悪魔と獣。   作:こねこねこ

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※前回に引き続き、一部劇中イベントの発生順が前後したりしています。ご了承ください。


あくまとけだもの.10

 

 

 

崩壊の足音が徐々に近づく中、"ブロリー"は独り歩みを止めずにいた。

 

 

 

もはや歯向かってくるものはもういない。

雑魚連中の力を吸収してまで特攻をかけてきたカカロットさえも、この高まりきった己の力の前には成す術なく沈んだ。

 

自分以外に動くものがいなくなってもなお、溢れ出る気は一向に治まらない。

 

衝動を抑えきれずに気の乱流で周囲を破壊し尽くし、辺りに瓦礫しか見えなくなった頃。

ふと目をやると、いまだ崩れず残っていた高台のほうに人影があった。

 

「・・・・・親父・・・?」

 

自然と、つられるように足が向く。

 

空が不自然なほどに明るくなってきていた。

見れば件の彗星なのだろう、輝く天体が降って来ようとしている。

計画通りに、この星もあと数時間ほどもすれば跡形もなく消えるのだろう。

 

そして、やがて行き着いた先で見たものは、

一人用の脱出用ポッドへ向かおうとする父親の姿。

 

それを目にした途端、"ブロリー"の意識にノイズが走った。

 

「・・・・・、」

 

一瞬顔を顰めるも、それを振り払うようにして再び歩みを進める。

遂にはポッドへ乗り込んだパラガスへ、気配を抑えて近寄っていた"ブロリー"は声を掛けた。

 

「・・・どこへ行くんだ」

「!!・・・お、お前と一緒に・・・避難する準備だ・・・!」

 

取り繕うようにそう言う父親の顔には、怯えの色が滲んでいる。

 

・・・下手な言い訳を。

 

「ひとり用のポッドでか?」

 

諦念か、失望か、どれにも似た感情に自嘲の笑みを浮かべながら問いかけるも、パラガスはもう何も答えない。

 

―――何かが罅割れる音がする。

雑音が酷い。

 

"ブロリー"は目の前のポッドに手を掛けた。

ひとり用の小型機とはいえ数百キロはあるそれを、指を食い込ませながら易々と持ち上げる。

 

両腕で左右から圧をかけると、父親が入ったままのそれはベキメキと音を立てながら変形を始めた。

 

中から苦悶の声が漏れ聞こえ始めた、まさにその時。

 

「だめだ!!!!!」

 

まるで弾丸のような速度で飛来した"それ"が、叫び声と共にがら空きになっていた横腹へと突き刺さる。

 

衝撃で手から離れた隙にポッドを奪い取り、歪んだハッチを抉じ開けたブロリーは中からパラガスを引摺り出した。

 

「おとうさん!」

 

中から這い出したパラガスは、どうやら手足が押し潰され折れているようだがまだ生きてはいる。

 

「・・・死に損ないが・・・そこをどけ、諸共殺してやる」

「それだけはだめだ!!絶対に!!」

 

憔悴しきった父親を後ろに下げて立ち塞がる"奴"は、その目からぼろぼろと涙を溢していた。

 

何がそこまでそうさせるのか。

 

おとうさんは離れて、と庇うその姿に"ブロリー"は苛立ちと共に声を低くして言い放つ。

 

「・・・お前の、父親ではない」

「そうだ、おれじゃない!おまえのおとうさんなんだぞ!おまえの家族だ!!ひとりだけの!!」

「それがどうした。子が親を殺すのがサイヤ人」

「違う・・・そんなことない、絶対に・・・!!ここで死なせてしまったら、おまえは、・・・おまえも必ず後悔する・・・!」

「・・・知った口を・・・・・」

 

おまえも、ということは奴も自身の父親の死に関わっているということなのだろう。

 

雑音が、一層酷くなった。

 

「・・・おまえのおとうさんは、おまえのこと、ずっと大事にしてたんじゃないのか」

「・・・・・」

 

・・・思うところが無かったわけではない。

幼少のかなり早い時期から力を暴走させ始めた自分に対して、言葉にはせずとも父親が恐れを抱いていたことは知っていた。

それでも親だからと、決して自分の側を離れようとはしなかったのだ。片眼を失ってもなお、あの大層な制御装置を作ってまでして。

打算も込みではあっただろうが、遥かにリスクのほうが大きいであろう自分のことを一度も見捨てようとはしなかった。

 

