独りにしませんいつまでも   作:残念G級

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最新話のワートリ素晴らしかった!隠岐君、君はやはりイケメンだ!


祝い

「それでは、一ノ瀬隊初代A級1を祝しまして…かんぱ~い!!」

 

「「「かんぱ~い!!」」」

 

宇佐美が見事な乾杯の音頭を取ると、真昼、三上、小佐野はグラスを掲げた。

これは先ほど行ったA級1を懸けた最終ランク戦で一ノ瀬隊が見事勝利し、初代A級1になったお祝いパーティーだ。

当初の予定では一ノ瀬隊の二人でやるはずだったこのお祝いパーティー、なぜここに小佐野と宇佐美がいるのか、それは最終ランク戦を終えたばかりへと遡る

 

最後の戦いを終えた真昼は自隊室へと転送されると換装を解く、目の前には真昼が来るのを待っていたのか眼を潤ませた三上がいた。

 

「真昼さんっ!!」

 

三上は名前を呼ぶや真昼の胸へ抱き着いた。真昼はなんとか受け止めるも不意を突かれたことでバランスを崩し、そのまま転送マットに倒れた。三上は真昼の上で、今回の勝利に対してうれし涙を流しては真昼に覆いかぶさりながらぐりぐりと頭を胸に押し付ける。その姿に真昼は笑みを溢すと優しく彼女の頭を撫でた。

 

「お疲れ様、歌歩」

 

「お疲れ様です、真昼さん!」

 

ぎゅ~っと身体を密着させる三上、その行動に彼女がどれだけ今回の一戦に想いを乗せていたかを感じて、真昼は再度勝てたことへ安堵していた。

 

「勝てたな」

 

「勝ちましたね」

 

「よくやったな」

 

「本当ですよ。たった1人(・・・・・)の戦闘部隊ですよ?こんな快挙絶対今後ないです」

 

「2人だよ。戦ってたのは歌歩もだ。戦場にいる奴だけが戦ってるわけじゃない。俺たち2人だけで勝ったんだ」

 

「うふふ、そうですね!2人で勝ちました!」

 

三上は真昼の顔を見て笑顔を向けた。それにつられて真昼もふにゃりと笑った。そのどこか幼さが残った真昼の表情を見た三上は瞳を大きく開くとキラキラと輝かせ、彼女の白い肌が紅く染まっていく。

 

「わたし、真昼さんのそういうところが好きです。一緒に戦ってるって言ってくれるの、凄い好きなんです。当たり前のように、その時欲しい言葉を言ってくれる真昼さんが凄い好き。それに…そのふにゃって溶けるように笑う笑顔も可愛くて好きです」

 

真昼の頭の横に手をついて覆いかぶさっている三上は、普段の年相応の可愛らしさとはまた違うどこか大人っぽい雰囲気を纏っていた。身長差からいつも真昼を見上げていた三上だったが、今は真昼の上にいるため普段とは違う視点になっている。

三上家では長女として3人の弟妹の面倒を見ている彼女は、その胸の奥に甘えたいという欲望がある。それは真昼と出会ってからは日ごろ彼にまっすぐぶつけていたのだが、今回は真昼に覆いかぶさり見下ろしている。それだけでも普段甘えている相手を立場が入れ替わっているような視点なのに、さらには先ほど真昼が見せた幼さの残った溶けるような笑顔は三上の姉性とも母性とも言えるそれに触れた。

それによって三上は頬を染め徐々に体を熱くさせ心なしか呼吸も浅くなっていた。

 

真昼は三上の一歳上である。お互いに学生であるため同年代の異性と話す場は多い。

ボーダーに所属する者は基本実年齢よりも落ち着いており大人に見える。

それは真昼も当てはまるのだが、彼はその境遇などから周りよりもさらに落ち着いており大人の雰囲気を纏っている。

それに加え容姿もまるで造りものか天使かのように整っている。

およそ人間を形成する上でのパラメーターを全振りしましたというような人物の真昼が、その大人っぽさよりも幼さが見える可愛らしい笑顔をしたのだ。

果たして、この三上と同じ状況になって正常でいられる者がいるだろうか。

 

「…真昼さん、わたし、もう……」

 

断じて否である。最早正常ではなくなった現在の三上は生まれて初めて発情というものをしていた。

息が荒く眼もトロンとしては真昼の唇と白い首筋を凝視していた。

真昼の頭の横に手をついていたそれはゆっくりと滑っては真昼の頭を包むように流れていった。

お互いの顔が近づく。

真昼の首筋に顔を埋めるとスンスンとまるで匂いを脳に刻むかのように肺いっぱいに嗅いだ。

 

