独りにしませんいつまでも   作:残念G級

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書いているうちに終わりを見失った話になります。
原作開始よりだいぶ前からのスタートだからか、登場人物や話の進行度が結構難しいと気づき始めた作者です。

困りました。ええ、困りました。


日常

三上と部隊を組むことになって数日が経った。

三上は新人OPということもあり、まだ正式に部隊を結成したわけではない。

今は本部の事務仕事に励み実力をつけていた。

俺の部屋も部隊を組んで一部隊室としての役割を担う関係で、ほぼ毎日三上が部屋に来る。

OPとしての勉強をしにきたり、日常会話をしにきたりと楽しそうに話している。

もともと友人と一緒に入っていたということも関係しているのだろう、話の内容はやれ宇佐美が~やれ小佐野が~と話している。

 

そんな風に日々ボーダー生活を送っていた三上だったが、現在、彼女はある壁に当たっている。俺は高校に入るまでは学校に通わなくてよくなっているが、三上はそうではない。

まだ彼女は俺の一個下で中学二年生。ボーダーの仕事もしなくてはいけないが、学業の方も両立させなければいけない。

この前言っていたが、三上たちはもうすぐ期末試験があるらしい。

別に詳しくは知らないが、進学先はボーダーに所属していれば、そんなにひどい成績でもない限り推薦でボーダー提携の普通校に進学できるらしい。

だったら別にそこまで焦らなくてもいいのではないか、と三上本人に聞いてみたところ、どうやら高校受験で進学校に合格することが、この時期からボーダーに入って良い条件らしい。

つまり成績を落とさず、進学校の合格圏内をキープできなければ、受験が終わるまでボーダーには入れないらしい。

確かに、それなら今こうして目の前で試験勉強を必死にしているのも納得である。

ぜひ三上には頑張ってほしい、なぜなら三上が頑張ってくれないと俺の部隊が作れない。

そうなると迅からの頼みが達成できない。

それはまずいので、少しばかり三上の勉強を覗いてみた。

 

 

「三上、ここの問の答え間違えてるぞ。この方程式を使ってみたらどうだ」

 

「え…あ!なるほど、こっちですか。…解けました!ありがとうございます!」

 

「いや、基礎がしっかりできてるがゆえに陥りやすい問題だ。一度理解すれば、三上ならもう間違わないだろう」

 

「ねえねえ一ノ瀬さん、この問題わかる?」

 

「これは一旦こっちの文を切り離して考えると、やりやすいと思う」

 

「おお!本当だ!それにしても一ノ瀬さん勉強するとき眼鏡かけるんですね!よく似合ってます!」

 

「ありがとう宇佐美。それで小佐野、どこが分からない?」

 

「もうぜ~んぶ!」

 

「そうか、試験までまだ余裕はあるし、一つずつ基礎からやるか」

 

「ほんと!?教えてくれるの!?」

 

「ああ、だから頑張れ」

 

「よっしゃーやるぞ~!」

 

 

 

現在、真昼の部屋には三上と宇佐美と小佐野が勉強会を行っていた。

三上と宇佐美はもともとの学力が高く、基礎もしっかりできていたため、難易度の高い応用問題を真昼に教えてもらいながら解いていき、二人より少し勉強が苦手な小佐野は、全教科の基礎を固めるべく真昼がほぼ付きっ切りで教えていた。

小佐野自身、やり方のコツを掴むまでが苦手なだけでそれが分かってきてからは最低限の問題は解けるようになってきていた。

 

「真昼さんわかりやすい!初めてこんなにペンが進んだ」

 

「ね!一ノ瀬さんって高校から学校本格的に行くって聞きましたけど、進学校じゃないんですか?」

 

「色々あってな。出席率?とかなんとかが原因で進学校の方はいけないらしい。もともと将来の事を深く考えていたわけじゃないから、まあいいかと」

 

同じ学校だったら、学校でもボーダーでも毎日会えたのに…

 

三上がシュンッと俯いてはぼそりと呟く。本人は聞こえてないつもりだったようだが、意外と4人とも距離が近かったため全員に三上の発言は聞こえていた。

 

「本部に来れば基本俺はいる。進学校がどれだけなのかは知らないが、おそらくある程度なら勉強も見てやれるはずだ。いつでも会える」

 

