鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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投下


セピア色のフィルム

ほんの一瞬

一秒にも満たない時間

これは「真」が「ゆま」の夢の中で魔力を使用した時間だ

眠りの瞬間に対象に魔力を送り込み、その夢へ割り込み姿の見えない敵の目が届かない「イドの闇」とのラインを繋げる

よほど注意してみなければ、たとえ「現実」でも真が「魔力」を使用したことを察知できないだろう

これにより、対象を違和感なく「イドの闇」へ送り込める

最初は真も「さやか」がやっていたことを真似ていただけで、非常に効率は悪かった

しかし、真が最初にコネクトしたのがサキであったことが偶然にも良い結果を生み出した

彼女は誰よりも早く状況を理解し、また魔力の使い方をマスターした

無論、基本は真が教えたものだがサキはそれを上回る速度で理解しそれを使いこなした

その一環として、サキは真の使っていた「覚醒プロセス」を解析し、より効率的に行えるように新しく組みなおした

そして「分析」と「改良・改善」に特殊ステータスがある海香が覚醒し、彼らの仲間になるとこの方法に更なる改良を施した

考え得る最悪な状態でも対象も、そしてそれを使用する魔法少女にも異常をきたさない最良の方法

それを一言で言い表すと「安全」、その言葉に尽きる

しかしそれも今現時点ではそうであるというだけ

でも安全と言う言葉は言うなれば「神話」だ

酷く皮肉な言い方かもしれないが、安全であるというのはその時点で問題を起こす可能性があくまで「少ない」というだけで、絶対に問題が起きないというわけではない

それは「神」とそれに対する「崇拝」と同じ

 

「神はいない」、されど人は「信仰し崇拝」する

 

絶対の安全はない、されど人はそれを信じ「崇拝」する

 

そして「安全」も「信仰」もそれ自身に「金銭価値」がある

安全だからこそ人は「安心」し、金を支払う

同様に「ご利益」があるから「信仰」し、金を支払う

その感情構造に違いはない

まったく同じだ

カタチの無いものへの信用はあくまでそれには実態が伴っていない

安心も安全も、「絶対ではないこと」を常に肝に銘じるべきだ

ましてや魔法少女の使う魔力の根源であり、「精神」に関わるのだ

何があってもおかしくはない

条理を覆すのが魔法少女であるのなら、用心しすぎることはない

真は細心の注意を払い、自らの意識もイドの闇に投射しその身を委ねた

 

 

~ ・・・・何これ・・・・? ~

 

美国ゆまは暖かくもなく、さりとて寒くもない漆黒の空間を漂っていた

 

~ 確か・・・真お兄ちゃんのベットで寝てて・・・・ ~

 

ゆまが記憶を辿ろうとするが、ベットで寝たところで記憶が消えていてどうしてこのような状況になったのかはわからなかった

ただの夢と思えばよかったが、しかしそれにしては感触や肌に伝わる温度は生々しかった

夢にしては現実感がありすぎる

でもこれを現実だと信じるにはあまりにも異常だ

ゆまは自分を平均的な少女とおもっている

兄の真ほど勉学に通じているわけでもない

そして姉の織莉子ほど芸術に親しみがあるわけでもなかった

でも、今この状況をうまく言葉に言い表せるのなら、間違いなく称賛されるだろう

最も「狂った詩人」としてだが・・・・・

今彼女を覆うのはただの暗闇ではない

それはねっとりとしたタールのような触感の「何か」だった

人は生まれ出る時には胎児であった頃の記憶を持つことはないが、恐らく母胎の内部もこうなのであろう

そう、ぼんやりとゆまが考えていた時だ

 

~ あ・・れ? ~

 

黒い流れに身を委ねるゆまの周りに光輝くアメーバのようなものがいくつも浮かんでいた

グニョグニョと蠢くソレを目にした途端、恐怖からかゆまが身をかがめる

しかし、そのアメーバは彼女に喰らいつくことも無ければ、彼女をその不定形の肉体に取り込もうともしなかった

ソレはただただ彼女の周りを漂っていた

彼女がそれに緑色の瞳を向けた時だ

 

「?!」

 

そこに映されていたのは彼女自身の「記憶」だった

幼い頃の自分が何処ともしれない場所で「兄」の美国真と一緒に楽しく遊んでいる映像

ありふれた光景だ

でもそこには一人、彼女の知らない人物がいた

紅い髪をポニーテールにした少女

八重歯を見せながら勝気に笑う少女の姿は強烈だった

でも、いくら思い出そうとしてもゆまの記憶には彼女と一緒に遊んだ記憶はなかった

でも・・・

彼女はその映像から目が離せなかった

何か

何かが、その先に彼女を待っている、そんな根拠のない確信が彼女を引き留めていた

 

「何か・・・話が聞こえないかな・・・」

 

ゆまが耳を傾けた時だ

 

― ・・・・ま・・・遠くまで・・・・ ―

 

ややハスキーで溌剌とした声

特徴的な声だが、聞き覚えのない声だ

 

「!」

 

ゆまの目の前で急に映像が暗転する

泣きそうな顔で駆け寄る紅い髪の少女

その顔を見た瞬間だった

 

「私この人を知っている・・・・・・」

 

そうだ

私は知っている

なぜだか急に「気を失った」私を介抱してくれた・・・・・

 

「あああぁぁぁ!!!!!!」

 

彼女を激しい頭痛を襲った

 

 

「許してとは言わないよ・・・・でも、この痛みが無ければ失った未来を取り戻す事はできない・・・・・」

 

灰色の髪を揺らしながらイドの闇の中で姫騎士が一人、静かに呟いた

 

 




雪でダンガンロンパのファンミが無事に開かれるか心配・・・・

(これを書いているのは2月8日だったりします)
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