ラブライブ!×仮面ライダー『インフィニティ マルチバース ワールド』 作:栗助
楽しんでくださると嬉しいです!!
…あの日、世界は静止し、運命は塗り替えられた
「「仮面ライダー?」」
「スクールアイドル?」
「…もしかして最近悪い意味で有名になっちゃってたあの人の事?」
「確か最近指名手配されていたんだよね?」
そう思い返している少女達は東京のお台場に巨大なキャンパスがある虹ヶ咲学園という学校の同好会の1つ、『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のスクールアイドルの1人であるピンク色のボブカットの少女上原歩夢と、その幼馴染であり、サポーターでもある黒髪だが先端が緑色のツインテールの少女、高咲侑である。
「そうだよ!!確か泊進ノ介って名前の人で…名前は…仮面ライダードライブ!!だって!!」
そう言って歩夢と侑に声をかけたのはオレンジ味がある茶色の髪の少女…秋葉原と御茶ノ水と神保町の近くに位置する伝統校、音ノ木坂学院のスクールアイドルグループ『μ’s』のリーダー、高坂穂乃果であった。
そして彼女がスマホを使って見せたのは今まで仮面ライダードライブの戦ってきたニュースであった。
この日、彼女達は虹ヶ咲学園で史上初の9校合同ライブイベントを行う事になり、今は学校毎に順番にライブをしている途中であった。
上原歩夢が所属している同好会が披露したのはそれぞれの個性が、色を表す事が出来るソロ楽曲メドレーであり、披露したのは『夢への一歩』、故に衣装はピンクと白基調のスカートのドレスを着ていて
高坂穂乃果が所属しているμ’sが披露したのは『僕らのLIVE君とのLIFE』、故に赤いミニスカートとリボンが目立つ衣装を着ている。
因みに高咲侑は一応スクールアイドルではないので水色のブラウスに黒いスカートという虹ヶ咲学園の制服である。
3人はそれぞれのライブが終わって、メインステージの舞台裏で休憩しているタイミングで穂乃果が会話を切り出したのだ。
「確か刑事で仮面ライダーだよね?すっごく正義の味方っぽいなって私は思ってたから、指名手配の時も無罪なんじゃないかなって思ってた…前にもたてこもりの時も冤罪だったし」
侑は己の推測も混じえて彼女なりに泊進ノ介の事を信じていた事を言う。
「私もそう思ってた…そういえば何であの人仮面ライダーって名乗っているんだろうね」
歩夢はふと思った疑問を言う
「ほぇ?…何がおかしいの?」
穂乃果は歩夢の言っている事が分からなかったようである。
「おかしいと思う!!だってあの人運転しているのバイクじゃなくて車なんだよ!?」
「…ええっ?それでも乗り物に乗っている人なんだからライダーでもいいんじゃないのぉ?」
そういって会話に入ってきたのは
「千歌ちゃん!!かのんさん!!」
穂乃果が声をかけた二人の少女
一人は快活そうな橙色のアホ毛が目立つ髪と赤い眼が特徴的な海兵っぽい帽子を被っている水色の衣装をまとっていて、静岡県沼津市の内浦の学校、浦の星女学院のスクールアイドル『Aqours』の一応リーダーである少女、高海千歌
もう一人はオレンジ色の長髪と紫色のツリ目が特徴的な黒いリボンが目立つ藍色の衣装を纏った少女、表参道と原宿と青山という3つの街の近くにある結ヶ丘女子高等学校のスクールアイドルグループ、『Liella!』のリーダー、澁谷かのんである。
それぞれ『君のこころは輝いてるかい?』と『Jump Into the New World』を歌ってきたようである。
「…で、何がおかしいの?かのんさん」
そう穂乃果が改めて問うと
「車の運転手はdriver、つまり本当は『仮面ドライバードライブ』が正しいの、あの人の変身しているヒーローの名前は!!それなのに何で『仮面ライダー』なのかなってずっと思ってる!!」
「ま、まぁ…私もさっき言ったように思ってたけど…一応全くの間違いという訳じゃないからそこまで深く疑問を持つ必要はないと思うけど…」
