すすめ!悪の組織ビルドコンクエスターズ!   作:バイン

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お久しぶりでございます

久々の投稿でリハビリも兼ねた作品になりますが、お付き合いいただければ幸いです。


始動!ビルドコンクエスターズ!

世界征服!

それは幾多の悪の組織が成し遂げようと目論んできた偉大なる野望!

ある者は力で!ある者は知恵で!ある者は金で!自らの持てる全てを使って世界に挑み、そして散っていった!

しかし浜の真砂は尽きるとも、世に悪の種は尽きまじ…野望を持つ悪の炎は潰えることはない!

 

 

そして今日!電脳仮想空間『ガンプラバトル・ネクサスオンライン(GBN)』という、人間が生み出した新世界を征服せんと企む悪の組織がここに存在していた!

 

その名を『秘密結社 ビルドコンクエスターズ』!

いつしかGBNという世界を征服する…………かもしれない組織である!

 

──────────────────

 

「フフフ…フーフッフッフッフッ……」

 

 

暗闇の中から、笑い声が室内に響き渡る。

その笑い声は小さな笑いから徐々に大きくなり、

 

 

「おーっほっほっほっほっほっ!」

 

高笑いへと変わると同時に、窓の外で激しく雷鳴が轟き、その光が笑い声の主を照らし出す。

玉座へとふんぞり返る、年齢も相まってまるで少女漫画の悪役令嬢のような黒いドレスを纏った赤のメッシュの入ったセミロングの少女。

少女は高笑いを終えて、不敵な笑みと共に正面に向き直る。

 

 

「はじめまして、この配信を観ているGBNの住人の皆様」

 

「この映像を観ている貴方達は…歴史の立会人と名乗ってもいいわよ。何故ならば…」

 

 

正面のカメラに向けて不敵な笑みを返してのち、立ってカメラの方へと手を向け、ポーズと共に高らかに宣言する。

 

 

「偉大なる我が組織、『ビルドコンクエスターズ』のGBN征服計画の始まりに立ち会う事が出来たのだから!」

 

 

その言葉と同時に、少女の背後のスクリーンに光が当たり、ぎゅーん、という効果音と共にどこか古めかしい特撮のタイトル文字のような文体で、『ビルドコンクエスターズ』という文字が大きく写しだされる。

それを背後に、バッ!と言う効果音が聞こえそうな(なんなら実際に)ポーズとともに、少女が再度カメラへと向き直る。

 

 

「そして私こそ、『ビルドコンクエスターズ』の首領、アリーナ!

将来GBNを統べるダイバーの名、覚えておきなさい」

 

 

そう、高らかに名乗りをあげた彼女こそがGBN征服を企む悪の組織、『ビルドコンクエスターズ』の首領である、『アリーナ』。

いつしかこのGBNを征服する…かもしれないしそうじゃないかもしれない存在である。

 

 

「ところで…この映像を観ている貴方。貴方はこうも思わなかったかしら?」

 

「『このGBNを征服だって?どうやってやるつもりなんだ?』とね…」

 

 

疑問をカメラへと投げかけるアリーナ。

かつての悪の組織達は、野望を大言壮語だけで終わらせないための手段を用意していた。

ある者は人体を改造し『怪人』と呼ばれる戦士を作り出し、ある者は巨大な神を象った石像を科学力によって機械の巨神へと変えた。

ならば、彼女の語る世界征服の手段は何か?

 

少し前へと歩いて、ぱちん!と指を鳴らすと、照明すべてに明かりがつき、アリーナの背後のスクリーンが収納される。その奥には…

 

 

「そう!」

 

 

「ガンプラを使って、よ!」

 

 

そこにあったのは、鋼鉄の巨人。

『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する機体を模して作られたプラスチック・モデルである『ガンプラ』。

本来15センチほどの小さな玩具は、このGBNという世界では大地に立ち空を駆け鋼鉄の騎兵へと変わる。

世界征服を企む悪の秘密結社が人体に改造を加えて、『怪人』として世界征服のための手段として使ったのと同じように、彼等ビルドコンクエスターズはガンプラを改造することで、世界征服を成し遂げようというのだ!

…GBNにいるダイバー達のほとんどがやっていることではあるが。

 

 

再びアリーナが指を鳴らすと同時にさらに増えた照明が機体の全貌を明かす。

ヴィクトリーをモデルにした機体は、黒をメインカラーに関節部などに差し色として白が使われた色合いとなっている。

元々のシルエットから大きくデザインや武装、見た目が変化しているわけではないが、両腕や両肩、背部等に手が加えられ、装備などを接続するためと思われるジョイントが追加されている。

 

 

 

「ご覧いただけているかしら?我らビルドコンクエスターズが誇るGBN征服用機体であるV-コンクエスターを」

 

「コンクエスター、つまり『征服者』!どんな戦場であろうと、何者であろうと!この機体の道を、そして『ビルドコンクエスターズ』の覇道を阻むことは出来ない!」

 

 

すごい熱量である。

確かに機体を見れば、しっかりと磨き上げられたボディや丁寧になされた処理に気づくだろう。

自慢の機体に惚れ惚れするような眼差しを送って、くるり、とカメラへと改めて向き直る。

 

 

「残念ながら今回は私達の活動開始宣言と、V-コンクエスターのお披露目で終わり」

 

「けれども、次回からは…このV-コンクエスターを進化させ、戦場の支配者となる姿を見せてあげる」

 

「来たるべきその時を待ちわびていなさい…おーっほっほっほっほっほっほっ!」

 

 

最後の最後まで傲慢な令嬢らしいアリーナの高笑いが響く。ラストなのかちょっと長い。

 

それから、十数秒の後。

 

 

「ん~~~〜〜〜ッ!緊張したぁ…………」 

 

 

玉座へと背中を預け、崩れ落ちるように座るアリーナ。

先程の自信に溢れた姿から一転し、ぐぐっと背筋を伸ばした後、玉座へ行儀よく座り、V-コンクエスターに目を向けつつ手元にコンソールを呼び出して操作を始める。

 

 

「ええと、ここからはこの子の改造プランを用意して、作戦を考えて、メンバーの予定とか確認して…よし!頑張れ私ッ!」

 

 

むんっ!とガッツポーズをして気合を入れ直したアリーナ。

そこへ、慌てた様子の男が一人入ってくる。

MS『ジェガン』の頭部を模したヘルメットを被った執事服の男を見るなり、アリーナは小さく笑みを浮かべて声を掛ける。

 

 

「ジェガンス、セッティングとかいろいろとありがとう、ちょうどいい時間だし、少しお茶の時間に…」

 

「お嬢s…首領!配信が切れていませんぞ!」

 

「え゛」

 

 

ジェガンスと呼ばれた男の言葉に、慌てて、正面を向く。

そして。配信画面に写った自分と目が合った。

 

 

「ちょ、ま、まって!!??うそ!?」

 

「今も写ってるって…ああもう!」

 

「ま、また次の機会を待ってなさーい!」

 

 

 

…頑張れ、ビルドコンクエスターズ!

GBN征服まではまだまだ遠いぞ!






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