ラブライブ!×仮面ライダー『インフィニティ マルチバース ワールド』 作:栗助
1人の少女と一匹の獣、彼女達は互いに幼き頃から縁を結んできていた。
彼女達はとある偶然…というよりヨハネの魔法がきっかけで言葉が通じ合った時期があった。
だから時には喧嘩する事もあったり、鋭いツッコミをヨハネがされる時があった。
けれどもそれでも絆は途切れることなく続いていた。
その魔法は『歌と魔法と絆の物語』の果てに喪失し、ヨハネの欠けていた魔法は完全な物になった代わりにライラプスの言葉はヨハネにとって普通の獣と同じ鳴き声になってしまった。
彼女達の間にはもう互いに通じ合う言葉の応酬はない、かつてライラプスの中にあった魔法の欠片は既に完全にヨハネだけのものになっている。
だがそれでも彼女達の間にある絆は、言葉が通じ合わないとしても強いものになっていた。互いの背中を預ける事が出来るぐらいに
ライラプスとヨハネ、幻日の主人公達に襲い掛かるは2体のアナザーライダー
「ライラプス、一緒にアイツらを倒すわよ!!」
「バウッ!!」
邪悪な魔法使いの贋物であるアナザーソーサラーは巨大な斧を、最強の獣の贋物であるアナザー王蛇は剣を振るう。
向かってくる相手に対しヨハネが錬成魔法で錬成する武器は、両対の魔剣バルムンクと5つの短剣スプレッドピアサー
アナザーソーサラーの斧をバルムンクで抑えながら5つの剣で防御しきれなったアナザー王蛇を転倒させる。
転倒した王蛇を狙うはライラプス、力強く爪で斬り裂かんと転倒した王蛇を後ろ足で抑えながら前脚を振るった。
だがアナザー王蛇は倒れた姿勢のまま、蛇のように蛇行移動、拘束から抜け出しながらライラプスの股抜けをした後に剣を振るう。
だがそれを回避してライラプスは駆けだした。
一方アナザーソーサラーは斧でつばぜり合いながら右手の指輪をドライバーらしき物体に触れる
《デュープ ナウ》
棒読みの魔法詠唱がなされた瞬間、4体の分身がヨハネを取り囲む
それに対しもう片方の手に召喚するはバーストボウ、放たれた弓矢を分身体の一体が
その瞬間それが爆発、爆風が分身体達を吹き飛ばす
吹き飛んだ分身達に突き刺さるは青銀の弓、バリスタによって放たれた弓達、体勢を崩していた脆い分身達は貫かれ幻影となって消えた。
一方で爆風に怯んでいた本体は再び指輪を腰にかざす。
《イエス ストライク…バニッシュストライク》
黒く濁った金色の弾が武器を持っていない手に作られ
「ガヴっ!!」
その瞬間、ライラプスの右脚が球を作っていた手を強打、球の生成を解除させる。
「ありがとライラプス!!はああああっ!!」
そして虚を突かれたアナザーソーサラーをバルムンクで斬り飛ばす
ダメージを受けたアナザーソーサラーは…反撃の為に赤い杖を取り出した。
「シバール!!」
「ええっ!?」
その瞬間黄金ではない赤い魔方陣が足元から生え、そこから葉がついた蔓がヨハネとライラプスを縛り付ける…この個体も変貌前の怪人の力が使えるようである。
「これくらいでこのヨハネを拘束出来るって思わないで!!」
錬成するは金色の蛇腹剣クラウソラス、ヨハネの意志のままに変幻自在に伸びる剣は蔓を全ての蔓を断ち切りながら…後ろからヨハネに迫っていたアナザー王蛇を斬り飛ばす
それと同時に召喚するは銀色の刃カルンウェナン、ライラプスに武器を振るっていたアナザーソーサラーの牽制の為に放つ。
《リフレクト ナウ》《ヒート ナウ》
だがその瞬間2つの指輪がつけられていた右手がドライバーらしき物体に触れていた。
跳んでくる刃を黒く濁った魔法陣が防御、更に赤黒い炎が纏われながら…ライラプスにめがけて高速で飛んでくる
(…これは本気で避けるしかないみたい!!)
ライラプスは脚力を全開にし飛んでくる刃を回避、刃は地面を深く掘っただけで終わり、相棒のせいで致命傷を負う結末を回避できた。
「流石ライラプス!!避けてくれてよかったわ!!」
(ふぅ…って…ヨハネっ!!危ない!!)