真昼は三上の頭を優しく撫でながら励ましていた。

 

「それに、もうすぐ部隊を組むんだろ。ならここは三上の部屋でもある、ずっと会えるだろ」

 

丁寧に三上を撫でる真昼と、それを気持ちよさそうに眼を細めて受ける三上。

友人の可愛らしい変化にニヤニヤを隠せない二人だったが、あまりにも気持ちよさそうな表情をする三上を見て、羨ましいという思いが強くなっていく。

気づいたら二人も真昼に近づいては頭を突き出して待機状態になっていた。

それに気づいた真昼は思わず小さな笑みを溢すと、「順番だな」っと一人ずつ頭を撫でてあげた。

えへへ~とご満悦な声をもらし顔の筋肉という筋肉が緩みまくっている三人、なにか懐かしい気分になる真昼。

きっとこの空間には癒しのオーラ的なものが充満しているだろう。

それからしばらく撫でて撫でられての時間を過ごし、四人で勉強を再開。

日が沈む前に解散となった。

 

ちなみにその後も試験日までしっかり勉強会を行った結果、三上と宇佐美は学年で5位以内に入り、小佐野は自身の平均80点以上を達成することができ、職員室で少し騒ぎになったとか。

 

 

 

 

 

 

時と場所が変わり、ランク戦室。

日頃ボーダー隊員が鎬を削っているこのランク戦室はいつもそれなりに人が集まっているのだが、今日はそのいつもよりも多く集まっていた。

戦闘員に限らず、ランク戦に来ることは基本人探し以外ではあり得ないOPですら、今はこの場所に足を運んでは、そのランク戦が観戦できる大きなモニターに視線を奪われていた。

今、ランク戦を行っている部屋は僅か1組。使用中を表す部屋番号が二つだけ表示されていた。

別モニターに映し出されている戦闘中の人物を確認する。

そこに表示されているのは、【混合チーム】と【一ノ瀬真昼】。

10本勝負をしているのだろうそのスコアは誰がどう見ても異常なものだった。

 

混合チーム×××××○×××

一ノ瀬真昼○○○○○×○○○

 

現時点で完全に勝利が決まっているのは混合チームではなく一ノ瀬真昼というの人物。

表示されている名前からして、おそらく複数対1を行っているのだろうことは視ている人物全員が分かるだろう。

混合チームは新人隊員でやっているのかなと思った通りすがりの隊員はそのモニターに映る人物たちを見て思わず眼が飛び出るのではないかという程、大きく見開いてはモニターを凝視した。

それも当然だろう、そこに写っているのはこのボーダーの中でも屈指の実力を持つ人物たちだったのだから。

 

『『トリオン供給機関破損 緊急脱出』』

 

最後の二人が相打ちという形で最後の勝負が終わり、最終スコアは8勝1敗1分で一ノ瀬真昼が勝利した。

そしてランク戦ブースが開くと、片方の部屋から出てきたのは、このボーダーで圧倒的女性人気を誇る人物─一ノ瀬真昼と、後に一緒に部隊を結成しているらしいと噂が流れている三上歌歩が、仲良く話しながらブースから出てきた。

そして対戦相手だった隣のブースも開くとぞろぞろと隊員が出てきた。

 

「おい太刀川、お前はもう少し戦術というのを理解したらどうだ」

 

「うっせえな!お前だって東さんの部隊に入るまでは弾ごり押しの脳筋プレイだったじゃねえか!?」

 

「おい迅、予知を持つお前がなぜああも呆気なく落とされる。自慢の回避能力はどうした」

 

「いやいや聞いてよ風間さん、真昼と戦うと視える攻撃パターンが多すぎて絞れないのよ。だから基本予知しないで戦ってるからすぐザックリってわけ」

 

「嘘でしょ…このあたしが仕方なく太刀川と協力したのにああもあっさり…。冗談でしょ」

 

「元気出して桐絵ちゃん。私なんてノールックで落とされたわ。ちょっとショックで悲しかったわよ、あれ」

 

「加古も小南もよくやった方だろ。俺当てられたの一発だけだしな」

 

「やっぱり人数が多いと伝える情報をどれだけ早く絞って伝えるかが鍵ね。もう少し真昼君に詳しく教えてもらわなくちゃ」

 

