嬉しい。
でも話のストックないんですよね。
毎日更新するのキツイ……。
フレーベルから出て2日目の夜。
「ヴェロさん、何かお手伝いできることはありますか?」
「お、それならちょうどいい。ちょっとこの鳥の羽取るの手伝ってくれよ」
「はい、わかりました」
リケリアと二人で、狩猟した鳥の羽を毟っていく。
この作業手がかゆくなるから嫌いなんだよな……。
「……この羽毛、集めたら売れるかな」
「うーん、一応寝具に使えるので売れるとは思います。でも、そういう用途に適していない羽毛もあるので何とも言い難いですね……。干し肉や毛皮よりは難しいかもしれませんし、私ではあまり高く売れないかもしれないです」
「そうか……まぁ一応少し回収しておこう。大して重くないし、売れなかったらモロに枕でも作ってもらうか」
「それはいい考えですね」
そんなことを話しながら2人で作業する。
……リケリアは、ロベルカーナで父親が見つからなかったときどうするのだろうか。
無事にロベルカーナで見つかるのが最良だが、そうでない可能性もあるだろう。
まぁ見つからなくても、普通にシルヴァ―ナに戻るんだろうが、ほんの少しの間の付き合いとはいえ少し寂しく感じるな。
■
フレーベルから5日かけて、2つ目の宿場街、ロベルカーナに到着した。
「フレーベルより活気があるわね」
リリカが街の通りを歩く人々を見て言う。
確かにフレーベルよりも行きかう人の数が多いような気がするな。
「傭兵が多いみたいだね。武器を持った人がたくさんいるよ」
「なんかでかい盗賊団が最近討伐されたんだろ? それでじゃないか?」
「そうでしょうか……、討伐されてからしばらくたっているはずなので、もう移動していないとおかしいと思うのですが……」
うーん、傭兵がまだいるってことは、盗賊も街の近辺に潜んでいるのだろうか。
後で少し調べてみようかな。
そんなことを考えながら、リケリアに話しかける。
「リケリア、商人ギルドに行く前に、先に荷物を売らないか? 調子に乗って多く持ってきすぎた」
街で換金するために、荷物を大量にしょっていてなかなか落ち着かない。
流石に多く持ってきすぎた。
以前は余っていた干し肉や毛皮だけだったが、今回は街売るためにに移動中多めに鳥や小動物を狩猟したり、売れそうなものを採集してきたのだ。
こんなに物を持ち歩いていたらいつスリに合うかわかったもんじゃないし、いい加減運ぶのがしんどくなってきたので、早々にうっぱらってしまいたい。
「はい、大丈夫ですよ」
先に荷物を売るため、街の宿や酒場などで売り込みをすることにした。
あちこち回ったが、いたるところに傭兵がいる。
この街はいつもこんな様子なのだろうか。
「なぁ、ここっていつもこんなに傭兵がいるもんなのか?」
「いえ、私も詳しいわけではないんですが、さすがに多い気がします。宿の部屋も傭兵の方が宿泊しているのかどこも満室ですし……」
「僕もちょっと気になるね。もしかしたら討伐されたっていう盗賊団が残っているのかもしれないし、少し調べてみたいかも」
何か情報を探るため、適当な酒場で売り込みついでに事情を聴いてみることにした。
適当な酒場でなかなか強面の髭面の店主に、リケリアが聞き込みをする。
「あの、なんだか傭兵が多くありませんか?」
「なんだ、あんたたち知らないのかい? ここ最近でかい盗賊団が街の周辺を荒らしてて、そいつらを討伐するために傭兵が集められたんだ」
「それは私も聞いています。でも、もう討伐されたんですよね?」
フレーベルの商人ギルドで聞いた話と一致してるし、何も問題はないと思うのだが。
「問題はここからさ。実は、盗賊団には傭兵もたくさん混じっていたらしくてね。討伐依頼は街から傭兵ギルドに対して出されてたんだけど、傭兵を管理できない傭兵ギルドに金なんて払えないって上の方でもめてるらしいんだ」
「え、報酬が支払われていないんですか? それって大丈夫なんでしょうか……」
「大問題に決まってんだろ。おかげで傭兵どもも街からなかなか出ていかねぇしよ。街の雰囲気も悪いし最悪だ」
店主も困り顔で腕を組んで悩んでいる。
街の住人からしても頭の痛い問題なのだろう。
それにしても、傭兵の盗賊か。
リケリアも被害にあっていただけになんとも言い難いが、もともと傭兵の信用なんてあってないようなものだしな。