「よくないと思う!!私が好きな仮面ライダーはかっこいいバイクに乗っているという都市伝説になるようなヒーローだもん!!勿論ドライブがかっこ悪いなんて全く思っていないけど!!」
「それって…確か仮面ライダーW…ですよね、かのんセンパイ!!」
そして新たに声をかけてきたのは
「花帆ちゃん!!」
そうかのんが応えた声の先にいたのは桜色のワンピースを纏い、ペレ―帽を被っていた少女である日野下花帆、淡いオレンジ色の髪色をしていてウサギの髪留めが目立つボブヘアーが特徴的である。彼女は石川県金沢市の伝統校蓮ノ空女学院のスクールアイドルクラブで活動している3ユニットのうちの一つ、『スリーズブーケ』に所属している。
因みに彼女が歌ってきた曲は『Dream Believers』である。
「風都って場所でガイアメモリ…?という危険な物を使っている人達から市民を仮面ライダー…って聞いた事あります!!」
「うんうん!!それを想像した時、すっごく絵になると思ったんだよね!!いつか会ってみたいなぁ~!!」
という感じで夢心地になっているかのんに対し
「かのんさん、そう簡単に会えたら都市伝説になっていないと思いますよ?」
侑が冷静に唯一の3年生の先輩であるかのんにツッコミを入れる。
因みにそれ以外の5人は全員2年生であるという補足もしておこう。
「はぁ…やっぱりそうだよねぇ…」
「それで穂乃果ちゃん、どうしてその仮面ライダーの話を振ったの?」
先程「仮面ライダーって知ってる?」と問いかけられた歩夢が改めて問いかける
「あのね、私仮面ライダーについて話を聞いた時に凄いなって思ったの!!ニュースでは一度死んじゃったりした事もあるんだって…それくらい辛い思いをしているのに…長い間戦い続けるって…本当に凄いしかっこいいって思ったの!!だから、もしなる事が出来たら…なってみたいなって!!それでみんなはどう思うかなって聞きたくなったんだ~!!」
「…死んだはずなのに蘇っている時点でその人本当に普通の人間!?」
「多分仮死状態だったんじゃないかな…あ、でもそうだったら殉職って断定してニュースにはしないよね…どういう事だろう?」
というかのんのツッコミとそれに対する歩夢の返答は置いといて
「それでみんな!!どう思うの!?もし自分が仮面ライダーになれたら…って思ったりする?」
改めて穂乃果は5人に問いかける…もし己が力を手に入れる機会があったら…という事を考えた事があるかを
「私はなれたらなってみたい!!だってそれで色んな人達を護れたら嬉しいなって思うもん!!」
「え?」
穂乃果は真っ先に護る為なら力を使いたいという覚悟を言う
「私も皆の為なら、仮面ライダーに…なれるかな?だって皆の笑顔が曇っちゃうの、嫌だもん」
「ええ?」
歩夢は少し自信なさげに…だが確かな想いをこめて言葉をつげる
「あたしもなってみたいかも!!…理不尽な悲劇で辛い想いをした人の気持ち、分かるから…だからそんな人達がそういう思いをしないようにする為ならあたし、頑張れると思う!!」
「ええええ!?」
花帆も過去のとある経験から頑張りたいと話した。
すると
「う、う、噓でしょ!?穂乃果ちゃんも歩夢ちゃんも花帆ちゃんもなってみたいのぉ!?」
先程から3人の回答に動揺していたかのんが3人の顔を交互に見ながら驚愕する
「か、考えてみてよ!!暴力をするんだよ!?装甲で護られているけどケガするかもしれないんだよ!?痛い想いするんだよ!?あの時のニュースのように、泊進ノ介さんみたいに死んじゃうかもしれないんだよ!?普通の人間ではいられなくなっちゃうかもしれないんだよ!?何でそんな簡単に変身するって決めれるの!?…3人の気持ちは…大切な人を護りたいって気持ちは…分かるけど…」
かのんが真面目な表情で言っている事は決して間違っていない、『仮面ライダー』というのは人間を超越した存在である怪人と戦う為に人間性を保ちながら人間を捨てかねない存在だ。そんな存在に簡単になるというのは…容易く言っていい事ではないのは確かである。