「ガウッ!!ガウガウ!!」
「えっ…きゃああああっ!?」
次の瞬間、クラウソラスを伝ってヨハネの手に迫っていた王蛇の鞭が遂にヨハネの手を絡み取って…力強く引っ張り上げてしまった。
アナザー王蛇は己の剣をあの仮面ライダーライアが使用していた鞭に似た武器に変化させていたのだ、そしてその変化した鞭で牽制の為に動かしていたクラウソラスに伝わせることでヨハネの手元に届かせてしまった。
そして急に引っ張られた事により鞭を斬る暇もなく引き寄せられてしまった。
アナザー王蛇はヨハネを羽交い締めにしながら鞭を剣に戻してヨハネに向ける
「アンタ…まさか…!!」
そう、アナザー王蛇はヨハネを人質にしたのだ。ライラプスに対しての、アナザーライダー達は主である加古川に似たのか…手段は選ばないようである。
ライラプスは身動きが取れない…大切な主が人質に取られてしまっているのだから
アナザーソーサラーはライラプスに悠々と迫る。正面から両断する為に
「………」
ライラプスはヨハネを見る…そしてヨハネはライラプスを見返した。
それだけで彼女達の言葉は十分だった。
「…がうううっ!!!」
次の瞬間、油断していたアナザーソーサラーは力強いライラプスの張り手を喰らわされていた。
反撃をしてきたライラプスに動揺したアナザー王蛇は…気づかなかった、ヨハネの背中に刃が現れていた事に
現れた小刀はカタール、それなりに小さいし威力も弱い…だがわずかな隙間に錬成するのには都合が良かった。
アナザー王蛇も不意のダメージを受けてヨハネから離れてしまった。そしてその瞬間にバルムンクを再度錬成しアナザー王蛇を袈裟斬りにする。
一方のライラプスは岩盤に叩きつけたアナザーソーサラーの頭を齧りながらアナザー王蛇にぶつける
そしてそのまま2体の怪人を巨体で圧し潰し身動きを取れなくさせる、特にアナザーソーサラーは右手を念入りに抑えられていた。
「これで終わらせるわ!!離れなさいライラプス!!」
錬成した武器は赤いバスターソード、暁の太刀
「ワンッ」
ライラプスは静かにうなづきながらハッキリとヨハネを見た
「…そう、分かったわ!!」
ヨハネはまだライラプスが動いていないのに暁の太刀を己の魔法をもって動かした
それが到達するタイミングをライラプスはしっかり見切り、到達直前に回避
斬り裂かれたのはアナザーライダー達だけであり
爆散したのもアナザーライダー達だけであった。
もしライラプスがぎりぎりまで抑えつけていなかったら動き出していた可能性があるのを考えると、ライラプスはファインプレーだったと言えるだろう。
「ほんとっ、私とアンタはどうなろうとも姉妹なのね…」
欠伸しているライラプスを見ながら、改めて実感していた
(私が人質になった時に、私を信じて動いてくれた時…本当に嬉しかったのよね)
言葉がなくても互いの想いが通じ合えていた事の嬉しさを
「バウッ」
ライラプスは自慢げに、そしてヨハネの言葉を聞いて嬉しそうに吠えていた。
《BIO RIDER》
液状とかしたアナザーバールクスは再びマリに襲い掛かる。もう液体を飲み込める程の大量の魚を召喚出来る余裕がないのを見越して
…だが、ここで彼女は
「見せてあげるわよ!!私の切り札を!!」
ヨハネから分けてもらった魔力を元に、とっておきの切り札を切り出した。
「コイツは…!?」
マリがジャンプした後に宙に召喚したのは凄まじい大きさの巨大ザメであった
それにマリが乗った瞬間、鮫の口から発射される結晶、それがアナザーバールクスめがけて投下される。
「ちいっ!!」
アナザーバールクスはその結晶を回避していく、その結果背後にいる敵達に当たる事になる
結晶に触れたサナギ体とガスタード、そしてトリロバイトマギアは結晶を植え付けられた瞬間、煙をあげながら溶かされていく。
(コイツ…!!)
アナザーバールクスは先程の魚達とは比較にならない殺傷力に戦慄していた…!!
(…やっぱり酷いわね、この魚の力は)
マリにとってこの力はあまり好きな物ではなかった。一つは範囲が広すぎる故に下手すると回りの仲間にもあたってしまう可能性があるから、そしてもう一つは御覧の通り殺傷力が凄まじいからだ。
壁の中の人達を護るためとはいえ、こんな殺戮…というより望まない戦いに本当はここまでの力は振いたくないのだ。
だがこれで高く飛べた、それによってアナザーバールクスがこちらまで攻撃するのは不可能である、そして
(しっかりと狙い続ければ…!!他の人に当たる問題はないわ!!)
