1.適当に文章を書く。
2.ほぼ箇条書きみたいなクソ雑魚文章力に絶望しつつ文章を推敲する。
3.話の展開に納得できず削除。
4.1~3の工程を文章の長さがいい感じになるまで繰り返す。
5.投稿。
最初は2000字書くのに10日くらいかけてたんですよね。
今でも1日くらいかかるんですけどね。
ロベルカーナを出てしばらく歩いていると、タロが小声で話しかけてきた。
「おい、お前ら、振り返らずに聞け」
「ん? なんだよ急に」
突然、神妙な声で妙なことを言い出した。
急にどうしたんだ。
「多分、付けられてる」
「……は? 嘘だろ?」
まだ街からもそんなに離れてないぞ。
まさかまた盗賊じゃないだろうな。
「相手がどんな奴かわかるか」
「多分、傭兵だ」
傭兵。
一瞬、ロベルカーナで聞いた盗賊団に傭兵がいたという話が脳裏をよぎった。
……嫌な予感がするな。
「確実に追ってきてるのか? たまたま同じ方向に向かってるだけの可能性は?」
「そんなの知らねぇよ。でも、街にいたときから妙な視線は感じてたぞ。今も後ろから見られてる感じがする」
視線を感じるってどういうことだよ。
「ちょっと、なんでそれをもっと早く言わなかったのよ」
「いや、なんかリケリアのことでいろいろあったし……」
「す、すみません、気を遣わせてしまって……」
どうやら、らしくもなく気を使ったらしい。
らしくないことはするもんじゃないぞ。
「タロ、相手は何人くらいいるの?」
「5人だ」
「距離はわかるか」
「200から250歩くらいってとこだな」
「結構近いじゃねぇか……」
「ちょっとずつ近づいてきてるぞ」
あまり考えている時間はないらしい。
最悪を想定して、こちらを狙ってきていると断定して行動に移すべきだろう。
そういう前提で動くことにする。
……とりあえず、山の方に逃げこむか?
「いや、難しいだろう」
女子供のいる俺達じゃおそらく逃げ切れない。
どうするかな。
この前盗賊とやりあったときとは状況が違う。
奇襲もできなきゃ事前準備もなしだ。
敵の存在を事前に気づけたのが唯一の救いだろうか。
……となれば、真向勝負しかないのか。
「いや無理だろ」
戦えるのは相変わらず俺とエドのみ。
リケリアも武器を持ってはいるが、戦力として期待できるかといわれれば微妙といわざるを得ない。
俺自身もそこまで強いわけではないし、戦いなれているわけでもない。
……俺が全員守りきれるくらい強ければよかったのにな。
「いや、そんなことを考えている場合じゃないだろ」
まともにやりあって勝てないなら、まともにやらなければいい。
奇襲、奇策、何でも使って切り抜けるしかない。
「……よし、決めた。お前ら、今から俺の指示に従ってもらう。いいな」
俺の言葉に全員が無言で頷く。
本当に頼もしい仲間たちだ。
「俺が合図をしたらすぐに山の中に逃げ込む。そのあと二手に分かれる。俺の方にはリケリア、リリカ、モロ。エドの方はタロとスーリャがついてくれ」
「別れた後はどうするの?」
「おそらく敵も二手に分かれるはずだ。多分女二人連れてる俺の方に多く来るはずだから時間を稼ぐ」
「来なかったらどうすんだよ」
「その時は役割が逆になるだけだ。タロはエドを援護してくれ。それでエド、追ってきている傭兵はお前が全員倒せ」
「……わかった」
俺の言葉に、エドは覚悟を決めた表情で頷く。
「そっちが片付いたら俺の方に援護に来てくれ。頼んだぞ」
「わかった。でも、そっちの方も心配だよ」
「心配だったら速攻で傭兵どもを倒して援護しに来てくれよ」
とりあえず、作戦会議は終了だ。
言うまでもなくこの作戦で一番危険になるのは俺なんだが、果たして生き残れるかな……。
「エド、俺とリケリアに身体強化頼む」
「了解」
「お願いします」
エドの身体強化により体が少し軽くなったような気がする。
「……すごい、これが魔術なんですね」
「効果は5分から10分だよ。気を付けてね」
「ああ……よし、それじゃ合図するぞ。3、2、1、今だ!」
