翌週月曜日
「――なあ、箒、ユウヤ」
「なんだ?」
「どした?一夏」
「気のせいかもしれないんだが」
「そうか。気のせいだろう」
「ISのことを教えてくれる話はどうなったんだ?」
「は?座学を教えただろ?なにぬかしてんだ?」
「………」
ん?どした箒?目をそらして
「いや、ユウヤはそうだけど、箒…」
「し、仕方がないだろう。おまえのISもなかったのだから」
「まあ、そうだけど…じゃない!基本的なこととかあっただろ!」
「いや、座学で俺が教えてたんだからいいだろ、剣道の方を見てもらえたんだ、ありがたく思っとけよ一夏」
そういや、一夏のISまだこないんだよな~
大丈夫か?
「お、織斑くん織斑くん織斑くん!」
滅茶苦茶慌てふためきながら走ってくる山田先生
うん、落ち着こうか
「山田先生、落ち着いてください、深呼吸深呼吸」
「は、はいっ、す~~~~~~は~~~~~~~す~~~~~~~は~~~~~~」
マジでやってるのこの人、一夏も何やってんだか
まあ、深呼吸を選ぶのはまあまあか
「はい、そこで止めて」
「うっ」
……おい、なにやってんだよ
そしてなにのってんだよ
酸欠なのか山田先生、顔赤くなってんぞ
「………」
「………ぶはあっ!ま、まだですかあ?」
いやいや、既にやめてるのにまだですかっていうのか?
いろいろおかしくね?
ん?気にしたら負け?…さいですか
「目上の人間には敬意を払え馬鹿者!」
スパァン!
いつもと同じで出席簿の餌食になる一夏
うん、ざまぁ
結構いい音を出しているが
威力はケタ外れでいろいろおかしい
出席簿の方は大丈夫なのか疑問に感じるぐらいだ
「千冬姉…」
スパァン!
はい
もう一発入りました~
「織斑先生と呼べ、学習しろ、さもなければ死ね」
わぁお
すっげ
教員としてその言葉はどうよ
まあ、千冬ならそこまで違和感がないが
「そ、それでですね、来ました、織斑くんのIS」
おお、山田先生が頑張って話を戻した
てか、IS来たんだ
「織斑、すぐに準備しろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
「この程度の障害、男子たるもの軽く乗り越えてみせろ。一夏」
「まっ、焦んないで落ち着いてやりゃ平気だろ」
「え?え?え?なん「「「早く!」」」
山田先生、箒、千冬の声が重なった
うん
よく重なるよね
ごごんっ
鈍い音がしてピット搬入口が開く
斜めに噛み合う防壁扉が重い駆動音を響かせながら開いていく
そこに、『白』がいた
「これが…」
「はい!これが織斑くんの専用IS『白式』です!」
「体を動かせ、すぐに装着しろ、時間がないからフォーマットとフィッティングが実践で済ませろ、出来なければ負けるだけだ。わかったな」
織斑先生からの厳しい言、まあ事実そうなんだけどな
せかされたからか、少しあわてながら白式に触れる一夏
「…あれ?」
なんか一夏が疑問があったのか小さく声を上げる
だが、大したことではなかったのかすぐに装着を始める
「背中を預けるように、ああ、それでいい、後はシステムが最適化する」
かしゅっかしゅっという音を響かせながら装甲を閉じ空気を抜く音が響く
「ISのハイパーセンサーは問題なく働いているな。一夏、気分は悪くないか?」
いつもと同じような感じで対応しているが心配なんだろうな、一課のことを名前で呼んでいる
「大丈夫、千冬姉。いける」
「そうか」
ほれ、ほっとしたような声を出しているし、千冬姉と呼んだのに頭を叩きさえしない
「箒、ユウヤ」
「な、なんだ?」
「行ってくる」
「あ……ああ、勝ってこい」
「ん、落ち着いて逝ってこい一夏」
そう言ってカタパルトから青い空に向かって弾き出される一夏
なんか言っているような気がしたが
まあいいだろう
「ああ、ローゼンベルグ、試合に公平を規すため、お前は別室に行って待機だ。まあ、ここで見ていても大して変わらんだろうがな」
「ん、わかりました。織斑先生」
さてと、んじゃ移動しますか