鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

195 / 322
では投下します


君のギャラリー

タン!タン!タン!

 

暗闇の中を空色の髪をした少女が、まるでバレエを踊るかのようにステップを踏む

少女に熟練のダンサーがその身で表現するような熱情はなく、鏡に映る幻影のような印象をうける

少女が進むにつれ、壁に掛けられた絵にスポットが当たり、その全容を現す

絵には裸の少女が様々な少年と情交を楽しむようなエロティックなものであったり、荒野をクラシカルなバイクに跨る少女など、その題材には統一性はなかった

ただ、そこには様々な「少女」が主役として描かれていた

 

タン!

 

少女が暗闇に浮かぶ、一枚の絵の前でその歩みを止めた

柔らかな光がその絵を照らし出す

その絵には、童話の中の「お姫様達」が着ているような可愛らしく華美な装飾が施された、豪華なドレスを纏った紫色の髪の少女と、それを囲むように揃った大小様々な種類の動物が描かれていた

少女の白い手は傍らの猫を愛撫し、彼女の満面の笑みから彼女がその猫を深く愛していることは明らかだ

パッと見て、この絵におかしいところはどこにも見られない

だが、深く観察しながらその絵をよくよく見ると、絵が放つ「歪み」に気が付いていく

少女を囲む動物達の目は皆虚ろで何も映さず、その瞳には生命の息吹すら感じられない

そして、首にはしっかりとした「首輪」が全ての動物達に嵌められていた

まるで紫の髪の少女の「奴隷」のように・・・・・

 

「この子の夢は自分の言うことをなんでも聞く大勢の動物、彼女の言う友達に囲まれて楽しく永遠に過ごすことだった・・・。動物の意思なんて関係なく、一方的にね」

 

その絵から離れると少女は再び、暗闇の中を歩きはじめた

 

 

― 現世は夢、夜の夢こそ真 ―

 

「夢」はそれを見る者の深い願いが結晶したものといえる

故にその夢を何もしらない他人がそれを見ることがあれば、それは酷く歪み、時には人の倫理から大きくかけ離れたインモラルで淫靡なこともある

 

タン!

 

再び少女が一枚の絵の前に足を止めた

その絵にはピンク色の髪をした少女が、やや紫がかったシルバーブロンドの少女を閉じ込めた鳥かごを愛でている姿が描かれていた

ピンク色の豪奢な髪の少女は満面の笑みを浮かべているが、鳥かごの中の少女の瞳は虚ろだ

そして、ピンク髪の少女の足元には「用無し」とばかりに踏みつけにされたクマのぬいぐるみが倒れていた

 

「この子の夢は酷く歪んでいる。愛した少女の特別な存在になりたいがために、少女の妹を交通事故で死んだことにして、そのかわりに自分が少女の妹となり、愛した少女に愛される世界を望んだ」

 

少女は嫌悪の表情を作る

彼女の倫理感としては障害を排除してまで、誰かを愛する気持ちが理解できない

たとえ「夢」の中であっても

しかし彼女は夢の裁定者ではない

「楽園」の礎となった少女達に望みの夢を見せるのが彼女の役割であるからだ

だからこそ、彼女の見る夢を裁くことなんてできない

なぜならば人に見てはいけない夢なんてないのだから・・・・

 

 

あすなろ市

「救済者」のアジトである「アンゼリカ・ベアーズ」

その地下は様々な機器が備え付けられていた

 

ウィィィィィィィィィ!!!!

 

サイレンとともにカプセルのハッチが開いていく

 

「お、起きたね!」

 

目覚めた夏樹真理の瞳に海の色のように濃い青色のポニーテールが映った

この地下の機器全てを管理している「秦愛華」だ

 

「愛華おはよう・・・・お腹すいた・・・」

 

魔法少女と言っても、その身体構造は人体のそれと同じだ

ましてや真理は「楽園」の少女達に夢を見せる為に能力をつかっている

空腹を感じることも当然だ

 

ぐぅぅぅぅ・・・・・・

 

空色の髪の少女から、低い音が響く

途端に真理の顔が紅く染まる

 

「う・・・・・・・」

 

「はは!やっぱり常時能力使いっぱなしはやっぱり腹減るか!何がいい?真からは結構軍資金をもらっているから、大概の食い物ならなんでも用意できるよ」

 

「何でもいい・・・」

 

「じゃあ、クラブサンドにでもする?」

 

「それでいい・・・」

 

 

「救済」の魔法少女「夏樹真理」

彼女の役割は「楽園」の礎となった魔法少女達に「魔法」なんてない、「少女」としての望みの夢を見せる事

そう、この地球からインキュベーターを放逐し、ソウルジェムから魂を解き放って、魔法少女を普通の少女に戻せるまで・・・・・

 

愛華が用意したクラブサンドをファンタグレープで流し込み、手早くシャワーを浴びると、真理は再びカプセルの前にいた

真理が不在の時は「魂の欠片」がそれを代用するが、絶対ではない

できる限り早くカプセルに戻らなければならなかった

 

「じゃあ・・・・・」

 

少女が再びカプセルに戻ろうとする

 

「真理・・・・・!」

 

「なに・・・・・・?」

 

愛華が彼女を見ていた

 

「その・・・あんまり無茶しないで・・・」

 

「わかった・・・・・何かあったら愛華と真琴に相談する・・・・」

 

「ああ」

 

「それと・・・・クラブサンド美味しかった・・・・」

 

真理の体がカプセルに納まると、地下は何事もなかったかのように再び静寂が覆った

 

 

タン!タン!タン!

 

真理が一枚の絵の前で足を止めた

そこには灰色の髪の少年と、青い髪の少女が朝食を食べている風景を描いた絵だった

真理の手が灰色の髪の少年をなぞる

 

「貴方はどんな夢を見せてくれるの?」

 

真理が静かにそう呟く

 

 

 




キルラキル面白い!!!

特にどう見ても痴女にしか見えない恰好で、恥ずかしがるところがイイ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。