ラブライブ!×仮面ライダー『インフィニティ マルチバース ワールド』 作:栗助
「はあああっ!!」
車の中からアナザードライブは銃撃を放ち、スカーレットデルタはそれを斬り飛ばしながらバイクに斬撃を当てる。そして斬撃波はアナザートライドロンが回避しながら銃撃を放つ。
双方向激しくデットヒートを刻みながら戦い続ける…そんな中遂に
(来ましたか…!!)
アナザートライドロンはあえて後ろに退き、先程ダイヤの不意を突いた機関砲が狙ってくる。それを回避…するが…!!
(それも使えるのですかっ!?)
アナザートライドロンの右前輪に炎に包まれたトゲトゲのタイヤが現れ…そのタイヤから炎を纏ったトゲが大量に放出してきた…!!
それに対しスカーレットデルタのバイクは機関砲を避けたばかり、故にトゲトゲを避ける手段は…ない
「ルビィっ!!」
「うゆっ!!」
その瞬間、バイクは空へ退避していた…!!
「はぁ…!?そんな事出来たの!?」
驚いているアナザードライブを尻目にトゲトゲを全て回避…そしてそれを追う…一筋の道路
「出来る事には驚きましたが、そんな贋物の力なんて当たりませんわ!!本物の力を見せて差し上げます!!」
その道路を走っていたのは先程りんな博士の修理が終わったスカーレットデルタに懐いているシフトカー達、茶色いミキサー車スピンミキサー、紫色のシフトカーマッシブモンスター、それらは同じくりんな博士に改造してもらったバイクの画面に入り込んで…!!
「タイヤフエルビィ!!」
前輪は灰色のスピンミキサータイヤ、後輪はマッシブモンスタータイヤに変更、まず前輪からコンクリートの弾丸をアナザートライドロンの周囲に吐いて周囲を頑丈なコンクリートで囲んで、更にタイヤにも付着させて重くさせる事で完全に身動きを封じさせる…そしてスカーレットデルタの両腕に転送された武器、モンスターを振るい、動けないアナザートライドロンを嚙み砕いていく
「ちっ…!!」
アナザードライブは己のタイヤからもトゲ付きタイヤと燃えるタイヤを再び放出するがモンスターをうまく振う事で攻撃を噛み砕きながら、あるいは後輪のタイヤから舌を伸ばして攻撃を弾きながらアナザートライドロンを破壊していく
「もう!!」
機関砲を上向きに発射してスカーレットデルタに攻撃をするがルビィは内部から巧みにバイクを操り、空を駆けて避け続ける、そしてダイヤはルビィを信頼しているゆえにアナザートライドロンの破壊に全力を注ぐ
「仕方がないわね…!!」
悔し気にジャンプしてアナザートライドロンから脱出、そしてその瞬間車体は爆発し炎を発した
アナザードライブは脱出しながら銃撃を放つ、スカーレットデルタは高くジャンプしながらそれを回避、そして
「はあああああああああああっ!!」
急降下、その勢いをのせて雷を纏った剣を振るう。
「くっ…!!」
慌てて左腕で防御するが…!!
「はあっ!!」
「ぐああっ!!」
左腕を上に斬り上げる事で弾いて、その隙に胴を斬り伏せた!!
「はぁ…!!はぁ…!!こうなったら…!!」
左腕の銃から連射しながらアナザードライブは急接近、勿論着地したスカーレットデルタは斬りとばしながら…振り下ろされる左腕を破壊しようと刀を振るった
その瞬間、アナザードライブの右腕から赤黒い刃が生えた
「させないよっ!!」
「があっ!?」
その瞬間バイクが勢いよく突進、跳ね飛ばす事に成功した。アナザードライブは不意を突く事に集中していて気付く余裕がなかったのだ。
「ぐぅぅぅぅ…!!」
アナザードライブは驚いていた…彼女達の想像以上の強さに
「アンタ達がここまで強いなんてね…!!」
「本当に貴方達は情報共有がなっていないようですわね!!私達姉妹の絆を舐めないで欲しいですわ!!」
「うん!!シフトカーの皆も手伝ってくれてるんだから!!」
再びバイクに乗ったスカーレットデルタに対し…アナザードライブはとある奥の手を使用しようとしていた。
「だああああああっ!!」
「えええいっ!!」
路地の間で向かい合っていた二人と一体の怪人、そして怪人が放った迫りくる大量の触手に対しリコは放つ豪火の刃で焼き切り、ケイティはバップガンで弾きながら建物の中に入り込む、そして
「どうするのリコちゃん!!何か倒せる方法思いつかない!?」
(普通に戦おうとしたら触手で防御や回避とかしそうだし、とかいって大技をさせてくれる時間はくれないよね…それをどうにかする為には…!!)
