バカと人間とオルフェノク   作:成龍

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第52話 勘違いと姉の温もり

 

啓太郎Side

 

雄君…結局ずっと休んでたけど

やっぱなんかあったのかな?

なんか疲れた顔してたし…

 

そんな事を考えながら啓太郎は、

 

『ピンポーン』

 

この日、一番最初の配達場所のチャイムを鳴らした。

 

「はい…って啓太郎…君?」

 

なんで結花さんの家に源二君がいるの?

 

「啓太郎…ハッ」

 

突然源二は携帯を取り誰かにかけてコソコソ話していた。

 

まさかこの二人付き合ってるんじゃ…洗濯物の中に男物も混ざってたし…

 

「啓太郎君どうしたの?」

 

「いや…洗濯物を取りに来たんだけど…なんで源二君が結花さんの家にいるの?」

 

「そ…それはだな…」

 

「家がたまたま近所だったので

ご飯作りすぎちゃったから呼んだんですよ!」

 

嘘くさいな…んっ?この匂いは…

パエリア?

 

「アッ君もここにいるの?」

 

「えっ?いないですよ!」

 

「でもこの匂いアッ君のパエリアの…」

 

「気のせいじゃないかな?次も配達あるんでしょ?急がないと」

 

「そうですよ!これ印鑑と料金です。」

 

「お仕事頑張って下さいね!」

 

啓太郎は笑顔で二人に追い出されてしまった。

 

本当に付き合ってるんじゃ…

 

「はあ…」

 

啓太郎SideOut

 

源二Side

 

「結花さん、マズイよここに明久いるのみんな知らないんだから!」

 

「すいません…」

 

「啓太郎帰った?とりあえずご飯にしようよ」

 

「ああ…」

 

 

「明日から学校かぁ」

 

「そうですね。」

 

「最近学校はどんな感じなの?」

 

「うーん…どんな感じと言われると…なぁ結花さん的にはどんな感じ?」

 

「私ですか?後半はオルフェノクになったあの日から全然行ってないので、うーん雄二君達と仲良くなれたのは良いんだけど…島田さんと姫路さんと仲が悪くなりましたね…熱が出て倒れても無視されたり…」

 

「島田さんと姫路さんかぁ…僕もかなり苦手だな…あの二人は…」

 

「仲悪いとはいえ倒れた人をほったらかすのは無いだろう…」

 

「そうだよね…」

 

「源二はどうなのさ?」

 

「うーん…そういえば変な奴らがいたような気がするな…」

 

「どんな?」

 

「秀吉探してたらな…告白する気か?許せんとか

雄二達が結花さんや優子さん達と行動するのを妬んでたな」

 

「何それ…」

 

「まあ…モテない男の嫉妬ってやつじゃないか?」

 

「私にモテても嬉しくないかと…」

 

「結花さんはレベル高いよね」

 

「あぁ…レベル高いな」

 

「そんなわけないでしょ!もうっ…」

 

 

源二SideOut

 

雄二Side

 

「もしもし明久か?」

 

明久は俺達が源二と出会う前から源二の事を知っていた。

それに源二はアイツらに過去を話していたし結構深い仲なはずだ。

 

『どうしたの?』

 

「源二の事何か知らないか?お前に昔の事とか話していただろ」

 

『やっぱ聞いてたんだね。

どこまで知ってるの?』

 

「それは…アイツがオルフェノクだって事ぐらいはな」

 

『そこまで知ってたんだ…』

 

「ああ…勉強会来なかったりしてただろ?なんか最近様子がおかしくてな」

 

『どんな風におかしいの?』

 

「どんな風にかは分からんが…誰かに脅されているような感じとかなかったか?」

 

『誰かに脅されているっ?』

 

「ああ…」

 

きっとSMART BRAINだ…と明久は考えていた。

 

『とりあえず探ってみるよ。』

 

「明久!」

 

『なに?』

 

「お前に頼ったらろくな事がない!」

 

『どういう事?』

 

「お前にそんな演技とか出来るわけがないだろうが!」

 