現に言われた3人も…改めて少し考え込んでいた。もっとも
「それでも、それでも…私は大切な人達が傷つくぐらいなら…」
歩夢はそれでもなってみたいと思った…ようである、その様子を侑は不安そうに見ていた。
「う~ん…私は仮面ライダーには…ならないほうがいいと思う、私ね、グループの中では普通怪獣なんだよ?」
「普通怪獣?」
「普通の子って意味だよっ、もし仮面ライダーになるとしたら果南ちゃんやよーちゃんがなったほうがいいと思う」
千歌は自分がなるよりは身体能力の高い幼馴染の渡辺曜と松浦果南がなった方がいいのではと思ったようである。
「ふむふむ、皆それぞれ違う意見なんだねぇ…最後に侑ちゃん!!あなたはどう思うの!?」
「私は…仮面ライダーになるってより…なった人を支えてあげたいって思ったかなぁ、確か仮面ライダードライブって警視庁刑事部特状課の人達に支えてもらいながら市民を護ってたんだよね?私もそんな存在になりたいって思った、仮面ライダーになった事で辛い思いをしている人達や、傷ついちゃった人達の支えになってあげたいって…仮面ライダーについて知った時に、そう思ったよ」
高咲侑も自分なりの意見を述べた
「へぇ…やっぱりあなたって本当に誰かを支える事が好きなんだね!!」
「さっすが私達59人、全員のサポートをするって言っただけあるね!!いいないいなぁ!!私達の学校もあなたみたいなマネージャーがいたらなぁ~!!」
穂乃果が侑の言葉を受けて思った事を言い、千歌は侑の存在がいる虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を羨ましがっていた
「やっぱり沙知センパイに侑ちゃんは似てるって思っちゃうなぁ」
「仮面ライダーを助ける…それなら今の私でも出来るかな?」
花帆は卒業してしまった偉大な『10人目』のスクールアイドルを改めて思い出し、かのんは今の自分でも出来そうな事を思いついていた
「ふふっ、やっぱり侑ちゃんは侑ちゃんだね」
そして幼馴染である歩夢は侑ちゃんらしいと思えて嬉しかったようだ。
「皆の意見、聞かせてくれてありがとう!!それにかのんちゃんもそんなに深く気にしなくていいからね?多分私達には全く関係ない事だと思うし!!」
そういうと座っていた椅子から立ち上がった。何故なら
「そろそろ時間だし準備しよっか、私達のライブを!!A-RISEやSaintSnowの皆が温めてくれたステージ、私達50人の想いを一つにして更に盛り上げちゃうよー!!」
「「「「「おー!!」」」」」
間もなく9つのグループのうち、μ’s 、Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの5つのグループ、構成メンバー50人による全員でのライブをするからだ。
彼女達は他のそれぞれのグループに合流していく為にいったん別れたのであった
「それにしてもやっぱり凄いなぁ、50人が一斉に歌って踊るなんて…それを想像しただけで凄い景色だと思っちゃう…あぁ、想像しただけでときめいちゃうよ~!!やっぱり大きなステージを用意しやすい虹ヶ咲学園でライブを開けてよかった!!」
「そうだね!!…確かにそんなライブが出来るのは私も凄いと思うけど…私はその50人の為の歌を作曲した侑ちゃんも凄いと思うけど?」
「そうかなぁ…でもそうだとしたら、その気にさせてくれたスクールアイドルの皆こそ凄いって私は思うな!!」
「本当に侑ちゃんは大好きなんだね、スクールアイドルが」
「えへへ」
軽く談笑しながら歩夢と侑は仲間の元に合流するべく歩いていく
「だから、早く天気が良くなってくれると良いね」
「…うん…天気予報ではここまで雨が降りそうな感じにはならないって知ったから…皆で今日ライブする事を決めたのに…」
