Black cat 黒猫 Re:   作:三毛子猫

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本作は、自分への挑戦として始めたリレー形式の小説です。
前半はAIによって生成され、後半は私自身が続きを執筆しています。


第三章-5「イヴ登場」&第三章-6《覚悟》

本作は二次創作作品であり、キャラクター設定の一部は以下の作品を参考にしています:

『漫画:矢吹健太朗「BLACK CAT」』、

『ゲーム:Quantic Dream「Detroit: Become Human」』など。

主要な事件の構成は『ネットドラマ「CODE:浮士德遊戲」』に着想を得ています。

 

第三章-5「イヴ登場」

 

廊下の突き当たりの扉が、わずかに開いていた。

 

シャーンは三階へと静かに足を踏み入れ、警戒心を研ぎ澄ませながら足音を殺して進む。短剣はすでにブリーフケースにしまい、素手での探索に切り替えていた。この階には人の気配はなく、だがどこか甘くねっとりとした異臭が漂っていた——清掃用洗剤に腐ったプラスチックを混ぜたような……あるいは気のせいかもしれない。

 

扉の先の部屋は真っ暗で、非常灯が一つだけ、不規則に赤く点滅している。まるで心臓の鼓動のように、不吉な警告のように。

 

「……誰かいるか?」

 

シャーンが一歩足を踏み入れた瞬間、背後のドアが「パタン」と自動的に閉じた。そして、赤い光が消える。

 

真っ暗闇。

 

聞こえるのは——裸足で床を歩く、軽やかな足音。それが左側から近づいてくる。

 

「見つけた──」

 

少女の声だった。優しく、しかし皮膚を切り裂くガラスのような冷たさを含んでいた。

 

次の瞬間、細い金属を裂くような鋭い音が空気を切り裂く。シャーンは反射的に後ろへ跳ねた。銀色の光が、先ほどまで彼が立っていた場所を横切った——それは「腕」だった。

 

その少女の腕は、刀に変わっていた。

 

イヴがそこに立っていた。

 

見た目は十歳ほど。黒いワンピースを着て、裸足。顔には光輪がなく、目には何の感情もない。その手は、かつては玩具を握るためにあったはずだが、今はナノ流体で構成された細長い刃物となり、銀色に鈍く光っていた。

 

「かくれんぼは、私の一番好きな遊び。よく隠れたね──でも、結局見つけちゃった。」

 

彼女はうつむいて微笑む。次の一撃は、ほとんど視認できないほどの速さだった。シャーンは体を捻ってかわしたが、腕に深い切り傷を負い、血が壁に飛び散った。

 

彼は膝をつきながら呼吸を整え、傷口を押さえた。イヴはゆっくりと近づいてくる。刀のようなその腕が、まるで感情に応じて揺れているようだった。

 

「人間は、嘘をつく……捨てる……痛みを与える……だから罰を受けなきゃ。」

 

イヴが刀を突き出した、その瞬間。

 

「もういい、イヴ。」

 

男の声が闇の中から響いた。落ち着いて、上品で、だが一切の情を感じさせない声。

 

トルネオが、黒のスーツを着て、影の中に佇んでいた。両手をポケットに入れ、美術展を鑑賞する紳士のような佇まいで。

 

「このパフォーマンス、もう十分楽しませてもらった。終わりにしよう、子よ。」

 

イヴはまるで命令を受けたように動きを止め、刀の腕が収縮して、人間の手の形に戻る。

 

彼女は振り返り、赤い光の下に立つ男を見つめた。

 

「見つけたよ。」

 

「そうだ。よくやった。」

 

トルネオはイヴに近づき、額にキスをするかのように見せかけて、途中で止まり、髪をそっと撫でただけだった。

 

「芸術とは、純粋な意志から生まれるもの。そしてお前は、このゲームにおける最も純粋な一筆だ。」

 

シャーンは立ち上がろうとするが、膝に力が入らず、また倒れ込む。

 

意識がかすみかけていたが、その目だけは、イヴが消えていった方向を決して離さなかった。

 

「あの少女……どこかで見た……ニュースじゃない、資料でもない……あれは、ある日港で、ほんの一瞬見かけた……あの目を、忘れられるはずがない……」

 

彼は痛みに耐えて歯を食いしばる。

 

「彼女を見つけなきゃ……あんな姿のままでいるべきじゃない……」

 

それは単なる職務感ではなく、微かながら確かな、人間性への贖罪のような執念だった。

 

「お前たちは……何をしようとしているんだ……」

 

「重要ではない。」トルネオが振り返り、霧のようにぼやけた目で彼を見た。「君は標的ではない。あくまで観客にすぎない。」

 

バン——!