動物学者としての自頭の良さを生かすべく脳細胞をトップギアまで加速させた果てに
「…思いついた!!」
「本当!?」
「相手が乗ってくれるかどうかは賭けだけど…やってみる価値はあると思う!!」
複雑な構造の店を飛び跳ねまわり避け続けて作戦を共有し…
共有が終わったタイミングアナザーキカイの目の前に現れた。
(これ以上コイツらに触手は通じないか、大分見切ったようだし…こいつ等の体力切れがいつ来るのかもわからない上じれったいしな…だったら!!)
腰に触れると同時に右脚に纏わせるは…電気…!!
…真なる物が使う『キカイデハカイダー』を模した技だと言えるだろう
(この手で直接生身の肉体を壊して終わらせる!!)
先程も利用した触手を利用した急接近した後に振われる雷脚による回し蹴り、それに対し彼女達は
《チャージライズ!!フルチャージ!!カバンショット!!》
ケイティはリコを肩車しながら託されたアタッシュモードにしていたアタッシュショットガンによる必殺技を地面に正確に狙った場所へ放ち、その反発力空中へ高速移動、攻撃を避けながら輝きの元である太陽の近くへ跳んだ。
(自分から身動き取れない空中にいってどうするんだよ、やっぱり戦いを知らないガキなんだな)
アナザーキカイはそれに対し触手で仕留めようと…するが予想以上にスピードが早い、このままでは自分で仕留められないまま落下死するというつまらない終わり方になりそうである。
それが気に食わなかったアナザーキカイはそれを追うべく再び触手を叩きつけてその衝撃で空へ跳ねる
飛んでいく二人をアナザーキカイは無理やり跳んで追いかけた…容易く追いつけると思ったが…
(…何で追いつけないんだ?)
もうそろそろ重力に逆らえずに落ちてくるはず…だが先程から一向に落ちてくる様子が見えなかった
それでも届かないが故に周囲の建物の最上階にも触手を叩きつけて更に空へ跳ぶ。
…だがそれでも追いつけなかった
(…はっ!?)
このタイミングでようやく彼は気が付いたのである。
今身動きが取れなくなっているのは自分であると
(しまった…深追いしてた!!)
空中で深追いした結果触手が地面に、建物に届く距離から大きく離れてしまっていたのだ。そして彼女達が何故落ちてこなかったのか…それはまた後で話すとしよう
それは兎も角彼女達はどうにか117メートルの高さにまで到達する事が出来た…そしてそれに大きく近づきすぎたアナザーキカイの周囲に利用できる建物は運悪くどこにもなかった
よって…今のアナザーキカイは絶好の的でしかない
リコは触れる、ケイティのバップガンに…リコの魔法がバップガンに凄まじい火力を与えていく、そして共に引き金に指を構えた
そのリコの指には手のひらが移っていたオレンジ色の指輪が輝いていた
放たれた魔法が込められた魔弾はバップガンの風力を取り込みながら巨大な炎竜と化した、それに対しアナザーキカイは触手を盾にするが木製の盾など炎竜を前には炭になる結末以外ありえなかった。
炎竜は標的を飲み込み、そして噛み砕き爆散させた。その爆発は苦痛の悲鳴を隠すほどの爆音だったようだ。
アナザーオーガが振るう巨大な獲物、一度でも振り下ろしが直撃した瞬間粉々の部品パーツになるであろう事を認識した001は的確にラーニングしながら高速で回避していく
(このまま避け続けていては、いつかバッテリー切れを迎えるでしょう)
その後の結末は言うまでもない、正真正銘のスクラップになるだけである。
故にこちらも攻めなければならない、というより先程から何度か攻撃はしているだが
黒い装甲に対して右脚による蹴りを当てる…が微動だにしない
あまりの巨体、そして堅い装甲故にダメージが入りにくいのだ、再び振るわれる巨大な凶器、振るわれた先には巨大な円が出来ていた…そして重要な事がもう一つある
忘れていないだろうか、変身者はライノイマジンである事を
アナザーオーガの巨大な獲物を所持している手ではないもう一つの手にはモーニングスターが握られていた。そしてそこから発せられる火球が001を狙う、それを正確に避けるが…その先に巨大な武器が振るわれ…という事はない