ふと二人は空を見る、そして視界の先にある大量の灰色の雲を見ながら…ゴロゴロと響く雷鳴を聞いて…二人の顔色は悪くなってしまった。
彼女達の同好会は以前天気のせいでスクールアイドルフェスティバルという大きなイベントを開いた時に辛い思いをした事があったのだ。(それでも最後にはぎりぎりのタイミングでやんでくれてフェスティバル自体はハッピーエンドで終わらせる事が出来たが)
この空模様も二人…いや、このフェスに参加しているスクールアイドル達全員に嫌な予感を感じさせていた。
虹という物はその数多の色の鮮やかさで人々を笑顔にする事が多い
――だがその代わり虹が生まれる為には必ず雨が降らなければならない
「…あのね、歩夢」
「え?」
「私さ、仮面ライダーを支える人になりたいって言ったけど…実はね、一つ
「?」
「それはね」
「これが私の中の
「…うん!!」
その『
「じゃあ、早くみんなに合流しよっか!!これ以上遅いとせつ菜ちゃんに注意されるかもしれないし!!」
「うん!!」
そういうと二人は早走りで合流しようと駆けだした
――この先の彼女達の過酷な運命を知らないままに
2015年8月 風都市と東京都の境界にて
その場所は川が流れ、緑が茂っていて…数多くの巨大な灰色の雲が空を覆っていた。
スーツを着ている赤いネクタイの男の名前は刑事で仮面ライダー…泊進ノ介である。
『そうだよ、スクールアイドル、学生達がそれぞれの学校を代表してアイドルをやるんだ、つい最近ハマっちゃったんだよねぇ、今すぐに彼女達の曲を進ノ介君に聴いて欲しくなって電話したんだけど…』
電話相手は西城究、オタク気質のあるネットワーク研究家である
『いやー有休をつかってまで参加できてよかったよ、今日はなんと59人ものスクールアイドル達がお台場の虹ヶ咲学園で大型ライブをしてて…』
「分かった、分かったけど今仕事中だから、後にしてくれ!!」
『えっ!?いや、確かに051の件は聞いてたけど、そんな強そうなロイミュードじゃなさそうだし、この時間になったら終わってるかなって』
「強さの問題じゃなくて、厄介な所で重要参考人がぶっ倒れたせいで凄く怖い人と揉めてるんだよ!!頼むから後回しにさせてくれ!!」
『わ、分かったよ、とりあえずリストだけでも送っとくから、時間に余裕が出来たら少しだけでも目を通しといてね、後で色々推しポイント教えるから!!じゃあ!!』
そういうと究は通話を切ったようだ。
「進兄さん、誰から電話だったの?」
声をかけてきた白いパーカーを着ている男は追跡、撲滅、いずれもマッハ…詩島剛
「究ちゃんからだ、何でもスクールアイドルのライブに行ってて俺にも曲を聴かせたくなったんだと」
「へー、スクールアイドル、俺もカメラマンの仕事で何枚か写真撮った事あるよ、後で見せよっか?」
「分かった、とりあえず究ちゃんから贈られたリストもお前と霧子で簡単に目を通してくれ、福井警視には俺がとりあえず再び交渉するから」
「オーケー」
そういうと進ノ介は境界の先にいる人達と捜査についての再交渉に臨み始めた
「剛、何を見ているんですか?」
携帯に送られてきたリストを見ている剛に声をかけてきたのは姉である詩島霧子、進ノ介と同じ警察官である。
「姉ちゃん」
そういうと剛は送られたリストと写真を霧子に見せた
「…スクールアイドル…ですか?初めて知りましたけど」
「まぁそれも無理ないよね、最近有名になったばっかりだし…前にライブの写真撮った事あるけど結構姉ちゃんに負けないぐらい美人な子も多かったな、進兄さんには優木せつな…チェイスは天王寺璃奈…俺は宮下愛…姉ちゃんは黒澤ダイヤ…が好きになってくれるんじゃないかって究ちゃんが(まぁ1番は姉ちゃんだけどな)」
「確かに可愛らしいとは思うけど…」
送られたリスト、そして写真を霧子はぼんやりと見ていた…時だった。
(…え?)
突如空の色の雲が黒く染まり始めたのは
(…元々いい方じゃなかったけど…急に天気が悪くなってきたな?)
