バカと人間とオルフェノク   作:成龍

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第24話 看病と勘違いと罪悪感

明久Side

 

翌日

 

痛みで目を覚ました明久

 

「うぐぅっ…痛あっ…結花さん!?」

 

周りを見渡すと

源二は椅子に腰掛けて

結花は明久のベッドに

もたれるように眠っていた

 

二人共…

看病してくれたんだね…

それにしても…悲しい夢だったな…

んっ?夢に優子さんが現れて

あんな夢見ただけでこんなに

悲しい気分になるなんて…

優子さんとはまだそんなに

長くは過ごしてないのにな…

なんでこんなに悲しいんだろう?

とにかく学校に…

 

「ぐっ…痛あっ」

 

起き上がろうとする明久に激痛が走る

 

「…ん~?明久起きたのかい?

って起きちゃダメだ明久…」

 

「明久君?起きたん…

って寝ててください!まだダメです!」

 

「うぅっ…僕は大丈夫

だ…からドタン うぐぅっ」

 

「どこが大丈夫だ?

今倒れたじゃないか!

それにそんな苦しそうな顔で

学校まで歩いてたらと目立つし

遅刻するぞ!?今日は休め!

結花さん今しばらくは休むんだろ?」

 

「はい…1週間は休もうと思ってます。」

 

「えっ!?でもそしたら学校が…

振り分け試験も近いのに……」

 

「それにオルフェノクの力にも

慣れてないですし…」

 

「そ…そっか…」

 

「そうか…じゃあ結花さん

明久を頼んだ!」

 

「はい!源二君は学校に行くんですね」

 

「ああ…とりあえず

着替えたらすぐに出る」

 

 

「明久水持ってきたぞ」

 

「ありがとう源二」ゴクゴク

 

「じゃあ行ってくる」

 

「行ってらっしゃい源二君」

 

「気を付けてね」

 

「明久君…

さっきスゴい飲みっプリでしたけど

まだ喉乾いてるんじゃないですか?」

 

「アハハ…良く分かったね…

うん…飲み足りないかな…」

 

「明久君はケガ人ですから

遠慮しないでください!

おかわり入れてきますね」

 

「うん!ごめんね!?ありがとう」

 

結花さんってちゃんと気遣いも出来て

あの二人とは全然違うね…

なんであの二人と仲良いんだろう?

それになんであの人達は…結花さんを

信じてあげなかったんだろう…

 

「持ってきました!

後でポ〇リとかも買ってきますね!」

 

「ありがとね!」

 

「また何かあったら呼んでくださいね?

ケガ人は遠慮しちゃダメですよ?

あと今日はゲームとかしないで

寝ててください!」

 

「ええっ?そんなぁっ…って痛い!?」

 

「ほらちょっと起きただけで

痛いんでしょ?

今日はゲームはダメです!」ニコ

 

なんだろう…ちょっと

ドキッとしてしまった…

なんか…結花さんには

お母さんになって欲しい

それになんか結花さん楽しそうだね

 

「なんか…結花さんは将来

良いお母さんになれるね!」

 

「//な…なんですか突然?//

もう…早く寝ててください」

 

「アハハ…分かったよ…」苦笑

 

明久SideOut

 

優子Side

 

優子と秀吉は学校に向かっていた

 

もう…あんな夢見たくない…

あの時だって…

明久君が目を覚まさなくて

いついなくなっても

おかしくない状況で…

ずっとアタシのせいで

明久君がいなくなってしまうとか

考えて…苦しかったのに…

2週間前に突然病院からいなくなって…

ずっと不安だった…

もしかしたら…

今度は遺体にすら

会えなくなるんじゃないかって

怖くて不安だったのに…

夢で見た明久君は

途中聞き取れなかったけど

またアタシの前から

いなくなろうとしてた…

夢なのに…やけにリアルだった…

怖い…もういなくならないで…

 

「姉上…大丈夫かの?」

 

昨日の寝言を聞いていた秀吉は

ちょっと悲しみを交えながら

心配そうに優子を覗き込んで

聞いてきた

 

なんでこんなに

悲しそうな顔してるの?

