英雄王成り代わりin魔法科高校の劣等生   作:海のホニョ

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ギルガメッシュ・ヨツバ・アスターナ

四葉真夜から四葉家の人間にならないかと提案され、それを承諾してから三年が経った。

 

この三年間、はっきり言うとめんどくさい事しか起こらず、我は必死に我慢をした。でなければ危うく四葉家を滅ぼしていた可能性があった。

 

まずお母様が我がお母様の隠し子と言う設定を公表したらそれはもう荒れに荒れた。分家の当主達は認めないやら、四葉家と関係している人たちは我のことを快く思わないやら、四葉家の専属魔法部隊は我のことを疑わしく思うやら。

 

流石に我慢の限界も来たため、『王の財宝』で「黙れ雑種ども」と威圧したら分家達以外は黙った。所詮はただの雑種、力に屈するしかない。

 

だが分家達は自分の魔法に自信があったのか、我に直々に決闘を申し込んだのだ。ストレス発散の目的も兼ね備えて二つ返事で了承した。

 

結果から言うと我の圧勝だった。当然である。王たるものが負けるなんてあり得ない話なのだからな。

 

しかし、負けてもなお我に「魔法の才能がない」と言うことでまだ反発しに来たのだ。流石のお母様も我同様に限界が来たのか「そろそろお辞めになりなさい」と言ったら子犬のように黙り込んだ。

 

なんとも滑稽だなと心の中で嘲笑った。

 

この揉め事だけで大体二年がかかっており、四葉家と分家達って暇なのかと思わず考えてしまった。たかが子供如子でここまで反論するだなんて果たしてどちらが子供なんだろう。

 

ちなみに最初の頃、お母様を真夜様と呼んだら「お母様にして!」と駄々こねられて強制的にお母様呼びとなった。

 

その二年間の後は四葉の人間としての説明?みたいなもの、礼儀、そしてトーク技術。こんな子供になぜこれを教えるのか疑問に思ったがお母様から、「将来必要な知識なんです」と無理やり叩き込まれた。

 

こんなものいつ使うんだと思ったがよくよく考えれば我はもはや十師族の一人。日本の魔法師のお手本に振る舞わなければいけないのだった。

 

そのみっちりな教育にを毎日、連続で受け続けたのだ。しかしギルガメッシュの部分が強過ぎたのか、未だに雑種呼ばりとかが直ってない。

 

自分でも分かるほど、性格や思考が徐々に『ギルガメッシュ』に引っ張られている。

 

元々はただの現代日本人だった我が、今や堂々と「雑種」だの「貴様」だのと発言しそうになる辺り、もう末期かもしれん。

 

だが昔と比べればマシで、十歳の時などもはや二重人格とも呼べるほどギルガメッシュと僕の部分が分かれてた。今はというと、それなりに二つの人格は溶け込んで、徐々に一つの性格へと変形している。

 

とまー、これが我が三年間で経験した出来事だった。やはりストレスがピークだったのはあの分家の人たちと話している時だった。なぜ話が通じないのか疑問に思うしかなかった。

 

と言うわけで今我がやっていることはこのクソでかい四葉本邸を歩き回ることだ。

 

なんか今日は授業休憩ですと言われ、お母様からこの家を探索したらどうかしらと言われたため歩き回っているのだ。

 

にしても本当にデカいな。ここまでデカくして意味はあるのか?やはり金持ちの思考はまだ我には早すぎるな。

 

かれこれ十分ぐらい、大体の部屋は見れた。と言ってもこれをしなくとも宝具で建物構造がわかる能力があるから別にしなくても良かったのだが。

 

そろそろお母様のとこへと帰るかと思っていたところ、自分と同い年と思われる少年少女を見かけた。

 

そしてすぐに興味が湧いた。実はあまりにも分家達がうるさ過ぎてなんか相手の情報わかる能力欲しいなって考えたら急に『全知なるや全能の星』の宝具の場所を探せれたのだ。

 

まさかのチート宝具を発見でき、それで各々の当主の魔法を知り、それの弱点となる宝具を使い、徹底的に尊厳破壊をさせた。

 

それはともかく、この宝具でこの二人を見た。そしたらあら不思議。とんでもない化け物がいるな。

 

と言うか司波達也・・・あっ!こいつがこの世界の主人公なんだな。やっぱりなろう系あるあるのチート系能力を持っているな。

 