捜査に関する話をしていた男と進ノ介…だがその異常な変化に思わず会話を止めてしまう
「嫌な風が激しく吹いてきたな」
境界の先にいた刑事、福井…ではなく照井竜も空の様子を不審がる
(変だな…ここ数日は雨が降るなんて予報になかったはずだ)
…昨日は金環日食の日でありそのニュースは進ノ介も見ていた、故に天気予報は一昨日から少し気にしていたのだ…故に朝から違和感を感じてはいたし、予報との違いに早く気づいたのだ
(ていうかこの空模様って)
空の雲は既に雷を纏いつつあった…まるで
その瞬間
凄まじい巨大な雷鳴が東京都に響き渡った
「きゃあっ!?」
「…!?」
霧子が悲鳴を上げ、剛は少しだけ身構える
「凄い雷だな…!!」
「この感じ…あの時の…!!」
進ノ介はベルトさん…ドライブドライバーの中にいるクリム・スタインベルト博士に連絡し、早急に来てもらおうとする
嫌な予感がする、刑事としての勘が、歴戦の勘がこの世界の危機の再来を告げていた。
――その瞬間、世界に…金色の波動が広がった
「ぜぇ…ぜぇ…!!」
世界は無限にあるものである
「マイロード…!!申し訳ございません…!!」
それぞれの人の中に、もしくは人の外に、もしかしたら人々が認識している世界の更に外に
「どうしたバトラー、そんなにお前が狼狽するとは…ダスクを追う使命は…!?」
だが無限にある代償…それは簡単に滅びてしまう可能性がある事、そしてもう1つは簡単に交わり混沌になってしまう可能性がある事である。その結果非常にも世界の摂理はいとも容易く塗り替えられやがて泡となって消えてしまう
「それ所ではございません…!!その道中にとんでもない状況に陥っている世界…いえ、数多の世界を発見してしまいました!!こちらをご覧ください!!」
しかしそれを、例えどんな世界の摂理に理不尽に巻き込まれようとも…それに抗う事はきっと誰にでも出来るかもしれない、例えばどこまでも自由に歌う事が、踊る事が大好きな女神達のように
「これは…!!バトラー、至急連絡だ、ライダー学園へ繋げ!!」
この物語で描かれる…摂理の流れで沈んでいった存在達、そしてそこから新たな進化を遂げていく者達のように
壮大な鐘音が世界に響き渡った数分後、1人の少女の声が響き渡った。
【皆さんこんにちは!!高海千歌です!!今日のスクールアイドルミュージカルの時間です!!まずは私達、Aqoursから『幻日ミステリウム』です!!…皆さんの心に、輝きを取り戻せるように歌います!!聴いてください!!】
2015年、9月
東京都、門前仲町の開けた通り道
発展していたはずの都会達を様々な怪物達が横断していく
アンノウン、オルフェノク、アンデッド、ワーム、イマジン、ファンガイア、ドーパント、屑ヤミー、ダスタード、量産型メガヘクス、バグスター、アークマギア、メギド、ギフテリアン(TRUE)、ドレッドルーパー
様々な種類の怪物達が歩いている人達の目の前を横断していく、そして空を飛べる怪人達が太陽を、青空を完全に隠しきっていた。
…普通は一般の人達ならば逃げるはずだ、怖がるはずだ、もしくは我武者羅に攻撃しようとするはずだ、だが何故か、何故か
彼らは動こうともしない、逃げようともしない、ただ無機質に、無表情に見つめていただけだった、そしてすぐに見るのを辞めて日常生活を送り始める、そしてその生活さえも異常になっていた。全員が全員、装いが質素すぎる物に変わり果ててしまっていたのだ。
…もしかしたら彼ら、もしくは彼女達はオシャレという行為が無意味だと考えてしまったのかもしれない
狂っている…多くの人達がそう認識するだろう
だが彼らには、心を静止させられた者達にはそんな事認識出来るはずがない上、闘争すら、抗う事すらできないようにされている、故にこの異常事態が出来上がるのである。
【わからない…自分なのに自分のこと 鏡の前で じっと見つめ合うああ私は何がしたい?】
【謎と夢を もっともっと 追いかけてみたいかもしれないね】
【このセカイの出会いで 謎と夢を 解き明かしてみるよ】
そんな世界に突然現れた白く輝くスピーカー塔から響き渡るは9人の少女達のクールな歌声…その歌に対する人々の反応はそれぞれである。あっけなくそっぽを向いた人中年男性もいれば、何故かその場で立ち止まっている中学生の背丈に見える女の子もいた
話を怪物たちに戻すとしよう、怪物達の先頭を歩いている存在のうちの3人、紫の服を着たイケメンと白い服を着たチンピラじみた男、そして赤いロングコートの男…彼らも何体かのロイミュードを連れて素通りされた人間達と殆ど変わらない表情で歩いていた。