・・・しかし、だからこそ。

ついに"その時"が来たのかと、落胆したのだろう。

 

「・・・先に裏切ったのは、親父のほうだ」

 

殆ど無意識に、そう呟いていた。

 

「ほんとうにそうか?」

「俺を置いて逃げようとしたのは事実だろう」

 

淡々とそう告げれば、奴は思ってもみなかったことを言い出した。

 

「脱出ポッドならもうひとつあったぞ」

「・・・!」

 

それを聞いて押し黙る。

・・・パラガスの最後の言葉を思い出した。

 

『"お前と一緒に"、避難する準備だ・・・』

 

あれは、嘘ではなかったのか?

 

「なあ、もうやめよう」

 

ブロリーが声音を和らげて言う。

これが最後の呼び掛けになるであろうということは、両者とも理解していた。

 

しかしだからこそ、"ブロリー"は一笑に付してそれを切り捨てる。

 

「・・・もう、遅い」

「そんなことは、・・・ッ」

 

自嘲の笑みを浮かべたまま、吹き上がった気の奔流が荒れ狂った。

 

「お前もサイヤ人なら理解できるだろう。本当に俺を止めたければ、そんな言葉などよりも力で示せ」

 

出来るものならな、と嗤う"ブロリー"にブロリーは悲しげに目を伏せる。

 

「・・・わかった。ごめん、もう容赦はしない」

 

その言葉は、"ブロリー"を激昂させるには充分であった。

言外に先ほどまでは手を抜いていたのだと宣言したも同然である。

 

「纏めて殺してやる・・・!!」

 

飛び上がった"ブロリー"は片手に膨大な気を集中させ、ブロリーのほうへ撃ち放った。

ブロリーは咄嗟に避けるか迷うものの、すぐ傍らにまだ動けないパラガスがいることから思い留まりその場で迎え撃つ。

両手の中に生み出した気弾を合わせ、極大の気功波に変えて撃ち上げた。

 

十中八九このまま戦闘に入ってしまう。

巻き添えを危惧したブロリーは頭の中で悟空に呼びかけた。

 

(悟空!おとうさんを、)

(よっしゃ!まかせとけ!)

 

瞬間移動でブロリーの元に駆け付けた悟空はパラガスに触れ、そのまま再度姿を消して退避させる。

 

いくつか張った予防線のひとつ。

ここへ辿り着く少し前からずっと、ブロリーと悟空はピッコロを経由して念話を繋ぎっぱなしにしてある。

超化後も引き続き意思の疎通が出来れば儲けもの、という程度の念のための措置ではあったが今のように悟空が臨機応変に動けるという利点も大きかった。

 

(もういいぞ、遠慮なくやっちまえ!)

(・・・ありがとう)

 

―――ブロリーからの応答は、その言葉が最後になった。

 

 

 

 

 

後顧の憂いが無くなったことにより、ブロリーは抑えていた気を一気に解放させる。

ぶつかり合う気の、先程までどんどん自分のほうへと押し込まれていた接面がピタリと動きを止めた。

ガリガリと削り合うエネルギー同士が互いを打ち消し合い、両者の攻撃そのものが中断される。

 

「・・・!?」

 

初めて見るその現象に一瞬"ブロリー"は気を呑まれるも、一方のブロリーはそのまま構わず絶叫ともとれるような雄叫びを上げながら気を高め続けた。

 

どこまでも、どこまでも、際限なく。

 

自らの精神、その目の前に引かれた境界線。

これまでは全力で抑えて留まっていたそれを、

 

今度は自分の意思で、

 

踏み越える。

 

 

 

金色の瞳が弾け飛び、濃い緑の気の奔流が辺りを包んだ。

 

 

 

 

 

恐ろしいほどに爆発的な気の高まりを察知すると共にブロリーとの念話が途切れたのを感じ、パラガスを避難させた悟空は瞬間移動ではなく舞空術で戦場へと舞い戻る。

 

二人を視認できるほどの距離まで近づいた悟空は思わず息を呑んだ。

 

先程までは絶望感すら抱くほどに圧倒的だと感じていた伝説の超サイヤ人の力。

それよりも更に、遥かに凌駕する膨大な気の嵐。

・・・何倍どころの話じゃない。まさしく次元が違う。

 

