The Reminiscene of Exellia ver.SS   作:ho9tocraft222

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#4「凡才の聖王・その1」

 「最果ての聖王よ、アホであれ」…。誰かしらはそう言ったようだが、実際の所アホなのは自覚している。金銭感覚が終わっているのは理解しているし、資金繰りを考えるのは基本的に他人に任せてさえいる。

 だが、だからといって、考えないという選択は取っていない。考えはするが、その結果として収支マイナスになる、ということだ。

 とはいえ、何と言うべきか…。宙準星の力は、今の状況では使いづらいのだ。

 子供を抱えた以上、彼らのためにも生きる必要がある。生なくして、子孫の面倒を見ることなど叶わないのだ。この身に燻る残り火は私で押しとどめながら…。

 しかし、セリーヌには強くその形質が出てしまっている。それ故か、“碧天の騎神”と言われた先代が召喚獣となったものが、彼女に宿っている。

 セリーヌは、召喚獣の力を何と捉えているのだろうか。

 

 私は、休日のある日、セリーヌに話しかけた。

「セリーヌ。ちょっといいかな?」

「どうしたの、お母さん?」

訊き返してくるセリーヌの手に、私はそっと魔力を流す。碧天の騎神は、セリーヌの身体を蝕むことなく定着しているようだ。しかし、なぜ石化していない…?感情にまかせて顕現したこともあるのに、なぜ…?

 …クライヴにも訊かなければならないようだ。

「…セリーヌ、召喚獣の力を無理に使っているね?」

「いや全然…?私、そこまでバカじゃないよ?」

分かっているが、そう言うしかなかった。

 続けて、私はクライヴにも声をかけ、セリーヌの状態を見てもらった。

「…石化の負担がない、ということは…アルテマが求める“器”なのではないか?」

と彼は言った。まさか、そこまでのものまで継承されているとは…。

『いや、彼女は我が器になり得ないぞ』

そんな声と共に、私の肩に小さなアルテマ・プライムが出現する。

「アルテマ…!?」

『無理なもんは無理だ、としか、我の視点では言えぬ。彼女は、“碧天の騎神”の力を、ミュトスと同様に“身体の一部”として取り扱えるだけで、それ以上に秀でたものはない。

 彼女にとって、我という存在は重荷にすらなり得る。故に、無理と言わせてもらおう』

彼はそう言って、未だ幼いセリーヌの頭の上に座る。

 人形のように掴まれ、ふにふにされるアルテマだったが、やはりというか、人ではないからか、無表情だった。

「なんで反抗しないんだ?」

『反抗してもいいが、それよりされるがままのほうがこいつも納得するだろう』

…どうやら、彼なりの目論見があるようだ。

 

 この世界には、蛮神や、召喚獣の力が存在する。

 妖精としても存在するイフリートだが、アルテマが齎した召喚獣の理に則ったものも存在するのだ。それを宿したドミナントは、クライヴ・ロズフィールド。

 対して、私は、アルテマが齎した召喚獣ではない、まったく別の視座によって生じたドミナントだ。アイザック―――『財団』による改造もあったが、それ以上に…、私は、己の内に飼っている力故にドミナントとなっていた。

 珖焔の召喚獣、コズミック・クェーサー。不死鳥フェニックスの力を得ることで、より高みに至った姿へと変じることができるほどの力。

 光と炎、ふたつの属性を秘めた『召喚獣』は、存在しうる『蛮神』と違って、アルテマが言うには「存在し得ない」という。

 しかし、現に私は珖焔の召喚獣、コズミック・クェーサーのドミナントだ。

 この身がいくら凡才であったとしても、それだけは揺るがない。

 

「エクセリア」

そうこうしていると、エメリーヌ…冒険者ギルド《暗魂の暁》のギルドマスターが、私に声をかけてきた。

「第4ドックに、ムサシが着いたわ。…時代は変わったわね…」

「そうか?…私としては、まだまだこれからだと思うのだが」

ムサシ―――超戦艦ヤマト型の2番艦は、こことヴァルマーレという島国、そして魔大陸アジス・ラーを繋ぐ重要なインフラと化している。

 この世界に、彼の世界にあるであろう『ナノマテリアル』なんてものはないが、それに比肩しうる素材が使われた結果、飛行が可能で、バリアが張れるという結果を生み出したのだ。

 さて、出迎えにでも行くとするか…。

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