そうして俺たちはいっせいに山の方に向かって駆けだした。
「タロ、傭兵たちの様子は」
「走って追いかけてきてる!」
「は、作戦が無駄にならなくて済みそうだ」
最悪の想定はそのまま現実になったらしい。
「それじゃあ分かれるぞ。俺達はこっちに行く。エドたちはそっちだ」
「了解。傭兵を片づけたらすぐに駆け付けるよ」
「マジで頼むぞ」
そうして俺たちは事前に決めたチームで分かれて別々の方向に駆けだした。
■
「あの、ヴェロさん」
「なんだ」
「私が……私が囮になります」
「え?」
「……はぁ?」
エドたちと別れて直後のこと。
リケリアの突然の宣言に、俺とリリカは間抜けな声を上げて振り返った。
急に何を言い出すんだこいつは。
「そ、そんなのダメよ! リケリアを置いていくなんて!」
「リリカさん、私は女ですし、そこまで強くもありませんから、おそらくすぐには殺されないと思います。最低でも一人は足止めできます」
「ダメだ、ふざけたことぬかすなよ」
「そうよ!リケリアが残るなら私も残るんだから!」
「いやお前も何言ってんだ」
「ヴェロさん、リリカさん……私だって、死ぬつもりなんてありませんよ。それに、必ず助けに来てくれるでしょう?」
リケリアの言葉に、一瞬、確かに有効な手かもしれないと思ってしまった。
追手が減ればそれだけ俺自身の生存確率も上がる。
それに、リケリアがすぐに殺されないってことにも同意見だ。
だが、どうしてそこまでして俺たちを助けようとするのだろうか。
リケリアは俺たちについてきてくれているが、それは俺が強引に話を進めてしまったからで、まだリケリア自身が俺たちの仲間になってくれたわけじゃない。
たまたま俺たちと一緒にいたせいで巻き込まれてしまっているだけなのにに。
「……どうしてだ。どうしてそこまでしようとする」
「私は皆さんのことが好きなんですよ。盗賊から助けて頂いて、それからしばらく一緒に生活して。皆さんがいい人たちなんだって、すぐにわかりました」
「だから、自分を囮にするつもりか?どうなるか、お前もわかってるはずだろ」
またリケリアが凌辱される羽目になりかねない。
こんなこと、リケリア本人が一番わかってるはずだ。
「……それでも、私はみんなのことを守りたいんです」
「リケリア……」
リケリアの決意は固いようだ。
生半可な説得に応じるようなやつでもないだろう。
それに、今は説得する時間もあまりない。
どうする……。
「……やっぱり、ダメだな」
「ヴェロさん。お願いします」
「いいやダメだね」
足を止めようとするリケリア。
おそらくここで足止めしようとしているのだろう。
その手を握って、無理やり走らせる。
「リケリア、一つ言っておくぞ。俺はお前が好きだ」
「……え?」
「ちょ、あんたこんな時に何言って」
「外野は黙れ」
「な、はぁぁ!? 外野って何よ!」
騒ぐリリカを無視してリケリアに語り掛ける。
「お前は器量もいいし、話しかたとか所作にも品がある。頭も回るし、商人のギルド証まで持ってる。はったり聞かせれば何でもできそうだ」
「あの、突然何を……」
「お前には選択肢がある。自分の生き方を自分で決められるんだ。確か、シルヴァ―ナのでかい商家の跡取り息子の覚えがよかったんだろ?その家を頼ることもできる。何なら玉の輿だって狙えるだろう。他の行商人の見習いとか何かになって働くのも不可能じゃないだろう。お前がその気になれば、なんにでもなれるはずだ」
困惑するリケリアに畳みかけるように言葉を続ける。
「お前には選択肢があるんだ。俺たちと一緒に来なくたって、お前はどこにでも行ける」
「私は……」
「それでも俺は、お前に一緒に来てほしい」
「……え」
「お前が俺たちのことを好きだと言ってくれたように、俺もお前が好きだ。お前と一緒にいたい」
「ヴェロさん……」
「だから、俺はお前を守る。自己犠牲みたいな真似はさせない」
……リケリアは顔を俯けて黙り込む。
これは……説得できたか?
