第27話 後悔と電話と振り分け試験
源二Side
帰ってきて早々泣いていた結花に
事情を聞いた源二
「そうか…明久がそんな事を…」
「優子さんは…
明久君が眠っている間
ずっと辛そうでした。
多分、付き合いの長い
雄二君達よりも…
多分優子さんが
一番心配していたと思います…
優子さんは明久君が
好きなんだと思う…
両想いだと思うんです。
でも明久君は…
優子さんが好きなのに
逃げようとしてる…」
「これは…難しいな…
明久の正体を知った優子さんが
どう思うのかは知らないが…
陽向ちゃんや雄二は
オルフェノクである俺を
受け入れてくれた…
だから優子さんが
明久を避けない
可能性もあるとは思うが…」
「陽向ちゃんと
雄二君は知ってるんですか?」
結花は驚く
「ああ…
あと翔子さんと啓太郎も
知ってはいるが…
まだ信用されている
訳ではないみたいだ…
とにかく明久は
化け物なんかじゃない!
これだけは言える!
明久と違って
俺は1度過ちを犯したからな…
これは雄二達は知らないが…
俺は化け物と言われても否定できない」
「明久君は
これからどうするんでしょう?
優子さんを避けるなんて
考えたりしないでしょうか!?」
「分からない…
ただあの二人には
辛い思いはさせたくないな…」
「そうですね…」
源二SideOut
明久Side
『 優子さんは普通の人間と
幸せになるべきなんだ…』
とか言ったけどさ…
「なんで言っちゃったんだろ…」
あんな事言えば余計に
辛くなってくるよ
僕は優子さんを好きなまま
僕以外の人との
幸せを見守るだけなんて…
回想
明久と優子が出会う前
優子はたまに図書館で
勉強したりしていた
『アレは秀吉?
………違う…お姉さんの方か』
綺麗だな~…
それに放課後なのに
図書館で勉強なんて凄いよね
いつもテストは学年上位だし
僕とは正反対だからなんか
話かけづらいな…
明久の中では成績優秀で
勉強ばかりしている
話かけづらい美少女という
イメージが付いていた
話しかけたら
観察処分者が私に何か用かしら?
とか言ってきそうで近寄りにくいな…
だがそれは違った
事故が起きる前
優子は明久の隣に座っても
嫌がるそぶりも見せず
バカにもしない
秀吉の演技を見ると
良い演技が出来た弟に
カッコいいと称賛を送る
優子さんって
なんかイメージと全然違うな…
っていうか…タイプかも…
秀吉にからかわれている明久に
『はいはい吉井君泣かないの、
はいティッシュ 』
優子さんって勉強も出来て
弟にも優しくて
周りに気を使えて…
イメージとは全然違ったな
今まで僕の周りにいた女子は
事あるごとに暴力を振るってきた
心配かけたからお仕置き(暴力)など
意味不明な事を言う
心配かけたから
奢ってとかぐらいが妥当じゃないの?
それから優子の趣味を知ったが
そんな事は関係ない
優子の優しさに
気づかない内に
惚れていたのかもしれない
それから事故で眠っていた明久を
優子が一番心配していたと
秀吉や鉄人から聞いた明久は
申し訳ない気持ちもあったが
とても嬉しかったのだ
そして再会した日のこと
自分の為に心配してくれて
自分のせいでと号泣する優子
優子のせいじゃないからと頭を撫でて
慰めようとする明久
見返りは
心配かけたからって暴力も振るわない
奢ってとも言わない
ただ思う存分
明久に抱きついて気がすむまで
泣くだけだった
そんな優子を見て自分の為にこんなに
泣いてくれる
本当に優しい人なんだなと思う一方
抱きついて自分の為に泣いてくれる
優子の体温は
暖かく安心してドキドキしていた…
でも自分は化け物だし…
いつかバレて避けられるのは嫌だ
この時から薄々思っていたことだ
回想終了
あの夢を見て余計に
避けられるのが怖くなった明久
「ぐすっ…
なんでこうなっちゃったのかな…」
『コンコンッ 明久~話があるんだが!』
「ゴメン!
