鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

312 / 322
ではでは投下


キネトスコープ

シュル・・シュル・・・

 

立花に接続された触腕がニコの所に戻ってくる

 

「ありがとう立花さん。人体には無害だけど、念の為に聞くよ。何処か変わったところはない?」

 

「ニコちゃんありがとう。どこも異常はないよ」

 

実際、立花はニコにコネクトを掛けられている間は全く何も感じなかった

当然のことだが、彼女に記憶を覗かれる事に恐怖を抱かないわけではない

人は記憶にすがって生きるモノ

故に人に見られたくない記憶もあれば、絶対に守らなければならない秘密の記憶もある

記憶を読まれるというのは、そういったモノすべてをさらけ出すということだ

しかし、ただ魔法少女のことを知っているだけの立花が彼女達に対してできることといえば、料理を作ることとこれくらいしかないのだ

あすなろ市を覆う大結界「箱庭」

彼女達の話によれば、今現在あすなろ市に敵と戦える魔法少女は一人もいないそうだ

あの結界は記憶を書き換える効果があるらしい

だからこそ、あすなろ市にいる魔法少女達は抵抗する間もなく、あの結界の影響で記憶が強制的に書き換えられて敵の手に落ちている

しかしそれは魔法少女の「事情」

普通の人間である立花にとってはいつもと同じあすなろ市に変わらなかった

ただ、そこにミチルの姿はない・・・・

 

「ごめんなさい立花さん・・・・・。私の検索でもあすなろ市の内情を知るのが難しかったから、こんなことをたのんで・・・・・」

 

「そうそう。ニコのコネクトは無機物からでも記憶を読み取ることが可能だから、最初は郵便局のバンや宅急便のトラックに接続したんだけど、あんまり詳しい情報は得られなかったしね」

 

「僕もあんまり役に立てないかもしれないよ?」

 

「そんなことはないわ。トラックやバンみたいな車だと決まったコースを走るだけであすなろ市の詳しい状況を調べることができなかったけど、立花さんがあすなろ市を自転車で走ってくれたおかげでより詳しく内情を知ることはできるわ。」

 

織莉子達が立花に頼んだこと

それは自転車であすなろ市を走り回る事

それもあすなろ市全部をだ

こうすることで車では一瞬で過ぎ去ってしまうような場所でもより鮮明に記憶が残る

それに自転車なら、車では入れないような場所でも容易に入り込むことが可能であり、それに自転車に乗っていることには何らおかしいところはない

敵の目を引くことはないと織莉子は計算していた

無論、完全に安全であるとは言えないし、敵に捕まり強制的に情報を吐かされないとも限らない

だからこそ、織莉子も立花に計画を打ち明けるだけにとどめた

実際に実行するかはタチバナに任せたのだ

 

「あすなろ市中を走りまわるのは結構な運動量だったよ」

 

「ほんとに立花さんには感謝してもし足りないわ」

 

「子供を守るのは大人の仕事なんだが・・・・・僕にはこれしかできない・・」

 

そう言うと立花は顔を伏せた

 

 

「じゃあ、初めて」

 

「判ったわ」

 

ニコの背中から再度伸びた触腕が今度は織莉子の背中に接続される

 

シュオォォォォォ・・・・

 

再び、織莉子の固有武装であるアカシック・レコードが空中に展開する

それと同時に彼女の固有結界が周りを覆い包んだ

 

「始まったね」

 

キリカが塗り替えられていく広間を見ながら呟く

 

「ねーねー」

 

「ん?どうしたんだユウリ」

 

「美国さんのこれって、例えば映画を見に行ったらこうやって映像を再生できるの?」

 

「できるかもしれないけど、それってわざわざ魔力を削ってまでする事か?」

 

当然である

魔力は言うなれば魔法少女の「命綱」だ

そんな下らないことで消費してよいものではないし、文字通り魔力を枯らしてしまったらその先にあるのは死の運命だけだ

しかしまぁ、魔法少女の中にはキュウベェに「どんなチーズでも食べたいだけ出せること」を願った少女もいるくらいだ

自分の魂がソウルジェムに封入されているという、ソウルジェムの秘密を全く知らなければそんなに重要なモノであるとは考えず、ソウルジェムもただの魔法を使う為の道具としか思わないだろう

最悪、魔法を思う存分使っても後でグリーフシードを使って、使った分の魔力を回復すればいいと間違った解釈をしてしまうこともあり得る

確かに、魔法少女になりたての少女達のサポートをキュウベェがすることは多い

でも、彼らは魔力の根源が人間の感情エネルギーであること、例え魔法を使わなくても魔力は減っていき悪感情を抱くと同時に穢れが溜まることは決して教えない

使い捨てることを第一に考えられた魔法少女のシステムで、魔法少女を救えるのは魔法少女自身しかいない・・・・・

 

 

七人は何時の間にか、何処かの道路に立っていた

 

「ここは・・・・?」

 

「あすなろ市の中心街で・・・・あった!あそこが立花さんのお店だよ」

 

ユウリが振り向くと、見慣れたチャコロール色の屋根のビストロ・タチバナが見えた

 

「すげぇな!まるでその場にいるみたいだ!」

 

あいりが感嘆する

彼女の経験でもこれほどまで詳細に再現された映像は見たことが無かった

 

「それじゃあ視点を動かすわ。巻き戻しと停止は何時でもできるからいつでも言ってね」

 

織莉子がそういうと、まるで現実化の様に映像が動き始めた

 

 

 




ウチの古本屋にジョジョニウムが大量入荷中
やっぱり、緑インクの滲みが酷いからな・・・・・・
正直、ジョジョ系って調子に乗ってない?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。