鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ではではでは投下


見慣れた街

シュオン・・・

 

薄いゼラチンでできた膜を破るような感覚を杏子が感じたが、織莉子から言われたような記憶を塗りつぶされるような感覚はなかった

 

~ 何処も異常はないよな・・・・ ~

 

自分の身体を撫で回しても異常はなかった

 

「・・・・・・」

 

杏子があたりを見渡す

結界の中の「あすなろ市」は何処から見ても、以前に真と一緒に来たことのある「あすなろ市」とは全く変わらなかった。

彼女が「和紗ミチル」のかわりに劇団「プレアデス聖団」の客演として、あすなろ市へ真と一緒に訪れたのはもう三か月前のことだ

杏子は傍らを見る

そこにいつも朗らかに笑っていた真はいない・・・・

 

「行こうぜ・・・・」

 

杏子が絞り出すようにつぶやく

それが彼女の限界だった

ここはあまりにも「懐かしすぎる」

今はいち早く、この任務に集中しなければならない

そうしなければ、杏子は「真」のいない現実に押しつぶされてしまうだろう

ソウルジェムは精神のありようによって澱みが溜まりやすくなる

巴マミの手にある「魂の欠片」で魔力がブーストされていても、早く穢れが溜まれば身動きが取れなくなる

 

「そうね。リニアに乗りましょう、時間は限られているから・・・」

 

巴マミの声に、織莉子やキリカ、杏子も頷く

 

 

見滝原と同じように、ここあすなろ市でもリニアが主な交通手段となっている

とはいえ、見滝原と比べるとリニアの座席は空席が目立っていた

これは彼らにとっては、あまり良い状況とはいえない

なぜならば、襲撃の際に彼女達が人ごみに紛れて脱出できないことを意味する

より具体的に言えば、人を「盾」にすることができないということ

酷い言い方かもしれないが、確実に脱出することを目的にするならそう選択することも必要だ

しかしこれはあくまで最悪の状況の場合だ

いくらなんでも、未だ姿の見えない敵が真昼間から堂々彼らを攻撃をしてくることはない

それに織莉子の検索によれば、この大結界「楽園」内部では常に強力な結界を纏わなければ、並みの魔法少女ならすぐさま「魔法少女」としての記憶を全て喰われる

織莉子の検索に誤差が無いのならば、敵も魔法少女である以上、恐らくは死にもの狂いで自らに強い結界を張っているはずだ

そう仮定するなら、敵が自らの身を危険に晒す可能性のある直接攻撃をするだろうか?

さらに加えるなら、あすなろ市全体を覆う「楽園」はかなりの大飯喰らいだ

敵もそれを維持することを第一に考えて行動していると、推測するのが正しいだろう

真やゆまから供給される「魔力」以外にも、それには相手の魔法少女達が保有している固有の魔法や魔力も「楽園」へ供給しているのは間違いない

そう仮定するなら、無駄に魔力を使うのは得策ではない

ならば、彼らは表だって行動するよりも、相手がガス欠を起こして自滅するのを待っていればいい

結論としては、杏子達があすなろ市に突入しても、「あまり派手に行動しなければ相手の関心を引くことはない」ということだ

 

振動のないリニアモーターカーが滑るように進む

騒音もなく、車両内ではホログラムであすなろ市の観光情報が流されている

杏子は何の気もなくそれを見ていたが、彼女の憂鬱を晴らすことにはならなかった

紅い髪を揺らし、杏子はそっと仲間達を見る

皆、誰一人言葉を話さなかった

沈黙は彼女が最も苦手とするものだ

特に今は気分転換になるものを最も必要していた

 

「なぁ・・・キリカ」

 

「どしたん杏子?」

 

杏子が隣り合った席に座るキリカに声を掛けた

 

「アタシたちってさぁ、とりあえずは昼過ぎまで此処に居る予定だよな」

 

「ああ、そうだけど」

 

「何かおすすめの飯屋を知らないか?緊張したら腹減っちまって」

 

杏子は気分を入れ替えるには食べ物を食べた方が良いと判断した

 

「それならビストロ・タチバナって店が・・・・」

 

幽かに杏子の表情が陰った

 

「なら私のお勧めの喫茶店があるわ。ゆっくりと時間を過ごすことも大切よ」

 

織莉子がキリカと杏子の話に割り込んだ

 

「じゃあそこでいいぜ。ここの近くなんだろ?」

 

「ええ。この次の駅で下りればすぐよ」

 

キリカが織莉子を見る

織莉子は一言も発さなかった

しかし、織莉子と付き合いの長いキリカは、彼女の真意を理解した

 

「確か、そこはローストビーフサンドが名物だったよね」

 

キリカが織莉子のフォローをする

普段、杏子と仲がいいとは言えないが、「ビストロ・タチバナ」の名前を出した途端、杏子の表情が曇ったことをキリカは見逃さなかった

「ビストロ・タチバナ」はあすなろ市の魔法少女「和紗ミチル」の養親がやっている洋食店で、真と杏子が一緒に食卓を囲んだ場所である

料理も美味しく、養親と笑いあうミチル

血が繋がっていなくとも、そこには幸せな家族がいた

織莉子の話によると、ミチルも結界に取り込まれた可能性があるというのだ

もし

もしもだが、立花さんが「ミチル」の事を忘れていたら?

今の彼女にそれを直視する勇気なんてなかった

 

「巴さんもそこでいいかしら?」

 

「え?」

 

織莉子が声を掛けるが、マミは心ここに非ずといった様子だった

 

「私もそこでいいわよ」

 

そういうと「いつものように」巴マミは笑みを浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いよいよ劇場版まどマギの公開
楽しみのような・・・不安なような・・・・

恐らく、ウロブッチャーの血まみれスケッチ再びなんだろうな・・・・
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