放送をしている。機材は襲ってくる不良たちから奪った金で買い揃え、放送は能力を使い放送局の電波をジャックして流している。
マイクは作中でアラスターが持っていたマイクのステッキのガワを真似したものを使っている。もちろん、喋らない。
ラジオの内容は、ニュースや音楽、オカルトや人生相談などを放送している。
ニュースに関しては、使い魔を使って情報収集をしている。やってみたら出せたのだ。
手紙は俺の場所がわからないように受け取れるよう細工をしている。
各学園の治安部隊が俺を探しているみたいだが、今のところ手がかりは掴ませていないと思う。
まあ、今はラジオに集中しよう。
◇
sideモブ生徒
突然だが、私は今ハマっていることがある。
それは、ラジオを聴くことだ。
前は、ラジオ何て古臭くて聴くことなんて無いと思っていた。しかし、今は違う。お気に入りのラジオ放送ができてしまったのだ。
「皆様! お待たせしました! それでは、ラジオの時間です!!」
お! ちょうど始まった。
これが今、私がハマっているラジオ放送だ。
この放送は、ある日突然始まった。どこの局がやっているのか。どこの誰がやっているのかは全く分からない。
突然、キヴォトス中のどの媒体でも聞けるようになったのだ。
この放送にキヴォトス中は混乱した。そりゃそうだ。いきなり知らない放送局のラジオが聞けるようになったのだ。私はスマホのアプリで聴いているが、アプリの会社がいくら放送を妨害しようとも、無駄だったらしい。
逆に内部情報を盾に脅された会社もあったらしい。
それだけのハッキング能力が彼にはあるのだ。
だから、各学園の治安部隊は血眼になって彼を探している。
「それではさっそく、本日のニュースです!! 近頃、カリカリヘルメット団とジュワジュワ団が抗争を始めるそうですね〜。抗争の内容はベーコンの焼き加減はどちらが美味しいか何てくだらない理由ですが! いや〜、死人が出れば面白いのですが!」
この放送はこのニュースみたいに、何故知っているのか分からないような事を発信することがあるのも魅力の一つだ。あと、そのニュースに対しての辛口のコメントも良い。
日常に退屈を感じている人には、良い刺激になって病みつきになる。
「それでは、恒例のお悩み相談の時間です! 皆様が悩み苦しむ様を私に聞かせてください!」
きたきた、悩み相談の時間だ。リスナーからの手紙を読んでその悩みに答えて行くコーナーだ。ちなみに私は毎日、手紙を送っている。
「ラジオネーム、石ころさんからです」
私だ!! やった!!!
「私は、何も個性がないことに悩んでいます。個性を出すにはどうすればいいでしょうか? ですか。では、お答えしましょう!! まずは、服装から変えるのはどうでしょう!! 髪型やピアスなどより、ハードルが低いですし簡単に個性を出すことができますよ! そうですね・・・・赤のような色に統一してみれば良いのではないでしょうか?」
服か。確かに試してなかったな。明日にでも買いに行ってみようかな。赤か、流石に攻めすぎだろうか。でも、おすすめされたしな
「さあ、それではお待ちかねの音楽のお時間です!!」
ラジオからジャズ調の音楽が流れ始める。
毎回聴いていると、彼の音楽の好みがわかってくる。古いジャズ調の音楽が好みなようだ。どの選曲も素晴らしく、名前は知らないが聞き入ってしまう。
「では、そろそろ終わりの時間が近づいてきました」
もうこんな時間か、音楽に聞き入っていたら時間が早くなるように感じた。
「各学園の治安組織の皆様は私を見つけることに執着しているようですね。無駄な努力頑張って下さーい!! それでは皆さま、ごきげんよう!!」
そして、彼の悪魔のような笑い声を最後にラジオ放送は止まった。
彼はラジオ中ですら自分の名前を明かさない。しかし、巷では彼の悪魔のような笑い声を元にラジオデーモンと呼ばれているらしい。
それにしても、今日もいい声だったなー。
絶対、イケメンだよ。