呪いの女帝 両面宿儺   作:ジャズ

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気づけばもう10話……
連載開始から1週間でお気に入り数も1,500超え、UAも40,000超えしておりました。
本当にありがとうございます。これからも何卒よろしくお願いします。


第十話

 交流会の最中、想定外の侵入者を撃退した高専側だったが、しかし教師陣は重苦しい空気に包まれていた。まず犠牲者が発生してしまった点。彼らはどうやら、真人によって殺害されたものと見られている。そして高専の忌避庫に保管されていた特級呪物が盗まれた点。

 だがそれ以上に問題だったのは、呪いの女帝である両面宿儺が表に出たと言う点である。しかもよりにもよって、一級術師で相当の手練とはいえ生徒の前で顕現したと言うのだから、その危険度はかなりのものだ。

 しかし実際にそれを目の当たりにした東堂の報告によれば、宿儺は自ら術式を行使して侵入者の特級呪霊を祓ってしまったと言うのだ。それに加えて東堂は「あの方は最高の師匠だ」などと言ってしまったものだから教師陣が困惑してしまうのも無理はない。それだけでなく、宿儺はその後負傷した学生達を家入と手分けし反転術式を行使して治療したと言うのだ(尚、反転術式の出力が家入と段違いで「伊達に1,000年生きてる術師は違うね」と言いつつも少し落ち込んでいたのは別の話)。

 

 一先ずは学生が無事であったことを喜ぼうと言うことで話は落ち着き、交流会の続行の是非は五条悟の進言で生徒達の意向を尊重することとなった。

 

「いやー、伏黒の怪我が大したことなくてよかったな!」

 

 伏黒の病室で呑気にピザを頬張る一年三人衆。虎杖の内側で宿儺が「またお前達そんな体に悪いものを食いおって……!」と歯軋りしていたのだが、これ以上表に出ればややこしくなりそうな予感がしていたので我慢していた。

 

「虎杖、俺はお前をすぐに追い越すぞ」

 

 黒閃を経てレベルが上がった虎杖の様子を感じ取った伏黒は、虎杖の目をまっすぐ見据えてそう告げた。

 

「ハハっ、伏黒は相変わらずだな!」

 

「私抜きで話進めてんじゃねーよ」

 

 やる気を見せた一年に「可愛い奴らだ」と感動しかけた宿儺だったが、

 

「それでこそブラザーの友達だな」

 

 と突然現れた東堂に意識を全て持っていかれた。その後、虎杖と東堂の謎の追いかけっこが始まった。

 

 交流会は結局、東堂の一声を皮切りに生徒の意向もあって継続されることになった。しかしルーティンを嫌う五条が細工したことで交流会の競技は野球となった。宿儺は「やきゅう……???」と頭に?マークを浮かべて首を傾げていたが、運動場でいざ競技が始まると容量を得て「ほほう?」と興味深そうに見つめる。流石に外野の西宮が術式を使ってフライを空中でキャッチしたのを見た時は笑い転げていたが。

 学生達が楽しそうに野球をやっているのを見て、生前に子供達が庭で手鞠を飛ばして遊んでいるのを思い出した宿儺。叶うのならばこの子達が揃って来年も野球をやっている姿を見たいものだと願う彼女であった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 一方、高専に潜入する任務の結果、目的のものを得られた代わりに大切な仲間を1人失った特級呪霊達。穏やかな海の浜辺の領域内で彼らは悲壮感に包まれていた。

 

「まさか、宿儺が自ら出てくるとはね。いやはや全く予想外だ」

 

 全くもって感情のこもっていない声で呟く男の名は夏油傑……と、呼ばれていた男。額には謎の縫い目がある以外は夏油傑本人なのだが、彼は昨年に起きたとある事件ですでに死んでいることになっている。

 

 彼は花御の死に悲嘆に暮れる特級呪霊達を横目に、今回の件で予想外だった宿儺の動きについて面白いものを見たとばかりにくっくっと笑う。

 

「私のプランに大きく影響を及ぼすほどでは無いが……しかし、君はいつだって私のことを引っ掻き回してくれるね。これだから君との付き合いは楽しくってやめられないよ」

 

 柄にもなく「あっはっは」と高笑いする夏油。

 

「場合によっては、獄門疆で封印するのを彼女にする可能性も……いや、それは無いな。五条悟の無力化が最優先だ、彼女のことは……ま、その都度アドリブで対応すればいいか。いやしかし、身から出た錆とはこのことか」

 

 顎に手を当てながら1人ぶつぶつと呟く夏油。脳内であらゆる状況の発生を想定し、自分が綿密に練った計画の行く末を考える。

 

「まずは何にしても……10月31日渋谷、そこで宿儺を刺激して何かしら暴れてもらう。彼女の性格からして大暴れはしないだろうけれど、そうせざるを得ない状況をこちらで作り出す。彼女が渋谷を破壊すれば、それによって……」

 

 「おっと、喋りすぎたね」とそこで彼は口を噤んだ。

 

「まあ何にせよ、花御が死んだことで私の計画が大きく変わることはない。宿儺が作り出す混沌……見てみたいものだねえ」

 

 指先で今回高専から盗み出した宿儺の指を転がしながら、夏油は邪な笑みを浮かべながらそう呟いた。

 




読了ありがとうございます。
今回少し短かったかもしれません……申し訳ありません。

あと、そろそろ第一章も終わりに近づいてきましたが、じゅじゅさんぽ的な小話も挟んでいきたいなと考えております。そこで皆さんに、今作の宿儺で見てみたいシチュエーションについてアンケートを実施したいと考えております。期間はじゅじゅさんぽのお話の作成を始めるまで(おおよそ1週間程度)を予定しております。よろしくお願いします。

では今回も最後までありがとうございました。

幕間でみたい話

  • 女教師宿儺パロ
  • 虎杖と一緒に漫喫でジ◯ンプを読み漁る宿儺
  • 宿儺が野薔薇と一緒にスイーツ巡り
  • 本作の宿儺マテリアル
  • 宿儺の1日in虎杖
  • 1日外出録スクナ
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