鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ゴールデンウィークも終わり、疲れた体にバイト
チーズ蒸しパンになりたい


鳴らない携帯

 

~ 何だコイツ・・・・?動きがまるっきりトーシロ―じゃねーか! ~

 

白髪の少女は戸惑っていた

目の前の少女 ― 聖カンナ ― の動きは「かつて」の世界で狡猾に立ち回り、次々とターゲットを破滅に追いやった姿はない

彼女が昼間に行動する姿など、あいりはイーブルナッツを手渡した一度きりしか目撃していない

とはいえ・・・

 

~ 見極めなければ・・・・ ~

 

あいりは懐に忍ばせた銀色の鉄塊に手を伸ばす

心地いい重さが彼女の意識を研ぎ澄ます

狩り人へと・・・・

 

 

カンナはそっと後ろを見て、少女が尾けてきていることを確認しビルの谷間に身を滑り込ませた

彼女の白い指に嵌められた指輪が光に包まれ、翡翠色に輝く卵型の宝石に変わりカンナの手の中に納まる

 

「Let`s Dance!!!」

 

カンナがそのショートパンツから伸びる肢体を見せつけながら、その場でステップを踏む

そして彼女が来ていた衣服が光の粒子へと変換され、それは彼女の輝くような裸体に降り注ぐ

青色を基調とした空軍の飛行服

それをカーキ色のストラップが締め付け、最後にゴーグル付きのスカルキャップを被り彼女の「変身」が完了する

 

「こそこそしてないで出てきな!!!!」

 

カンナがバールのような杖を暗闇に向ける

 

「人をゴキブリのように言うなよ!カンナ!!!」

 

銀髪の少女が現れる

 

~ やっぱり同業者か! ~

 

銀髪の少女の姿は赤紫色のボディースーツを着用していた

そして、その胸に輝くのは「魂の宝石」ソウルジェムに他ならなかった

 

~ でもなんで私のことを知っている? ~

 

カルフォルニアで長く活動していたとはいえ、一般人にそれを知られるようなヘマはしていない

無論、この「あすなろ市」に知り合いなど居ようもない

ただ一つ明らかなのは、目の前の少女は排除すべき「エネミー」であること

 

「そっちもやる気なら手加減しなくていいな!!!」

 

少女を中心にコンバットショットガン「SPAS12」が展開される

凶悪な銃口が飢えた猟犬の顎のようにカンナを見つめる

 

「ジルバを踊るぜ!!!!!」

 

銀髪の少女の声と共に銃弾のバレエが開幕した

 

 

「ちょっと、席を外していい?」

 

「うん!ごめんね、長々と話しちゃって」

 

神那ニコは非礼にならないよう、それでいて彼女の印象に残らないようにしながら席を立った

目の前には既にこの世にはいないはずの「飛鳥ユウリ」

彼女の話ぶりからして、目の前のユウリが「杏里あいり」自身ではないようだ

予想外の出来事

早急に計画を立てねばならない

ニコはトイレの個室でカンナが作った「アプリ」の入ったスマートフォンを起動させた

このスマートフォンは簡単な「念話」の中継機でもある

ニコがカンナに念話を飛ばすが、返事はない

いつもなら、こちらから念話をすることよりもカンナがニコに四六時中、念話をすることの方が多い

そんなカンナが念話に出ないというのは、明らかに異常な状況だ

 

「・・・・これは」

 

赤い光点は一つの場所から動いていない

導かれる答えは一つだけだった

 

 

 

NGシーン

 

グリーフシード

魔法少女達の穢れをとる唯一の方法

それは魔法少女達にとって、ある種の疑似通貨としての意味合いがあった

無論、それを貸し借りする「業者」も存在していた

 

ギィ~~~~~~

 

重々しい扉を開いて白い影がそこに入る

豪華な調度品に彩られたそこは、一見王族の寝室とも見える

中央の天蓋付きのクィーンサイズのベットから一人の少女が身を起こした

 

「おや?織莉子じゃないか。君も味見に参加したいのかい?」

 

少女はシルクのショーツを身に着けていた

そして、その傍らには身を縮ませている少女

彼女も下着姿だ

 

「貴方の悪趣味に付き合う気はない。彼女を返してもらうわ!」

 

「ふぅ~ん・・・・?」

 

空気が変わる

豪華な部屋はその姿を変えた

無数の機関銃が無人で彼女 ― 美国織莉子 ― を狙っていた

 

「私の固有結界は私に危害を与えようとするものを排除する・・・・対象の生死を問わずにね」

 

ガチャッ!キュィィィィィィン!!!!!

 

全ての砲門が織莉子を狙う

 

「彼女の貸しを返しに来たわ。貴方が彼女の身体を対価に融資した分のグリーフシードをね」

 

織莉子が帽子をひっくり返すと、ザラザラと音を立てながらグリーフシードが落ちてくる

 

「そんな量ではまだまだ負債には足りませんよ?」

 

少女が嘲るように笑う

 

「いいえ、これで足りると思うわ。あなたこそ大損じゃないの?今朝からレートが下がっているわよ」

 

「?!」

 

少女が空中に映像を映す

織莉子が言うとおり、グラフはグリーフシードの価値下落を指していた

 

「なぜ・・・・図ったな!織莉子ォォォォォォォ!!!!」

 

「私は何もしていないわ。・・・・親友の為にグリーフシードを無料で提供する人間が居ただけよ。両親の遺品であるアレキサンドライトの指輪を対価に得たグリーフシードをね」

 

「チィ!!!好きにしろ!!!」

 

「ちゃんと証文も忘れずにね」

 

 

「ごめん・・・・円。アタシが馬鹿だった・・・」

 

「ああ!馬鹿野郎だ!!!ヘマをしたアタシを治すためのグリーフシードをアイツから借りるなんて!でも・・・・」

 

片目に眼帯を付けた少女がさっきまで下着姿だった、「円」と呼ばれた少女を抱きしめる

 

「ありがとうな・・・・」

 

抱き合う二人を見ながら、織莉子はその場を後にした・・・・

 

 

「また恨まれるよ織莉子」

 

「大丈夫よ。それよりも彼女、円を助けられたのは私達にとってプラスよ。彼女の遠隔視能力はあの依頼をこなす上で必要となる」

 

「あの女刑事の?」

 

「ええ・・・味方は多いほうがいい。この事件が最後になるかもしれない・・・」

 

織莉子の傍らの少女 ― 呉キリカ ― が織莉子を抱きしめる

 

「最後なんて言わないでくれよ・・・・」

 

「大丈夫よ。探偵としての仕事を辞めるってことだから・・・」

 

織莉子がキリカの髪を撫でる

 

「解決したら・・・一緒に旅行に行きましょう、キリカ」

 

「それってハワイ?やったぁ!」

 

「ふふ。現金ね」

 

屈託のないキリカの笑顔を見ながら、織莉子は迫りくる嵐を感じていた

「鉄仮面の魔法少女」宇佐美真と同じく、彼女のアカシックレコードでも「楽園」の情報は得られなかった

まるで因果を無視するかのように・・・・

 

 

 

 




今回のNGシーンはプロトタイプである「魔法少女探偵 美国織莉子」の草稿から
このSSに使えるシーンが多いので、組み込む予定です
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