「とにかく今は時間がない。傭兵に追いつかれたときの作戦を言うぞ」
無駄話してしまったし、今にも追いつかれてもおかしくない。
俺は早口で作戦を説明する。
「まず、リリカとリケリアには囮になってもらう」
「……え」
「ちょ、さっきリケリアを囮にしないって言ったばかりじゃない! 何考えてるのよ!?」
「いや、それはリケリアが勝手に囮になろうとしたからであって、俺が囮にするのは話が別だから」
「屁理屈!」
うるさい。
「残念なことに正面からやりあっても俺に勝ち目はない。普通に殺される。だからお前らも協力してくれ」
「っ! ………あぁもう! それで、どうするってのよ」
リリカは何とか怒りを飲み込んだのか、怒り顔のままこちらに話を促す。
……怒り、飲み込めてなくない?
「リリカとリケリアは囮になって、俺は木の陰に隠れる。傭兵がお前らに近づいたところで俺が背後から奇襲をかける。こういう作戦だ」
「敵は複数人で来るはずです。全員倒せますか?」
「無理だ。俺の奇襲が成功するにしろ失敗するにしろ、仕掛けた後は全員バラバラの方向に逃げろ。それでモロ」
「あ、は、はい」
一緒に走っているモロに声をかける。
ここまでおとなしくついてきてくれてマジで助かるな。
「俺たちの援護を頼みたい。ただ、お前には具体的な指示は出さない」
「え、ど、どうしてですか?」
「どういう状況になるかわからないからだ。でも、お前はかなり頭がいいからな。お前が最善だと思った行動をしろ。多分、お前が動かなかったら俺は死ぬと思う。だから、頼んだぞ」
モロは緊張した様子で唾を飲み込んだ。
「わ、わかりました。やってみます」
「よし、それじゃあ俺とモロは別行動する。リリカとリケリアはこのまま走っていってくれ」
「わかりました。……ご武運を」
「……わかったわよ。絶対助けに来てよね」
そういって入れ達は一旦別れた。
■
逃げるリリカとリケリアの背後に追ってが迫る。
「おうい、嬢ちゃんたち。逃げないで止まれよ」
「止まるわけないでしょ! バカじゃないの!?」
「元気いいねぇ。そそられるぜ」
追ってきているのは3人。残り二人はエドの方に行ったのだろう。
「リリカさん、私が足止めします」
「ちょ、リケリア!?」
リケリアが立ち止まり、武器を抜いて傭兵たちに剥ける。
「へぇ、俺らとやりあう気か?」
「やめとけやめとけ! 相手にならねぇよ!」
「おとなしくすりゃあひどい目に合わなくて済むかもしれないぜぇ?」
傭兵たちの下卑た笑い。
明らかにリケリアをなめている。
実際、実力差や実戦経験を考えれば間違ってもいないだろう。
「リケリア一人置いていけない。私も戦う!」
「お、そっちの女はそんな小さいナイフでやるつもりか?」
「おもしれぇ、俺が相手してやろう。顔も、美人顔のリケリアって女より、ちょいブスのそいつの方が俺好みだ」
「なぁんですってぇ!? ぶっ殺すわよ!?」
「相変わらず変な趣味してるなぁ」
リリカは傭兵たちの挑発で大激怒した。
「ところで、お前らの仲間はどうした? 男とガキが一匹づついただろ」
「……あの人たちは、私たちを置いて先に逃げていきましたよ」
「はっははは! おいおい、見捨てられてんじゃねぇかよ。かわいそうになぁ。どれ、俺が慰めてやろうか」
傭兵がうすら笑いを浮かべながら近づく。
「くっ……こっちに来ないで!」
「リリカさんには近づかせません!」
リケリアがショートソードで攻撃するが、傭兵の持つ剣によってあっさりはじかれてしまう。
手がしびれ、危うくショートソードを取り落としそうになってしまった。
エドのかけてくれた身体強化の魔術がなければ弾き飛ばされていただろう。
「あっ……」
「力の差ぐらい理解できてるだろ。おとなしくしな」
いよいよ、傭兵の手が伸びようとした時だった。
(よし、今だ!)
俺は背後から息を殺し、なるべく音を立てないように飛び出す。
完全にリリカとリケリアに意識が向いている今が好機だ。
そう判断し、傭兵の一人に背後から奇襲をかける。
勢いよく剣を後ろから突き刺そうとした瞬間。
「がっ!?」
「気づかねぇと思ったか。間抜け」
俺の攻撃はあっさりと躱され、横からから殴りつけられた。