 

「だ…大丈夫よ…

ちょっと昨日嫌な夢見て…

思い出しちゃっただけなの…」

 

「…そうかの…ならいいんじゃが」

 

「秀吉に優子おはよう!うぐっ

あんまり大声出すと響くな ボソッ

足大丈夫か?」

 

「雄君あんま無茶しないでよ…

おはよう!」

 

「おはようなのじゃ!」

 

「雄二君、啓太郎君…おはよう…

大丈夫よ…それよりなんか辛そうね…」

 

「ああ…ちょっと昨日の奴に

脇腹をやられてな」

 

そういえば昨日の

助けてくれたオルフェノク…

どうなったの?

 

「そういえば昨日のオルフェノク?

どうなったの?」

 

優子SideOut

 

秀吉Side

 

「ああ…ちょっと昨日の奴に

脇腹をやられてな」

 

昨日脇腹を?あの昔は悪鬼羅刹とか

呼ばれていた雄二がか?

 

「そういえば昨日のオルフェノク?

どうなったの?」

 

なんで雄二に聞くんじゃ?

雄二は知っておるのかの?

 

「仕留められなかった…

アイツ今までのより強かった」

 

強かった?何を言っておるんじゃ?

人間が勝てるはずなかろう…

 

「良かった…ダメよ!?

あのオルフェノクは

アタシ達を助けてくれたの

アタシ達に

襲いかかってきたオルフェノクは…

あの馬みたいな

オルフェノクが倒してくれたの!

逃がそうともしてくれた…

だから倒さないで…」

 

「えっ…そうなの優子さん?」

 

「はぁ?なんだとっ?」

 

はっ!?まさか昨日バイクで

明久に突っ込んでいった黒い奴は…雄二?

 

秀吉SideOut

 

雄二Side

 

マジかよ…

源二みたいなオルフェノクが

他にもいたっていうのか?

それは…アイツに

悪いことしちまった…クソッ

 

「本当なの!だから倒さないで!?」

 

「そうか…悪いことしちまったな…

多分アイツは死んではいないだろうが

結構なケガはしてるかもしれん…」

 

「それ本当?」

 

「雄二…昨日の黒い奴は…お主なのか?」

 

なんでこんな複雑そうな表情で

聞いてくるんだ?

 

「あっ!?ああ…そうだが…」

 

そういえばまだ秀吉の前で

変身した事無かったな

 

「そうか…」

 

「秀ちゃん…どうかしたの?」

 

「なんでも無いのじゃ…」

 

「?」

 

雄二SideOut

 

秀吉Side

 

まさか昨日の黒い奴が雄二じゃったとは…

結構なケガをしてるかもしれんじゃと?

そういえば今日は明久を見とらんのぅ…

結花もじゃが…

後で源二に聞いてみるとするかの…

 

 

休み時間になり秀吉は

源二のクラスへ

 

「源二はおるかの?」

 

「秀吉か!なんか用かい?」

 

「昨日明久は帰ったかの?」

 

「ん…ああ…だが

何があったのかは分からんが…重症だ…

しばらく来れそうにない」

 

「それは本当かの?」

 

重症じゃと?雄二と明久はどんな戦いを…

 

「ああ…胸の辺りに大きな

火傷やアザがあった…」

 

雄二は何をしたんじゃ?

 

「なんと…ところで結花は

どうなったのじゃ?」

 

「予感が的中したよ…

嫌な予感もね…

結花さんはしばらく休むらしい」

 

「そうか…」

 

嫌な予感も?これは…

聞かない方がいいんじゃろうか…

それより…

 

「話を戻すが…

昨日明久が戦った相手は

多分雄二じゃ…

雄二も明久と戦って脇腹を痛めておる」

 

「それは…本当かい?」

 

源二はビックリしていた

 

「うむ…じゃが姉上とワシが

オルフェノクになった

明久に助けてもらったから倒さないで

って姉上がお願いしての…

そしたらアイツに悪いことをした…

と悔やんでおった…」

 

「でも雄二はどうやって明久と?」

 

「なんというか…

大きめのベルトを巻いて

黒いアーマースーツみたいのを

着けておったのぅ…」

 

「そうなのか?

