第47話 秀吉の目醒め…
明久Side
明久は土屋兄妹と合流してバスから降りて啓太郎の家へ向かっていた。
何故なら康太たちの隣の家でオルフェノクによる殺人事件があったのでしばらくの間翔子の家で保護することになっているからだ。
「康兄、心配してくれるのは嬉しいけど1人で無茶しちゃダメだよ?」
「…無茶したつもりはあまりないんだが…まあスマン…」
「本当だよ…愛子さんだって相当心配してるはずだよ?電話してあげなよ!」
「…お前もだぞ…とりあえず電話してみる。」
「さっきかけたよ…」
「…そうか」
康太は歩きながら愛子に電話をかける。
そのタイミングを狙って陽向は話しかけてきた。
「明さん…」
明久に話しかけてくる陽向の顔はとても悲しそうだった。
「あの事故の時に本当は…」
「うん…」
源二が説明したんだろうな…
自分がどうやってオルフェノクになったのか…
そしてどんな人間がオルフェノクになるのか…
アレ?シリアスに心の中で考えてるつもりだけど結構同じ意味じゃない?
「やっぱり、源二さんの話し聞いた時になんかおかしいとは思ってたんですよね。」
「ハハハ…だよね。」
「でも…本当に良かったです…」
「うん…ゴメンね心配かけて」
「謝るなら本当は優子さんに謝ってほしいですけどね。」
「一応謝ったよ!
正体は隠してるけど…」
「まあいいですよ。
私が正体バレないように手伝いますから。」
「ありがとう!
でも陽向ちゃん…あの…」
「えっ?」
「…2人で何を話してる?」
「康兄、ビックリした!愛子さんなんて?」
「…多分寝てるかもな。
何回かけても取らない…」
「そうなんだ…」
「…二人は何を話してた?」
「オルフェノクが来たときの話を明さんにしてたの。
明さん本当に何も知らないみたいだったから。」
「本当に大変だったみたいだね。」
「…大変だったな…」
やっぱり康太も源二の正体を…
それからしばらく経って啓太郎の家に着いた。
優子と話そうとは思っていたが寝ていて起こせなかった。
雄二達の手伝いが終わればまた二人は翔子の家へ向かうらしい。
明久は康太達を見送るとそのまま家へ帰る。
明久SideOut
源二Side
「嘘っ…だろぅ?」
木にもたれるように倒れていた人物を見ながらそう呟いた。
「秀吉…まさか…なんでこんな事に…」
亡き者となった秀吉を見ながらへたりと座り込む源二…
源二が放心状態になって数分が経った時、突然何かが立ち上がる音が聞こえてきた。
「ひで…よし…?」
「うぅ…」
起き上がった人物は秀吉だった。
きっと即死だったのだろう…
さっきまであったはずの秀吉の後頭部の傷は既に塞がっており、立ち上がってくる秀吉の顔にはオルフェノクに変身する直前の模様が浮かび上がる。
そして、オルフェノクの姿に変わり…
「ここは?ワシは…」
掌を見た途端に姿が戻り
『バタン』
意識を失った…
まだダメージが残っていたようだ。
そして倒れる秀吉の頭が地面にぶつかる寸前で源二が支え、おんぶをしてシェアハウスへと向かった。
まさか…とにかく秀吉を運ばないと…
源二SideOut
明久Side
源二が帰ってきた時に話を聞いた明久はとゆうと…
「なんで?秀吉までオルフェノクになっちゃったの?」
「まあ…そうだな…」
「秀吉に何があったのさ?
優子さんになんて言えばいいのさ!?」
そんな話をしている時に秀吉が目を覚ましたようで
後頭部を痛そうに抑えながらリビングにやってきた。
「ここはどこかのう?」
「秀吉君、こ…ここは私たちの家です。」
「むぅ…
その声と顔は結花かのぅ?」
目を覚ましたばかりでまだ寝ぼけているみたいだ。
「はい?」
「何故ワシはここに居るんじゃ?」
「それは…秀吉君が…」
「んっ?なんじゃ?」
「秀吉は事故にあった時の事覚えてないか?」
「覚えておる…」
声はとても怯えていた。
「突然ブレーキが効かなくなって、
カーブを曲がりきれなくてのぅ…」
「その後の事は?」
「全くじゃ…
気づいたらここにおった!」
「秀吉…」
「どうしたんじゃ?」
「ううん…なんでもないよ!
もうちょっと休んできたら!?」
「うむ…じゃがそろそろ帰らないといけんのじゃが…」
「帰るって秀吉、まだフラフラしてるじゃない!」
「もう大丈夫じゃ!」
「ダメです。
酔っぱらいみたいにフラフラしてますよ?」
「そうだよ秀吉!
もう少し休んだ方がいい。」
「じゃあ…もう少しだけ休ませてもらうかの…」
そう言って秀吉は休んでいた部屋に引き返して行った。
「とりあえず外で話さないか?」
「そうですね…」
・
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「それで、どうする?」
「まずは、どう誤魔化すかだよね…」
「バイクはとりあえず隠してきておいた。
たまたま人も車もあまり通らない場所だったんだ。」
「バイクは明日ぐらいに修理に出そうよ!