なになに。少年の魔法は『分解』と『再成』か。ふはは!この我と並び得る魔法だな。こいつはいい道化になりそうだ。

 

では少女の方は、ふむイリヤみたいなものだな。魔法に対して圧倒的才能がある。完全調整体?まさか遺伝子レベルまでに人を変化させるとはな。『誓約』?それのせいで全力を出せない、か。

 

なるほど。そういう過去があるのか。つくづく大人、と言うより四葉家は醜いものだな。子供相手にここまで戯れ合うとはな。

 

「おいそこの雑種」

 

我のことを察知するや否や達也が突然深雪を後ろへと後退させ、戦闘形態へと入った。

 

達也って気配を感知できるはずではなかったのではないかと思ったが、よく考えたらギルガメッシュは「物陰に隠れ呼吸を止め瞑想に浸り気配遮断EX」と言うかなりふざけたスキルを持っていることを覚え、じゃー自動的に普通の気配遮断がついたんだろうと無理やり納得した。

 

「ほう。我に構えを取るとはなかなか度胸がある。雑種にしては上出来だ。だがな、」

 

そう言いながら指を鳴らし、瞬時に達也を囲む二十個の宝具を出現させた。

 

「身の程を知れ雑種。我に歯向かうなど、千年早い」

 

だがそれでも尚武器を突きつけられても戦闘状態をやめず、むしろ深雪を守れるように体を危険も分かりながら動かした。

 

なかなか根性があるな、尚更興味が湧いたな。やはりこう言う交戦的な人ほど我を楽しめさせるな。

 

「誰だお前」

 

さっきまで黙りだった達也が我に喋りかけたのだ。ふむ、何か心を変えたものがあるとでも言うのか。

 

「?ふん、よかろう。我の名はギルガメッシュ・ヨツバ・アスターナだ」

 

我の名前を言った途端、達也は即座に戦闘態勢をやめ、深くお辞儀をした。

 

「今までの無礼をお許しください、ギルガメッシュ様。気配を感じできなくあまり、深雪様への刺客だと思ってしまいました」

「何大丈夫さ。むしろガーディアンとしてそこまで主を守ろうとするその姿勢は百点だ」

「勿体なきお言葉を」

 

そのような言葉を交わし、彼が守っていた深雪の方へと向く。なるほど。完璧というに納得するほどの美貌の持ち主だな。もし『王の財宝』を解放してなければ普通に惚れていたかもな。

 

「貴様は深雪だな?あっているか?」

「は、はい」

 

うーん、これは完全に怯えているな。無理もない、さっきどこからもなく武器を召喚したのだから。人間は未知なものにあったら精神が不安定になってしまう。

 

「なかなかの美しさを持っているな。まさに『至宝』と称しても過言ではない」

 

・・・やべー!なに女性にそんなこと言っちゃってるの『僕』!え、え!?確かにギルガメッシュ部分は大きくなっているが別にそんなことを平気で言えるほど侵食されてないよ!!?

 

「・・・え?な、なにを・・・いきなり・・・」

 

ほら深雪さんも驚愕しちゃってるよ!?こんなやつキモいよね。うん、わかるよ!

 

「その瞳、実に良い。むしろ良すぎる。雑種の中にこのような宝石が眠っていたとはな」

 

はい、完全に人生終了のお知らせー!なんで体がいい通りにきかないんだよ!今までギルガメッシュ成り切りしていた罰か!?

 

「え、えーと、その」

 

見てくださいよ。僕がキモすぎるあまり下向いちゃったじゃないか!!やべー!どうしよう。

 

そんなことを思っていると、僕の携帯から電話が来たのだ。

 

「なんだ、お母さー「ギルちゃん!早く私の部屋に来て!もう十分も過ぎてるわ!!」え?」

 

時間を見ればあらなんと、達也と深雪の相手をしていたせいで約束していた時間より遅刻してしまった。

 

「わ、わかったってお母様。ちょっと四葉の人たちと交流していただけだよ」

「本当かしら?まっ、どちらでも良いわ。とりあえず早く来て頂戴」

 

なんかお母様自分が養子になってから距離感おかしくないか?いくらあのトラウマを抱えているからって息子との距離はちゃんと取るべきだと思うのですが。

 

「「・・・・」」

 

達也と深雪、両方とも黙ってしまった。わかるよ。恐れられているあの四葉の当主がこんな親バカだなんて幻滅するしかないよな。

 

「とまー、お母様からのお呼びがあるからこれで帰らせてもらう。達也、貴様とは良き友になれる気がする。そして深雪、その名、そしてその美貌、我はしかと記憶した。お前のような者を見過ごすなど、我の名は廃る」

 

なんか最後の最後でクソキモコメント残して我は去った。くそ、なんでこう言う時にギルガメッシュ部分が強く出てくるんだよ!