ちょっと一人になりたい気分なんだ…」
『………そうか…分かった
また今度にしよう』
「ゴメンね!」
・
・
『信じていた未来が崩れ去ろうと…』
優子さんからだ…
「もしもし?」
『明久君?風邪って聞いたけど大丈夫?』
源二が誤魔化してくれたのかな?
「大丈夫だよ…
優子さんも風邪に気を付けてね!
もうちょっとで振り分け試験だし」
『えっ…ええ気を付けるわ
ありがとう明久君!』
「あっうん!せっかく優子さんに
勉強教えてもらったのに
また休んじゃってゴメンね?」
『まあ風邪なら仕方ないわよ
ただの風邪で良かったわ…』
「どうかしたの?」
『ちょっと変な夢見ちゃって…』
「そうなんだ…」
『また明久君がアタシの
前から居なくなる夢…』
「っ?」
『ただの風邪で良かったわ…
もう…いなくならないでね…ぐすっ』
「泣い…てるの…?」
『ゴメンなさい…
お大事に』ツーッツーッ…
「うぅっ…そんな事言われたら…
余計に…」
それから明久は
布団にくるまり声を圧し殺して泣いた
・
・
・
翌日
学校近くで化け物が出たと大騒ぎ
だったらしい
緊急集会も行われ
寄り道しないですぐに
帰らせるようにと
部活の生徒には出来るだけ車で
迎えに来るようにとの連絡が
保護者達に回った
それから4日が過ぎ
ベッドで休んでいただけだというのに
痛みは無くなり火傷の跡は消えた
明久達はリビングの
テーブルで話をしていた
「明日から振り分け試験か」
「私はまだ行けそうにありません…」
「そうなんだ…
Fクラスになっちゃうよ?」
「仕方ないですよ…
前みたいに暴走しちゃまずいですから
もうちょっと休んでおきます…」
「まだ慣れてないのかい?」
「一応慣れましたけど…
まだ用心した方が
いいかと思いまして…」
「まあ…
その方がいいかもしれんが…」
「それにFクラスには
明久君や秀吉君達が
いると思いますから大丈夫ですよ!」
「秀吉達?って事は雄二も?
勉強会して頭よくなったんじゃ…」
「明久君一人を
島田さんと同じクラスにするのは
不安だから…とか言ってましたよ」
「まっ…まあ確かにそれは怖いね…」
「明久君は結局ケガで
学校行ってませんけど
春休みは
覚悟しておいた方がよさそうですよ?」
「覚悟っ?結花さん…僕に何する気?」
「私じゃありません!
そうですね…
勉強会漬けになると思います。」
「えぇっ?せっかくの春休みを
勉強会漬けにされるだと?
これはわざと
風邪を引くために水風呂に…」
「優子さんも来ると思いますよ」
「と思っていたけど
みんなで勉強するのも
結構楽しかったし
たまにはいいかな!」
「はぁー…
君は結局どうなりたいんだ…」
「本当ですね…はぁ」
「なんで二人とも
ため息吐いてるのさ?」
「いや…なんでもない…
そういえば明久!
秀吉から聞いたんだが
あの火傷は
誰かと戦って出来たんだろう?」
「そうなんですか?」
「うんっ!そうなんだよ」
明久事情説明中
「実はな…
その黒い奴と最近知り合ってな…
君が優子さん達を
襲おうとしてるって
勘違いしてしまったらしいんだ」
「えっ?そうなの?」
「ああ…だから
謝っといてくれって頼まれたんだ」
「そうなんだ…
まあそれならしょうがないよね…」
「許すのか?」
「だって僕化け物だから
勘違いされても仕方ないと思うし…
あの黒い奴はどっちかといえば
正義のヒーローっぽかったし」
「そうか…
まあ許すと言っていたと
伝えておこう!
だがな…明久!
君は化け物じゃないぞ!?」
「……………」
「そうですよ明久君!」
「明日早いしそろそろ眠ろうよ!」
「明久…」
「とりあえず先におやすみ~!」
「おやすみなさい…」
「おやすみ…」
明久は自分の部屋に入り眠りについた
「「はぁ…」」
そして翌日
振り分け試験にやってきた
明久と源二
「おはようございます鉄人」
「おはようございます鉄…西村先生」
「コラ吉井っ!