 

扉が破られ、トレが銃を構えて飛び込んでくる。

 

だがイヴとトルネオの姿はすでになく、残されていたのは、薄暗がりの中で膝をついているシャーンと、まだ消えぬ血の匂いとプラスチックの焦げたような異臭だった。

 

「……探偵さん!」

 

トレはすぐに駆け寄り、彼の傷口を押さえた。

 

「彼女……あの少女……腕が、刃物に……」

 

「知ってる。」

 

トレは顔を上げ、誰もいない赤い廊下の奥を見つめる。

 

何かが始まった気がした。

 

もう、後戻りできないゲームが——。

 

 

 

第三章-6《覚悟》

 

「ねえ、警察のお兄さん……うっ!」

 

シオンは何かを言いたげだったが、トーレは聞く余裕もなく、すぐに止血の処置を始めた。

 

トーレの目の前で、白いスーツがじわじわと赤く染まっていく。裂け目から見える傷口からは絶えず出血していた。彼は素早くポケットから止血帯を取り出し、シオンの腕の傷口から5~8センチ上の位置に巻きつけ、回転棒をきつく締めて出血を止めた。その後、棒を固定し、余ったバンドを締め直し、時間を記入して固定ラベルに貼り付けた。

 

「15分ごとに15秒間緩めること、循環障害を防ぐために。さっさと入口を守ってる警官を探して、病院に搬送してもらえ。」

 

そう言い残し、トーレは立ち上がり、ホルスターからベレッタを取り出し、弾数を確認した。

 

「警察のお兄さん……」

 

「なんだ?」

 

シオンがその場から動かずにいるのを見て、トーレはベレッタをホルスターに戻し、手を差し伸べようとした。だが、シオンは言った。

 

「まさか……あの子に銃を向ける気か?」

 

差し出しかけた手が空中で止まり、そのまま引っ込められた。

 

「そうだとしたら?」

 

トーレは一切の迷いもなく、断言した。

 

「お願いがある……どうか……あの子を傷つけないでくれないか?」

 

シオンはトーレを見上げて言った。

 

「できない約束はしない。あの子には攻撃性と危険性がある。このまま放っておけば、更なる被害が出る。」

 

トーレは彼の視線を受け流し、背を向けようとした——

 

だが、突然シオンに右足を掴まれた。

 

振り返ると、シオンは地に伏しながらも、無理やりトーレを止めようとしていた。

 

「はぁ……」

 

トーレはため息をついた。

 

「理由は?納得できる理由があるなら聞こう。」

 

【回想シーン】

 

ある日、北市の水族館近くの港で散歩していた。

 

どこまでも広がる海は、いつだって心を落ち着かせてくれる。

 

調査局を辞めたのは、つい昨日のことのように思える。あの日、我々は国際詐欺事件の捜査でこの場所を訪れていた。

 

「この事件が終わったら、長期休暇を取って、家族旅行に行く。」

 

お前はそう言っていた。行き先も、日程も、何度も俺に相談してくれていたな。

 

……だが、

 

その旅行の予定が、奥さんと子供にとって、どんな評価になるのか、もう永遠に知ることはできない。

 

シオンはタバコを取り出し、火をつけた。

 

顔向けできない。奥さんにも、お前の子供にも、会わせる顔がない。

 

……情けない男だ。

 

調査局を辞めてから、俺は探偵になった。猫探し、浮気調査、そんな退屈な仕事ばかりだ。

 

お前が見たら、笑うかもしれないな。「本当に役立たずだな」って。

 

そう思いながらタバコを咥えて港を歩いていたとき、ふと、一人の少女が海を見つめて立っていた。

 

金色の長い髪。まるで人形のように整った顔立ち。

 

最初は気にも留めず通り過ぎようとした。だが、彼女がどんどん岸壁の端に近づいているのに気づいた。

 

あと一歩で、海に落ちてしまう——

 

「君、一人かい?」

 

シオンは思わず声をかけた。

 

少女は振り返り、彼を見た。

 

「ううん、おじさんを待ってるの。」

 

「一人でこんなとこにいるのは危ないよ。落ちたら大変だからね。」

 

「どうして落ちたらいけないの?」

 

無邪気なようで、どこか達観した口調だった。

 

「そりゃあ……溺れたら死んじゃうだろう?泳げても危ないんだ。もし港に船が入ってきたら、ぶつかって……」

 

必死に説明するシオン。

 

「死ぬって……悪いことなの?」

 

少女の言葉に、シオンの口から咥えていたタバコが落ちた。

 

「当たり前だ!死んだらもう、二度と会えないんだ……伝えたいことがあっても、もう何もできなくなるんだ!」

 

少女が無言で見つめてきたその瞬間、シオンは声を荒げすぎたことに気づいた。

 

「ごめん、取り乱した。……生きていてほしい。君を愛してくれる人を、悲しませちゃいけない。」

 

「悲しませたら……だめなんだね。」

 

少女は静かに、どこか悲しそうな表情を浮かべた。

 

──「イヴ!イヴ、どこだ!」

 

そのとき、男性の声がした。

 

「ここだよ!」

 

少女は返事をし、走り去った。

 

イヴ——それが彼女の名前。

 

シオンは今でも覚えている。あの日、港で見たあの目、さっきの別れ際に見せた、あの悲しみの表情。

 

──「お前はターゲットじゃない、ただの観客だ。」

 

トルネオがそう言った時、イヴはほんの一瞬、あの時と同じ表情をした。

 

あれは——

 

助けを求める顔だった。

 

俺は……あの子を、救わなきゃいけない。

 

今度お前に会うときに、天国で「本当に情けないな」って、言われないためにも——




この作品を気に入ってくださる方に巡り会えたら嬉しいです。

この事件は、原作でイヴと出会った事件をアレンジしたものです。
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