 

だがこの時の我は知らなかった。深雪の頬が赤く染まっていたことに・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来ましたよ、お母様」

「ギルちゃん〜!」

 

部屋に到着するや否や、お母様はすぐさま我のところへとダイブし、ハグしてきたのだ。

 

やはり距離感がおかしい。なぜ我の母より距離が近いのか意味がわからない。

 

「なんで十分も遅れたのかしら?」

「えーと、とある兄妹と会ってな。しばらく雑談していたら遅刻していただけだ」

「あら、姉さんの子供と会ったのね」

 

うわ。なんでお母様その文章だけでわかったんだ?いくら兄妹と言う括りがあっても黒羽家のキョウダイだっているのに。

 

やはり当主は当主。勘とかそう言う系のものには長けているのか。

 

「それではお母様、我に話したいと言うことはなんですか?」

「えー、そうでしたわ。どうぞお座りなさい」

 

と、ついに本題へと移ろうとした。いやお母様、あんたが我を呼んできたんじゃないか。なんで我が要件を覚えさせてるんだ。

 

「コホン。実は黒羽家当主の黒羽貢さんが沖縄でパーティーを開催する予定でして、四葉家にもその招待状が届いているのです」

「ほぉ」

 

ふん、黒羽貢か。唯一我のことを最初から認めた分家の当主か。個人的には我も頼りにしているし、イリヤからの情報によると優しい性格らしいからな。

 

「ですがわかる通り、『四葉』として出席できる人は限りなく少ないのです。姉さんも今は『司波』として参加予定なので」

「で、我がそのパーティーを『四葉』として参加して欲しいと、」

「察しが良くて助かります」

 

こんなの少し考えればわかるものだ。この世界に『四葉』の名を持っているのは我とお母様だけであり、お母様は当主として忙しい身分。なら必然的に我が行かないといけない。

 

「ではギルちゃんは八月四日に沖縄に行く予定なので、今から支度などをして欲しいわ」

「はい、はー」

 

ん、待てよ?八月四日。今日は八月二日。・・・はぁ???!!!

 

「お母様!なぜ二日前に知らせるのですか?!こう言うのは普通一週間前に告知するもんだぞ!!」

「あら、そうなの?マナー講座に苦戦していたギルちゃんと見てたらなかなか声を変えられなくて。ごめんね?」

 

と、お母様はニコニコと笑いながら我の問いに答えたのだ。やはりこの女、魔女だろ。いや、魔女だ。断言できる。

 

「今失礼なこと考えていませんでしたか?」

「イ、イヤ。キノセイダトオモイマス、オカアサマ」

 

つい敬語になってしまった。やはり勘が鋭いなお母様。いつかこのせいでめんどくさいことが起こりそうだ。ちなみに今んところめんどくさいことになりそうだなと予感しているものは全て百発百中だ。

 

「・・・・そうしときましょう。それではギルちゃんどうか沖縄を楽しんでくださいね」

「当然だろ。我の妹のイリヤがいるから楽しいに決まってんだろ」

「ふふ、それもそうですね。詳細は今日の夜に送りますのでそれをご覧に。ではさようなら、ギルちゃん」

「ああ、さようならお母様」

 

それを言い、お母様からの部屋を出た。何か面白いことが起こりそうだな、沖縄で。ハハハ!!

 

と、その前に早く支度をせねば。使用人たちに迷惑をかけてしまう。

 




読んでいただきありがとうございます!

追憶編に関しては一話か二話で完結する予定です。

いよいよ原作開始になりますね!

ヒロイン投票では、

一位ー深雪
二位ーリーナ
三位ー雫です

ほぼこの3人で確定だと思います。でもまだ投票は終わってないのでどうなるかわかりませんね!

ヒロイン誰にした方がいいですか?

  • 司波深雪
  • 北山雫
  • 千葉エリカ
  • 七草真由美
  • 中条あずさ
  • アンジェリーナ
  • その他キャラ(感想へ)
  • オリヒロ
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