ラジオデーモンinキヴォトス   作:オムライス好き

5 / 6
5話

 無事、部下もとい使い走りができてとても良い気分だ。

 

 これで、色々とやれることが増えた。

 

 表で買い物を代わりにしてもらったりできる。今一番俺が欲しいものは、今住んでいるビルの所有権だ。

 

 身分証を持っていない。俺にはどうやっても買うことが出来なかった。

 

 しかし、スミレの名義で土地を買えば問題が無くなった。

 

 さっそく、スミレに土地を買うように指示しよう。

 

 

 ◇

side榊スミレ

 

 

 いじめっ子の誰かが、私を傭兵に襲わせようとした日から数日後、私は何をするでもなく寮の自室でくつろいでいた。

 

 いじめっ子が居なくなった後は、イジメが無くなった以外、私の暮らしは変わらなかった。友達もできず、お昼ごはんも一人で食べている。

 

 まあ、原因は私がクラス中から怖がられていることなんだが。復讐したこと自体は全く後悔していない。

 

 ボスはあれ以来、私の前に姿を現していない。何か、用事があるとかなんかが理由だとか。

 

 そんなことを考えていれば、突如、部屋に影のシルエットが浮き上がる。

 

 噂をすればなんとやらだ。ボスが来た。

 

「ごきげんよう! スミレ!! 楽しい、学生生活を堪能していますか?」

 

 コイツ、絶対に私の現状を知ってるだろ。よく、そんなことが言えたな。

 

「ええ、おかげさまで」

 

「ハッハ! それは良かった!!」

 

「それで、何の用? ボス」

 

「今日は、私の代わりに買って欲しいものがありまして」

 

「買って欲しいもの?」

 

「ええ! 私が無断で住んでいる廃ビルの土地をそろそろ買おうと思いまして」

 

 え、ボス、廃ビルに住んでたの? 無断で?

 

「わかった。どうせ、私に拒否権なんてないし」

 

「良い心がけです」

 

 ボスはニヤニヤと笑っている。

 

「で、どこで買えば良いの?」

 

「私が事前に調べているので、ついてきてください」

 

 そう言ってボスは背中を向けて玄関に向かう。

 

「ま、まって、準備するから少し待ってて」

 

「これは、私としたことが失礼しました」

 

 そう言って、ボスはリビングの椅子に座り何処からか取り出した紅茶を飲み始める。

 

 私は寝室に向かい、出かける準備を素早く済ませる。

 

 がちゃり、とリビングの扉を開けてボスに準備が終わったことを知らせる。

 

「ふむ、準備はいいようですね。では、行きましょう」

 

 そう言って何もないところからステッキを取り出して歩いていく、ボスに着いていった。

 

 

 十数分後

 

 

 バスで移動して着いた先は、トリニティの商業エリア。

 

 ボスが前を歩いて私がそれに着いていく形で歩いている。

 

 移動中で暇だし、この前からボスに聞いてみたかったことを聞いてみよう。

 

「ねぇ、ボス?」

 

「なんでしょう?」

 

「そういえばボスってさ、最近話題になってるラジオデーモンだよね?」

 

「ええ、そうですよ」

 

 ・・・・・・・・・・会話が終わってしまった。気まずい沈黙がボスと私の間に流れる。いや、気まずいと思ってるのは私だけかもしれないが。

 

 

 ドカーン!!!

 

 

 歩いていたら突如、目の前のお店で爆発が起きる。

 

 な、なに!? なんで爆発した!!?

 

 流石の出来事にボスも驚いているかと思ったが、全く平然としていた。

 

 何が起きたか、原因を探ろうと目を凝らすとそこには、複数のゲヘナの生徒と思わしき集団が銃を構えてながら店員に怒鳴っていた。

 

「おい! 早くしろ!! お前もああなりたいか!!」

 

 店員はお金を袋に必死に詰め込んでいる。他の強盗犯は、大きな袋に宝石を詰め込んでいた。

 

 どうしようかなとボスを見ても、興味無さそうに爪を弄ってる。

 

「全員、手を挙げろ!!」

 

 そんなこんなをしていると、正義実現委員会が到着した。おそらく、誰かが通報してたんだろう。

 

 そこからは、早かった。強盗犯とはかけ離れた統率の取れた動きでどんどんと、強盗犯たちを捕まえていった。

 

 全員、捕まえてたあと、ふと周りを見渡すと知っている顔があった。

 

 相手もこっちに気がついたようで手を振ってこっちに向かってくる。

 

「おーい!」

 

「どなたです?」

 

「私の尋問を担当した人」

 

 ボスが誰か聞いてきたので、小声で端的に答える。

 

「この間ぶりっすね! スミレちゃん!」

 

「こんにちは、仲正先輩」

 

「イチカでいいって言ったじゃないっすか!」

 

「あはは」

 

 正直、この人少し苦手だ。いや、良い人だとは思う。でも、少しだけ距離の詰め方がすごいといういか。おそらく、もう少し経てば慣れると思うんだが。そして、一番の理由は

 

「そういえば、ここには何の用で来たんすか?」

 

 この目だ。いじめっ子たちの機嫌を損ねないよう人の顔色を伺うスキルを身につけた私にはわかる。彼女は、私を疑っている。

 

 復讐の事件では証拠が無かったから捕まら無かったが、あの事件で一番得をしたのは私だ。もちろん、一番疑われているのも私だ。

 

 だから、私の動向を窺っているんだろう。

 

「今日は、ここに買い物に来まして」

 

「へえ! いいっすね! 何を買いにきたんすか?」

 

「服とか、日用品を色々と・・・・」

 

 彼女との雑談に少しだけ花が咲く。ボスは暇を潰すように、あちこちを見て回っている。

 

「あの、そろそろ・・・・」

 

「あ! 私の話に付き合わせちゃってごめんなさいっす! それじゃあ、また明日っすね!」

 

「はい、さよなら」

 

 仲中先輩は笑顔で正義実現委員会の仲間たちのところに小走りで帰っていった。

 

「お話しは終わりましたか? それでは向かいましょう」

 

「ごめんなさい、ボス。待たせちゃって」

 

 ボスが少しだけ機嫌が悪そうに見えたので、謝っておく。

 

 この後は、何事もなくボスが欲しかった土地を買うことができた。帰りのボスは少しだけ機嫌が良さそうに見えた。




イチカちゃんの喋り方ってこれで良かったか? わからん。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。