それでも依頼したのであれば報酬は支払われるべきだ。
今回の場合は、街の衛兵や兵士だけで対処できない問題を傭兵に委託して解決しようとしたのだから、どんな事情があっても報酬を支払う必要があるだろう。
もっとも、俺は細かい事情など知らないし、横からどうこう言うつもりもないけどな。
傭兵の事情なんて俺達には関係ないし。
しかし、そういった理由なら盗賊の心配はしなくてもいいかもしれない。
「お話を聞かせていただきありがとうございます。よろしければ、今干し肉や山菜をいくつかお売りしているのですが、いかがでしょうか?」
「お、そりゃ助かる。買わせてもらうぜ。最近は傭兵がひっきりなしで来るもんで、食料の在庫もかつかつなんだ」
リケリアはちゃっかり売り込みも成功させていた。さすがだ。
そうして俺たちはロベルカーナの宿を巡って売り込みをかけ、用意した保存食、毛皮、羽毛の売却に成功した。
儲けは合計で、銀貨2枚と大銅貨12枚、銅貨43枚にもなった。
「すごい儲けたじゃない! ねぇ、私たちこれで暮らしていけるんじゃないの?」
リリカが調子のいいことを言う。
まぁ、5日間の道中で手に入れたものを売ってこれだけ稼げたのだし、大したものだ。
それでも、俺たちで7等分すればそこまで大した金額にもならないだろうけどな。
「これだけ稼げるなら、猟師にでもなれそうだね」
「確かに、皆さんなら立派な猟師になれそうですね」
「金に困ったら猟師ギルドにでも入ることにしよう。とりあえず荷物もさばけたし、そろそろ商人ギルドに行くか」
「はい」
リケリアとともに、ロベルカーナの商人ギルドに向かった。
■
「あなたのお父様ですが、10日前に行われた盗賊団の桃原の才に死亡が確認されています」
「……え?」
ギルドの職員から告げられた言葉に、リケリアは理解できないといった様子でぽかんと口を開けた。
「こちらが回収されたギルド証になります」
差し出されたギルド証には、確かにリケリアの親父さんの名前が刻まれていた。
「そんな……本当に、リケリアのお父さん、死んじゃったの……?」
「……ほかに何かありますか? 以上でしたらお引き取りをお願いいたします。ギルド証は不正利用防止のためこちらで処分いたしますのであしからず」
たたずむリケリアに、職員はあくまで事務的な対応をする。
リケリアはショックが大きいのか、茫然として受け答えが出来そうにないな。
「あの、遺体とかって残ってないんですか? 遺品とかは……」
「遺体は確認できませんでした。遺品も、盗賊たちが隠していた物品の中からそのギルド証が発見されたぐらいです」
「そうですか……」
「……行こう、ここにいても仕方ない」
俺たちはリケリアを連れて商人ギルドを後にした。
■
「リケリア……」
リリカが心配そうに声をかける。
リケリアは親父さんをかなり慕っていた様子だった。
その分、ショックも大きいのだろう。
「大丈夫?」
「……すみません、少しぼーっとしていました」
リケリアはまだ気持ちを飲み込めていない様子だったが、リリカに答えた。
「リケリア、これからどうするんだ?」
「……どうすればいいのでしょうか」
リケリアはうつむいて考え込む。
まだ心の整理が出来ていないのだろう。
「そうだなぁ。シルヴァ―ナに戻ってもいいし、何なら俺たちと一緒に来てもいいぞ」
「あ、私もリケリアが来てくれるならうれしいわ!」
「え、そ、そんな、急に言われましても……それに、迷惑になってしまうでしょうし……」
「誰も迷惑だなんて思わないよ」
「そうよ! ねぇそうでしょ、タロ」
「なんで俺に聞くんだよ……別に、ついてきたけりゃすきにすりゃいいだろ」
「……少し、考える時間をいただけますか?」
「わかった。でもとりあえず街を出るぞ」
「どうしてよ。まだリケリアが一緒に来るのかシルヴァ―ナに戻るか決めてないじゃない。今日くらい宿に泊まりましょうよ」
確かに、リケリアも考える時間が必要だろうし、今は金もあるから宿を取ってゆっくり休むのも考えてはいた。
だが傭兵が多いせいで宿屋はどこも満室で泊まれない。
「傭兵がいっぱいで宿屋はどこも空いてないだろ」
「……あ、確かにそうね」
「とりあえず次の街、ロベルカーナの方面に向かうぞ。リケリアもそれで構わないな?」
「は、はい。わかりました」
結局フレーベルと同じようにあわただしくも街を後にすることになった。