『なんだと?誤魔化す程度の演技なら僕にだって出来る!』

 

「じゃあやってみろよ」

 

『源二、悩みない?』

 

「演技する気無いだろ…お前は口出すな。分かったな!切るぞ」

『えっ!?ブツッ…プーップー』

 

雄二SideOut

 

明久Side

 

失礼な奴だ全く。とりあえず僕も気になる事があったから聞いてみることにした。

 

「源二」

 

「今まで何してたの?」

 

「今までって?」

 

「勉強会に来なかった間だよ」

 

「ああ…用事だよ…」

 

「用事?」

 

「家族の墓参りとかに行ったりしてたんだ」

 

「ああ…そっか…」

 

どうしよう…余計に聞きづらい雰囲気になってしまった…やっぱ雄二に任せようかな…

 

「聞きたい事はそれだけか?」

 

「ああ…うん。」

 

「じゃあ明日は早いし…そろそろ寝よう」

 

「そう…だね!寝ようか。」

 

「はい、じゃあ二人ともおやすみなさい。」

 

「結花さんと源二、また明日ね!」

 

「二人ともおやすみ。」

 

3人はそれぞれの部屋に入っていった。

 

 

明久SideOut

 

秀吉Side

 

「姉上…あの…」

 

優子はあの日から元気が無くなっていた。

 

「なに?」

 

「前はすまなかった…」

 

「アタシはね…アンタの事が心配だったの…」

 

「それは分かっておる…」

 

「何があったのよ?教えてよ…」

 

「それは…」

 

「なによ?教えなさいよ…何があったのよ?」

 

「うぐっ…」

 

突然、優子に胸ぐらを掴まれた。

 

「部活も途中で抜け出したらしいじゃない!アンタ事故にあった時何かあったんじゃないの?」

 

「姉上…苦しい…」

 

我にかえり優子は秀吉を離した。

 

「教えてよ…秀吉…何があったのよ…」

 

「分かったのじゃ…」

 

話そうと思った…そしてあの事故の時の事を思い出す。

そして、修理に出した時に言われた事を思い出した…

 

『切れたというよりは切られた』

 

誰かが自分のバイクに細工をした。

それを思い出した。

優子も秀吉が何かを思い出そうとしている表情を見て、見守っていたのだが…

秀吉の顔に模様が浮かび上がった。

優子は何度かその模様が浮かび上がった人間を見たことがある。

 

「姉上…どうしたのじゃ?」

 

「秀吉…アンタ…オルフェノクに…」

 

黙っておったはずなのに何故…

 

鏡を見るとオルフェノクへと姿をかえた自分がいた。

 

「秀吉…秀吉っ…ひぐっ」

 

優子は何故か秀吉を抱き締めた。

 

なぜじゃ?こんな姿のワシを…

 

「アンタの事…誰にも言わない…

だから今まで通りに過ごして!」

 

「なぜじゃ姉上…ワシは化物だというのに!いつか姉上を襲うのかもしれんのじゃぞ?」

 

「襲う?秀吉…アタシを襲うってんならなんか恨みがあるのかなぁ?」

 

「い…いや…無いのじゃが…もしもの話じゃ…」

 

「もしもでもよ…あんた、アタシより強いの何も仕返ししなかったじゃない…本当は悪いと思ってるの…アタシはあんたを弟として愛してる!あんたは何があっても大丈夫!もしもでもその可能性が無いと思ってるの!だから…今まで通りに過ごして欲しいの。」

 

それを聞いた途端、秀吉の変身がとけた。

 

「でも…」

 

「お願い秀吉!」

 

「うぅ…」

 

「今日は一緒に寝よ」

 

結局断りきれなくて秀吉は優子と眠った。

 

「いつか人間とオルフェノクがこんな風に過ごせたらいいのにね…」

 

寝言?いや本音じゃろうな…明久…もしかしたら…人間とオルフェノクが共存できる未来が…

 

そう考えながら秀吉は姉の手の温もりを感じながら眠りに落ちて行った。

 

秀吉SideOut

 

Open your eyes the next Faizφ

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