そしてそれを発しているブロリーの姿もまた、驚嘆に値するものと化していた。

金色の髪を逆立て、はち切れんばかりに膨張した筋肉に数段増した体格。

身に着けていたはずの服も弾け飛び、上半身にほぼ何も身に着けていないその姿は相対する伝説の超サイヤ人と瓜二つだ。

否、それはもはや"もうひとりの伝説の超サイヤ人"と言っても過言ではない。

 

同じ名を持つ、本来は同一人物であったという二人。

話を聞いた時にはさほど実感が湧いていなかったが、流石にこの姿を見ると納得せずにはいられなかった。

 

 

 

変異を終え、苦し気に頭を抱えて唸っていたブロリーが叫びを上げると共に"ブロリー"へと瞬時に肉薄する。

たじろぐ間もなく正面から頭突きを食らった"ブロリー"は衝撃に思わず仰け反った。

 

「がッ・・・!?」

 

悟空達の攻撃にほとんど動じていなかった巨体が易々と吹き飛ばされ、地面に激突したその直後に追い縋ってきたブロリーが追撃をかける。

地面に横倒しになった"ブロリー"の片足を掴み、二百キロ以上はあるはずのそれをこともあろうに軽々と振り回し始めた。

前後左右へと力任せに地面へ叩き付け、クレーターまみれになった岩肌が罅割れてあまりの衝撃に大地が揺れる。

ついでと言わんばかりに"ブロリー"の頭を掴んで壁面へ叩き付けながら数十メートルにわたる距離を移動し、手が離れると同時に気弾を撃ち込んで諸共吹き飛ばした。

 

まさに暴力そのものといっても遜色ない、流れるような猛攻に一気に体力を削られた"ブロリー"は漸くまともに体勢を整える。

 

「ッち・・・ここまでとはな・・・!!」

 

―――流石に認めざるを得ない。

間違いなく自分と同格以上の存在であると。

 

"ブロリー"は溢れる気を限界まで圧縮し、光の粒となったそれをブロリーへと投げつけた。

着弾して爆発する瞬間、もう一発同規模の気弾を撃ち込んで破壊力をさらに上げる。

 

「とっておきだ・・・・・、ッ!?」

 

さすがにダメージが入ったかと思われた瞬間、つんざくような叫びと共に爆発する気を切り裂いて閃光が迸った。

極太のレーザーと化すそれは暴れ狂うブロリーの口から発せられている。

まるで大猿を彷彿とさせるそれを避けて急接近すると、今度は片手を翳したブロリーの五指から鞭のように尾を引いて高密度の気弾が発射された。

追尾してくるそれを気のバリアを展開して防ぎ、しかしなおも貫通してダメージを浴びた"ブロリー"は思わず舌打ちを零す。

 

己の気も継続して上昇している筈であるが、それを差し引いても元々の出力が桁違いなせいでほとんど意味を成していない。

どうしても力押しでは向こうに軍配が上がるだろう。

 

・・・それならどうするか。

 

追い縋るブロリーの殴打の嵐を避けながら、頭の隅で冷静に思考を回す。

超化して以降、本能的に暴れ狂う"奴"は見るからに理性の欠片も残ってはいない。

変身を頑なに渋っていたのはそのせいなのだろう。

 

それに加え、先ほど一瞬だけ姿を見せて消えたカカロットがこの場に戻ってきていることに"ブロリー"は気付いていた。

衝突する自分達二人からつかず離れずの位置を保ったまま、こちらを観察しながら妙な構えをしている。

制御の一切利いていない様子の超サイヤ人への変異に踏み切ったのは、何も策無しのヤケになった行動というわけではなさそうだ。・・・恐らくあのカカロットは何らかの支援に回っている。

 

ならば、それを利用するまで。

 

両腕を振り乱して殴り付けてくるブロリーの隙を一瞬つき、位置取りを調整した後に渾身の力を以て全身に纏った気を爆発させる。

ダメージを通すことよりも長距離を吹き飛ばすことを優先したそれは功を奏し、ブロリーはカカロットの居る位置の近くまで追いやられた。

 

そしてブロリーの知覚に引っ掛かったことにより、敵視が外され近距離に居るカカロットのほうへと向く。

雄叫びを上げながらカカロットへと襲い掛かったブロリーの姿を見て、"ブロリー"は嘲笑を零した。

 