ヒューマギアの予測演算はそう簡単に読まれるようなものではない、二つの攻撃が当たらないであろう場所へ正確に回避し続ける…だがイズは分かっている、このままではいずれ劣勢に追い込まれるのは明らかだと
(…ラーニング完了)
しかし、敵の攻撃のパターン、挙動、それによる弱点も理解する事が出来た、ここからは己の考えた結論に導くまで
《チャージライズ!!フルチャージ!!カバンシュート!!》
発射するは先程までアタッシュモードだった威力の高められた紫の弓、放たれた矢にたいし巨大な武器を振るう…というより振るってしまったというべきだろう
大ぶりな攻撃は致命的な隙を産む、その瞬間に目を攻撃…していいのだが、アナザーオーガもあからさまな弱点である目への攻撃は警戒しているようで、その時だけ剣を振るう速度が加速されている事はラーニング済みだ
だから
《ライジング!!ディストピア!!》
その瞬間、001は強く地面を蹴りながらアナザーオーガの周囲を高速移動で取り囲み始めた。
そしてそれと同時に弓を出来る限り連射、勿論アナザーオーガは防御するが
迫りくるは巨体が振るう剣には到底間に合わない速度で四方八方から放たれる威力を度外視にした速度優先の矢、おまけに動き回りながら放たれている為にどこから来るか分かりにくい
更に001はあえて絶妙に攻撃が届く範囲に近づいてきてもいた
故にアナザーオーガの取れる選択肢は近づいてくる001への攻撃と無数の矢の防御となってしまい、とる行動のタスクが増えた結果、何をすればいいのか分からなくなり、混乱の極致に追い込まれていく…これがもし加古川に従わされた存在ではなかったのならば、思考が出来たのならばどちらかを切り捨てる事を選択できたかもしれないが、強制従属の結果そこまでの高度な思考力を奪われてしまっていた。
(…今なら)
《チャージライズ!!フルチャージ!!カバンシュート!!》
音声はアナザーオーガにも聞こえた、混乱させられていく中でせめて眼だけは守ろうと大剣を盾にする…だが構わなかった
彼女が狙っていたのはその剣を持っていた手なのだから
手にダメージを受けた事で思わず彼にとって重要な武器である大剣を落としてしまう
その武器を拾う事より目の防御を優先し、モーニングスターを振るうが
《チャージライズ!!》
再びアタッシュモードにしたアタッシュアローでモーニングスターを弾きながら
《フルチャージ!!…カバンスラッシュ!!》
アタッシュアローの刃による斬撃で大目玉を斬り裂いた
失明と痛さによる苦悶の声をあげながらアナザーオーガは顔を手でふさぐ…あからさまな隙をさらしてしまっている。
001はバッタの脚力を生かして高く跳ねる…そして灰色のプログライズキーを取り出した
眼は破壊したがそれでも巨体を倒しきるにはこの姿では難しい、それに脚による必殺技をこの巨体に放つにはリスクがある。倒しきれても脚へのダメージがかかる可能性が高いと分析したのだ。防御力の低い相手への最後の切り札、それがイズにとってのライジングホッパーだ
《パワー!!》
その為に彼女は…別の姿を使う事に決めた
あの時、アークゼロが見せびらかし、迅が取り返すきっかけをくれて、彼女達が修復してくれたプログライズキーは
ライジングホッパー、ラッシングチーター、アメイジングコーカサス…そしてパンチングコングであった
ライジングホッパーは飛電或人、ラッシングチーターは刃唯阿、アメイジングコーカサスは天津垓を表しているのは明らかである。それぞれ彼らが『仮面ライダー』であり続けているために使い続けていたのだから
となるとパンチングコングは不破諫の象徴…とアークは認識したようである。
イズは最初それを考えた時に理解不能になりかけた、確かに不破諫がパンチングコングを使用し変身した事はある。だが基本的に彼はシューティングウルフ、アサルトウルフ、ランペイジバルカン…狼がメインの姿になる事が多かった。それなのになぜシューティングウルフのプログライズキーではなくパンチングコングだったのか…
それを考えた時、イズのメモリのデータが思い出していたのは、様々なプログライズキーを無理やりこじ開け続けていた彼の姿と
『力ずくで外せばいいだろう』
というどんなロックであろうと力づくでぶっ壊してこじ開けようとしていた姿勢であった
それらの記憶から、彼女は一つの結論に至った