「甘い…良い匂い。…好きな匂い」

 

一度顔を離すとはぁ~っと深く堪能する三上。完全に正気ではないその姿に真昼は若干戸惑うも、「(実害はないし、歌歩が楽しんでいるならこのままでいいか)」っと心の中で解決するとしばらくは三上のやりたいようにさせることにした。

再度顔を近づける三上。吐息が漏れる彼女の小さな唇が真昼の首へと吸い込まれていく。

チロッと真昼の首をその小さな舌で舐めた三上、その感触に思わずビクッと身体を振るわせた真昼。

 

「……かわいい」

 

そう呟いた三上はそのままその小さな口を開いてパクっと真昼の首筋に甘噛みした。

このまま食べられのでは?と思った真昼は、このあとお祝いするための買い出しをしなければいけないことを思い出し、もうそろそろ三上を止めようとしたその時だった。

 

「「真昼さん/真昼くん、A級1おめでと~!!…え」」

 

いつの間にか部屋に入っていた宇佐美と小佐野がお祝いの言葉を言いに来てくれた。

だが、タイミングが良くなかった。

二人の視界には、転送マットの上で真昼に覆いかぶさり首をかじっている三上の姿が写っていた。

明らかにあっち系の絵面に固まる二人。そしてその二人の姿を見ては正気に戻るどころか一気に顔が青ざめていく三上。

先ほどの自分の行動を思い出したり、友達二人に見られたことへの恥ずかしさでテンパった三上は冷静さを欠いていた。

 

「こ、これは…」

 

グルグルと目が回る三上。現在思考がまとまらない彼女は思いついた言葉をただ言うだけのポンコツへと変わっていた。

 

「真昼さんの首甘いからちょっと噛んでたのー!」

 

最早ハバネロなんじゃないかという程、顔を真っ赤に染めて放った言葉。

今の三上が弁明できる最大のチャンスで放ったこの言葉は果たして二人に届いたのかというと…。

 

「いやぁ、それは無理があるよ歌歩ちゃん…」

 

「かほちー…流石のあたしでもそんなにバカじゃないよ…」

 

届くわけはなく、苦笑を溢す二人を見て先ほどとは違った涙を流す三上だった。

 

それから三上はなんとか話題を逸らそうとこの後行う祝勝会パーティーを二人に泣く泣く提案し、それを大喜びで参加することを決めた宇佐美と小佐野だった。

そして4人で近くのスーパーで買い出しをしに行き、料理を真昼が、飾りを女子3人でそれぞれ担当し、ようやく現在に戻るのだった。

 

 

 

「いやぁ~それにしても改めてたった2人でA級1位ってやばいね」

 

宇佐美が自慢の眼鏡をキラっと輝かせながら言うと、グラスを両手で持っていた小佐野がうんうんと頷いた。

 

「かほちーはいつも努力しててOPの中でも超優秀だし、真昼君はそもそもの能力が最強だしでそりゃA級1位にもなるなって感じだったね。あたし観てる時も2人が勝つって確信してたもん」

 

「歌歩が完璧なサポートをしてくれたから俺も目の前の戦闘に集中できた。改めてありがとう、歌歩」

 

「い、いえ!本当にわたしはただ真昼さんの力になりたくて自分にできることをやっただけなので!真昼さんこそ、周りが敵だらけなのに最後まで戦って勝って凄いです!わたしの方こそ、A級1位にさせてくれてありがとうございます、真昼さん!」

 

改めてお互いに感謝を伝える2人。お互いを信頼しているからこそ成し遂げた今回の勝利。

それはここにいる全員が分かっていたからこそ、真昼と三上を見た二人はその光景を微笑みながら眺めていた。

 

「それでこれからも2人は隊を組んでいくの?」

 

興味本位で聞いた小佐野。それは宇佐美も興味があったのか、真昼と三上へと視線を移す。

 

「……わからない」

 

真昼の溢したその言葉に3人はただ静かにその次の言葉を待った。

 

「2人は迅を知っているか?」

 

「迅さん?うん知ってるよ。S級の人でしょ?」

 

「玉狛支部でブラックトリガー所持の迅さんですよね?アタシこの前直接話しましたよ」

 

「そうだ、サングラスを頭に掛けてるS級のやつだ。もともと俺はそいつに言われて(・・・・)この隊を創った」

 

「「言われて(・・・・)って?」」

 

