オレとボクのキセキ   作:SGMY

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知る人しか知らない東方創凶録のリメイクっぽいなにかであります


始まりはいつも突然に

 

ーーー西暦◯◯年??月✕✕日ーーー

 

この広大な宇宙に数多くあるとされる星の集まり、銀河と呼ばれている星の渦。その銀河の一つである天の川銀河。その銀河の中にある太陽と呼ばれる光を放っている星を中心に回り続ける複数の星。その中の青き水の惑星「地球」と呼ばれている星の周りを周回する「月」。その月の上で今、争いが起こっていた。

 

 

 

「第一次月面戦争」

 

 

 

それはその後も一部の者達しか知らない大きな戦争。穢れを糧にする「妖怪」と穢れを嫌う月に住む「存在」との争い。それは互いに大きな損害を出していた。

今回の戦争を起こした存在、八雲紫は恐怖した。まだ早すぎたと自身の詰めが甘かったと後悔した。

 

「月の住人がここまで強いだなんて…!」

 

数は圧倒的に妖怪のほうが多かった。しかし月の都の軍には恐ろしい武器があった。その武器は妖怪をいとも容易く消し去っていった。

多くの妖怪が、それも強大な力を持っていた者達が次々に消えていく。その光景に八雲紫は唇を噛み締めて結末を見届けるしかなかった。

 

 

 

 

 

同時刻、月の都の指揮官の近くにいた姉妹、綿月姉妹はこの光景に勝利を確信していた。月の技術により穢れを払い、妖怪をいとも容易く消し去るその武器の数々。一部では妖怪達が逃げ惑っているなどの情報もある。勝ちは確定的だったのだ

 

「妖怪達も残り僅かだな」

「はい、もう時期終結するかと…」

 

綿月姉妹の姉の綿月豊姫は指揮官に告げる。指揮官も頷き最後の一押しと残りの兵士も前へと出そうとした時だった。

綿月姉妹の妹の綿月依姫は「何か」を感じ星の海を見上げた。

 

「あれは…え?」

「依姫?」

 

依姫の視線を追った先を見ると星とは違う一際輝く渦とそこから何かが顔を出し、今にも這い出ようとしていた。

 

「!!?総員警戒配備!」

 

指揮官は素早く指揮を飛ばした。それと同時に渦から黒い靄のような何かと小さな何かが月面の戦場に落ち粉塵が巻き上がる。

落ちた何かに気を取られていると粉塵の中から何かが飛び出してきた。それは依姫の隣を通り、都の外壁へとぶつかった。

 

「何者!!?」

 

それは地上の人間だった。長く戦っていたのか体はボロボロで気を失っているのか動こうとしなかった。

穢れた地上の民が月の都の近くまで来ていることが耐えきれない指揮官は武器を取りその人間へと近付きトドメを刺そうと武器を振り上げた。

 

「………くれたなこの……」

 

微かに声が聞こえ、その者にまだ意識があることがわかった。指揮官が近づくと彼は指揮官を睨み付ける。その目に殺意は感じないが何かを感じた。邪魔をするな、口を動かしていないのにその言葉が聞こえる。

 

彼に気を取られていると戦場で悲鳴が上がった。振り返ると妖怪が黒い靄から出る1本の触手のような何かで貫かれ、黒い靄に取り込まれていた。どうやら「アレ」は妖怪側のものではないらしい。

 

「ヤバい()()()()!」

 

 

食われた?その事に依姫達は疑問を抱いた。取り込まれたわけではなく食われたと。あれは食事行為ではない?

 

「これ以上食わせるかっ!!」

 

彼は壁を蹴ってその黒い靄へと跳んだ。その間に黒い靄はその近くにいた妖怪達を全て食らった。

妖怪がいなくなる。それだけであればこちらとしては嬉しいところだが周りに妖怪がいなくなると黒い靄は月の兵士に手を出した。

 

「まずい!」

 

指揮官は走り出し姉妹も遅れて彼らの後を追った。

 

 

 ◇

 

黒い靄は近くにいた月の兵士と妖怪を全て喰らい尽くした。

彼は地面を蹴り高く跳び剣を何処からともなく出して黒い靄へと斬りかかる。だが黒い靄はその長い触手で剣を受け止め、新たに触手を出して反撃する。

 

「逃さねぇぞ!」

「!!!!」

 

声のような何かを発す靄は彼へと襲いかかる。だが無数の刃が靄と彼を包む。

 

「そこまでです」

 

指揮官に命じられた依姫はその身に宿る能力を使って靄と彼の身動きを封じた。だがそれは悪手だった。彼は依姫へと叫んだ。

 

「コイツに能力を見せるな!!」

「「は?」」

 

姉妹は彼の言葉を理解できずにいた。続いて黒い靄に斬りかかる何かが現れた。それは月の兵士に指揮をしていた者だ。指揮官が飛び上がったのと同時に黒い靄は自身を閉じ込める刃を食らった。

 

「なっ!?」

「やられた!」

 

依姫は自身の能力で出したその刃は神々の力が宿りし刃、普通の妖怪では壊せないもののはずだった。だが黒い靄はそれを瞬時に破壊した。彼も刃の檻を破壊し近くにいた依姫を抱えて後ろへと跳んだ。依姫は突然のことに驚き彼から解放されようと暴れる。だが彼は離さない。

指揮官が黒い靄にその刃を振り下ろそうとした時だった。黒い靄は全身から無数の刃を突き出し指揮官を貫いた。

 

「まだ成長するか…!」

 

刃で体を貫かれ身動きができない指揮官は黒い靄に取り込まれた。いや彼が言う通りであれば食われたのだ。

妹の心配をした姉の豊姫は能力を使用して依姫の近くへと跳ぶ。

 

「貴方は何者ですか」

 

依姫の問いに彼は答えず無謀にも黒い靄へと突っ込む。

 

「依姫、あの黒い靄はいったいなに?」

「わかりません。生き物なのかすらわかりませんでした」

 

彼は黒い靄の攻撃を避けながら進み黒い靄へと触れた。

 

「お前はっ!なんなんだっ!!」

 

そう言うと触れた手を斬られ、至近距離から無数のビームを撃ち込まれた。ビームを撃ちながら黒い靄は跳び上がり、彼へと止めを刺そうとした。だが彼もまた虚空から無数のビームを発射し黒い靄を貫いた。倒れる黒い靄から距離を取り、様子を見ていると彼らの上空の空間が割れた。

 

「空間が割れた!?」

 

割れた空間の先から鎖のようなものが黒い靄へと伸びた。黒い靄は鎖に引っ張られて割れた空間へと引きずり込まれた。それを追おうとした彼は空間の先から何者かに攻撃されて月面へと叩き付けられた。

 

 

 

 

そしてイレギュラーの参加があったが第一次月面戦争は月の都の勝利で終わった。妖怪達も自らの敗北を覚えた。あの黒い靄の正体はなんだったのか、そして彼はなんなのか。誰もまだ知らない。

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