んっ?もしかしてあの時の ボソッ

雄二はそのオルフェノクが

明久だと知っているのかい?」

 

「いや…知らないみたいじゃ…

もちろん姉上もじゃが…」

 

「そうか…お互い知らないつもりで

戦っていた相手が親友とはな…」

 

「そうじゃの…雄二はまだ正体を

バラしてもいいと思うんじゃが…

明久の場合は難しいじゃろう?

明久が正体をバラせないのなら

今度は明久から

雄二にぶつかる可能性も…」

 

「まあ…なんとか

雄二と明久に話してみるさ…」

 

秀吉SideOut

 

源二Side

 

源二は放課後

雄二に会いに来ていた

 

「雄二はいるかい?」

 

「んっ?どうしたんだ源二?」

 

「ちょっと話があってね…

屋上へ行かないか?」

 

痛そうに立ち上がる雄二

 

「まあいいんだが…二人でか?」

 

なんだろう…

前もこのやり取りをやった気がする…

 

「そうだが…」

 

「お前…ひょっとしてコレなのか?」

 

「違うよ!君といい明久といい

なんなの!?流行ってるのそれ?

結構真面目な話なんだよ」

 

「すまない冗談だ!

明久も言ってたのかよ」苦笑

 

「とりあえずいいかい?」

 

「ああ…まあいいが…階段が辛いな」

 

「すまない…」

 

 

「で…話ってなんだ?」

 

「君はベルトを持ってるかい?」

 

「……………これか?」

 

「違うよ!もっと大きいやつだよ」

 

「………ああ…持ってるがまさか…

お前もベルトを狙って?」

 

「?……何を言ってるんだ?」

 

源二SideOut

 

雄二Side

 

一瞬ベルトを狙ってると

思ったじゃねえか…

今持ってきてねぇし

あのオルフェノクが変身した

ファイズを瞬殺した

あの時のオルフェノクかもしれない

源二にただですら昨日の奴との

戦いでケガしてるってのに

全く勝てる気がしねぇからな…

一応確認しとくか…

 

「お前はあの時、

俺達を助けたオルフェノクなのか?」

 

「なっ…やはり見られていたのか?」

 

「いや…俺と啓太郎はシルエットしか

見えなかったが

翔子が少し見えてたらしい…」

 

「なるほどね…だからあの時

俺に警戒してたのか」

 

「ああ…そうだ…

だがこういう話を

しにきたわけじゃないんだろう?」

 

「ああ!君は脇腹を

痛めてるようだけど

昨日誰かと戦ったかい?」

 

「ああ…馬みたいな奴と戦ったが?」

 

「君はまた彼と戦うのかい?」

 

確か優子と秀吉は

アイツに助けられたんだよな…

だったらもうアイツとは

戦わなくてもいいんじゃないか?

 

「……いや…俺が戦うとしたら

人を襲おうとしてるやつだけだ

お前みたいに

人を助けるようなやつには

手を出さないつもりだ…

アイツには優子と秀吉が助けられたらしいし

俺はアイツが優子と秀吉を

襲おうとしてるように見えて

勘違いしてただけなんだ

出来るなら謝りたい…」

 

「そうか…分かった…

俺からそう伝えておこう」

 

「なっ…知り合いなのか?

会わせてくれねぇか?

面と向かって謝りたいんだ!」

 

「いや…彼は今重症でな…

代わりに伝えておくよ!