そしてそんな彼らが向かう場所、その名前はお台場、つい最近まで観光地として発展していたはずだった場所である。
そこは私達が知っているお台場とは幾つか違う所がある事を伝えておこうと思う。
1つは観光目的でそこに来ている人はもういないという事
2つ目は何故か周りにかつての繁華街や高層ビルがいくつもある事である。
本来お台場の周りには臨海副都心として、高いビルがある事は当然ではあるが、それが幾つも連続で並ぶという事はありえないはずであった。また、繁華街というものも本来ある場所ではなかった。
そして3つ目、それは
そこはかなりの高さの壁に取り囲まれていて、そして上部には白いバリアが上空の果てまで展開されている事である。
――そしてその壁は、ビルドの世界においてスカイウォールと呼ばれているものに近かった
ただ、壁からは伸縮自在の鎖が無数に生えていたという大きな違いはあったが
【日本に住んでるめぐ党のみんな〜!!ハロめぐ〜!!次は私達みらくらぱーく!がたっくさんの思いを込めて歌を届けるね♪世界中の皆のスクールアイドルに、めぐ党に夢中になれる気持ちを取り戻すために頑張っている姫芽ちゃんの分まで、2人で歌うよ!!『アイデンティティ』!!】
市街地では二曲目が始まったころ彼らはその壁を前にしてまず二つの大きな部隊に分かれる、その部隊の片割れは今向かっている壁の反対側へ壁を取り囲むように配置しながら向かっていく、そして残っている部隊からも逆方向に向かって壁を取り囲むように配置されていく
こうして壁によって囲まれている都市は完全に包囲された。
そしてハート達が率いる部隊は『とある壁』の近くで止まる。
「成程な…今回
…その壁には鎖が生えていなかったのである。
彼らは目の壁を只々壊し続ける為に攻撃を…
「そうか、今日来るのはお前達か…本当にしつこいな」
「お前達が無駄な事をする度にいつも壁の内側への道が開かれる事はもう分かりきってる以上、来るに決まっているでショ」
しようとしたときに目の前にシフトカー達を引き連れながらある黒髪の男が現れる、黒いスーツ、金色のネクタイ、そして大胆不敵な様子を見せている若者…服装からもわかるだろうこの世界における『異物』の一人であると
「お前達のような傀儡が、ここから先に入る資格は無い、そうお前の仲間達に何度も警告しているよな?」
「その警告…本当に俺達が聞くと思っているのか?なぁ友人達よ」
その男はまるで『浮世英寿』にそっくりであった、行動も、性格も、見た目も
「俺も何度も言っているはずだ、この世界の究極の平和の邪魔はさせないと、平和の為に俺達はこの先を行かせてもらう」
「平和?支配の間違いだろ」
《デザイアドライバー》
《SET》《SET》
これ以上会話は無駄だと互いにドライバーを腰につける、そしてマグナムレイズバックル、ブーストレイズバックルも
それに対し紫の男…ロイミュード000は金色の車を取り出した。
赤い男と白い男も何かを取り出す…そして腰にはめた
赤い男が腰にはめたのは彼の最高のライバルだったはずの男のベルト
そして白い男がはめたドライバーは決してバンノドライバーでは無い、本来なら彼の肉体を破壊するはずの仮面ライダーのベルトだった
《シグナルバイク!!ライダー!!》
「変身」
「「変身」」
《DUAL ON!!》
《GET READY FOR BOOST & MAGNUM》
この世界においての希望の1つ、本来の世界ではデザ神になり続けるはずだった仮面ライダー、ギーツに相対するは
《ドライブ!!タイプスピード!!》
《マッハ!!》
仮面ライダードライブと仮面ライダーマッハ、本来は敵対者が変身するはずだったライダーだった。
《Tune・Rhino…!!》
《Super Break Up…!!》
そしてロイミュード000の超進化した姿である超魔進チェイサー
何れも市民の為に戦う仮面ライダーであるはずだった。
そんな彼らにギーツはマグナムシューターを向ける。
「ここから先は彼女達のハイライトだというのは分かっているよな?…お前達に邪魔はさせない」
「良いだろう、止めてみるがいい」
無機質な声を発したチェイサーを筆頭に襲いかかる仮面ライダー達と怪物達
《READY…FIGHT》
そして…戦いが始まる
一方
もう一つの真っ平らになっている壁の前…そこに立っていたのは赤いジャケットと長いジーパンを纏っている憎悪に染まった表情をしている男
他にも群青色の近未来的な服を着た中性的な容姿の少年、銀色の近未来的な服を着た女…彼らの名前はタイムジャッカー、本来なら歴史改変によって新たな王を作るはずだった者も共にいた
「へぇ、今日
