呪いの女帝 両面宿儺   作:ジャズ

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気づけば早いものでもう11話……ここまで続いたのも皆様の応援あってこそです。本当にありがとうございます。



第十一話

 交流会が終わってから1年の3人に新たな任務が与えられた。車で現場まで移動する3人は、手渡されたタブレット端末から事件の概要と被害者の素性を確認して行く。

 被害者は3人、殺害された場所はバラバラだが“玄関の自動ドアが開かない”という状況で殺された点が共通している。さらに3人とも昔同じ中学校に在籍していたという点から、彼らが同じ時期に呪われそれが今になって発動したという可能性が浮上。虎杖たちは今からその知人に昔何があったのか話を聞きに行くことになった。

 資料を虎杖の内からぼーっと眺めていた宿儺はあることに気づく。中学時代にかけられた彼らの呪いが現代になってようやく発動したことに違和感を持った彼女は、最初の犠牲者の日付に注目すると6月となっていた。

“6月”……これは彼女が虎杖悠仁の身体に受肉したタイミング。

 

(おそらく、偶然ではないだろうな……)

 

 もしかすると、少年院の時のように宿儺の指を取り込んだ呪霊が宿儺が受肉したことで呼応するように目覚めてしまったのだろう。無論、現時点では何も断定はできない上、仮にそれが事実だとすれば虎杖や伏黒に余計な精神的負担を強いかねないので敢えてそれは黙っておくことにした。

 

「悠仁よ」

 

 しかし、これだけは伝えておこうと虎杖の頬に口を生やす。

 

「今回の任務、想像以上に面倒かもしれん」

 

 心してかかれよ、とだけ言い残して宿儺は虎杖の中に引っ込んでいった。彼女自ら警告してきたことに一瞬困惑する虎杖たちだったが、その後話を聞きにいった被害者の共通の知人がすでに呪殺されていたことを目撃した彼らは宿儺の警告が現実味を浴びて来たことを実感し気を引き締める。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 その後、被害者達が昔通っていた中学校に向かい事情を聞きにいった虎杖たち。伏黒恵の母校でもある学校であったために彼の意外な中学時代に虎杖たちが驚くという一幕もあったが、事件の鍵が八十八橋にあることを知り、現場に向かった。

 現場から漂う濃密な呪力の気配に、宿儺は思わず「ビンゴ」と呟く。最近ようやく現代の言葉を覚え始めた彼女は無意識に出た現代語に思わず自分自身に驚くが一旦その思考は捨て置き、感じ取られた呪いの気配に意識を向ける。少年院の時に漂っていたものと非常に似通っているその気配は、ここに宿儺の指が存在することを確かに感じさせた。

 しかし彼女はそれも敢えて伝えない。見たいのだ、虎杖たちがその困難をどのようにして乗り越えるのかを。そしてこれを乗り越えた暁には、3人とも次のステージに進んでいるイメージが宿儺の中に浮かび上がっていた。

 

 一方、中学で聞いた話からどうやら寝たきりになった自分の姉も同様の呪いをかけられている可能性を感じた伏黒は、今すぐにでもこの呪いを祓わなければ姉の命が危ないために焦りを感じ、1人で八十八橋の下にやって来ていた。しかしそれを背後から追いかけていた虎杖たち。「俺たちを頼れ」という虎杖の言葉に折れた伏黒は3人でこの呪いに立ち向かう決意を固めた。

 

 八十八橋の呪いは少年院のような未完成の領域となっている。そこに入るためには必要な手順を踏まなければならない。“夜に”“下から”“川があればそこを渡る”、これらの手順を踏むことで、ようやく呪いの正体である領域の中へと足を踏み込んだ虎杖たち。

 

 待ち受けていたのは、やはり必中効果の付与されていない未完成の領域。ケタケタと不気味な笑い声を上げるモグラのような呪霊の姿に、釘崎は「祓い甲斐がありそうね」と不敵な笑みで獲物の釘とトンカチを取り出す。しかしそこへ突如として乱入者が出現した。

 深緑の身体に猫背気味の体躯。しかし何より特徴的なのは、もはやただの孔と化した人の顔の下に大きく開く口。正に“異形”と呼ぶに相応しい得体の知れない何かがそこにいた。

 

「伏黒、こいつ別件だよな?」

 

「ああ」

 

 明らかに場違いなその気配を感じ取った虎杖が伏黒に問いかける。

 

「なら伏黒と釘崎はそっち集中しろ。この呪いは……」

 

「……俺が祓う!」

 

 自分が目の前の呪霊に対処することを告げ、両手に呪力を込めて戦闘態勢に入る虎杖。

 

「なんだぁ?遊んでくれるのか?キエエエエ……」

 

「呪霊ではないな……呪物が人間に受肉したタイプだ。気張れよ、悠仁」

 

 その気配から相手が呪霊ではなく受肉体であることを見抜いた宿儺。どうあれ祓うのであれば結果として殺害することになる虎杖に告げ、それに対して彼も「押忍!」と威勢よく応える。

 

(さてと……魅せてもらおうか、悠仁たちよ)

 

 呪いの女帝は自らの領域内で、これから始まる虎杖たちの活躍に期待の眼差しを向けながら身を乗り出して見物を始めた。

 

 




読了ありがとうございます。
アンケートの方もご協力感謝です。今の所の予定では早ければ来週ごろにじゅじゅさんぽ小話を作成予定ですので、アンケートもそちらのタイミングで締めさせていただきます。

あと、そろそろR18の第二話も作成を考えております。そちらもアンケートを集計しておりますので、皆様のみたい宿儺についてぜひご回答お願い致します。

幕間でみたい話

  • 女教師宿儺パロ
  • 虎杖と一緒に漫喫でジ◯ンプを読み漁る宿儺
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