君が勘違いして

戦ってしまったってね…

謝ってたってちゃんと伝えるさ」

 

「重症って…やっぱりか…

本当に悪いことしちまったな…

じゃあ悪いが代わりに伝えてくれ

よろしく頼む…」

 

「ああ…分かった!」

 

そういえば…明久のやつ見てねぇな…

また学校に来て補修室とかで勉強したり

観察処分者の

仕事したりしてるって聞いたが…

 

「そういえば明久は今日来てないのか?」

 

「あっ!?ああ!明久は

風邪をこじらせたらしくて

今日は休むらしい」

 

「風邪だと?あのバカがか?」

 

雄二SideOut

 

明久Side

 

「ぶえっくしょいっ うぁああ痛い~!?」

 

「明久君どうしたんですか?」

 

「誰かが僕をバカにしながら

話をしてる気がするんだ… うぐっ…

こんな時にやめて欲しいよ…」

 

「???」

 

明久SideOut

 

源二Side

 

「アハハ…前の勉強会で

頭良くなったんじゃないかな?」

 

「でもなんで俺や啓太郎、

秀吉や康太じゃなく

お前に連絡するんだ?」

 

「まあ…たまたまじゃないか?」

 

昨日の相手が明久で雄二が明久に

大ケガを負わせたなんて…

言えない…彼もオルフェノクである事は

出来るだけ隠しておきたいはずだ…

 

「なんか納得いかんが…

まあとにかくアイツには

頭良くなってもらわないと

勉強会した意味が無いんだがな…

あとの計画に響く…」

 

「計画?」

 

「ああ…アイツは

ただですらバカなのに

入院生活が長かっただろう?

それに2週間も

どこに行ってたんだか分からんが

学校に来るのが遅すぎる

だからFクラスは確定だ」

 

「まあ…そうだな…」

 

「Fクラスには多分島田が行くはずだ…」

 

「島田さんには何となく警戒してるが

島田さんは明久に何をしてるんだ?」

 

「ああ…それはな…」

 

雄二事情説明中

 

「そんな?島田さんはともかく

姫路さんは何をしている?

明久が避けられなかったら

死んでもおかしくないじゃないか…」

 

「アイツは勉強出来るだけで

頭おかしいんだ…

とにかく島田と同じクラスのままに

しておくわけにはいかない

だから俺達は1度明久と一緒に

Fクラスに行くつもりだ!」

 

「どうしてだ?

Fクラスは最低クラスで

君達だけで下克上なんて

厳しいと思うが?

それに勝ったら勝ったで

クラスメイトは変わらないはずだろ?」

 

「その辺はちゃんと考えてある

その為に俺達も勉強は

明久が事故に遭った日以来

勉強会を開いたりして

相当してるんだ!

源二お前も来るか?

Aクラスに勝てたら学園長に

再度振り分け試験を

頼むつもりなんだが…」

 

「なるほど…振り分け試験なら

明久が勉強さえすれば

クラスメイトは変わるだろうな

いや…俺は止めとくよ…

Fクラスにだけは入らない為に

今まで勉強してたんだ…

もし君達と一緒にAクラスに勝って

上のクラスに行けたら

嬉しいではあるが

俺は別に設備がひどくなければ

普通の教室でも充分だからな」

 

「そうか…それは残念だな…」苦笑

 

「ああ…だが誘ってくれてありがとう」

 

「お前も俺達の立派な友達だ!

誘うのは当たり前だ」

 

「友達か…

俺は…オルフェノクなんだぞ?」

 

「お前は俺達を襲う気なのか?

助けてくれたから信用しようと

思ってるんだが…

勉強会やパーティでは

そんな気ありそうには見えなかったが!?」

 

「助けたのなんてたまたまさ…

人が襲われてたから助けただけだ

あの時は楽しかった…

襲う気になんてなれないし

襲う理由もない…」

 

「人を助けようとするやつに

悪いやつはいない

お前がオルフェノクだからって関係ない

お前はもう俺達の友達だ!」

 

「ああ…だな」

 

なんか明久に会って

いろいろと救われてる気がする

こんな俺が化け物って知っても

友達と呼んでくれるのなんて

明久や結花さんぐらいかと

思ってたんだがな

 

「じゃあそろそろ帰るか!」

 

源二SideOut

 

Open your eyes the next Faizφ

 

 

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