鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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キリカはアホの子のほうが輝くと思うの・・・



「変容」の魔法少女

 

 

バシャッ! バシャッ!

 

うらびれた路地

一人の少女が必死の形相で走り抜ける

端正であったろう、その顔は擦り傷や土埃に汚れている

 

「行き止まり!?」

 

彼女の目の前はフェンスに覆われていた

 

ガシャッガシャ

 

「糞っ!糞っ!!!!!!!」

 

少女がフェンスに体当たりするがフェンスは揺るがない

 

 

ガサッ!

 

少女が振り向く

 

「鬼ごっこはもうおしまい?」

 

物陰から抑揚のない声が響く

 

「あなたは一体誰なの!なんで・・・なんで私と同じ顔をしているの!!!!!!」

 

恐怖に目を見開いた少女の前には鏡像の如く、寸分違わない「少女」が立っていた

歪んだ笑みを浮かべて・・・

少女がおもむろに手を振り上げる

手にはボコボコに凹み、ところどころに黒い染みの付いた鉄パイプが握られていた

 

「さぁお仕置きの時間ですよ!」

 

「いや・・・来ないで・・・・来ないでぇぇぇぇぇぇ!」

 

ガスッ!

 

重々しい音が響いた

しかし、少女に痛みは襲ってこなかった

 

「同じ顔に変身して闇討ち。たとえ被害者が警察に通報しても気が動転したとしか理解しない。しかし仕返しにしてはやり過ぎよ」

 

恐る恐る少女が目を開くと、そこには白を基調にした服を着た少女が鉄パイプを止めていた

その豊満な胸もさるものながら、老若男女全ての人間が恋すると言える程の美貌を持っていた

 

「邪魔をするなぁぁぁぁぁ!」

 

少女が修羅のような表情で鉄パイプを握る手に力を込める

しかし、急に負荷がなくなり前の倒れ、その隙に襲われた少女は逃げ出した

鉄パイプを持った少女はすぐさま追おうとするが、背後からの一撃で吹き飛ばされる

 

「無駄よ」

 

そこには先ほどの白い少女が立っていた

 

「瞬間移動か?!」

 

「愚問ね、呉キリカ」

 

「お前!どこであたしの名前を!」

 

「名前だけじゃないわ。両親が離婚していること。そしてそれをネタにいじめを受けて引きこもりになっていたってこともね」

 

「畜生!お前があの白いヤツが言っていた敵か!」

 

「敵?違うわ。私はあなたと同じ魔法少女よ」

 

「敵じゃない?お前は敵だ!現にアタシの復讐を・・・」

 

「邪魔したから?苛めたクラスメートの姿に変身して一人一人襲って病院送りにしているあなたの方が敵だわ」

 

「お前に何がわかる・・・・」

 

「分らないわ。力を持っているのにそれを復讐なんてことに浪費するなんて」

 

白い少女 美国織莉子が近づく

 

「三日・・・・そう三日待ちなさい。そうすれば全ては丸く収まる」

 

「信じると思うのか」

 

「私たちにとっては時間は有限であっても無限よ。力の本質、為すべきことを知りたいと思ったら・・・三日後此処に来なさい」

 

 

あの女が言った通り、三日後全ては丸く収まった

私を苛めていた奴らはみんな退学した

どうやら入院先の病院で薬物反応が出たらしい

それに伴い、苛めを見ないふりしていた担任は依願退職、学校はマスコミ対策の箝口令が敷かれた

そして・・私が学校に行くと「特別扱い」された

いってみるなら今の私はさらなる爆弾だ

マスコミはいじめの情報なら高値で買うだろう

だからこその「特別扱い」

引きこもっていた事実も病気での入院という形で手打ちになった

 

算盤尽くの「大人」の世界・・・・

そこには下種な理由しかない

不意にあの女の「為すべきこと」とやらが気になった

 

 

 

「誤差一秒ね」

 

あの夜のように少女はそこに立っていた

左腕に装着された文字盤を動かしながら

キリカはすぐさま魔法少女としての姿に変身し、固有武器である鉄の爪を少女に向けた

 

「何だケンカ売っているのか?」

 

しかし少女は動じない

 

「私の予知の話よ」

 

「予知だと?」

 

「ええ、私には全てが見えるわ。だからあなたに三日後には全てが丸く収まるって言ったのよ」

 

「見える・・・・?」

 

「私が見た未来では貴方は最後のクラスメートを手にかけるが、打ち所が悪くてそのクラスメートを一生車椅子生活にしてしまうことになっていた」

 

「そんな・・・・!」

 

「おかしくはないわ。私達は言うなればむき出しの拳銃と同じ。力を持てば使いたくなるし、そこに悪気などない。力のない人間をいたぶって気分はよかった?」

 

「気分なんて・・・・」

 

「理由があるから人は何処までも残酷になれる。そして力は人から考える力を奪う」

 

切り裂かれた自らの体操服を持って立ち尽くすキリカを、指差しながら嘲笑うクラスメートの姿が脳裏に浮かぶ

 

「・・・・・・・」

 

「貴方はこれからどうする?自らの手を汚す理由はなくなった。その力を獣のように自分のために使う?それとも・・・・」

 

少女がキリカを見据える

 

「正義の味方になる?」

 

 

雲の合間から顔を出した月が少女を照らす

 

 

「私は・・・・・・全てを知りたい!算盤尽くの大人に左右されるような人生なんてまっぴらだ!」

 

「そう・・・ならあなたは私の同志ね」

 

白い少女は言葉を紡ぐ

 

「私は美国織莉子。全知の魔法少女よ」

 

差し出された織茉子の手を、キリカは掴んだ

祝福するように月光が二人を包み込む・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

美国邸

 

政治スキャンダルで失脚したとはいえ、織莉子の父は未だに政治経済に強力なパイプを持っていた

しかし、「議員の娘」である織莉子の部屋は質素であった

主義主張があるわけではない

それには止むに止まれぬ事情があったのだ

 

ベット

 

 

クローゼット

 

織莉子はそれらの全てをずらし調べる

 

「今日はいないようね・・・・」

 

織莉子は白いネグリジェに着替えると、ぬいぐるみ抱き枕を抱いて眠りについた

 

(・・・・・甘いわよ織莉子!この私が抱き枕に変身しているなんて思いもつかないわ!)

 

小一時間後

 

(ああっん!織莉子の赤貝ちゃんがネグリジェ越しに私の赤貝ちゃんに・・・・・!!!!!!)

 

翌朝

血まみれで織莉子は目覚めた

鼻血の出し過ぎで危険な状態のキリカとともに・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キリカの設定として

本編の「違う自分になりたい」という願いから、本SSでは変身魔法の使い手に設定しました
まぁ、織莉子大好きっ子は変わりませんが・・・・

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