真昼の言葉の意図が分からず、首を傾げる宇佐美と小佐野。

 

「これはほとんどの者が知っていることだが、迅にはその瞳に映した全ての者の未来が視えている。ありとあらゆる可能性の未来を視て、分岐する数多の未来から最善の未来へ全員を連れていこうとしている」

 

「…っ!それってつまり」

 

「そうだ。あいつは俺の未来を、そしてその先にいる全員の未来を視て、俺が部隊を組めば全員が良い未来へ進むのが視えた。俺はそれを迅に告げられ、親友のためならと協力したのが始まりだ」

 

迅のサイドエフェクトの存在はぼんやりとだが聞いたことがある宇佐美はいち早く真昼の言葉を理解して納得した。一方の小佐野は、そこまで話のスケールが読み取れなかったのか、「迅さん占い師、迅さんと真昼君は仲良し」と独自で分かりやすく解釈していく。

 

「じゃあ迅さんが部隊を解散した方が良いって言ったら解散しちゃうの?」

 

「ああ、もともと期間限定の隊というのは歌歩にも伝えていた」

 

宇佐美と小佐野は真昼の言葉を聞いて視線を三上に移すと、三上は「ちゃんと知ってるよ」と言ってゆっくり頷いた。

 

「それを承知で真昼さんにお願いしたの。だから今回のランク戦は、ある意味一つの区切りというか」

 

「なるほど…確かに部隊の区切りとしてはわかりやすくて良いよね!それじゃあ今後はチームランク戦には出ないの?」

 

「迅の判断によるところが大きいな。少なくとも次のシーズンは参加せず、防衛任務やOP訓練に集中したい」

 

「そうだ!OP訓練、真昼君が担当してくれるって言われてるのに全然してくれないじゃん!いつしてくれるの~」

 

はっと思い出した小佐野が真昼の上に乗ると肩を掴んでぐわんぐわんと揺さぶる。

それを微笑みながら受ける真昼はされるがままである。

 

「今は蓮さんがやっている基礎をしっかり身に付けるのが優先だと思ったのが1つ、それと俺個人の時間がなかなか作れなかったのもある。だからギリギリ蓮さんが回せる今はそれに甘えて、これからどんどん隊員も増えるからそれに合わせて今後の内容を先に組んだ方が良いという判断になった」

 

「…じゃあ今後はしてくれるの?」

 

「極力は俺がやろう。蓮さんには別の事でやってもらうことがあるしな。それで許してくれるか?瑠衣」

 

まっすぐに小佐野の眼を見て話す真昼。首を傾げ上に乗る小佐野を上目遣いで見る真昼に、小佐野は声の出ない反応を溢しては顔を紅く染めていく。

 

「~っ!い、良いですからその顔やめて!ズルい!」

 

「…何もしていないんだが」

 

「あはは、真昼さんもう少し自分の容姿に興味を持った方がいいですよ。その顔は女の子特攻だ!そして勉強の時にかけてくれる眼鏡を常時かけてくれればアタシ特攻にもなります!」

 

自身の手で真昼の顔を隠す赤面小佐野と、なにやら鼻息を荒くしながら眼鏡を輝かせる宇佐美。それに合わせて首がもげるのではないかという程の勢いで頷く三上。彼女たちの摩訶不思議な行動に疑問を浮かべるも、相変わらず面白い子たちだと笑う真昼だった。

 

 

「あっ、ねえね真昼さん。さっきの戦いで聞きたいことがあったんだ」

 

「ん?なんだ」

 

「さっき使ってた拳銃型のって弾はアステロイド?」

 

宇佐美がした質問は先ほどのチームランク戦で真昼が使っていた拳銃型トリガーの事だった。太刀川に使ったあのトリガーの威力、射程、弾速、どれも規格外の一言に尽きるものだったからだ。数値を調べれば、そこらのブラックトリガーと並べられるほどだろう。

それを真昼は通常のチームランク戦で使っていたから、どんな仕組みなのかを聞いているのだろう。

宇佐美はトリガー技術などに興味があり、そういった話を真昼にすることがあるので、今回もそれの延長線なのだろう。

 

一応(・・)アステロイドだな。だが、細かい部分はいじってある」

 

「ありゃ、やっぱりそうなの?」

 

「あれは俺のサイドエフェクトでトリガーを形成しているトリオンの割合を変えている」

 

「あ、そっか。詳しくは知らないけど、そういうのが出来るサイドエフェクトなんだっけ?」

 