久し振りに見たと思ったら…
鉄人と呼ぶな!
それと平賀は…
鉄人と呼びそうにならなかったか?」
「明久が鉄人と呼ぶから悪いんです!
明久が鉄人と言わなければ
普通に西村先生と…」
「よし!吉井には試験後に
補修をしてやろうか?」
「源二!君は一体
僕になんの恨みがあるんだ!?」
「アハハっ…
まあ俺は違う教室だから先に行くよ」
「あっ!?逃げないでよ源二」
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「それでは振り分け試験を始めます」
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数学とかは全然無理だったけど
日本史ならなんとかいける…
1教科でも高い点数取らないと
教えてくれた優子さんに悪いしね…
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やっぱ今日は日本史しか出来なかったな…
明日も一応頑張ってみよ!
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「ハァ…ハァ…」ドタンッ
んっ!?誰か倒れた!?
でも今は試験中だし…
優子さんに教えてもらったとこ
いっぱい出てるから…
「姫路さんどうかしましたか?」
「はい…ハァ…
少し熱っぽくて…」ジーッ
「そうですか…困りましたね
無得点になりますがよろしいですか?」
「はい…」ジーッ
なんか視線を感じる…
「分かりました
とりあえず保健室に
行ってきて下さい。
すいませんが
私は生徒がカンニングしないように
見張ってなければいけないので…」
「はい…分かりました…」ジーッ
まあ仕事だししょうがないよね…
でも…
「すいません!」
「吉井君?どうしましたか?」
「空いている先生とか
見回りの先生とかいないんですか?
さすがに一人じゃキツいかと…」
「そうですね…
その先生に頼みましょうか!」
「吉井君?人が倒れたんですよ?
吉井君なら他の人に任せず率先して
私を運んでくれる筈です!」
「姫路さん?僕は試験中なんだよ?
って痛い!?腕を掴まないでよ」
「そんなの関係ありません!
吉井君はどうせFクラスですから
私を運んで下さい!
じゃないとお仕置きします。」
「なんでそんな事
姫路さんに
決められないといけないの?
なんでお仕置きされないと
いけないの?」
「姫路さんに吉井君
私語はカンニングになりますよ!」
「姫路っテメェのせいで
明久がカンニング扱い
されたじゃねぇか!
それに意外に元気そうだな
もう一人で保健室行ってこいよ」
「雄二?」
「坂本君は関係ないじゃないですか!?」
「はぁ坂本君…
とにかく姫路さんは
一人で行けますね?
周りを巻き込まないで下さい」
「……………」
教室は嫌な空気に包まれた
「なんで…吉井君が悪いんです」ボソッ
姫路は教室から出ていった
「他の皆さんは試験を
続けて下さい!
吉井君と坂本君には
申し訳ありませんが…
この時間のテストは
無得点でよろしいですか?」
「「はい…
迷惑かけてすいませんでした…」」
「本当ならここで
全教科ダメになるところですが
思わぬ事故が発生したので
試験が終わった後に
この教室にいる皆さんに質問して
皆さんがいいと言うのでしたら
特別にこの時間の教科だけ
無得点に出来るように教師達に
交渉してみましょう」
「はい…」
・
・
・
「「皆さん試験中に
騒がしくしてすいませんでした…」」
一同「気にしないでくれ
事故だしな…」
「「ありがとうございます」」ペコリ
明久SideOut
姫路Side
保健室に一人で行き
ベッドで休んでいる姫路は…
せっかく水風呂に入って
わざと風邪を引いて
二人きりになって
今までどこにいたのかとか
木下さんにいやらしいことした
お仕置きとか
あの化け物を連れた女の人と
何をしていたのかとか
聞きたい事があったのに…
とても寒い思いをして
水風呂に入った努力が
あの先生や坂本君のせいで
台無しじゃないですか…
ほっとけばよかったものを…
「特に私の計画をいつも
邪魔する坂本雄二君…
アナタはとても邪魔なんですよ!
吉井君は私達だけ見てればいいのに
邪魔ばかりして…」ボソッ
姫路SideOut
Open your eyes the next Faizφ