やはり不破諫さんはゴリラだったのでしょう、と
ベルトに装填した瞬間、黒い機械じみたゴリラのようなライダモデルが001の真上でドラミングをしていた
《フォースライズ!!パンチングコング!!》
ドライバーを操作した瞬間、そのモデルが発光すると同時にグレー色のアーマーを飛ばし、それが蛍光色のアーマーを塗り替えていく
もしイズが変身しているのがゼロワンであればライジングホッパーの装甲が側面に移動して、空いた正面にパンチングコングのライダモデルが転送されていただろう。
だが001はゼロワンと違ってライジングホッパーが基点ではない、つまりライジングホッパーの要素が派生形態になった時に残る道理はないと言えるだろう
新たに纏ったスーツの基本的な形状はライジングホッパーとは変わらない、だが脚部のアーマーはオミットされ、拳はマキシムコンガーという武装で覆われていて腕部もそれなりに肥大化、そして複眼は黄色く染まっていた。体型はゼロワンがパンチングコングで変身した場合の姿に似ているが色は違っていて黒ではなく灰色である。この違いはゼロワンのフライングファルコンと迅のフライングファルコンの色の違いと同じように考えてもらいたい。
《Enough power to annihilate a mountain》
仮面ライダー001、パンチングコング
《Break down.》
正史にも歴史改編が起きた世界でも現れなかった新たな姿だ
もっとも、実を言うと彼女にとってこの姿は不向きだと理解している、そもそもパンチングコングの戦い方はラーニング不足、主に使用していたのが不破であって或人ではなかったからだ、そして何より攻撃を受け流しながら戦うやり方が自分に適していると考えているイズにとっては全く合っていないのだ
だがその山すら吹き飛ばせうる怪力は唯一無二である。
《パンチングディストピア!!》
レバーを一回引いて茶色い光を右拳に纏わせる、そしてその光は纏ったばかりの装甲をバージさせると同時に右拳に纏わせることでナックルデモリションに似ているがさらに巨大化した拳骨を形成、アナザーオーガに落下の勢いも合わせて大きく振りかぶる。
アナザーオーガはベルトの音声に反応、どうにか落としていた大剣を拾い…音声のする方へ己の凶器を向けて…黒と金の混じった刃のオーラを伸ばす。
(…そんな奥の手があったのですね)
001の必殺技と拮抗、アナザーオーガも死に物狂いでオーラを伸ばす…下手したら競り負けて刃に貫かれるかもしれないと思考させるぐらいに
《パンチングユートピア!!》
その瞬間右拳が更に肥大化し、それがアナザーオーガに向かって放出される。
巨大な拳型のミサイルがアナザーオーガの刃を粉々に割りながら迫っていく
そして目前までエネルギー弾が迫ったタイミングで…重力を味方につけた001が再び右拳をエネルギー弾と共に叩きつけた。
パ
ン
チ
ン
グ
ユ
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パ
ン
チ
ン
グ
ユートピア
拳とエネルギーを叩きつけられたアナザーオーガの肉体は限界を迎え、盛大に爆散していったのであった。
降り立った001は礼儀正しく着地した後左手を添えるように上にあげた。
「ソイヤソイヤソイヤー!!当ててみやがれ~!!」
トノサマは跳ねまわりながら、アナザーG4の自動追尾ミサイルを得意の張り手で弾く、弾く、弾きまくる。
「良い調子だよトノサマ!!…そろそろかな?」
今、カナンは完全にオート操作、トノサマのAIに全て任せてある人物に連絡している
アナザーG4は暫くミサイルを弾かれ続けてから悟った、この機械は間抜けな見た目をしている癖に予想以上にしぶといと、ならばこちらも本気を出すのみ
アナザーG4の元になった仮面ライダーG4は詳細を省くが未来を予知する事が出来る存在である。故にこのアナザーG4も未来を予知する事が可能である。
アナザーG4は現時点におけるトノサマの未来を読む、その未来では今考えている撃ち方を使えば中にいる操作者毎爆散する事が出来る未来が見えていた
アナザーG4はやみくもに撃つのではなく最初に一つ放つ
(…へぇ、撃ち方変えたって事は…見たんだね!!未来を!!)