・・・所詮は理性無き獣か。

 

 

 

 

 

―――しかし、襲撃を受けた悟空が慌てる様子は無かった。

元よりこの状況は想定の内に入っている。

 

「ブロリー!!思い出せ!!!」

 

全てが博打の連続のこの状況で、戦況を大きく分けるであろう賭けのうちのひとつ。

飛び掛かったブロリーの目に、悟空がマントのように括り付けていた毛皮が映り込む。

 

「・・・・・!!」

 

気の嵐に靡き翻るその緑を見た途端、ブロリーが一瞬怯んで飛び退った。

叫びながら両腕を大きく掲げて膨大なエネルギーが集まる。

 

それはブロリーの攻撃動作のうちのひとつであったが、その瞬間悟空が待っていた"条件"が整った。

 

急速にブロリーの身体から気が失われ、形成されていたエネルギーボールも消失して片膝をつく。

 

「よっしゃきたあぁぁぁぁ!!!」

 

一方で叫ぶ悟空の、"ずっと天に翳していた両手"の上に先程までブロリーが手にしていた緑色の巨大なエネルギーボールが出現していた。

 

 

―――元気玉という技は、使用者が力の収集を行う先の条件を自由に指定することが出来る。

通常であれば複数・膨大な数の対象からほんの少量ずつ集めるはずのそれを、逆に対象をブロリーひとりのみに絞って収集する量を膨大に設定し悟空はずっと待機していた。

そして収集の対象になっている人物が「手を挙げる」という特定の動作さえ行えば、対象の意思自体は関係なく力を収集することが出来る。

 

ブロリーは超化に踏み切る寸前、効果があるかは分からなかったが強烈な自己暗示を掛けていた。

 

"バアが見えたら、手を上げろ。"

 

もしバアの耳がブロリーの視界に入った時点で自我を取り戻すことが出来れば万々歳だったが、そう都合良くいくとは限らなかった。

よってブロリーと悟空の両面から二重三重に策を敷いたのだ。

毛皮が見えた瞬間でなくとも、ブロリーが戦闘中にどこかしらのタイミングで両手を掲げる動作をする可能性は充分にあった。

 

この作戦の目的は、ブロリーが超化によって引き出したパワーを悟空へ預けて代わりに扱ってもらうこと。

近くにいるものや周囲へ向けて無差別に暴れまわってしまうブロリーと違い、悟空であれば明確に指向性をもって放つことが出来る。

数時間前に複数人で一度行っていた悟空への力の集結は渡す側の意思と動作が必要になるが、自我を失ったブロリーにそれを期待することは出来なかった為に一か八かで元気玉の変則的な応用を試したのだった。

 

そして、時を同じくして賭けの二つ目の結果が現れる。

急速に力を失ったブロリーは膨張していた体格が萎み、通常の超サイヤ人の状態へ戻っていた。

 

項垂れて肩で息をするブロリーが顔を上げると、その眼には光が戻っている。

まだギリギリ超化は解けていないものの、それは間違いなく理性を取り戻したことを示していた。

 

 

―――過去に二度暴走しているというブロリーは、それでも結果としては自滅することなく戻ってくることが出来ている。

いずれも他人の力を借りてのことではあったが、その時の状況をブロリーに訊いてみるとそこには共通点があった。

 

とある技を受けて、理性を取り戻すきっかけがあったこと。

そしてそれに加えて、何かしらの外部要因で変身形態を強制的に引き戻されたことだ。

 

ゴジータが居ない今、それと同じような状態を再現できるか。

バアの耳がきっかけになってくれるかどうかは定かではなかった為にこれも大きな賭けになったが、どうやら結果は良い方に転んでくれたらしい。

 

 

 

正気に戻ったブロリーは、即座に次の行動に出た。

 

ここまでの一連の出来事は、時間にしてほんの数秒も掛からずに起きたことだ。

大技を出した直後で硬直していた"ブロリー"は、その全てを正確に把握出来てはいない。

 

「何・・・!?」

 

力が半減してしまったとはいえまだ超化を維持しているブロリーは、その速度と膂力をもって"ブロリー"へ急接近し巨体を羽交い絞めた。

そして拘束して動きの止まった二人へ向け、悟空が実質ギガンティックボールと化した頭上のエネルギー体を投げつける。

 

「うおりゃああぁぁぁ!!!」

 