ってゆーか秀吉帰る気満々だよ?どーするの?」
「あの様子じゃオルフェノクになった事には気づいてないみたいだな…」
「あの声が聞こえたら秀吉君は耐えられるでしょうか?
それにいきなりオルフェノクに変身しちゃったりとかも…」
「ん~秀吉の両親は優しいって聞いたからあの声が出ることは家では無いと思うんだけど…まだ慣れてないから不安だよね…」
「もうちゃんと話すしかないな…
力の扱い方を教えておかないと…」
「そうするしかないね…」
明久SideOut
秀吉Side
秀吉はベッドに横になりながら考え事をしていた。
なぜワシはここに居るんじゃろう…
アレは、確実に死ぬような事故じゃったのに…
そんな事を考えていると結花がオルフェノクになってしまった日のパーティーの時の会話を思い出す。
『じゃあお主らは…そんなっ…明久っ… お主は…あの病院で本当は死んだ…ということなのか? 源二はいつから?』
『俺は中学の時だな…』
『啓太郎はさっき結花さんが階段から落ちた… そして突然耳を塞いで叫んだりしてたって、高熱が下がったのは多分関係ないけど、階段から落ちたって事は打ち所によっては… 死んでもおかしくないよね?』
『オルフェノクになれてなかったら… お主らとはもう話も出来んかったのかっ …? 今日こうしてパーティーを開いて騒ぐことも出来なかったのじゃな…』
そういう事じゃったか…
「痛っ!」
やはりまだ後頭部が痛むのう…
もう少し眠らせてもらおう…
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それから1時間が経った頃…
『夢描いた遠い空は♪』
「う~ん…誰じゃ?」
着信音が鳴り、気だるそうに体を起こして携帯を取る。
う~まだ痛むのう…
後頭部をさすりながら電話に出る。
「もしもし…父上かの?
いやぁーちょっと稽古しすぎて疲れてのぅ、ちょっと休んでおったところなのじゃが…うむ…もしかしたら今日は泊まり込みで稽古するかもしれぬ…うむ…すまぬのぅ!突然決まったのじゃ!」
もちろん嘘である。
「食事や風呂、寝床はあるらしいから大丈夫なのじゃ!着替えも…姉上や母上にも伝えてもらえると助かるのじゃ。
帰るのは多分二日後ぐらいになるかのぅ…
うむ…ではまた。」
電話を切ると
『コンコン、秀吉起きてる?』
「起きとるぞ!」
「入るよ!」
明久と結花と源二の3人が秀吉の休む部屋に入ってきた。
秀吉SideOut
雄二Side
配達を終えて菊地クリーニングに帰ってきた雄二は…
「お前らそろそろ起きろ。
暗くなってきたぞ!」
そう言いながら優子と愛子の肩をゆさゆさ揺さぶると二人は目を覚ました。
「う~ん…」
「ふあぁ~…」
「康太と陽向も来てソファーで休んでるからさっさと行くぞ!優子は家まで送ってやるから。」
「明久君は?明久君はいないの?」
「一応来てたんだが…お前が気持ち良さそうに寝てたから起こせなかったんだろうな。」
「そう…」
「まあ後で電話するんじゃねぇか?」
「うん…」
「とりあえず準備出来たら降りてこい。」
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愛子は康太を見つけるなり抱きついた。
「康太ぐぅん…良かった無事で!」
「…鼻水を拭け…ほらティッシュ。」
「康太君…明久君は?ケガしてなかった?」
「…あぁ…無傷だったぞ!
何が起こっていたのかも分からなかったらしい。」
「はぁ…それなら良かったけど…」
「優子さん達忘れ物無いよね?
だったら行こうよ!」
雄二SideOut
明久Side
事故にあったにも関わらず意外といつも通りの表情で入ってくる3人を見る秀吉。
「それでなんじゃ?」
とりあえず今日は帰さないようにしないと…
3人とも沈黙になる。
誰かが言うのを待っているようだ。
しばらくすると源二が言いにくそうに口を開いた。
「まあその…話したい事があるんだけど…」
「ワシがオルフェノクになったという話しかの?」
「気づいてたんですか?」
「まあ休んでる時にお主らとの会話を思い出してのぅ…」
秀吉は平気そうな顔してるけど…
自分があんな化物になったって知って怖くないのかな?
それにあの声も…
「変な声とかは聞こえない?」
「変な声?う~ん…全くじゃ!」
「それならいいんだけどさ…
秀吉はこれから帰るの?」
「いや…父上に泊まり込みの稽古をするとか適当に言っといたのじゃ…」
「良かった…力の使い方を覚えてもらわないと困るからね…
家で突然変身したりしたら大変でしょ!?」
「まあそうじゃな…今日は、いや二日ぐらいは泊まらせてもらおうかの!」
「分かった。
とりあえずお腹空いてない?」
明久にそう聞かれて秀吉のお腹が勢いよく鳴った。
「とりあえず食事をしてからだね。」
明久SideOut
Open your eyes the next Faizφ
秀吉の着信音
分かる人いますかね?
こっから先…かなり難しいですが…頑張ります。