未来を見るというのは恐ろしい能力だ
あのジオウⅡが時の王として予知を使用した姿や、ゼロツーによる未来予測は印象的だろう
だが忘れてはいけない弱点がある
一つはタネが分かってしまっては対策を練られてしまうという事
もう一つは予測しても何も対処出来なければ意味がないという事、ジオウⅡもゲイツリバイブの高速移動を前に予知を上回られている。
そして何より最大の問題点は
どんなに凄い力を持っていようとも使用者が使いこなせない限り宝の持ち腐れになる事である。
放たれたバズーカを横に巧みに動きながら回避する。
アナザーG4は動揺していた。当然である、先ほど見ていたはずの未来とは全く別の未来が目の前に現れたからだ。
動揺しながらも作戦通りミサイルを3つ直列になるように放つ
先程からトノサマは張り手をしてミサイルを弾いて、追尾してきたものもしっかり張り手をしてそれを繰り返していくうちにミサイルの強度が耐え切れずに爆発するパターンであった。
だがこの撃ち方ならば最初の一発に気をとらわれている間に先程から見ていた張り手の間隔から見つけた隙をうまくついたミサイルの対処にてこずっている間に最初に撃ったミサイルで爆散させるという手筈のはずだった
だが
「えいっ!!」
トノサマは張り手ではなくなんと力強く下へ叩き落としたのだ。
下に落ちたミサイルはトノサマの足元で爆発。だがボディは爆風にさらされただけで傷はつかなかった、他の二つも同じ結果である。
そして後ろに迫っていた最初のミサイルはしっかりカエルのように跳ねて飛んでいた。
アナザーG4は理解が追い付かないでいた、完全に未来を見たはずだったのにその未来を打ち破られた事が
そもそも元々の力であるG4の未来予知は
真魚の予知では津上翔一がアントロード、フォルミカ・レギアによって死ぬ未来を見たが…その未来は現実にならずにシャインングフォームによってフォルミカは倒された。
もっとも、その予知能力自体強引に引き出された物であり彼女が本来使える力ではなかった、不完全なのも当然だったと言えるだろう。
その不完全さも歴史を継承する性質からアナザーG4に受け継がれていたようである。もしも完全な予知が出来ていたら先程とは全く違う行動をしたトノサマの姿も見る事が出来たかもしれない
そしてその全く違う行動をしたという理由は単純である。アナザーG4の動きは変わったのを見て操縦をカナンがするように切り替えただけである。
カナン…だけではない、先程追い詰められていたダイヤが言っていたように、彼女達は全員知っているのだ、レジェンドライダー達の歴史を…ライダー学園からの教えによって
故にG4の特殊能力も知っていたのだ、故に自分なりに考えた攪乱方法で対抗する事にしたのだ。相棒を信じて身を任せる事による全く違う行動をとる事による未来予測の難易度の向上という手段を(後アナザーライダーという不完全な存在による未来予知の不正確さも信じたようである)
そして先程話したように加古川に従わされているアナザーライダーは知能が足りない
幸いにも内部データが改竄されているとはいえ高い人工知能が内蔵されているヒューマギアが変身させられている上、アナザーG4自体が仮面ライダーG4にあった機体制御の為のAIを継承している。
2つの人工知能が合わさり歪な思考能力を得た為に戦略は練れた。だがそれが限界である、トノサマの人工知能とカナンによる操作が組み合わさっている事には気づいていない。
故にアナザーG4は二つの行動を踏まえて未来視をせざるおえなかった。
(…確かアナザーG4って…凄く酷いシステムだったはずだけど…良く長く変身していられるね)
再び操作をトノサマに任せてカナンは考える
G4は欠陥品にして呪われたシステムである、変身した者は凄まじい負担を受け続けやがて死に至ってしまうのだ。G4システムにおいて変身者は部品に過ぎない。
だからこそカナンは不審に思ったのだ。長く変貌し続ける事なんてありえないと思ったのだが…
(もしかして変身者が…凄く頑丈だったりするのかな?マギアやロイミュードとか)
正解である。マギアは機械、マギアの堅い機体を更にアナザーG4によってより硬くする事に成功している。いくら負担が高くてもそう簡単に自壊する程軟ではなかったのだ。