マリは執拗に、そして正確にアナザーバールクスを狙う。アナザーバールクスが液状化して地面に逃げたのならばその地面の先に結晶を生やす事で動きを封じる。触ったらどうなるか分かっている以上相手は警戒して動きにくくなる。
液状化している相手に結晶が通じない可能性がある…という懸念点もマリは気にしていない、恐らく結晶の効果は効くと考えているからだ。
そもそも液状化が完全に無敵な能力ならば、本物のバールクスは長方形のバリアを展開する必要はなかったし、平成ライダーキックもバリアに『平成』の文字を刻んだだけという締まらない結末で終わっていただろう。
故にマリは特殊なエネルギー、もしくは必殺技高火力のエネルギーならば効果はあると考えていたのだ。
話を戦闘に戻すとしよう、彼女は先に考えた作戦を繰り返した結果、マリの下の地面は結晶で埋め尽くされていた。地面が残っている場所はあったがその周囲も結晶で既に囲まれている
(これでその場所に魚群を送り込めば…!!)
少ない魔力でも戦闘不能にできる…そう思い魚群を送り込んだ
その瞬間
「マリ゛ィィィィィィィィィィ!!!!!」
《J…!!》
憎悪の混じった声と歪んだライドウォッチの音が響き渡った。
本来なら使いたくなかった。あまりの巨体は壁の鎖が狙ってくる対象にしてくる可能性があるからだ。
だがここまで追い詰められた事は加古川の低すぎる沸点を超える事は簡単であった。故にリスクがあったとしてもこのアナザーウォッチを使わないという選択肢はなくなっていた。
「これは…!!」
土煙が上がる、地面が崩壊し罅割れる。そしてそこに現れたのは仮面ライダーJ、ジャンボフォーメーション並みの大きさであるアナザーバールクスであった。
「ここまで俺にさせるとはなぁ…!!叩き潰してやるっ!!」
空を飛んでいるマリを蠅のように叩き落さんと腕を振るう
マリは巨大ザメをうまく操り必死に回避する、そして結晶を右手に放つが…当たってもさほどダメージになっていないようである。軽く手を払えば消え去ってしまっている。
「そんな速度で俺から逃げれると思うなよ!!」
次は巨体をもって剣を振るう、そのリーチは桁違いの物になる。
マリは魚群を手元に召喚しほんの一瞬だけ受け止める、そして刃の上を滑るように上がりかろうじて回避する
その後も振られる刃を避けていくがこれでは反撃の隙もなく、いつか魔力に限界がくるのは明らかであった。ヨハネの杖は無限の魔力が込められているという訳ではないのだから
(どうすれば…!!)
どうにか対処法を考えていた時だった
「グッ…!?」
アナザーバールクスの頬が爆風にさらされたのは
(…えっ!?)
これはマリにとっても想定外であった、避ける事に必死だったし何より爆風を使うような攻撃は不可能である。
故に攻撃したのは、アナザーバールクスの目先がとらえたのは
「うううっ…これ本当に反動凄いよぉ…!!」
「はぁ…!!はぁ…!!マリちゃん…早く倒してぇ…!!」
先程アナザーキカイを倒したばかりのケイティ&リココンビであった。
空中でマリが危機に陥っているのを見つけた彼女達は援護の為の射撃を開始する事にしたのだった。
援護スタイルとしては先程アナザーキカイを倒した一撃とは違って、そしてかなりの威力を秘めたアタッシュショットガンを撃ち続ける方針にしたようである。何故ならリコは今使っている魔法を全力で行使する必要があるからだ。
…その魔法というのは
『
浮遊魔法であった。リコの得意とする魔法の一つであり、先程も浮遊魔法を利用する事で上昇の際に重力の影響を打ち消しながらアタッシュショットガンの必殺技の勢いに任せて空へ跳んでいたのだ。
本来はそこまで重い物を長く浮遊する事は不可能であったが『彼女』に託された
今までバップガンを撃ち続けてきた経験を生かしてケイティは精密な射撃でマリに攻撃しようとするアナザーバールクスの急所を狙っていく、だが
「邪魔な羽虫がいるな…!!握り潰してやる!!」
液状化すれば対処できるのは分かっている。だがそれより邪魔をされ続けた事自体に怒りを感じた結果、アナザーバールクスの中で優先順位が変わり二人がいる場所に向かって進撃し始めた、二人纏めて潰す為に
「き、来たぁ!!早く高く逃げようよぉ!!あの巨体でも捕まえられないくらい高く!!」
「あのねチカちゃん!?私が使えるのは浮遊魔法で飛行魔法じゃないの!!これ以上高くするのは無理なの!!せめて平行移動が限界よ!!」
「じゃ、じゃあリコちゃん、またあの合体技で撃退してみるしかないんじゃない!?」
