鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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では投下します


ミライ

様々な衣服や、その型紙が置かれた一室

 

カタカタカタ

 

パソコンと繋げられている最新鋭のミシンが卓上で小気味いい音を立てている

此処は「聖ロリアーナ女学院」

あすなろ市にある、私立のミッション系寄宿学校だ

裁縫部が使用している一室でピンク色の豪奢な髪を靡かせ一人の少女が衣服の縫合をしていた

彼女の白い指はミシンを使った裁縫と同じ正確さを持ちながらも、彼女の巧みな指捌きで機械でもまねできない「遊び」を作りつつ、縫い上げていく

まさに「神業」

中学生でありながらも、彼女は超一流の針子の腕でカンを得ていた

しかし、彼女の表情は真剣そのものだったが、どこか浮かない

心の奥底が悲鳴を上げていた

 

「・・・・・・・・やめた」

 

座り心地のいい椅子に身を委ねる

昔みたいに作業に没頭すれば、「あのこと」を考えなくてもいい・・・・

そう考えていた

しかし、いざ作業を開始しても「あの日」の光景が浮かぶ

「彼女達」の目の前で死んで見せた少年

そして「ミチル」

ミチルがいなくなってもどうでもでもよかった

でも・・・・

サキはそれに耐えきれなかった

だからこそ、「魔法少女」になろうとした

なぜそんなにも「ミチル」にこだわるの?

なぜ私のことを見てくれないの?

考えないようにしても、止め処もなく疑問は湧き出す

それはまるで黒い泉のように・・・

彼女「若葉みらい」は静かに目を閉じた

 

 

ボクは服飾デザイナーの母の元、この世に生を受けた

父親はいない

理由は母親の男性遍歴だった

とっかえひっかえ、男を弄ぶ母

つまりは「父親」が誰かわからない状態だったのだ

幸い、みらいの育児を放棄することはなく、ボクも健康に育った

とはいえ、ボクが物心ついてからは以前のように男にだらしない生活に戻っていった

救いといえるのは、ボクの母親がまだ幼い頃から女手一つでボクを育てても、なお余裕があるほどの財産を保有していた

おかげで、ボクは何不自由なく日々を過ごすことができた

あの女としては、それなりに恵まれた環境で勉学に励んで欲しいとでも思ったんだろう

寄宿学校であるとはいえ、名門の聖ロリアーナ女学院へと進学した

ボクとしては、この身体にあの女のDNAが混じっているのは複雑な思いだが、母親からの遺伝か、それとも才能か?

ボクは特に何も感じることなく、裁縫部に入部した

裁縫部に入るや否や、渇いたスポンジが水を吸い込むように様々な技法を習得していった

それに伴い、作品を見た外部から「依頼」がボク宛に入り始めた

曰く、代わりにセーターを編んでほしい

曰く、盗聴器を仕込んだテディベアを所望する

曰く、オープンクロッチのエロ下着を・・・・

ボクは依頼をこなした

無論、無報酬のボランティアではない

材料費や拘束されている分の人件費など、作品に見合ったそれなりの金は依頼人から受け取っている

だけど・・・・・依頼金は問題じゃない

ボクにとって、何かに打ち込んでいる瞬間が、もっとも充実していた

何も考えずに、淡々と作業をしている時間が・・・・

友達はいないのか?

ハッ!笑わせる!

あんな奴らはただただ、自分に箔をつけるための「友達」というブランドが欲しいだけだ

私に近づいてきた奴らもそうだった

 

― 私達って親友だよね! ―

 

「自称」親友の軽薄そうな顔を思い浮かべる

恐らく、私がデザイナーの娘だから近づいたのだろう

よく恥ずかしがることもなく「親友」と言えるな?

友情というのは、口に出す瞬間の羞恥心以上の意味はない

それが、ボクの、「若葉みらい」の全てだった

 

 

「ボクが衣装を?」

 

ここはあすなろ市公会堂

私の目の前には一人の「麗人」と・・・・もじゃもじゃの黒髪の少女

 

「急にすまない。私達がやっている劇団のパトロンが君を紹介してくれてね」

 

眼鏡をつけた紫がかったシルバーブロンドの少女「浅海サキ」がボクに頭を下げる

何でも劇でウェディングドレスが必要で、出来合いのものではない本格的な衣装を求めていた

 

「衣装を作るのに必要な経費と十分な報酬は保証できる」

 

― 報酬なんていい。私は・・・・ ―

 

「引き受けたわ。でも条件がある」

 

「条件?」

 

「稽古にはボクも参加する。・・・・・衣装はただの服じゃない、実際に演技を見ないと完璧なモノにならないわ」

 

こうして私は劇団「プレアデス聖団」、浅海サキと出会った

採寸だけじゃなく、脚本を読んで一緒に稽古して・・・

衣装を完成するまでの短い期間

でも、私がサキちゃんに夢中になるのには十分だった

 

 

「完璧な出来だよ!」

 

サキがウェディングドレスを手に取って感嘆の声をあげる

ハッキリ言って、材料費や人件費を考えると赤字ではあるが、それよりも今の充実感は最高だった

何よりも

 

「あの・・・・私・・・」

 

「?」

 

サキちゃんが私を見る

優しくて、気高くて・・・・

まるでお伽話に出てくるような「王子様」

彼女と一緒に居たい

だから

勇気を出さなきゃ!

 

「私も劇団に入りたい!!!」

 

サキちゃんが近づく

 

「何をいまさら・・」

 

そして・・・

 

「もう君は劇団の一員だよ?」

 

私はサキちゃんの笑顔に恋をした

 

 

ギシ・・・・・

 

「そうか私は寂しかったんだ・・・・・」

 

みらいは誰一人いない部室で一人呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




シンフォギアG
やっぱり今回も王道やな
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