今も徒手空拳でトノサマを殴り壊そうとしながらトノサマ達の未来を見ている。これを完了されたら戦いは厳しくなるだろう
…だが時間がかかっているようである。未来予知の不完全さに振り回されているのかもしれない
「カナン、そろそろ来ねぇのかぁ!?」
アナザーG4の空中にいたトノサマに振るわれた回し蹴りを受け止めながらカナンに問いかける
「…もう連絡してあ…来た!!」
アナザーG4は一応アナザーG4なりに頑張っている。まもなくトノサマinカナンに対する未来は完全に読めるだろう
だがこの時点で致命的なミスをしている事には気づけなかった、トノサマ達の未来を見る為に視野が狭くなっていたせいで
「とぉりゃああああああああああああ!!」
空から超速で飛んでくる少女、ヨウがアナザーG4に迫っていた。
ヨウが己を打ち上げる為に合わせた確にアナザーG4を捉えていたのである。
流石にアナザーG4も気づくがその結果対処を考えなければなくなった、見た未来を放棄するかを、ヨウの対処を無視しカナンを倒す未来の方を優先するか
そんな高難易度の選択を従属させられている存在が思考できるわけがなく、選んだ選択は先ほど見た未来の変更が必要ない最小限のミサイル発射であった
そのミサイルは二つだけしかなかった
「むぅ…私の事を舐めているでありますか?そんなミサイル2つなんて当たるわけがないであります!!」
向かってくるミサイル達、それらをヨウはまずは巧みに回避しながらG4に迫る。
だが勿論ミサイルは旋回し追ってくる…だが何とヨウはその追尾してくるシステムを逆に利用し、一度追ってくるミサイルをチラ見した後に精密な調整の結果、前を向きながらミサイル同士を相互衝突させて爆発させることに成功していた。
アナザーG4がカナン対策で見た未来、それはまずミサイルを4つ別の場所に放った後に己の力でトノサマを抑えつけて身動きをとれなくしたうちにコックピット内部のカナンを爆散させる未来であった。
自分にダメージがないわけではないが厄介な敵が排除できる以上問題がないと考えた。
まずは予定通りミサイルを発射する、そして即座にトノサマに飛び掛かり両腕を掴む。
「なっ、なにぃ!?」
ミサイルの対処を優先しようとしていたトノサマ、故にアナザーG4の動きに対処が遅れてしまった
「こりゃあ参ったぁ!!自分もダメージを受ける覚悟できやがったかぁ!!カナン!!悪い事は言わねぇ!!このままじゃあ俺を狙った攻撃にご主人様も巻き込まれちまう!!早くここから脱出してくれねぇか!?」
それに対しカナンは
「…ありがとね」
ただ微笑むだけである、何故なら
「ヨウ」
幼馴染がすぐ近くに来ていたのだから
今、ヨウはもう後数メートルでアナザーG4に攻撃できる範囲まで接近していた
アナザーG4はヨウの急接近に動揺し力を緩めてしまう
「今だぁ…!!そいやぁぁぁぁぁぁ!!」
その隙に渾身の張り手をトノサマは食らわせて岩盤に叩きつける。
ここに来るまでにヨウは少しも加速を緩めなかった。
凄まじい高さの距離から全くおびえずに急降下をし続けた。
…そしてヨウが今履いている靴にはドライブのロゴマークが刻まれている。
それは沢神りんな博士特製強化シューズ、勿論スイッチは起動済みだ。
「たあああああああっ!!」
ヨウは勢いに身を任せながら翻し、右脚をまっすぐアナザーG4に向けた。
重力、加速、そして物理学による技術の結晶
その3つが合わさった白く発光した脚が胸に突き刺さる
変貌による副作用である肉体の負担、先程受けた張り手のダメージ
これらを受けていたアナザーG4に彼女の『ライダーキック』を模した蹴りは耐えられるものではなかった。
アナザーG4はヨウという仮面ライダーでも、怪人でもない『ただの人間』に肉体を貫かれ内蔵されていた様々な部位を撒き散らしながら爆散していった。
「遅れてごめんねっ、カナンちゃん!!」
そして勢いをキックに利用する事で殺して、軽やかに着地した少女は朗らかにカナンに向けて敬礼をするのであった。
「あぶなかったなぁ…ありがとよっ!!ヨウ!!」
そんなヨウをトノサマから顔を出しながら頼もしそうにカナンは見つめていた。