もしブロリーの復帰が間に合わず、"ブロリー"が完全にフリーの状態だったならばまだ避けることが出来ただろう。

しかし全力で拘束されている今はとても回避行動には移れない。

 

叫びを上げる二人のもとへエネルギー体が正面から降りかかり、緑の気の奔流が辺りを包んで爆発した。

 

 

 

やがて光が収まり、残った人影がふたつ地面へと墜落する。

息も絶え絶えになりながら上体を起こした"ブロリー"は、黒髪の平常状態へ戻っていた。

なんとか立ち上がろうとするも、満身創痍となったその身は言うことを聞かずに膝を折る。

 

悟空が投げつけたエネルギー体は、その全てがブロリーの気で構成されていた。

そして確証は無かったものの、前日からの出来事でブロリーがずっと気にかかっていた現象がある。

夜中の襲撃時に気での拘束を試したあの時から、ブロリーは自分の気と相手の"ブロリー"の気がまるでお互いを打ち消し合っているような感覚を幾度となく覚えていた。

本来は同一人物であるという特殊な間柄によるものなのか、原因はわからない。

しかし超化に踏み切る直前の打ち合いでもその現象は起きており、ぶつかったお互いのエネルギー波が一度は消失した。

よって膨大なブロリーの気の塊をぶつければ、高まり続けた"ブロリー"の気も丸ごと相殺できるのはないかと目論んだのだ。

 

結果は見ての通り。

 

少し離れた場所へ墜ちたブロリーも同じく平常状態へ戻ってしまっていたが、こちらはまだ比較的余力を残しているためまだ立っていられた。

悟空も降り立ち、警戒を解かず頽れたままの"ブロリー"を見る。

 

なんとか形態を戻しダウンを奪った状態ではあるが、恐らくは一時的なものでしかない。

その表情は憎々しげに悟空とブロリーを睨めつけており、時間を置けば再び気を膨らませて立ち向かって来るだろう。

 

・・・まだ、足りない。最後の一押しが要る。

 

ブロリーは残った気力を振り絞り、高めた気を一点に集中させる。

記憶にある姿と受けたときの感覚を思い出し、出来るだけ正確に再現するよう全神経を注いだ。

 

高く翳した掌の先に、虹色の光が現れる。

 

それは、ブロリーがこの世で最も信を置く最強の男が使っていた技だ。

邪念を打ち消し、悪しきものを祓う、ブロリーの自我をも引き戻してくれた虹色の光。

 

ブロリーはかつて尋ねたことがあった。

"あれ"は、何か特別な力が必要な技なのかと。

彼はそんなことはない、と笑って言った。

今や神の力をも扱う彼だが、それよりも"あれ"はもっと以前から使えた技だったのだと。

 

『―――多分、お前もやろうと思えば出来るんじゃねえか?』

 

 

 

あのときの言葉を信じている。

おねがいだ、ほんの少しでいい。力を貸してくれ。

 

やがて形成された輝く虹色の光球を強く握り締め、ブロリーは祈りと共にそれを投げ放った。

 

・・・仮に相手が伝説の超サイヤ人のままだったなら、纏った膨大な気に遮られ通用しなかったかもしれない。

しかし今のノーガードの状態で身を晒していた"ブロリー"へ、光の奔流はそのまま抵抗もなく直撃した。

 

溢れる光が消え去った後、完全に力尽きた"ブロリー"は声もなく倒れ込む。

 

 

 

―――かくして今度こそ、ここに勝敗は決したのだった。

 

 

 

 

 

**********




ゲームセット。対ありでした。
元気玉やソウルパニッシャーの効果については諸説あるしかなり都合よく解釈してるんだけどほら・・・注意書きにさ・・・ちゃんとご都合主義って書いてあるし・・・ね・・・・・???(ゆるして)






余談
前回前々回のあとがき(と活動報告)で結構な厄介ムーブかましちゃったにも関わらず引き続き読んでくださってる方々には感謝感激雨あられ~!!
少しでも楽しんで頂けているなら幸いです(*´∀`*)
戦闘は今回でおしまいだけどまだ問題がぜんぶ解決しきったわけではないので、まだもう少しだけ続くんじゃ。
よろしければお付き合いくださいですじゃ。
もっとよろしければご感想など頂けるとたいへんうれしく小躍りしますじゃ。
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