「それも無理よ!!あれはアナザーキカイを倒して終わる予定だったから使えたの!!着地の為の魔力も考えなくちゃいけないから魔力を使う技は使えないの!!託されたプログライズキーを使うしかないんじゃない!?」
「ええええ…!?私の体耐えてくれるかなぁ…!?衝撃でどっかに飛んでいかないかなぁ…!?」
迫りくる巨体、それに対し彼女達は平行移動で逃げようとするがその瞬間に気付いた
「嘘!?追いつかれるんだけどぉ!?」
その速度より巨人の迫る速度の方が速いという残酷な現実に
「チカちゃん!!こうなったら…!!」
いよいよアナザーバールクスの射程内に入った瞬間
「…うん!!」
彼女は…覚悟を決めた
「消えろ!!」
振われる剣、それに対し二人は
「頑張ってっ!!」
リコは魔法を解除、そしてケイティを高く上に飛ばしたと同時にその反作用で下へ降りる。この結果うまく剣を回避する事に成功する
「とりゃああああああ!!」
一方、高く跳ねたケイティはアナザーバールクスの手に着地、そして右腕の上を駆け抜ける
《ダッシュ!!》
「コイツ…!!邪魔だ!!」
《BIO RIDER》
腕を液状化する事でケイティを腕から落とし…左手で地面へ叩き落とそうと振るった
だが
「とうっ!!」
「何だと!?」
何とケイティはそこから高く跳ねた
《チーターズアビリティ!!》
装填するは
…何故そんな事が出来たのか、それは
(良かったわ…!!間に合ってくれて!!)
マリがケイティの助けの為にアナザーバールクスが気付く事が出来ない量の少数の魚を…足場になるように送ったからだ。
それによって跳ねたケイティはアナザーバールクスの顔面に接近に成功、そして
《BIO RIDER》
《チャージライズ!!フルチャージ!!》
「とおりゃああああああああ!!」
《ラッシングカバンバスター!!》
発射されるはオレンジ色のチーターのライダモデルを模した巨大な銃弾、それは
「ぐわあああああぁぁぁっ!!」
アナザーバールクスの胸を深く噛みながら…というより液状化したアナザーバールクスを吞み込みながら爆発、苦悶の声を上げているという事は…無効化する事は出来なかったようである。
「えええええええええっ!?」
一方のケイティはその爆風と撃った反動により派手に吹き飛んでいった
「くううっ…!!コイツら………ハッ!?」
爆風がやんだ時に、ダメージから回復した時に彼は気がついた…足元に沢山の結晶が撒かれていて、そして脚自体も結晶に包まれていた事に
「いつの間に…!!どこだ、どこにいるっ!?」
アナザーバールクスは周囲を見渡しながら、脚を紅色に染める。数多の平成ライダーを一蹴した回し蹴りを使って結晶を破壊しながら周辺にいる奴ら全員と建物全てを鏖殺するつもりだ。
ジャンボフォーメーションの姿で行うライダーキック、桁外れの威力になるのは間違いないだろう
だが彼は気づいていない、そこまでの凄まじい技を使おうとするという事は
「時よ凍てつけ!!」
それを止めるために相手も相応の手を使ってくるだろう事を
「ハァ…ハァ…!!間に合った…!!」
マリは相手が放とうとしている必殺技に最大限の警戒をし、それに皆が巻き込まれる可能性を考え時間停止を発動、これによって相手の必殺技を止めながら…逆にこちらが倒す事を決めた。
まずは動けないアナザーバールクスの顔面に結晶を大量放出する事で時間停止が解除された時に身動きをさせなくさせる…えげつない事をしているが勿論マリとしては不本意である。だがそれでも仲間の、人々の為にならやれるというのはやはり『魔王』族たる所以かもしれない。そして
《ガンライズ!!》
《アメイジングホーン!!》
《Progrise key confirmed. Ready for buster》
装填するは
「なっ…ぐああああっ!!顔が…溶ける…!!」
時間停止は限界を迎えるが、顔面のダメージに怯んでいる…液状化するという行動が封じられている隙に…先程チカが撃った場所目掛けてオーソライズバスターをマリは構える。そして反動で吹き飛ぶのを防ぐ為に背後に魚群を召喚する。そして
《バスターダスト!!》
「はあっ!!」
放たれるは巨大な黄金のコーカサスオオカブト、その巨大な角がアナザーバールクスの胸に巨大な風穴を空けて
「がああっ…がああああああああああああ!!」
ダメージの許容量を超えてしまったアナザーバールクスの巨体を爆散させたのであった。
続きは明日更新します。明日でプロローグが完結します。