バカと人間とオルフェノク   作:成龍

5 / 59
第4話 寝不足と疲労と新たなベルト

雄二Side

 

手術室のランプが消え

医者が一人出てきた…

 

「我々も最善の

手を尽くしているのですが…

脳への損傷が酷く…

意識はまだ戻りそうにありません…

最悪の場合もあり得るでしょう…」

 

嘘だろ!?

 

「そんな…嘘よね!?吉井君が?」

 

そういえば木下姉はやけに

明久を心配してるが

なんかあったのか!?

 

「なんで明久ばかりが

こんな目に遭うんじゃ…

いつも人の為に動いている明久が…

なんでじゃ?なんでなんじゃ」涙

 

秀吉は悔しそうに呟いている

 

「それと…

吉井君の骨の状態なのですが

奇跡的に頭蓋骨以外での骨折は

右腕だけでした…ですが…

日常的に酷い拷問でも

受けているのでしょうか?

まるで激戦地で拷問を受けている

捕虜のような…そんな状態です。

…心当たりは!?」

 

「…島田」ギリッ

 

康太は静かに怒りを込めながら呟いた…

その時また医者が一人出てきた

 

「アンタ達

こんな夜遅くまで何してるさね!?

さっさと帰んな!クソジャリ共」

 

なんだ?この口の悪いクソババア

 

「何だと!?」

 

あっ?なんかこのクソババア

見たことある気がする…

 

「心配なのは分かるが…

こんな時間までいていいのは

家族だけだよ!!未成年はさっさと帰んな!

吉井はまだ面会謝絶だがガラス越しに

様子が見える部屋に移しとくさね!

アンタ達は家に帰って

寝るなり祈るなりしときな

分かったかい?クソジャリ共」

 

「チっ!分かった

帰るよクソババア」ドガッ

 

雄二は悔しそうに壁を蹴った

 

こうして俺達は渋々各々の家に帰っていった…

 

「口の悪いクソガキさね」

 

雄二SideOut

 

翌日みんな明久が心配で眠れなかったらしい

目に隈を作って登校していた

 

「…雄二、啓太郎おはよう」

 

「康君おはよう…」

 

「おう康太やっぱお前も眠れなかったのか」

 

「…ああ今日は病院行くのか?」

 

「ああ…まあそのつもりだ…」

 

「雄二、啓太郎に康太よ

おはようなのじゃ…」

 

「…」

 

「秀ちゃんおはよう…」

 

「秀吉に木下姉か…おはよう…

お前も眠れなかったのか…

木下姉は…大丈夫か?」

 

「うむ…いつ明久の容態が悪くなるか

分からんからの…

今日は病院に行くつもりじゃ」

 

「…」

 

「…秀吉も行くのか…一緒に行くか?」

 

「そうじゃの姉上!?姉上ー!」

 

「……………はっ!何?」

 

「姉上も一緒に病院に行くかの?」

 

「えっ?ええ…そうさせてもらうわ…」

 

「………雄二、優子、啓太郎、

木下、土屋おはよう」

 

一同「おはよう」

 

「翔子か…今朝は珍しく家に来なかったな」

 

「……吉井が心配で…

あとあの化け物の事…ボソッ」

 

「ああ確かにな…」

 

「坂本、霧島、菊池、

木下姉弟、土屋!?

こりゃ珍しい組み合わせだな!?

おはよう」

 

各々が明久の事や化け物の事を

考えながら学校の門を通りすぎ

 

「お前達…俺の挨拶を

無視とは良い度胸だな」

 

「ああ鉄人かおはよう」

 

「坂本、鉄人と呼ぶな!

お前らその目の下の隈はなんだ?

みんなで遅くまで

遊んでた訳じゃあるまいな?