そして彼らはそれぞれウォッチ型のデバイスを構えた
「…忠告しますわ、ここから何もしないで立ち去ってくれれば…
彼らの目の前に降り立ったのは
全体的には赤く、だが脚や腕は白い、胸の部分には菱形のクリスタルが嵌められているスーツを纏った少女
その戦士の名前は…『スカーレットデルタ』
「ハッ、見るからに仮面ライダーでもない奴らが偉そうによく指図できるな」
「確かに私達は仮面ライダーでも何でもないよ?」
次に降り立ったのは…水色の覆面をつけた…高海千歌に瓜二つの少女
「でもこの世界の人達を傷つける貴方達みたいな人から皆を護る為に戦う覚悟は出来てる!!」
名前をヒーロー集団ミリオンダラーの一員、ケイティ
「…ハァ、めんどくさいガキ達ね、本当に私達が戦う必要あるの?」
「そうだよ、こんな奴らにこの力を使うまでもない」
その瞬間…ウールは空中に手を翳し
世界の時を停止させた
この瞬間の間、世界はタイムジャッカー達の物になる
時の檻に閉じ込められて身動きの取れないスカーレットデルタとケイティにオーラは手から衝撃波を飛ばす。
その衝撃波によって二人は貫かれて、この戦いはあっけなく終わる
「………何、この音」
音がする
タイムジャッカー以外、誰も動けないはずの世界において…決してありえない現象がたった今起きていた。
そしてその音の正体はすぐ近くに迫っていた
その音の正体は
「ハァ!?」
数多の魚群達の群れが空を飛んでいた音だった。
その魚群達によって衝撃波は飲み込まれそして爆散した、更に
「時よ解けなさい!!」
「噓でしょ!?」
数多の戦闘員達は活動を開始していた。それはつまり
世界はタイムジャッカーから奪還された事を意味していた。
「誰だよ!?僕達と同じ力を使った奴は!?」
「…えっ爆発!?」
「もしかしたら私達に何かされそうになっていたのでは…?」
ケイティ達が時間停止を解除された瞬間に…一人の少女がこの場に降り立つ。
その少女は大きなマント付の紫のドレスを纏っていて、この世界の一般人とは異質であることを示している2本の角が生えていた。
「何よこれ…!!」
「何だコイツ…僕達が圧倒されるだと…!?」
ウールとオーラははっきり言って加古川、スウォルツよりは格下だ。故に相手が一種の威圧を感じさせるとしたらそれに圧倒されるのは必然だったと言える。
その少女は…時を司り、ヌマヅを守護する奇しくもタイムジャッカーのリーダー格、スウォルツと同じく、王家の末裔という立場であった
「私達の仲間に手を出すなら…容赦はしないわ!!」
その名はマリ、肩書は…魔王
「マリさん!!」
「二人とも無事ね…間に合ってよかったわ!!」
「マリちゃん、相手すごく強そうだよ…!!」
「そのようね…」
そして更に側に降り立ったのは…巨大な狼獣
「ガルル…!!」
名前はライラプス、とある少女の相棒にして友達である。
…そして
「ここから先は通しません」
最後にこの場に降り立ったのは所々機械的だが、それでも心がある者と多くの人が考えるだろう振る舞いを見せるおかっぱの女性の姿をしたヒューマギアと呼ばれる存在のアンドロイド…イズ
そして手元に取り出したのは飛電インテリジェンスに残っていた最古のドライバー、フォースライザーと…とあるプログライズキーだった。その名前は
「………」
『飛電或人の秘書イズ、残念だったな…お前の社長とその仲間達は既に絶滅している』
『イズ…!!お前だけでも生き延びろっ…!!ゼロワンの想いを継げるのはお前だけだ!!』
…もう何度もこのプログライズキーは見続けている、或人社長とその仲間達(不破諫さん、刃唯阿さん、天津社長)が絶滅したという証拠としてアークがひび割れた4つのプログライズキーの1つとして或人社長の秘書であった自分に見せびらかして時からずっと
迅が取り返してくれるきっかけをくれた時からずっと手に持ち続けている。
シンギュラリティに達した事を何度後悔しかけたかわからない、大切な人達を失った事を改めてリラーニングしてしまった時、自らの故障を疑う程の涙が溢れてしまった事は決して忘れないだろう。例えどんなにセントラルメモリーが壊されてしまったとしても
もし、あの時或人様が早く目覚めてくださったら…こんな事には…ならなかった、そのシミュレーションを…見てしまっていたのだ、飛電インテリジェンスが完全に破壊されたその夜に
今更だがしない方が良かったと思って再び泣いた、何故ならそのシミュレーションを見た所でもう或人社長の指示は二度とこないのだから
だけどずっと泣いてなんていられない、或人社長はずっと言っていた。人間とヒューマギアが共に笑顔で過ごす夢を見たい、そしてそれは今の私の夢でもある。だから…