その出てきた人物たちに思わずブース内がざわめき出す。

真昼と先ほどまで戦っていた人物を見れば当然の反応である。

三輪を除く東隊の面々に現アタッカーランキング1位の小南と2位の太刀川、3位の風間、玉狛所属のS級隊員である迅、誰もがこのボーダー内でトップの強さを誇っている人物であり、他の隊員たちからしたら怪物認定待ったなしの実力を持っている。

そんな人たちの混合チームから一人で8勝もしている一ノ瀬真昼という人物は一体何者なのだろうか、そんなことで今ランク戦を観戦していた新人隊員たちの話題は持ちきりである。

 

「初めてのオペレートはどうだった?」

 

「…正直難しかったです。どの情報を優先して伝えればいいのかを瞬時に見抜くのが、戦闘状況を確認しながらやらなければいけないのが苦手な印象を受けました。並列処理、というのでしょうか、出来るようになるか不安です」

 

「最初はそれでいい。むしろ、この一回でそこまで自分の課題が見つけられているのなら完璧だ。並列処理に関しては、今はまだ処理しなければいけない情報の種類とかが慣れてないからできないだけだ。誰でもなれていないことを同時進行で進めろ言われても無理だ。今回は流れを見れればそれでよかったが、三上はそれ以上の結果を出した。優秀だな」

 

「…嬉しいです、とても!」

 

「ん…。東さんこの後はどうしますか」

 

「こっちは真昼さえ良ければ反省会をしたいってまとまっているんだが、どうだ?」

 

褒められて嬉しい三上はそのままささっと真昼に近づいて頭を傾ける。ご褒美を所望しているのだろう、真昼もそれがご褒美になるとは思っていないが、頭を突き出されたのでいつも通り撫でる。

むふ~と気持ちよさそうに表情を緩める三上。そんな彼女の様子を見てなにやら衝撃を受けている小南と加古。

小南はうがぁー!と今にも二人に飛び掛かりそうなところを迅が抑え込み、加古はなにやら不気味な笑みを浮かべてはぶつぶつと呪詛のようなものをつぶやいていており、それを隣で聞いている風間はいつもの真顔が見る影もないほど口と眼をあんぐり開けて加古を見ており。、風間とは反対の位置にいる月見もまた驚愕の表情を浮かべながら加古を見ていた。二人とも恐怖のあまりか少し震えていた。

そんなカオスが後ろで繰り広げられていることなど知らない東はいつも通り落ち着いた雰囲気で真昼にこの後の流れを話していた。

 

「…大丈夫です。この人数なのでうちの部屋へどうぞ」

 

「すまん助かるよ。…ほら太刀川も二宮もいつまでいがみ合ってるんだ。後は反省会でやれよ」

 

真昼が了承したことで一同は真昼の部屋へと移動を開始した。

三上は可愛らしく真昼の右腕を抱きしめながら歩く。それに対抗心を燃やした小南は真昼の左手に抱き着いている。

歩きにくいなと思いつつも陽菜の事を思い出して絶賛ほわほわ中の真昼、そんな三人の姿を後ろで眺めては血の涙を張り付けたような笑顔で流しながら、先ほどよりも吐き出す呪詛の量が増えた加古と、その加古の変貌に恐怖し微細な振動を常時起こすバイブ人間へと成り果ててしまった風間と月見。

相変わらず言い合う太刀川と二宮、その二人をなだめる東、どんな未来が視えたのか分からないがなぜか冷や汗を流す迅。

 

こんないかれた連中に関わりたくないという意思の表れか、真昼たちを避けるように隊員たちが道を開けた結果、モーセの海割りのような光景が起きていた。

 

それから全員で真昼の部屋へと無事についた一同は反省会をした後、最近部屋に遊ぶに来る人が増えたからと色んなゲームを適当に揃えていた真昼は、みんなで楽しく過ごしたのであった。

 

 




書いているうちにみかみかのヒロイン力が溢れて戸惑う作者です。
まあ描けるキャラがまだ少ないのと、中学生の純粋さがみかみかのヒロイン力をブーストしているのだろうと自分に言い聞かせています。

主人公の強さに関しては、まあもう規格外とでも思ってもらえると!
ただちゃんと今後の戦いでは負けることもあるので安心して下さい!
その戦いがいつになるのかはわかりませんが!
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