吉井はどうした?」

 

「明久は…」

 

一同「…」

 

「何があったかは知らんが

早めに教室に行けよ?」

 

「…分か『りました』った

『のじゃ』は~い」

 

こうして各々の教室に向かった…

 

教室に着くと長田はいたが…

島田と姫路は休んでいた

 

長田は俺達に軽くコクンと頷いて

挨拶をしていた…

 

それから…

 

「坂本!坂本~お~い坂本~?」

 

「…………なんだ?」

 

「ここの問題解けるか?」

 

「すいませんボ~っとしてて…

分からないです」

 

「そうか…じゃあ須川」

 

「私は女の子にモテたいです」

 

「須川!フザケてんのか?」

 

「えっ?違うの?」

 

「「「「ハハハ」」」」

 

「先生…ちょっと

トイレに行ってきてもよいかの?」

 

「…先生、頭がフラフラするので

保健室に行ってもよろしいですか?」

 

「先生、俺も保健…」バタンッ

 

「「「「…(坂本)雄二『雄君』?」」」」

 

さすがに昨日アレを

楽勝で倒したとはいえ疲れが…

 

雄二Side

 

目が覚めると俺はベッドに

寝かされていた…

隣のベッドでは康太が寝ている

ああ俺は倒れたのか…

もう少し寝かせてもらおう…

 

雄二SideOut

 

康太Side

 

目が覚めると

愛子が熱を測っていた

 

「…愛子…何をしている?」

 

「えっ?熱を測ってただけだけど?」

 

「…そういうのは止めろ

…俺の生命に関わる…」

 

「康太君ってば早く慣れてよもう…」

 

「…それに今日はただの仮病だ!必要無い」

 

「仮病って…優子や翔子も

なんかポ~ッとしてたけど

何か関係あるのカナ?」

 

そうか…愛子は昨日いなかったな…

 

「…ああそうだ

…関係はある明久関係のな…」

 

「えっ?明久君?何かあったの?」

 

「…今日部活はあるか?」

 

「今日は無いけど…」

 

「じゃあ放課後俺達と来るか?」

 

「どこにかは分からないけど

…行くよ!じゃあボクは

授業に行ってくるね!」

 

「…また放課後な」

 

康太SideOut

 

愛子Side

 

「ねぇ…みんな…今日は

どこへ行くのカナ?」

 

おかしい…みんなはただ黙々と

目的地に向かって歩いている

なんか…重い…これはボクも

黙ってついて行った方がいいカナ?

今向かってるとこは…病院?

また何か無茶やらかしたのかな!?

でも無茶やらかしただけなら

もっと騒がしいはず…

こんな重たい空気にはなっていないよネ…

 

愛子SideOut

 

雄二Side

 

そして放課後

 

雄二と啓太郎に翔子、康太、

工藤、木下姉弟、が明久の病室に訪れた

 

『ピッピッピッピ♪』という

心電計の音が聞こえる

 

明久には呼吸器やら点滴やらが

打たれていた…

 

「アッ君…」

 

啓太郎は今日ずっとこの調子だ…

 

「これじゃまだまだ

目を覚ましそうにねぇな…」

 

「そうね…はぁ…吉井君…」

 

木下姉が心配してくれるのは

ありがたいが本当に何が?

明久とは昨日しか

接点が無かったはずだが…

まさか明久に惚れたか?

 

心の中でニヤニヤする雄二

 

「はっ…明久君?なんでこんな

…一体何があったの?」

そうか…工藤は

昨日いなかったんだったな…

 

…事情説明中…

 

「なんで明久君がこんな…酷いよ…

確かに高校に入ってからは

観察処分者のバカの肩書きは持ってる

…けどそれも人の為だったんでしょ?

…なんでこんな グスッ」泣

 

工藤が泣き出してしまった…

 

「工藤…」

 

すると康太が工藤を

抱き締め頭を撫でていた

 

「…愛子、泣きたいのは

俺達も同じなんだ…

今は祈っていてくれ…

明久の為に泣いてくれてありがとな…」

ああ本当にありがとな工藤、

俺も心からそう思う

 

数分後…

 

「のう?雄二よ!

明久の件とは関係無いんじゃが

お主が倒れるとは珍しいのう!?

貧血…で倒れたという感じでは

なさそうじゃしのう…」

 

疲労で倒れたのがバレたか…?

そういや昨日の奴の件忘れてたぜ

コイツらの安全の為にも

あまり長居はさせられないな…

 

「ああまあな…

島田達との言い合いとかでも

疲れたからな…」

 

「そうかの…」

 

「……みんな今日は

6時30分には帰る…

あまり長居するのもあれだから…」

 

「…分かった『わ』『のじゃ』」

 

「最近この辺は物騒だからな…

早めに帰るに越した事は無い」

 

「そういえば最近灰色の怪物が

人を襲ってるって都市伝説が

流行ってるよネ」

 

「「っ!?」」

 

俺と翔子は驚いていた

 

「しかも牛みたいな

角を持ったのとか

象みたいな鼻を持ったのとか

いろいろいるらしいヨ♪」

 

「工藤!それは本当か?