「そうだ。【超トリオン操作・感知】と言って、トリオン体や武器などのトリオンを自由に細かく割り振れる。感知に関しても負荷はかかるが最大半径1500mまでのトリオン反応を感知することが出来るし、トリオンの質を判断してどこに誰がいるかまで分かる。」

 

真昼のサイドエフェクトの詳細を初めて聞いた宇佐美と小佐野は、そのあまりの能力に驚愕で言葉が出ないでいた。

 

「それは…強いですね」

 

「ってことはバッグワーム装備のスナイパーも意味ないってことか!真昼君さすがだね」

 

「そうだな、彼女からの贈り物だ」

 

「「贈り物?」」

 

真昼の言葉に疑問を持った宇佐美と小佐野。彼女たちの反応に、真昼はまだ話していなかったことを思い出し、妹の事を伝えた。

後に知らされる可能性はあるが、彼女たちの年齢を考慮して話す内容を絞ってだが、真昼は自分たちの過去を話した。

ボーダー創立から所属したこと、昔に事故で記憶障害があること、双子の妹がブラックトリガーになったことを。

そしてこのサイドエフェクトがもともと彼女のもので、自身は別にサイドエフェクトを持っていることも、二人に伝えた。

 

「…そうだったんですね。いや、なんとなく真昼さんは旧ボーダーのメンバーなんだろうなってのは予想出来てましたけど、まさか忍田本部長とかと一緒の創立メンバーだとは思いませんでした」

 

「俺自身その時の記憶はないがな。迅たちが言うにはそうらしい」

 

「そういえば前に興味本位で沢村さんに聞いたことがあるんですけど、ボーダーのシステム基盤も真昼さんが昔に考えたものを使っているんですか?」

 

「え!?何それ瑠衣ちゃん、アタシ知らない!」

 

小佐野の衝撃発言に大きく驚いた宇佐美は、ぎゅるんっ!っと首を真昼に向けた。

その眼鏡は輝いており、興味津々といった様子だ。

 

「それも覚えていなくてな。迅たちから聞いただけだが、まだ現玉狛支部の建物が本部だった時、俺と陽菜が考案したシステムで当時予算やトリオンなど様々な関係で実現できなかったのが使われているらしい。前に鬼怒田さんたちからその時の資料を見せてもらったが、一瞬で理解できたから記憶のどこかで身に覚えがあったんだろう」

 

「…うそ、その時真昼さんたちって年齢的に小学生でもないですよね?その時からこのボーダーの基盤を設計したなんて…天才過ぎませんか」

 

「子どもならではの発想もあったんだろう。実際の資料にゲームやアニメの名前がメモされていたからそういった世界を参考にしているところはあったんだろうな」

 

「いやいや、それでも凄すぎですよ!?」

 

宇佐美の軽快なツッコミに真昼は笑みで返した。

よくわからないが宇佐美が楽しそうにしているならよかった、と一言溢すとそれをしっかり聞こえていた宇佐美は、「うぅ…す、すぐそういうこと言う!やっぱり真昼さんズルい!」っと顔を真っ赤にしながら主張する。

みんな元気で嬉しい、と見当違いなことを思いながら笑みを溢す真昼。

 

「それにしても、なんでまた拳銃型を選んだんですか?」

 

小佐野が質問すると、真昼はそれに対してなにやら自身のスマホをいじって画面を見せてきた。

 

「前に柚宇とここでアニメ鑑賞会をしたことがあってな。このキャラの技が出来たら強そうだって言ってたから試したらできたんだ」

 

真昼が見せてきた画面には、渋いイケメンおじさんが、両手に持つ二丁拳銃で戦っているアニメの切り抜き動画が映っていた。

蒼い極太のビームを拳銃から出すその姿はまさしく先ほどの真昼そのものであり、このアニメがモデルになっているというのを納得した三人。

 

「柚宇が言うにはこれはロマンが詰まっているらしい。拳銃からビームは誰でも一度はやってみたい憧れなんだとか。だからシミュレーションルームで俺のサイドエフェクトを使って柚宇に撃たせたら大喜びしてたな。それがきっかけだ」

 

その後も、孤月を小刀形態にしたのもそのアニメが参考になっている、と珍しく楽しそうに力説する真昼。

その楽しそうな顔に三人も「男なんだなぁ…」と思っていたところで、先ほどまで静かだった三上がある違和感に気づいた。

 

「ちょっと待って下さい。真昼さん、柚宇って柚宇先輩ですか?太刀川隊OPの」

 