今は或人社長、そして自分の夢のために戦いたかった仮面ライダー達の分まで共に戦う、こうして友達になってくれた少女達と共に壁の中の人々の笑顔を護る為に、そして壁の外の人々の笑顔を取り戻す為に
《ジャンプ!》
「変身!!」
《フォースライズ!!》
飛び跳ねていた機械的な黒いバッタのライダモデルが飛ばした蛍光色のアーマーと無数の黒い飛蝗がイズの表面を覆い、それに先程飛ばしたアーマーが装着され、変身が完了した。
《ライジングホッパー!!…"A jump to the sky turns to a rider kick."》
或人社長と常に共にあったライジングホッパーのプログライズキーと共にかつての社長秘書兼ゼロワンのサポート用のヒューマギアであるイズは
《"Break down."》
世界の人々とヒューマギアの笑顔の為に仮面ライダー001…正史では現れなかった仮面ライダーへと変身する。
「…クックックッ」
加古川はある種の愉悦をこめた笑みを見せながら…アナザーウォッチを取り出す。
「どんなに抵抗しようと無駄だ、俺の力の前ではな…全員ここで完膚なきに潰してやる」
「カグヤさんから本来の歴史の貴方がどういう人なのか聞きましたが…この世界の貴方も本当に歪んでいるのですね」
「本当に貴方が憎む人は今この世界にはどこにもいないのに…!!ひどいよっ!!」
「…ああ知ってるさ…目の前でアイツは消えやがったからな…だが!!」
加古川が取り出したのは…とあるアナザーライダーのウォッチ
「感じるんだよ…アイツは…アイツの力はまだ生きているんだろ…?だったらアイツが戻ってきた時に絶望させてやる為にお前らを潰してやる!!『お前が消えていたせいでコイツらは死んだ』って言ってやるためになぁ!!」
そのアナザーライダーの特徴の一つ目は本物の力がどこにあるのかを時空を超えていても察知出来る事、そしてもう一つの特徴は変身者の邪悪性を高める物だったようだ…それによって加古川は手遅れな程に歪んでいた。
「どうやら戦いは逃れる事は出来なさそうね」
「…止めますわよ、私達で!!」
マリは覚悟を決めて、スカーレットデルタは刀に雷を纏わせ、ケイティはバップガンを構え、001も身構える。
「お前達…やるぞ」
加古川は己の所有しているアナザーウォッチのうちの一つを取り出した。
「分かったよ」
「はいはい」
オーラ、ウールもそれぞれ渋々とアナザーウォッチを取り出す
《BARLCKX…!!》
《KIKAI…》
《DRIVE…》
それぞれのウォッチを起動させると同時にウールとオーラは胸元に埋め込み、加古川はジクウドライバーに似た黒いベルトに装填、それぞれが元のライダーを歪んだ姿へ変貌していく
加古川の姿が黒い閃光に包まれて眩く輝いていく、それが晴れた時、黒や深緑がメインの外装であり、両肩は金色のアーマーがついていて、そして顔つきは正史において加古川が変貌したアナザージオウのように髑髏のようになっており、目は赤く染まっていて禍々しい雰囲気を纏っている怪人と化していた…アナザーバールクス、本来の歴史の加古川が変身した事がある仮面ライダーのアナザーライダー
オーラは上下から赤黒いタイヤのエフェクトに挟まれるようにして変貌、大破してしまった廃車の怪物…アナザードライブ、本来の世界のオーラを模倣した存在が変身したアナザーライダー
ウールはウォッチから生えてくる木の触手に絡めとられるようにしばらく包まれた後に融合し、奇怪な木の怪物…アナザーキカイ、本来の歴史においてウールが無理やり変貌させられたアナザーライダー
本来の歴史において自らの意志で変身しなかった者達が変身したIFと本来の歴史において常盤ソウゴの最大の敵として立ちはだかった歴史の管理者の王の贋物が
幻日からの来訪者であり、スクールアイドル達のIFでもある少女達+αと…今、激突する。
それと同時に
【皆さんこんにちは!!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の優木せつ菜です!!次は私が皆さんの大好きを燃え上がらせるような曲を歌います!!それでは聞いてください!!『CHASE!』】
3曲目がスタートしていた。
続きは明日更新します!!お楽しみに!!
因みにアナザーバールクスの描写についてはBURNING様が執筆なさっている『仮面ライダーリバイスIF』のssから使わせて頂きました。
追記:怪物たちの集まりの所で、マルガムとドレッドルーパーを描き間違えていたり、ネイティブが紛れ込んでしまっていた為、修正いたしました。