大体どの辺でだ?」ガシッ

 

「ちょっと雄二君痛いよ…」

 

康太に睨まれた…かなり怖い…

 

「あっ…ああスマン悪かった」

 

「うぅ…許すよ」

 

工藤も軽く睨みながら言った

 

「この町での目撃例が多いみたいヨ」

 

「「っ!」」

 

昨日のアイツだけじゃないって事かよ??

これはまた戦うことになりそうだな…

 

「雄君と翔子ちゃん

ヤケに反応するみたいだけど

見たことあるの!?」

 

クソっ啓太郎に気づかれた…

なんとかごまかさなければ!

 

「……ただの都市伝説っ」

 

「えっ?でも翔…「……ただの都市伝説」

でも「ああ!ただの都市伝説だ」っ!!?」

 

スマン工藤

 

「…灰色の怪物………?」

 

康太はなぜかこの話を聞いて

頭を抱えている

 

それからしばらくして

俺と翔子はみんなを送りながら帰った

 

翌日鉄人が事情を察して

 

「昨日挨拶を無視した件だがな…

事情を知って俺も

人の話が耳に入らなくなるほど

考え込んでしまった…

まあお前らが心配する気持ちは分かる…

アイツはバカだが人間としては立派だ!

ああいうバカは嫌いじゃない…

たまに一緒に見舞いに行ってもいいか?

お前らと一緒にアイツの回復を祈りたい」

 

鉄人そこまで考え込んでたのか…

本当にこういうとこは尊敬できるな

みんなの答えは…

 

一同「もちろん」

 

それから二ヶ月

ほぼ行ける時にはほぼ全員で病室に通った…

いつの間にか秀吉と長田が

仲良くなっており長田も一緒に

行動するようになった

木下姉は日に日に元気が無くなっている

試験の順位も下がってきているらしい

たまに姫路や島田が

病室に来ていたが不愉快なので追い払った

そんなこんなで約二ヶ月の間は

奇跡的に化け物と遭遇はしなかったのだが

明久の容態に異変が起きた…

 

雄二SideOut

 

?Side

 

いつものように病院から帰る

木下姉弟 土屋夫妻

「…夫妻じゃない」の後を

追うものがいたが何者かに足止めされた…

 

「なんだお前!」シュオーウ

 

「全く…ウチの生徒に

近づくんじゃないよっ」

 

《Standing by》

 

雄二のとは違い少し呪われたような

不気味な音声が流れた

 

「変身」

 

《Complete》

 

「アンタの相手は私さね」

 

「なにっ?」

 

オレンジの光ラインの入った

アーマーを着た人物がそういうと

蹴りで生徒から離れさせるように

オルフェノクをふっ飛ばし…

 

オレンジに光る剣に

携帯から取り出した何かを

スライドさせて差し込み…

 

『バキュン』

 

オルフェノクの体に

光の網のようなものが張られ

 

『ピッ』

 

《Ready》

 

《Exceed charge》

 

「なんだ?動けない」

 

「ハァ」

 

腰を低く剣を構えた

アーマーの人物は走り出した

オレンジラインのアーマーの人物は

網に吸い込まれるように入っていき

いつの間にかオルフェノクの

後ろに立っていた

 

化け物の体にはオレンジのXマークが刻まれ

 

「グアァっ」χ

 

青く燃えて灰に変わった

 

変身を解いた人物は

 

「私も出来る限りの手は尽くした…

死ぬか目醒めるかはあの子次第さね…」

 

?SideOut

 

Open your eyes the next Faizφ

 

予告

でもアタシのせいで…

アタシが吉井君を

隣に座らせずに避けていれば…

あの二人は吉井君に

暴力振るわなかったはずだし…

 

……優子は悪くない悪いのはあの二人

 

先生患者の容態がっ

 

せめていつも様子を

見に来てくれている彼らの為にも…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。