「そうだな、太刀川隊の国近柚宇だ」

 

「ここで遊んだって、柚宇先輩って確かスカウト組ですよね。いつまで…遊んでたんですか」

 

どこか鋭い視線を真昼に向ける三上。その彼女の話を聞いてピンときた宇佐美と小佐野もゴクリと喉を鳴らしては険しい顔を真昼へと向けた。

スカウト組とは、その名の通りボーダー隊員としての素質がある者を探しに地方へ出向くというもの。

そしてスカウトが成立した者は、三門市で暮らせるようにと、ボーダー隊員が住める寮に移るのだが、おそらくこのことが彼女たちの中で引っかかっているのだろう。

ボーダー寮というのは、基本的には防衛任務などの関係で門限というのがほぼ存在しない。そのため、やろうと思えば遅い時間まで遊ぶことが可能なのだ。

一ノ瀬隊の隊室は真昼の住居でもあるため、部屋の設備は他の隊室よりも充実している。そこには娯楽として漫画やゲームなんかも一通りそろえているのだが、三上たちが先ほどから懸念材料としている要素がそこにあった。

というのも先ほどから名前が挙がっている国近柚宇という女の子は、ボーダー内でも屈指のゲーマー女子なのである。太刀川隊が作られ隊室が与えられてからというもの、彼女は私物のゲームを隊室に持ち運んではみるみるその数は増え、一瞬にして太刀川隊の隊室は国近の楽園へと生まれ変わった。

それからというもの、次の日学校が休みの日などは決まって隊室に泊まっては徹夜でゲーム三昧している国近。

さて、ここまでくれば彼女たちがなぜ、これほど真昼に詰めているのか想像できるだろう。

 

「その日はここに泊まっていった(・・・・・・・)ぞ。寮だから帰りの心配もないし、OPの事で聞きたいこともあるからその方が都合良いと言って。なにか不味かったか?」

 

「「「…え」」」

 

真昼から投下された爆弾発言に言葉を失う三人。彼女たちのその表情は長い付き合いになった真昼でも視たことがないものだった。

どこか心配したような表情を三人に向ける真昼だったが、今の彼女たちはそれどころではなかった。

三人は部屋の隅に移動するとひそひそと話話始めた。

 

「確か、国近先輩って真昼さんにゾッコンだったよね?」

 

「う、うん。あんなに可愛くてゆるふわな女の子…それに真昼さんと同級生だった気がする」

 

「そしてボーダーの中でもトップクラスのおっぱい…あのおっぱいで迫られたらいくら真昼君でも…」

 

上から宇佐美、三上、小佐野が切羽詰まった表情を浮かべては好き放題言っている。最後の小佐野の言葉には三人が自らの胸に手を当ててはなにやらショックを受けている様子だった。

 

「ま、まさか…」

 

「真昼さんって」

 

「おっぱい…星人?!」

 

彼女たちの脳内に電撃が走り、一つの可能性が導き出された。

まさかそんなあの真昼に限って…となんとか否定しようとしても、先ほど男の子らしい彼を見てしまった三上たちはその頬を冷や汗が伝った。

 

これは本人に聞くしかない。そう覚悟を決めて三人は真昼の下へと振り向いた。

 

「おい真昼、この情報をもう少し早くまとめたいんだが、どうすりゃいいんだ?」

 

「ののさんは全部同時にやりすぎて処理速度が落ちてる。少しずらせばそのラグも消えるぞ」

 

「おお!流石だな!また頼むぜ!てか、1位おめでと!すげえじゃねえか!今度祝いにどっか奢ってやるよ!」

 

「ありがとう」

 

三人の目の前には、最近OPとして入隊した勝気な性格の美女─藤丸ののが真昼を後ろから抱き占めていた。

その真昼の頭には、彼女を彼女たらしめる二つの立派すぎる果実が乗っていった。

真昼の頭に乗りふにゅんと形が崩れるその果実を凝視する三人は、大きく口を開けた。

 

 

「「「やっぱおっぱい星人じゃん!!?」」」

 

 

突如響く三人の叫びに驚く真昼と藤丸。

この後誤解を解くのにしばらくかかったのであった。

 

 




隊室ってその隊の個性が出て素晴らしい…
ぜひ他の隊室も見せていただきたいと思う作者でした

そしてちらっと初登場ののさん!
本格的な絡みはもう少し後ですが、私の好きな女の子キャラでもあったので一旦出てもらいました!
こんな男勝りな性格の女性に憧れる作者です…あぁ、ののさんになりたい
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